あらすじ
終わるはずの人生を変えたのは、少女からの手紙だった――。
胸を打つサスペンスミステリー!
「何重のどんでん返しなんだ!?」
――啓文社岡山本店 三島政幸さん
朽ち果てた神社の桜の木で首を吊ろうとしていた秀文は、白い封筒が大きな洞に差し込まれているのを見つける。
中身は〈どうせ死ぬなら殺してみませんか?〉と書かれた交換殺人の依頼状で、置いたのは白いセーラー服と紺色のスカートを纏った少女だとわかり……。
二転三転する〈完全犯罪〉計画の結末は!?(『拝啓 交換殺人の候』改題・改稿)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
具体的なネタバレは避けますが、これを読むより先に(というかレビューは別に読まなくていいので)、本書を読むことをおすすめします。
秋本秀文は死のうとしていた。SEとして働いていた秀文は、仕事での些細な行動がきっかけで先輩の不興を買い、提案書の不当な書き直しや名指しの批判などのパラハラを繰り返され、精神的な限界が来て退職した過去によって、新たに就職活動もまともにできない状態になってしまったのが原因だ。自殺の名所として知られる神社の桜の木で首を吊ろうとした彼は、その木の洞に差し込まれた封筒に気付く。それは〈どうせ死ぬなら殺してみませんか?〉と交換殺人を提案する手紙だった。悩みつつも提案を受け入れた秀文だが、事前の決まり事(お互いの顔や名前は詮索しない)を破って、手紙の主がどういう人物か探ると、そこにいたのは――。
というのが本書の導入です。表紙やあらすじを見て抱いた印象が、読み終えた時、180度変わっていました。タイトルでちょっと不安になったり躊躇ったりしてしまったひとにこそ読んで欲しいような読後感があります。交換殺人の提案をきっかけに出会った交換殺人にも復讐にも向かないふたりがたどった優しい復讐劇は、温かく、胸にしみる余韻を残して幕を閉じます。中盤以降、物語が二転三転する中で、互いの意外な『真の標的』や『真の動機』が次々に明かされて、まったく先の読めない展開も魅力的でした。
Posted by ブクログ
交換殺人計画を装った互助小説。なんか色々偶然が過ぎるというか、小説とは言えちょっと都合がよすぎる感じがする。あと何とも言えない尻切れ感。色々やってるけど、結局何も解決しないので、読み終わった後もなんかスッキリしない。