天祢涼のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
私の仕事は、
一か月のルーティンになっている業務があり、
繁忙時期がわかるので、
その前後の読書では、
なるべくボリューム少なめ、
心にずしんとこなくて、
読みやすい一冊と決めています。
初めて立ち寄った書店で見つけた一冊です。
天祢さんの本は、
社会派と言われるものしか読んだことがなく。
本書の帯に、
-------------------------
本と酒をこよなく愛する書店員たちが選ぶ、
最も面白かった本!
新米社会人が広報誌づくりに奮闘するお仕事ミステリー!
第18回酒飲み書店員大賞受賞作
-------------------------
と記載があり。
そんな大賞あったの、と思わず手に取りました。
しかも18回とはすごい。
田舎の町役場に新卒で就職した新藤結子。
伝説の広報マンである伊達と広報誌を作ることになる。
やる気なし、期限を決めての就職のはずが、
イベントや人と接しながら、
町内で起こる謎を解き明かしていく。
やる気はないのに、
誰よりも心に熱さを持っている結子。
短編になっていて、
一話完結で繋がっていくので、
忙しい合間でも読みやすかったです。 -
Posted by ブクログ
「希望が死んだ夜に」の余韻が抜けないまま、
文庫発売を知り、発売日当日に書店で購入しました。
-------------------------
あらすじより
母子家庭で育つ小学五年生の椎名きさらは、
母親から罵倒され、食事を抜かれても
躾だと信じていた。
周囲から「虐待だ」と指摘されるまでは。
一方、神奈川県警の真壁は
風俗店オーナーの刺殺事件を捜査。
きさらの母親を疑うが、
娘と一緒にいたというアリバイを崩せない。
行き詰った真壁は、
少年事件が特異な仲田に協力を仰ぎ――。
-------------------------
今作も、登場する警察官は真壁と仲田。
自身も片親で貧しいながらも自身で道を切り拓いていった真壁。
加害者、被害者の少年少女たちに寄り添う事で事件を解決に導く仲田。
私自身も両親がとても大好きで、
共働きの期間もあり、
なかなか一緒に過ごせなかった時間もありましたが、
愛情を持って育ててもらったと思っています。
だからこそ、
きさらのような子が、
どこかにいるかもしれない、
今日も震えながら耐えているかもしれない、
と思うと、胸が痛みました。
信じてた母親への感情が変わる瞬間、
これは虐待、ネグレクトなのかと気づく瞬間。
驚きと恐怖のきさらの目が。
隣の家で本書のようなことが行われていたとしても、
たぶんわからないです。
ドアとコンクリート一枚しか隔ててないのに、
物音や悲鳴がなければわからない。
そう思うと、何とも言えない気持ちになりました。
なんとか抜け出そうとする子どもを搾取する卑しい大人。
天祢さんの描く世界は、
本当に存在しそうで、
だからこそ余計に辛くて怖い。
あの時あなたがいたら、
一緒に戦ってくれたら、
ここから連れ出してくれたら、
タラレバがどんどん溢れてきます。
読んでて痛くて辛くて悲しいのに、
読む手を止められない。
天祢さんの作品、すごいです。
ほとんど呼吸せず読み終わり、
(読んでて集中すると呼吸が浅くなるんです。苦笑)
疲労と興奮と余韻がぐるぐるした頭のまま表紙を見ると、
空をバックに逆光の少女。あなたは誰?きさら?
でも、絶望して諦めてはいけない。
真壁と仲田がそう思わせてくれます。 -
Posted by ブクログ
若き女社長が率いる「北条葬儀社」
癖の強い社員たちが、故人様が遺した謎を解決していく。登場人物は変わらず、一つ一つのお話が独立している連作短編で、いわゆる、葬式ミステリーの作品です。私自身、葬式というものにあまり、接点は無かったのですが、この作品の中で、遺族たちの
葬式に対する気持ちだとか、どうしたら、故人様たちに明るく葬式を送れるのかだとか、そういった葛藤なども感じれました。コロナ禍で葬式もあまりできない世の中で、心のこもった故人との別れをもっとさせてあげたいし、悔いの残らない最期をもっと、実現してほしいなと感じました。
葬儀社の心の叫びみたいなものを感じてほしいです。