天祢涼のレビュー一覧

  • 彼女はひとり闇の中
     これはズルい!いわゆるどんでん返しモノなのだが、してやられた感が強い。でも、思い返せば所々にヒントが隠されていたことに気づく。でも、これ途中で犯人わかる人いるのかな?

     幼馴染の玲奈が殺された千弦は、その犯人探しに奔走する。探しているうちに玲奈の交際相手の大学教授の葛葉が怪しいことに気付き、葛葉...続きを読む
  • 拝啓 交換殺人の候
     人生に躓き自殺を決意するほど追いつめられた男が、交換殺人を持ちかけられたのをきっかけにして生きる意欲を取り戻すまでを描いたサスペンスミステリー。6章からなる。
             ◇
     秋本秀文は真面目で細やかな気遣いのできる誠実な若者だが、底意地の悪い先輩社員に目をつけられ、しつこいパワハラを受け...続きを読む
  • 彼女はひとり闇の中
    サイコサスペンスの様相すら感じていた前半と読後ではガラリと印象が変化する作品。

    「相談したいことがある」とLINEを送って来た幼馴染の玲奈が何者かに刺殺される。
    メッセージを受けた主人公の守矢千弦は殺人事件の真相を探ろうと動き出す。

    犯人らしき人物は物語前半で明らかになる。
    犯人の動機が知りたく...続きを読む
  • 陽だまりに至る病
    新型コロナウイルスによる緊急事態宣言、時短営業、一斉休校……
    先の見えない不安と苦しさで、私たちがいちばん辛かった時期を思い出す。

    主人公は小学5年生の少女二人。
    コロナ禍による事件や貧困に巻き込まれていく。
    この少女たちが、大人を相手に精いっぱい強がって戦う姿が痛々しく、切ない。

    コロナという...続きを読む
  • 葬式組曲
    北条葬儀社を舞台にした五話収録の連作短編集。
    癖の強い社員達が、故人が遺した謎を解明していくミステリー。

    一話完結ごとに真相が明らかになりスッキリとした気持ちで読み進めていくと最終話で衝撃的な展開が待ち受ける。

    社員の不審死?
    犯人は誰?
    それまで見ていた景色は一変。
    社員達の印象はガラリと覆さ...続きを読む
  • 陽だまりに至る病
    小学五年生の咲陽は、家の隣のアパートに住む同級生「小代子」を、自宅に匿うことにした。
    新型コロナによる影響を受けた子どもたちと、若い女性がラブホテルで遺体で見つかった事件が少しずつ繋がっていく。

    新型コロナが広がり始めたころ、ある芸人が「これから若いきれいな女性が風俗に入るから楽しみだ」みたいなこ...続きを読む
  • 葬式組曲
    故人との別れであるお葬式を舞台に葬儀社の面々が故人の遺した謎を解明していくミステリーです。

    他の方の感想でもありますが、最後が唐突すぎて驚きました。ちょっと無理を感じます。

    話自体は読みやすかったです。直葬という弔いを初めて知りました。式にこだわらなくてもいいんですね。
  • 陽だまりに至る病
    小学生なりの一生懸命さが伝わる。

