天祢涼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
具体的なネタバレは避けますが、これを読むより先に(というかレビューは別に読まなくていいので)、本書を読むことをおすすめします。
秋本秀文は死のうとしていた。SEとして働いていた秀文は、仕事での些細な行動がきっかけで先輩の不興を買い、提案書の不当な書き直しや名指しの批判などのパラハラを繰り返され、精神的な限界が来て退職した過去によって、新たに就職活動もまともにできない状態になってしまったのが原因だ。自殺の名所として知られる神社の桜の木で首を吊ろうとした彼は、その木の洞に差し込まれた封筒に気付く。それは〈どうせ死ぬなら殺してみませんか?〉と交換殺人を提案する手紙だった。悩みつつも提案を受け入れた秀文だが、事前の決まり事(お互いの顔や名前は詮索しない)を破って、手紙の主がどういう人物か探ると、そこにいたのは――。
というのが本書の導入です。表紙やあらすじを見て抱いた印象が、読み終えた時、180度変わっていました。タイトルでちょっと不安になったり躊躇ったりしてしまったひとにこそ読んで欲しいような読後感があります。交換殺人の提案をきっかけに出会った交換殺人にも復讐にも向かないふたりがたどった優しい復讐劇は、温かく、胸にしみる余韻を残して幕を閉じます。中盤以降、物語が二転三転する中で、互いの意外な『真の標的』や『真の動機』が次々に明かされて、まったく先の読めない展開も魅力的でした。 -
Posted by ブクログ
哀しくも美しい子供たちの物語。
殺人、イジメ、子供貧困、裏切り、家庭環境とテーマは限りなく重く悲しいが、ストーリーや表現が巧妙で物語に深く引き込まれる。
冒頭、メインの1人の少女が殺された後の捜査から始まり、その捜査を担当する刑事の現在視点と犯行を自供した少女の過去視点が交錯しながら物語は進む。
物語中盤、メインの少女達が自分達の置かれた立場に悩み、葛藤しながらも希望に向かって生きていく様はまるで青春ドラマのようにも思うほど美しい。
物語の後半、彼女達には何の責任もないにも関わらず、畳み掛けるように不幸が次々と生じ、読者共々どん底に突き落とされる感覚を味わう。
最終盤の展開はミステリー読者であれば概ね予想できるものではあるが、それでも表現や緊張感から衝撃を受け、涙が止まらなくなる。
少女達の繊細な心情の表現はもちろんだが、特に母親のリアルな毒親描写は苛立ちすら覚えるほど巧みである。
おすすめの一冊であることには間違いないが、かなり心を抉られる物語なので、心に余裕がある時に読んでもらいたい。 -
Posted by ブクログ
貧困と虐待がテーマのミステリー。
テーマは置いておいてミステリーとしてはよくあるトリックというか書き方で、同じような話は見たことある気がするけれど普通に騙されてしまった。
あんまりミステリーとして考えすぎずに素直に読むのがおすすめ。
面白いという表現で良いのか微妙だけど、読んでいて続きはかなり気になるし一気に読んでしまうし、一人一人のキャラクターも立っているし普通に話として面白い。
個人的には虐待とか貧困とかは問題なのは分かっているけど、あくまでフィクションとして捉えながら読み、良いものを読んだという感覚。
重めの話が苦手は人は微妙なのかな?
とにかく読んでいて頭がぐにゃぐにゃになる感覚があって初めての読み応えだった。
この話は実は2作目だったということに途中で気づいたので、1作目のほうも早めに読みます!