西尾維新のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
非論理的でキレイな日本語
今まで読んだ小説の中で、一番訳がわからなかった。23人の妹を持つ主人公が、17番目の妹が死んだために映画を見に行く。上品そうな紳士にクレカを借り、すれちがった熊の少女から17番目の妹からの電話をもらい、辿り着いた先では宙づり逆さで映画鑑賞。足が腐ったために5番目の妹と出かけ、雪の降らない街の処女雪を踏みしめ歩くと、人体交換屋から足が妊娠しているとの宣告。他にも喪失感と名付けて脳髄を買ったり、「当然のことながら」ピアノの黒鍵が鍵の形をしていたり。リアルと虚構が五分五分で混ざりあった奇怪な小説。
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Posted by ブクログ
営業活動という名目での旅行先で起きる事件を相変わらずの最速で解決する今日子さん。その活躍ぶりを探偵事務所唯一の従業員親切守視点で語られる短編集。常識人の親切氏が今日子さんに振り回される姿が面白い。寝台列車や水上飛行機、観光バスの中でと密室状態の殺人事件縛りの内容だけどハウダニットは弱めでホワイダニット重視。でも突拍子もない結末で軽くまとめた感じかなー。裁判官の語るオーベルジュの話が一番好きかな。最後、留置場に放り込まれている厄介君と親切氏対面の話があるけど他人視点だと厄介君が得体しれなさ過ぎる。次巻に続く話の様だけど遂に冤罪じゃなく犯人にでもなるのか…?
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Posted by ブクログ
前巻までの登場人物はまったく引き継がれておらず、もしかして途中の巻を飛ばし読みしてしまったのかしらと思うほどでしたが、新たな刑事3名とともに3つの事件を推理する構成になっています。
今日子さんの謎解きの鮮やかさはさすがといったところなのですが、3つの事件ともが短編で(当然のことながら)1日で解決しなくてはならない制約もあるためか、物語上の時間軸の変化量が少ないんですよね、その割に登場人物の心理描写というかアタマの中の思考内容を詳細に表現していることもあいまって、両者のバランスがちょっと悪いかなと。平たくいうとわずかな時間的進行を見せるための文章量が多すぎて読んでも読んでもなかなか話しが進まない -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作である~の備忘録と違って厄介さんはもう登場しないのかな? かわって親切守の語りで物語が進行する構成になっています。主人公の思考の大小すべてが盛り込まれているからか、語り内容が若干回りくどい、そのため3パートで構成される最初のパートは発生する事件の規模・内容ともあいまってちょっと退屈な内容でしたが、2パート目からは殺人事件の発生という展開に一気に引き込まれて読み切ってしまいました。
前作と比べて今日子さんの性格がちょっとキツイというか主人公への人当りが厳しくなったような気がするのは気のせい? まぁ最終的には探偵事務所で雇われる展開なのでキツイだけではないのですが。
また主人公の語りは日本語の