天祢涼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「希望が死んだ夜に」がとても印象的だったのでシリーズ第二弾の本書も読んでみた。
読み始めからスーッとストーリーに吸い込まれあっという間に引き込まれていった。
ストーリーの根底にある貧困と虐待。
面白かった…とは言いにくい内容だが、テーマ、展開、テンポ感、魅了されるだけのものがあったと思う。
ラストの真実では「おーっ!そういうこと?」が何度か到来。
ミステリーを読む時、ストーリーの先読みや推理をせずに読むので、単純に「そういうこと?そーなんだ!」と驚かされることも多々(^^;
第三弾も読みたい!
貧困、虐待…負の連鎖に心が痛む。
どうすれば解決できるのか…真実が苦しい。
どうにもできない真実 -
Posted by ブクログ
小学生の時、ご飯を残そうとしたら「世の中にはご飯を食べたくても食べられない人たちがいる」と叱られた。
真っ先にアフリカの子供達が思い浮かんだ。
歳を重ねるにつれ、貧困は自分達と違う国だけの問題ではないと知るようになった。
中には努力せずに自堕落な生活を送り続けた結果、つまり自分のせいで貧困に陥った人たちもいると思う。
けれど努力できる環境じゃなかった人たちに、「努力しなかったあなたが悪い」と言えるほど世の中は平等じゃないとも気づいてしまった。
私自身すごくお金持ちの家に生まれたわけでも類稀なる才能を持って生まれてきたわけでもないけど、当たり前のように寝るところと食べるものがあって、それなりにし -
Posted by ブクログ
生活安全課の低身長な警察官
仲田蛍が介入する様々な事件簿
5編あります。
少女が最後に見た蛍
エセ読書家なんで評価が毎度、適当すぎるかもですが星5つ
最後は、もう目ん玉落ちるくらいに泣きました。
仲田蛍じたいは
近年
稀にみない聖人君子ぶりなんですけど。
聖人君子は、まず疑ってかかれの自分が読んでも
紛れもない聖人君子です。
警察官の不祥事が大きく報道されてる昨今ですから
こんな警察官おるかいなてところあるかどうか知れないものの
ぜんぜん嫌らしくないですね。
恩着せがましくもなくて素晴らしい人物です。
今ハヤリの正義中毒っぽい感じもなくて。
自分の人生で、こんな人 -
Posted by ブクログ
初めて読んだ作家さんでした。
天祢涼さん「少女が最後に見た蛍」
「仲田シリーズ」とシリーズものだというのも知りませんでした。生活安全課の女性警官 仲田蛍が主人公ですが登場人物目線で進められていくので先が読めず引き込まれていきます。
短編集しかも対象が小中学生だと甘くみておりましたが、各々の内容は短編とは思わせない濃い内容で、一遍一遍に余韻を持たせる終わりかたは一語一句見落とさず読まなければと思わせるほどでした。
最後のストーリーは表題にもなっていましたが苦しくて、くやしくて、涙が溢れてしまうほどでした。
【心に突き刺さった言葉】
いじめは当事者だけではない、周りにいる人たちも『被害者』で -
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Posted by ブクログ
27歳の女性が社長を務める葬儀会社が舞台の連作短編ミステリー。前書きと本編5話からなる。
◇
葬式の不合理さや不透明さが問題視された結果、国の基本方針として直葬がスタンダードになった世界。
だが、S県だけはその文化的側面を尊重した県知事によって葬式を執り行うことが認められていた。
* * * * *
というファンタジーじみた設定。
でも実際に直葬が少しずつ増加してきているコロナ禍以降を見ると、荒唐無稽な話とも言えません。
2012年以前にこの作品を書き上げていた天祢涼さんはすごいと思いました。
4話目まではS県の葬儀会社、北条葬儀社の社員