イシヤマアズサのレビュー一覧
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シリーズ第十弾にして最終巻。
小料理屋〈ゆきうさぎ〉を舞台にしたこちらのシリーズも本作で完結ということで、まさに“総まとめ”な感じの内容となっております。
にゃんこ目線のプロローグから始まり、最終話「卯月いろどり春物語」の中に、碧(タマ)&大樹を中心に、これまで登場した各キャラクター達のショートストーリー七編が入っています。
先代の雪枝さんの〈ゆきうさぎ〉開店の日のエピソードから、碧のバイト最後の日(ここで都築さんもちゃんと登場してよかった)の話を経て、ミケさんと蓮君、スズさんファミリー、慎二君、零一さん・・と皆それぞれの進む道が描かれており、前日談から後日談まで”幕之内御膳”のように楽しませて頂きました。
そして、後日談といえば、エピローグ(表題作)「あらたな季節の店開き」では、碧の卒業から三年後、”玉木先生”が板についてきた碧と大樹のほっこりお花見からの、ハッピーすぎるエンディングで、まさに大団円でしたね。
この幸せにしかならない二人の未来の様子が、オマケの番外編「あの店で」で描かかれているのですが、こちらは別シリーズ『ホテルクラシカル猫番館』の"某料理長"の視点で語られているというのがまた、商売上手ですよね・・因みにこちらの"某料理長"の若かりし頃の姿が本作の零一さんのエピソードの中にチラっと登場しておりました。
という訳で、最後まで平和な気持ちで楽しませて頂いた、このシリーズ。
今回の巻末レシピが〈ゆきうさぎ〉"秘伝"のポテトサラダというのも、ポテサラ好きの私としては嬉しいかぎりでございました。
さて、この後は一旦中断していた『ホテルクラシカル猫番館』に戻るとしますか! -
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シリーズ第九弾。
小料理屋〈ゆきうさぎ〉を舞台にしたハートウォーミングストーリー、連作四話+序章&終章が収録されております。
※今回は、巻末レシピの掲載はありませんでした。
順調に交際を続けている碧(タマ)と大樹。
二人は挨拶&観光も兼ねて、大樹の実家である箱根の温泉旅館・〈風花館〉を訪問することに。
本来なら、のんびりと箱根デートを楽しむ予定だったのですが、思わぬ旅館スタッフの欠員で、大樹がヘルプに入ることになり、さらにはあの厳格な大樹の祖母・葉月さんが体調を崩してしまい、観光どころではなくなってしまいます。
「彼氏とラブラブ温泉デート」のはずが「気難しいお祖母さんの看病」をする羽目に・・普通の女子なら“えーっ(泣)”とへこんでしまうであろう状況なのですが、そこは“人柄JAPAN”(人柄ワールドカップ日本代表)のタマちゃん。
葉月さんの看病を自ら名乗り出て、身体が温まるように“みぞれ鍋”(大根おろし入りの鍋)を手作りしてあげるという気立ての良さ・・・本当、いい娘ですよね!
