天祢涼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
14歳の女子中学生が、同級生を殺害した容疑で逮捕された。
少女は犯行を認めるものの、動機については黙秘を続ける。二人の刑事が少女の気持ちに寄り添いながら、事件の真相に近づいていく。
読んでいて、多少は思います。
女子中学生が、そんな知識を持っているでしょうか。そんな言葉を知っているでしょうか、と。
それでも、彼女たちの行動から見えてくるのは、大人への不信感。そして親権者への絶望感。そこには怒りだけではなく、なんともいえない悲しさも感じました。
とても印象に残ったのが、教師の「アフリカにはもっと困っている子供がいる」というような言葉。
もちろん、他国への援助や寄付を否定するつもりはありません。
ただ、終わらない戦争や掠奪、収まらない伝染病などに苦しむ子供たちと、国内で貧困や家庭の問題に苦しんでいる子供たちを、「もっと困っている子がいる」という言葉で同列に語ってしまうことには、私は少し違和感があります。
誰かと比べて「まだ恵まれている」と言われても、その子が今抱えている苦しさが消えるわけではない。
この作品は、事件そのものだけでなく、子供を取り巻く大人たちや社会の側にも、いろいろと考えさせられる作品でした。 -
Posted by ブクログ
3.5
主人公が、親や警察に嘘をつき続けるので、読んでいるこちらが苦しくなっていく物語だった。
本当のことを話した方が楽になるのになあ、と何度思ったことか。
咲陽の気持ちは理解できるのだけど。
咲陽の視点で物語が進むため、咲陽を中心に読んでいたのだけど、後半になると、この物語の中心にいたのは小夜子だったのではないかと思った。
咲陽も小夜子との出会いによって変化していくのだけど、ラスト付近で、それだけでは終わらなかったのがお見事だった。
残念な点は、それほど重要ではないのに含みを持たせた描き方をしているところがあり、
無理やりミステリーに仕立てあげたような箇所があるところ。
このシリーズ、これからも続いてほしい。 -
Posted by ブクログ
「あなたへのおすすめ」に出てきて、スコアも余裕の4点超えだったので、気にはなっていたものの、女子中学生が主人公、というのもあって、手に取るのを躊躇していた作品。
カテゴリー分けすると、本に記載ある通り、「社会派青春ミステリー」ということなんだろうけど、フーダニット&ワイダニット・ミステリーとして呆気に取られるすごい展開だった。この作品で犯人当てが出来たら大したものだと思う。
主人公で容疑者の冬野ネガが殺人現場で取った直観力もすごいし、それを「想像」で解き明かした仲田警察官もすごい。
テーマは貧困家庭で苦しむこどもたち。担任教師の「アフリカの飢えた子どもに比べたら、まだ君は幸せだ」という発言には、強い嫌悪感を感じずにはいられない。生活保護家庭に対する不当な差別やバッシングは問題だと思うけど、貧困対策の政策というのはとかくデザインが難しいし、ジョン・ロールズの「無知のヴェール」も意識せざるを得ない。