    コロナ禍で色んな人が影響を受けたり、苦しんだりしていて、やるせない気持ちになる。

    仲田さんが出てくると安心しちゃう(笑)
  • 葬式組曲
    再読2回目。
    最終話、唐突やしやり過ぎ感あるけど、ぜんぜん想定してなかったから面白く読めたけどなぁ。それぞれの章がゆるく繋がって最後にズドンとくる感じ、わりと好きです。
  • 葬式組曲
    若き女社長が率いる「北条葬儀社」
    癖の強い社員たちが、故人様が遺した謎を解決していく。登場人物は変わらず、一つ一つのお話が独立している連作短編で、いわゆる、葬式ミステリーの作品です。私自身、葬式というものにあまり、接点は無かったのですが、この作品の中で、遺族たちの
    葬式に対する気持ちだとか、どうした...続きを読む
  • 葬式組曲
    お葬式にかかわるあれやこれやの謎についてのミステリー。死者を弔う儀式ではありますが、お葬式は生きている人が行うもの。人がいれば思惑もある。そんなお話。
    あとがきで作者も書いてるけど、最終話のあれはちょっと唐突だしやりすぎかな。ちょっともったいない感じもする。
  • 拝啓 交換殺人の候
    秋元秀文は3年間勤めた会社を牧村司のパワハラによって辞めました。
    秀文は「死にたい」と思い、首つり桜とよばれる自殺の名所へ行き、木のつけ根の大きな洞で白い封筒をみつけます。
    その中の手紙を開くとそれは、
    <どうせ死ぬなら殺してみませんか?>という交換殺人の誘いでした。
    秀文は誰がこの手紙を置いたのか...続きを読む
  • 陽だまりに至る病
    コロナ禍で悲劇に巻き込まれた子供たち… 社会は彼女たちを優しく包んでくれるのか #陽だまりに至る病

    コロナウイルスによって完全に生活様式がわかってしまった現代社会。
    主人公である小学5年生の彼女は、近所に住む困っている友人に声をかけた。主人公は彼女を部屋に招き、二人の秘密の生活が始まる。一方で、と...続きを読む
  • 境内ではお静かに 神盗みの事件帖
    そこかしこに少しずつあるプロットもありながら、登場人物の互いの思いが交錯しながら進む展開を、気楽に楽しく読めました。気分転換にちょうど良い感じです。
  • 陽だまりに至る病
     コロナは色々なことを変えてしまう。コロナが原因となった自殺もあるだろう。でも、一概にコロナだけのせいにできるのだろうか。

     さて、本作も仲田・真壁の刑事コンビが活躍する。

     小学5年生の咲陽は、同級生の小夜子の様子がおかしいのを目にする。居ても立っても居られなくなった咲陽は、小夜子のアパートま...続きを読む
  • 陽だまりに至る病
    コロナと貧困の陰に起こったミステリー。

    小学5年の咲陽は、裏のアパートに住む同級生の小夜子が、父が仕事で帰ってこないから知り合いのおばさんのところへ行くというのを聞き、家へ連れて帰る。

    コロナ禍で友だちと遊ぶのも気にしている母には言えずに内緒で自分の部屋で匿うことにした。

    小夜子の父が、近くで...続きを読む
  • 陽だまりに至る病
    この作品は一言で言えば3年前から流行中の新型コロナによって生まれた貧困による弱者についてと、二人の小学5年生の少女の友情の話だと思います。

    神奈川県の登戸に住む小学5年生の上坂咲陽(さよ)は自宅の二階の部屋に同級生で皆に嫌われている、野原小夜子をいれてあげます。
    小夜子はコロナの陰性証明書を持って...続きを読む
  • 陽だまりに至る病
    「コロナと貧困」をテーマにした社会派ミステリ。まったくもって現実の世の中の暗い側面が浮き彫りにされてしまっていて、読むのがつらい面もあるのですが。つらいばかりではない、と信じたいです。タイトルの「病」は悪くないかな。これは救いにも思えるかも。
    貧困家庭の同級生・小夜子を家に匿うことになった咲陽。それ...続きを読む
  • 陽だまりに至る病
    コロナ禍での負の連鎖。それは大人だけでなく子供にも伸し掛かる。小夜子の図々しさには辟易したが、咲陽の影響もあり打ち解けてゆく。貧困、ネグレクト…小夜子の強がりな寂しさが哀しかった。
  • 陽だまりに至る病
     小5の咲陽は父親が帰ってこないと言うクラスメイトの小夜子を部屋に匿うことにした。だが、咲陽の母は開業医の小児科の看護師で仕事が激減、父もレストランオーナーだがコロナで仕事が減り、従業員も解雇せざるを得ない状態。そんな両親を見て、小夜子を家に一緒に住まわせたいなどと言い出せなくなり、部屋のクローゼッ...続きを読む