そんな訳で大樹と“まったり”はできなかったですが、すっかり雪村家の皆さまに気に入られたようで“嫁・合格!”といった感じです。
で、そんな碧に前から好意を抱いていた都築さんが、ついに“思いを伝える決意”をするのですね~。
クレバーな彼は、碧と大樹の仲は既に気づいてはいるのですが、それにも関わらず自分の気持ちに“けじめ”をつける為、傷つくことを承知であえて告白に臨むという・・その勇気に拍手を送りたいです。
今まで“ミスター当て馬”という枕詞をつけていてスミマセンでした・・都築さんにも春が訪れることを願ってやみません。
そして、“けじめ”といえば満を持して碧が父親の浩介さんに、大樹と付き合っている事を打ち明けるのですが、“常連の間ではとっくに噂になっていた”とのことで、既にバレていたというオチでした。
さらに、碧が大学を無事卒業するなど、着々と物語が終わりに近づいている気配を感じますね。
そう、ついに次の巻でシリーズが終わってしまうのでございます。
因みに、前巻に引き続きこの巻でも『ホテルクラシカル猫番館』のキャラがチラっと登場しておりました(まだ高校生でしたが)。
これは作者の方が『ゆきうさぎ』終わった後は、『猫番館』読んでね!という匂わせなのかな・・とつい勘繰ってしまった私です~。
(ま、既に『猫番館』に手を付けているのですけどね(´▽`;)) -
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シリーズ第八弾。
小料理屋〈ゆきうさぎ〉を舞台に描かれるほっこりストーリー、連作四話+序章&終章が収録されております。
※今回の巻末レシピは、第一話(表題作)「白雪姫の焼きりんご」で、“ミスター当て馬”(毎回このキャッチコピーで申し訳ない・・( ̄▽ ̄;))・都築さんの双子の姉(!)の椿さんが作った“焼きりんごのハッセルバック風”が載っております♪
そうなんです!あの都築さんに双子のお姉さんがいたなんて、驚きでしたね。
このくだりでは、都築さんの複雑な家庭事情と彼がりんごが嫌いな理由が明かされるのですが、今回椿さんときちんと話せたことと、彼女が作った前述の“焼きりんご”(とはいえ、レシピは大樹によるものですが)のお陰で、りんごへのトラウマが克服できそうで良かったです。
一方、前巻で就活に苦戦していた碧(タマ)も、めでたく私立高校から内定をもらうことができて、ほっと一息・・と、思いきや、零一さんの“ポロリ”によって、大樹の身内に大樹と碧の仲が知られてしまったことから、なんと大樹の父方の祖母・葉月さんが〈ゆきうさぎ〉に来襲!
厳格な葉月さんによる“大樹の相手としてふさわしいかチェック”に萎縮してしまう碧ですが、持ち前の真面目さと素直さでなんとか乗り切った模様で、葉月さんに“近いうちに(行儀作法の)勉強にいらっしゃい”と言われていましたが、一応気に入られたっぽいですよね。
てか、大樹も碧に関しては“嫌われる要素がない”と言っていたように、私からも“こんなに好感の持てる娘さんはなかなかいませんよー!”と声を大にして言いたくなりました。
と、色々ありつつも順調に交際を続けている大樹と碧ですが、実はミケさんと蓮くんも付き合っていたことが発覚・・・ま、薄々気づいていましたけどね~。
この二人の馴れ初めも、是非本人達の口から聞きたいところですな。
そんな訳で、今回は微笑ましいエピソードが多めで、ほっこりさせて頂きました。
あ、勿論お料理も相変わらず美味しそうで、個人的には第四話「魔法使いのガレット」に出てきた、蕎麦粉に具財を包む“ガレット”(特に“キーマカレーのガレット”)は食べてみたくなりました~。
ところで、別シリーズ『ホテルクラシカル猫番館』のキャラクターがチラっと登場しておりましたが、『猫番館』でも『ゆきうさぎ』のキャラが何度か登場しているんですよね・・相互リンクがお好きなのかな~・・まぁニヤつけるのでええですけどw -
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シリーズ第七弾。
小料理屋〈ゆきうさぎ〉を舞台に描かれるハートウォーミングストーリー、連作四話+序章&終章が収録されております。
※今回の巻末レシピは、第四話(表題作)「母と娘のちらし寿司」で、碧と大樹が仲良く一緒に作った“ちらし寿司ケーキ”が載っております♪
