天祢涼のレビュー一覧

  • 彼女はひとり闇の中
    私の求めていた天祢涼作品はまさにコレ。

    途中から抱いていた違和感を最後に全て解消してくれるうえに待ち受けているどんでん返し。
    書風が「ある閉ざされた雪の山荘で」東野圭吾作や「アクロイド殺し」アガサ・クリスティ作に似ていると感じた。

  • 彼女はひとり闇の中
    読者の期待感や好奇心を途切れさせることなく、次々と新しい事実が分かっていく展開に目が離せませんでした。


    また、就職活動や将来のお金に関する若者の悩みもリアルに描かれており、若者にとって共感しながら、そして自分も少し落ち込みながら読み進めることができます。同時に、「自分もこんな偏見で物を見てしまっ...続きを読む
  • あの子の殺人計画
    ネグレクトを受けている少女と警察官の二つの視点で描かれている作品として読み進めていましたが、後半で事実が判明してからは秀逸だった。
    虐待が虐待をよぶというが、それを受けてきた人は自分はやらないと思っても経験としてある以上、何かをきっかけに起こしてしまうのかもしれない。
    自分の周りにはいないと思ってい...続きを読む
  • 希望が死んだ夜に
    ネガとのぞみが仲良くなっていく場面はすごく微笑ましくて読んでいて楽しかったけど、ラストにかけて辛くて苦しかったです。
    ネガとのぞみがお互いのことをすごく大切にしているのが伝わってきました。

    ミステリーのような感じだけど、物語と一緒に読者に貧困問題についても考えさせる凄い作品でした。
    タイトルの意味...続きを読む
  • 少女が最後に見た蛍
    初めて読んだ作家さんでした。
    天祢涼さん「少女が最後に見た蛍」

    「仲田シリーズ」とシリーズものだというのも知りませんでした。生活安全課の女性警官 仲田蛍が主人公ですが登場人物目線で進められていくので先が読めず引き込まれていきます。

    短編集しかも対象が小中学生だと甘くみておりましたが、各々の内容は...続きを読む
  • 希望が死んだ夜に
    「あとは努力すればいいだけ」の状態になっていることが、どれだけ幸運であることか自覚できた。努力することすら許されない、努力をどうすればいいかわからない人が少しでも少なくなるように、社会に目を向けて生きていきたい。
  • 希望が死んだ夜に
    貧困という共通点からネガとのぞみが仲良くなり親友へとなっていく過程は微笑ましかったけれど、貧困や生活保護といったリアルな社会問題を扱った二人の置かれている状況は他人事ではなく読み終える最後までこども貧困について考えさせられる作品だった。
    貧困家庭がどのような苦しみのなか生きているのかや生活保護を受け...続きを読む
  • 謎解き広報課
    注目されがたい「広報」という存在を改めて気づかせてくれた作品。登場人物全員の広報にかける思いや情熱が本当に素敵でした!
    段々と結子が広報の魅力に気づいて積極的になっていくのに合わせて、結子を応援する気持ちがどんどん大きくなりました☺︎
    謎解きや文章が分かりやすく、至る所に伏線が張り巡らされていて、と...続きを読む
  • 平成ストライク
    複数の作家陣によるアンソロジーですが、白井智之作品のために購入
    したがって評価と感想も単品のもの

    【ラビットボールの切断 こども版】白井智之
    玉奈市
    合田まな
    ロイヤルすけべビル
    玉奈愛(たまなあい
    たまなし祭り
    玉無し探偵

    パワーワードのオンパレードでファンには⭐️5確定演出
    読み返せば1ペー...続きを読む
  • 希望が死んだ夜に
    空き家で発見された中学生の女の子の首吊り死体。
    家から逃げてきた同級生の少女は自分が殺したと話す。そして、少女は黙秘。刑事ドラマでいう半落ち。
    刑事たちが調べ始めると二人が親友であった事。共に貧困家庭だった事。大学生と偽ってバイトしていた事なんかが分かってくる。
    自殺に使ったロープはどこからきたのか...続きを読む
  • 希望が死んだ夜に
    貧困って割と身近な社会問題だけれども、こういった問題が如何に子供達の生き方を支配しているか想像することが大事だと思った。

    こんなにすごい小説読んだことない。
    小説を読んで初めて涙が出た。⭐︎10
  • 希望が死んだ夜に
    前々から気になっていた作品。
    切ない、やりきれない、光がみえない。
    読後はそんな気持ちになり、泣きました。
    子供の貧困問題に深く深く切り込んだ一作。
    大人が健康に働いて生活の基盤を築けないことで、子供たちの生活まで破綻してしまう世界の縮図が作品を通じて描かれていた。
    親自身は子供に対して持っている愛...続きを読む
  • 希望が死んだ夜に
    なかなか衝撃的なミステリーだった。
    久々にガツンと来た。先が気になって一気読み。

    結末もそうだけどテーマも衝撃的。
    貧困、希望、シングルマザー、生活環境、進学、、、、
    なんかもう色々重かった。

    のぞみは自殺だったのか他殺だったのか
    ほんとは何があったのか
    謎が謎を読んで最後まで目が離せなかった。...続きを読む
  • 希望が死んだ夜に
    一日で読み終えました。
    貧困問題に焦点をあてながら、2人の少女のやり取り。最後のどんでん返し。末文。
    これは凄い本でした。久しぶりに読むのを止められない本に出会いました。
  • 希望が死んだ夜に
    女子中学生冬野ネガが同級生春日井のぞみを殺害した。
    殺害は認めたものの動機は明かされない。

    当事者である少女たち、そして捜査をする刑事たちふたつの視点で物語は進んでいく。
    真実にたどり着いたとき、衝撃とともに悲しみがあった。
    置かれた環境、周囲の大人たちの言動、日本における経済格差、これらが少女た...続きを読む
  • 希望が死んだ夜に
    とても読みやすく、深い作品でした。
    ラストは泣きました。
    シリーズ2作目が9月に文庫化されるそうなので読みたいです。
  • 陽だまりに至る病
    コロナのせいで大変な思いをした人は本当に多かっただろうな。特に社会人は。そんな中で、咲陽のように、素直で友達思いで、人を助けるために嘘をつくような、そんな子が報われる世界でありますように。タイトルの陽だまりの解釈がわかった瞬間は鳥肌でした。
  • 葬式組曲
    27歳の女性が社長を務める葬儀会社が舞台の連作短編ミステリー。前書きと本編5話からなる。
             ◇
     葬式の不合理さや不透明さが問題視された結果、国の基本方針として直葬がスタンダードになった世界。
     だが、S県だけはその文化的側面を尊重した県知事によって葬式を執り行うことが認められ...続きを読む
  • 彼女はひとり闇の中
    疎遠になっていた幼馴染の玲奈が何者かに殺害された。事件の直前に相談したいことがあると連絡を受けていた千弦は、彼女の悩みが何だったのか、そして誰になぜ殺されてしまったのかを調べることにする。一方で玲奈を殺害した犯人である葛葉は千弦の接近に警戒しながらも、玲奈を殺害したことの正当性を確信し続ける。緊迫感...続きを読む
  • 彼女はひとり闇の中
    最後まで読んで、タイトルの意味が判りました。タイトルの通り「彼女はひとり闇の中」でした。

    ミスリードにまんまと引っかかり、犯人を確定してましたが、まさかの人物に驚きました。そして、全員が思っていた人物像と違っていて、それも驚きでした。

    色々な事を乗り越えた千弦の未来が、明るい事を願っています。