西尾維新のレビュー一覧
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今回はシリーズ初の女性警部が語り部となり、それぞれ異なった視点から浮かび上がる今日子さん像が本作の見所である。羨望、好奇心、嫌悪、疑問といったそれぞれの警部のスタンスが事件と絡み合って一つの解として落ちるさまは毎度の事ながら見事である。殺害方法の異なる4つの死体を巡る事件はどれもあっさりとしており、やや物足りない感じもするが、短篇としてはバランスが良く、情報提示の順序から解決に至る手続きはどれもスムーズである。ワンアイデアを強引に繋げる語り口は相変わらず素晴らしい。ドラマ版を鑑賞後に読むと、今日子さんの所作の一つ一つが非常に可愛らしく映るせいか、ドラマ版の続編も期待してしまう。どの短篇も一話完
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突飛なタイトルであるが、モチーフや各章タイトルから想像できる通り、中身は江戸川乱歩の少年探偵団シリーズのオマージュである。オマージュ、と言ってもそこは西尾維新であるため、著者らしい独特の仕掛けが随所に施されている。メインキャラクターである5人の美少年は、どれもキャッチーで掴みやすいキャラクターをしており、やや記号的であるもののイメージしやすく、依頼人含めて6人という一場面の出演にしてはやや多い人数を、強烈なイメージ喚起で綺麗に交通整理しているのは素晴らしい技量であると思う。前半の推理パートは「星を探す」という依頼にやや退屈さを覚えたものの、中盤を境に事件のあらましはガラッと変わり、依頼人の少女
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忘却探偵シリーズ第4弾。ドラマ化の影響もあってか、語り部は久しぶりの隠館厄介である。ドラマから入ったファンにも馴染みやすく、前作キャラの再登場なのに話を知らなくても楽しめるというのは地味ながらも凄いことだと思った。今回は前回のような連作短編、もしくは中編集の体裁ではなく、一つの事件を扱った長編である。だが長編と言っても読みごこちは変わらず、むしろ導入部分の軽快なやり取りや、作者らしい言葉遊びや肩透かしなどは今作が一番魅力的なように思えた。人を巻き込んだ飛び降り自殺未遂という事件はやや小規模で面白みに欠けるものの、奇天烈な事件を奇妙な探偵が解決するという図式はやはりゾクゾクするものがあり、キャラ
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忘却探偵シリーズ第三弾。本作のほうが前作よりミステリ色が強めで、アリバイ、密室、ダイイングメッセージとミステリ的なモチーフを存分に活かしている。特に2話目の「掟上今日子の密室講義」はわりと真っ当な本格推理になっており、試着室という脆すぎる密室の謎が論理的に解き明かされる様は読んでいて非常に興奮した。主人公以外は全員初登場キャラなのも本作の特徴ではあるが、シリーズ三作目ともなるとこの一風変わったスタイルにも慣れる上、過去の因縁や伏線、縁などをいちいち引きずらず、毎回新ネタで一から語るのは好感が持てる。もはや様式美の域。その代わり、毎回一発ネタで勝負している感があり、面白さはかなりばらつきがあると
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前作に出てきた語り部の隠館厄介は今作では出てこず、文字通り一旦リセットされた状態から始まるのはシリーズ物としてはそこそこ目新しかった。前作同様、記憶のリセットというハンディを背負いつつも、それがまた異常な集中力やマルチタスク、数々の特殊技能に繋がっていたりする「強み」として生かされているのが面白く、何よりも、忘却するため物怖じせずに踏み込んでいけるというメンタル面の利点があるという着眼点が非常に良かった。事件そのものは前半の小さな事件が引き金となり、後半に繋がっていく二部構成になっており、真相はどちらも意外な方向性からのフィニッシングストロークとなっている。前者はともかく、後半の真相はオチは読
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劇場版「傷物語」の来場者特典として配られた冊子を一冊にまとめたもの。
異文化コミュニケーションとはよく言ったもので西尾維新先生の他のシリーズのヒロインが阿良々木暦に出会ったらどうなるかというIFのストーリー
最初のシリーズだけあって戯言シリーズから呼び出されているヒロインが一番多い。登場人数も一番多いしね。単話で読むと「もっと」と思うけど連続で読むと胸やけがする。
暦もヒロインズも自分の世界観を譲ろうとしないから世界観の殴り合いみたいになってる。後半は暦の考え方がどうやってお引き取り願おうかという方向にシフトしてて作者の本音もこれだろうなって思ってしまった。
最終話のオチのぶん投げ方はいかにも