教師になる為に試験勉強を頑張ってきた、タマこと碧ですが、なんと思わぬ急病で教員採用試験を受けられなくなってしまいます。
気持ちを切り替えて私立校の教員に応募するも、狭き門ということもあり苦戦を強いられてしまいますが・・。
就活が上手くいかなくて、凹んでしまう気持ちはすごくわかるので、碧に共感&応援しながら読みました。
そんな碧を心配する大樹ですが、碧が就活の悩みを自分ではなく、“ミスター当て馬”・都築さんに相談したことにモヤってしまいます。(都築さんに相談したのも、偶々だったのですけど)
とはいえ、そのモヤった気持ちを後日ちゃんと碧に伝えるところが、大樹のソツのなさというか、出木杉ぶりが現れています。
とりま、このカップルは(そう、カップルなんですよねぇ・・うふふ)、へんにベタベタしていなくて、爽やかで微笑ましいですよね。
そんな訳で、今回は碧の就活の件を軸に〈ゆきうさぎ〉の常連さん達視点のショートストーリーがいくつか描かれております。
個人的には第三話「珊瑚の記念に栗ご飯」の商店会の会長さん夫婦の話がお気に入りでして、結婚記念日(35周年は“珊瑚婚式”というらしいです)に、奥さんを喜ばせる為に、ちゃんと手間暇かける会長さんが素敵ですね。
勿論奥さんの方も会長さんの為に“用意”をしていた訳で、このお互いを思いやる夫婦の姿に心が温まりました。
そして、大樹の叔父・零一さんが新たに〈ゆきうさぎ〉の料理人として働くことになったことで、〈ゆきうさぎ〉のメニューに洋食も増えることになり、洋食好きの私は嬉しく思っております。
中でも“牛肉のパイ包み焼き”は、手作りのパイ生地の中にとろけるように柔らかな牛肉の煮込みが入っているなんて、これは間違いないでしょ!と、思わず食べたくなりました。
ラストは、碧に光明がさした感じの終わり方だったので、希望が見えて良かったです。
あと、何気にミケさんと蓮くんが水面下で接近している模様なので、こちらも気になるところですね~。 -
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シリーズ第六弾。
小料理屋〈ゆきうさぎ〉を舞台にお送りする、連作四話+序章&終章が収録されております。
※今回の巻末レシピは、第二話「八十八夜の筑前煮」に登場した、先代女将・雪枝さんのご友人、十和子さんの思い出の一品である“筑前煮”と、表題作の第四話「あじさい揚げと金平糖」で大樹の叔父・零一さんが作った“あじさい揚げ”が載っております♪
前巻のラストで何とも不穏な雰囲気で登場したのは、大樹の叔父・零一さん。
彼は大樹に、亡くなった先代女将の遺産の遺留分を請求してきます。
その請求金額を支払う為には〈ゆきうさぎ〉を売却しなければならない・・?
急にやって来た叔父に、とんでも請求をされて途方に暮れてしまう大樹ですが・・。
さて、序盤から〈ゆきうさぎ〉大ピンチ?という展開で、こんな時こそ大樹の側にいてほしいタマこと碧が教育実習など諸々で忙しくて、バイトに入れないという状況・・でも、だからこそ“たまに来るタマ(スミマセン)”の癒しを実感できる、ということでもあるのですけどね。
第二話では先代女将・雪枝さんが〈ゆきうさぎ〉を始めた経緯の物語で、先代の頃からずっとお店に通ってきてくれている十和子さんのように、〈ゆきうさぎ〉を愛してくれている常連さん達の存在が心強いですね。
もし〈ゆきうさぎ〉が閉店してしまったら、十和子さんも悲しむでしょうし、何といっても常連の“ヌシ”・彰三さんが暴動を起こしかねませんからね!
一方、初の教育実習に臨む碧ですが、第三話「父と娘のお弁当」では彼女を見守る父・浩介さん視点の話なのですが、碧の為に大樹に教わったお弁当を作ってあげるという神っぷりで、本当に、この父娘の関係は理想的ですよね。
そして、父と娘といえば、第四話では大樹を悩ます叔父・零一さんと娘のめぐみさんの話も綴られます。
そう、一見非情に見えた零一さんにも、実はせっぱつまった事情があった訳でして、彼は腕のある料理人でもあるので、体調を崩した大樹のピンチヒッターをバッチリ務めてくれます。
巻末レシピにも抜粋された、零一さんの得意料理“あじさい揚げ”は、私これ絶対好きなヤツだわ~・・と、食べたくなりました。
ということで、一連の騒動を経て、ラストはちゃんと心温まる着地をしてくれるのが、このシリーズの良いところ。
さらに、終章「心が躍る店仕舞い」での胸キュン展開には、“つ、ついに来たか!”と顔がほころんでしまいました。
