西尾維新のレビュー一覧
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忘却探偵シリーズ第三弾。本作のほうが前作よりミステリ色が強めで、アリバイ、密室、ダイイングメッセージとミステリ的なモチーフを存分に活かしている。特に2話目の「掟上今日子の密室講義」はわりと真っ当な本格推理になっており、試着室という脆すぎる密室の謎が論理的に解き明かされる様は読んでいて非常に興奮した。主人公以外は全員初登場キャラなのも本作の特徴ではあるが、シリーズ三作目ともなるとこの一風変わったスタイルにも慣れる上、過去の因縁や伏線、縁などをいちいち引きずらず、毎回新ネタで一から語るのは好感が持てる。もはや様式美の域。その代わり、毎回一発ネタで勝負している感があり、面白さはかなりばらつきがあると
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前作に出てきた語り部の隠館厄介は今作では出てこず、文字通り一旦リセットされた状態から始まるのはシリーズ物としてはそこそこ目新しかった。前作同様、記憶のリセットというハンディを背負いつつも、それがまた異常な集中力やマルチタスク、数々の特殊技能に繋がっていたりする「強み」として生かされているのが面白く、何よりも、忘却するため物怖じせずに踏み込んでいけるというメンタル面の利点があるという着眼点が非常に良かった。事件そのものは前半の小さな事件が引き金となり、後半に繋がっていく二部構成になっており、真相はどちらも意外な方向性からのフィニッシングストロークとなっている。前者はともかく、後半の真相はオチは読
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劇場版「傷物語」の来場者特典として配られた冊子を一冊にまとめたもの。
異文化コミュニケーションとはよく言ったもので西尾維新先生の他のシリーズのヒロインが阿良々木暦に出会ったらどうなるかというIFのストーリー
最初のシリーズだけあって戯言シリーズから呼び出されているヒロインが一番多い。登場人数も一番多いしね。単話で読むと「もっと」と思うけど連続で読むと胸やけがする。
暦もヒロインズも自分の世界観を譲ろうとしないから世界観の殴り合いみたいになってる。後半は暦の考え方がどうやってお引き取り願おうかという方向にシフトしてて作者の本音もこれだろうなって思ってしまった。
最終話のオチのぶん投げ方はいかにも -
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"「あれ?私がスパッツの下にパンツを穿いてるかどうかという話だったか?」
「穿いてないんですか神原さん!?
じ…じゃあ……そのスカートからハミ出してるソレの下はっ…」
「たとえそうだとしても驚くことではないだろう
スパッツというのは元々 肌着の一種だからな」
「だったらなお一層だッ
常にパンツ見せびらかしながら生活してるようなもんじゃねぇかソレ!!」
「ふむ。まぁその辺りはさしずめスポーツ少女からの小粋な贈り物といったところだな」
「違う!!露出狂の変態行為だッ!!」"
テレビに座るんじゃない!でもテレビの演出が良かった。
照れてる神原が可愛い。 -
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ネタバレ今回は親切さん視点です。
なんと今日子さんが誘拐されるというお話で
設定などについては今回も変わっていて面白いです。
前回よりは謎解き風ではありましたし、
何より今日子さんというより親切さんが頑張るのがメインなので
仕方ないと言えなくもありませんが
相変わらずミステリー小説とは言いづらいです。
犯人を親切さんが頑張って推理するのですが
結局は当てずっぽうです。
犯人が2度も今日子さんを着替えさせているのですが、
いくら今日子さんが細いという設定だとは言え
中々難しいと思います。
一度目は睡眠薬か何かで眠らせた設定なのでしょうか。
ハンカチに染み込ませた睡眠薬で一瞬で眠らせるのは
幻想なの -
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ネタバレミステリーとしてはやはり物足りないですが、
毎回趣向を変えてあるのが面白いです。
今回は今日子さんが捕まり、日怠井警部と厄介さんが振り回されるお話です。
真相については微妙です。
被害者については大変気の毒なのですが
流石にうっかりし過ぎな気がしますし
それについては今日子さんも同罪に思えます。
そんなに頻繁に出入りする大切な場所なら
改装するなり通報装置を備えるなりするべきではないでしょうか。
救済するにしても、よく言われるのはボールペンの軸など
穴の開いたものですし、単純に刺すだけでは駄目ではないかと思うのですが。
その点も含めて病気関連の記述は疑わしいですし、
単純に今日子さんは傷害 -
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ネタバレ久し振りの親切守さん視点で新鮮でした。
こうして見ると、今日子さんと四六時中一緒にいるのは
いろんな意味でしんどそうです。
荷物の大半は洋服だから軽いけど嵩張る、と言っていますが
布は相当重いですけどね。
作中で親切さんが
推理が的中しているかどうかは容疑者の自供を待たねばわからず言葉遊びならぬ空想ごっこみたいなもの
と言っていますが、全くこの通りです。
掟上シリーズがミステリーとしてはイマイチとなってしまうのは
これに尽きます。
動機やトリックなどが弱く、犯人を追い詰めることも無く
乏しい状況証拠から今日子さんが妄想を繰り広げるだけで
それが合っているかどうなのか、合っているとしてもご都