天祢涼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
具体的なネタバレは避けますが、これを読むより先に(というかレビューは別に読まなくていいので)、本書を読むことをおすすめします。
秋本秀文は死のうとしていた。SEとして働いていた秀文は、仕事での些細な行動がきっかけで先輩の不興を買い、提案書の不当な書き直しや名指しの批判などのパラハラを繰り返され、精神的な限界が来て退職した過去によって、新たに就職活動もまともにできない状態になってしまったのが原因だ。自殺の名所として知られる神社の桜の木で首を吊ろうとした彼は、その木の洞に差し込まれた封筒に気付く。それは〈どうせ死ぬなら殺してみませんか?〉と交換殺人を提案する手紙だった。悩みつつも提案を受け入 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人は信じたいものしか信じない。本当にそうだと思う。自覚していようとなかろうと、そうなってしまう。SNSや切り取り報道を見て、簡単に真実を見誤ってしまう人はたくさんいる。そして、自分が信じているものこそが正しいと、信じている真実を疑わない。そして知らぬ間に人を傷つけ、興味がなくなるとすぐに忘れてしまう。本当の真実を見極めることはとても難しいけれど、真実とは何かを意識することだけは忘れずにいたい。
最後の最後まで、誰がどう事件に関わっているのか分からず、予想外の結末に驚かされた。そして、優璃はとても優しく、強くいようとする女の子だった。 -
Posted by ブクログ
哀しくも美しい子供たちの物語。
殺人、イジメ、子供貧困、裏切り、家庭環境とテーマは限りなく重く悲しいが、ストーリーや表現が巧妙で物語に深く引き込まれる。
冒頭、メインの1人の少女が殺された後の捜査から始まり、その捜査を担当する刑事の現在視点と犯行を自供した少女の過去視点が交錯しながら物語は進む。
物語中盤、メインの少女達が自分達の置かれた立場に悩み、葛藤しながらも希望に向かって生きていく様はまるで青春ドラマのようにも思うほど美しい。
物語の後半、彼女達には何の責任もないにも関わらず、畳み掛けるように不幸が次々と生じ、読者共々どん底に突き落とされる感覚を味わう。
最終盤の展開はミステリー読者であ -
Posted by ブクログ
貧困と虐待がテーマのミステリー。
テーマは置いておいてミステリーとしてはよくあるトリックというか書き方で、同じような話は見たことある気がするけれど普通に騙されてしまった。
あんまりミステリーとして考えすぎずに素直に読むのがおすすめ。
面白いという表現で良いのか微妙だけど、読んでいて続きはかなり気になるし一気に読んでしまうし、一人一人のキャラクターも立っているし普通に話として面白い。
個人的には虐待とか貧困とかは問題なのは分かっているけど、あくまでフィクションとして捉えながら読み、良いものを読んだという感覚。
重めの話が苦手は人は微妙なのかな?
とにかく読んでいて頭がぐにゃぐにゃになる感覚があ