色々あったこの巻でしたが、今後の新体制〈ゆきうさぎ〉を見守っていきたいですね。 -
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シリーズ第五弾。
若き店主・大樹が作る料理が魅力の小料理屋〈ゆきうさぎ〉を舞台にお送りする、連作四話+序章&終章が収録されております。
※今回の巻末レシピは、第一話「親子丼が結ぶ縁」で〈ゆきうさぎ〉のバイトに応募してきた小学生(!)の郁馬君がに出された“親子丼”と、第二話「睦月ゆずみそ冬物語」で碧の亡き母の元教え子の七海ちゃんが食べていた“味噌グラタン”が載っております♪
前述の巻末レシピにも抜擢されたグラタンや、第三話「おひとりさまに乾杯」で、お客様相談室というストレスフルなお仕事を頑張っている凛々子さんが食べたビーフシチュー等、今回の〈ゆきうさぎ〉は洋食が美味しそうで、洋食党の私としてはどれも食べたくなってしまいました。
さて、ミケさんが〈ゆきうさぎ〉を辞めた代わりに入ってきたのが前述の郁馬君の母親で、訳あってご主人と別居中の鈴原百合さん。
経済的理由で無理してバイトを掛け持ちしていた為、案の定過労で倒れてしまうのですが、百合さんの両親の、実の娘と孫なのにご飯もあげないという冷淡さにドン引きの私でした。
そんな百合さんも話が進むと、“スズさん”と〈ゆきうさぎ〉恒例(?)の猫っぽいあだ名で呼ばれて徐々にお店に馴染んできて、心身共に安定してきた様子だったので何よりです。
そして、皆が気になる大樹と碧の恋模様ですが、“ミスター当て馬”の都築さんや、大樹を意識している中学生の実柚ちゃんに揺さぶられるも、なかなか現在の“心地よい関係”から踏み出せないでいる二人。
またいつものように、この巻もほんわかと終わるのかな・・と思って読んでいたら、ラストは何とも不穏な終わり方でこれは波乱の予感?ってやつですかね~?
最後に大樹に呼びかけた人物は一体誰なのでしょうか?続きが気になりすぎます! -
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シリーズ第四弾。
小料理屋〈ゆきうさぎ〉を舞台にした、ハートウォーミングストーリー。
連作四話+序章&終章が収録されております。
※今回の巻末レシピは、序章で大樹が蓮と慎二君に朝食としてふるまった“中華粥”と、第二話(表題作)「親子のための鯛茶漬け」で碧の友人・玲沙と、彼女のお母さんとその再婚相手の三人の為に大樹が作った“鯛茶漬け“が載っております♪
主人公・碧(通称タマ)がバイトをしている、小料理屋〈ゆきうさぎ〉に、前巻で登場した老舗和菓子店の息子・黒尾慎二君(通称クロ)が新しくバイトとして加わることに。
一方、菜穂さん(通称ミケ)は、〈ゆきうさぎ〉と掛け持ちしているバイト先の書店から契約社員の話を持ち掛けられて・・・。
タマ・ミケ・クロと、バイトを猫の名前で呼ぶのがお好きなようで・・と、それは良いとして、前述の通りミケさんの進路問題(第三話「肉団子で験担ぎ」)や、前巻でも少し触れられていた、パティシエの蓮が、イギリスに行くのか日本に残るのかの決断を迫られる展開など(第一話「向日葵とアイスクリーム」)、それぞれの決断のお話と、家族の絆がテーマのようでしたね。
個人的にミケさんを応援していたので、就活頑張っているのに未婚で非正規ということだけで、(まだ20代なのに)親戚からヤイヤイ言われて凹んじゃったり、書店の契約社員になると〈ゆきうさぎ〉との掛け持ちが出来なくなることを悩んでいた、彼女の決断が今後の幸せに繋がると良いな・・と、思います。
てか、書店の方も“契約社員”なんてもったいぶらずに正社員で雇えよ!って感じですよね(正社だったらミケさんも悩まなかったし)。
そして、お互い心地良い関係ではあるけど“ぬるま湯”のようだった大樹と碧ですが、第四話 「謎と追憶の茶碗蒸し」で登場した、碧の亡き母の元教え子・都築さんの碧に気がある(?)ような素振りによって、やっと大樹にスイッチが入ったというか、自分の想いに気づいたところで終わっていました。
さて、今後二人の仲はどのように進展していくのでしょうか・・・大樹の作る料理のように温かく見守りたいと思います。
ところで、巻が進むごとに出番が少なくなってきている、野良猫の武蔵&虎次郎ですが、この巻でもちょっとしか登場していなくて寂しい限りです。
もっと二匹の出番を増やしてほしいですね~。