ケン・リュウのレビュー一覧

  • 蒲公英(ダンデライオン)王朝記 巻ノ二 囚われの王狼

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    楚漢戦争を下敷きにしたケン=リュウの異世界ファンタジー第2巻。第一部の完結編。
    前巻と比べ、主要登場人物の陰の部分がより深く描かれている印象。
    登場人物の多くがそれぞれ自分なりに葛藤やら業やらを抱え込んでどんどん濁っていく中で、クニ=ガル(劉邦)は「自分はそんなことしたくなかったんだけど、周りの意見を聞き入れた結果…」という体。実際は相当えぐいことをやっているのに、一人だけそんなに濁らない構造になっているのは実にズルくてうまい。

    人物の大きな運命に関してはここまでのところ下敷きに忠実なので、あの人やあの人やあの人も今後随分ひどいことになっていくのかなあ…と思いながら読むと実に苦々しい気分にな

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    2016年08月02日
  • 蒲公英(ダンデライオン)王朝記 巻ノ一

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    (巻の一、二を併せての評である)
    ケン・リュウ版「楚漢戦争」。竹や木、鯨骨といったアジア的な材料を用いて、飛行船や潜水艦を活躍させる、著者自らの命名によるシルクパンクというジャンルを創出して見せたファンタジー小説。

    紀元前中国における項羽と劉邦の対決を、ゲド戦記の舞台、アーキ・ペラゴのような架空の多島海に置き換え、ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』に登場するような神々に似た各国を贔屓する神々まで登場させて換骨奪胎している。

    ただ、ストーリーそのものは、人口に膾炙した鴻門之会や四面楚歌など、楚漢戦争をなぞっており、新味は少ない。横山光輝のマンガを読んでいるのと似ている。英雄は英雄らしく、

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    2016年07月24日
  • 折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー

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    中国SFとてもおもしろーい!三体を読んでたどり着いたこの本。巻末の3人の作家によるエッセイはリアルな中国SF事情を感じられた。中原氏の翻訳好きなので読めて嬉しい!ケンリュウの紙の動物園読みたくなってる。

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    2026年04月29日
  • 生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作選5

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    ケン・リュウ氏の文庫版短編集第5弾。表題作含め、収録されているのは「新しい生き方」や「生命」をめぐる作品。意識の変革、かたちの変化、生命の定義。奥深いテーマと知的な文章を支える叙情性がたまらない。軽妙さが新鮮な「化学調味料ゴーレム」とても好き。

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    2026年01月25日
  • 神々は繫がれてはいない

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    難しかった。

    しかし、最後の短編で挙げられた理性と感情の問題は私自身の社会問題に対する視点が問われているように思えた。

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    2025年10月02日
  • 創られた心 AIロボットSF傑作選

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    AIが普及した近未来にAIと人間の関係を考えさせる16編。海外の作家でケンリュウ以外知らない作家だが、面白かった作品も多い。日本のロボットはお友達SFに比べてダークなものが多かった。
    エンドレス サード・Z・フセイン 個別のAIにも経済的な浮き沈みがある設定が楽しい
    アイドル ケン・リュウ 自分とそっくりのAIをつくるということを三井住友中島社長は実現してる?
    もっと大事なこと サラ・ピンスカ― AIによる殺人? よくある設定だが実際におこると怖い
    人形芝居  アレステア・レナルズ 乗組員ほぼ全員死亡した宇宙船でAIが右往左往
    翻訳者 アナリー・ニューイッツ AIの言葉を人間にわかるように翻訳

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    2025年08月14日
  • 紙の動物園

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    表題作の「紙の動物園」が良かったです。包装紙を折り紙のようにして、動物を作ってそれに命を吹き込むところ、母がいろいろな苦労を重ねて今日に至っているところは感動しました。

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    2025年08月01日
  • スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選

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    ゲームを題材にした短編アンソロジー。

    「リスポーン」、「1アップ」、「キャラクター選択」が面白かったが、驚くほど面白いというものには出会えなかった。

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    2024年12月30日
  • 生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作選5

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    面白かった。
    「紙の動物園」「もののあはれ」の次にこの「生まれ変わり」を読んだが、この本が1番好みだったかもしれない。
    この作者の印象であるビターでドロッとした話が少なく、綺麗なSFチックな話がまとまっていて読みやすい。
    テッド・チャンみたい。
    個人的には「訪問者」が好きだった。
    相変わらず情景描写が美しく叙情的で幅広い知識に溢れていて素晴らしい出来でした!

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    2024年12月29日
  • 神々は繫がれてはいない

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    SNSで見かけて気になったので読んでみた。

    アメリカに住む女の子マディーのパソコンに意味不明な絵文字のチャットが届く。表題3連作を含むSF短編集。

    宇宙人なのか異世界人なのか。本作ではどんな接触があるのだろうと興味を抱いて読んでみたところ、相手は意識をデータ化され、デジタルネットワークの世界に存在する父親だった。

    本作が書かれたのは2011年らしい。当時に読みたかったかも。今ではとくに意外性を感じない設定となってしまった。

    表題作はまだよかったのだけれど、翻訳のせいなのか、専門用語が多いせいなのか、全体的に読みづらく、ストーリーが頭に入ってこなかった。お酒を飲みながら読んでいたせいかも

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    2024年12月18日
  • 紙の動物園

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    ケン・リュウは初見だったが思ったより情緒的で、ハードSFを期待して読み始めた自分にはちょっと合わなかったなと思いつつ読み進めたが、テッド・チャン(大好き)にインスパイアされたという2作品はとてもよかった。とくに「1ビットのエラー」は扱っているテーマも描き方もすごく好みだった。大変SF的な現象が「普通の」事実とつながることで、現実とフィクションがつながる感覚が好き。
    あとがきによると作者にとって重要な位置づけの作品らしく、それもまたうれしい。

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    2024年07月15日
  • 生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作選5

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    短編集5冊目。作者の多様な筆力と、取り巻く世界への問題意識を感じられる一冊。やっぱりSFと呼ぶよりファンタジーだと思う。

    過酷な状況(この短編では主に格差)が現実として存在することをこんな形で伝えてくれる作家がいてくれるこの世界は、まだ救いがあるのかもしれない。絶望的に真っ暗で深い坑道を彷徨っていても、まだ僕らにはカナリアが傍にいるみたいだ。

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    2024年07月03日
  • 七月七日

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    日中韓の作者らによるSF幻想アンソロジー。
    全体的にあまり肌に合わなかったけれど、巨人少女という話が残酷で衝撃的だったのが忘れられない。
    SF大好きな方が読後どう思うのか気になるところです。

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    2023年10月15日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    「折りたたみ北京」に続くケン・リュウ選の中国SFアンソロジー第二弾.
    時間が遡る中での男女の愛を描く表題作「金色昔日」が秀逸.すごく幅があるのだが,始皇帝がゲームをする話なんかは,日本の同人誌でマンガとして書かれてそうだ.
    巻末に中国SFの歴史に関するエッセイが3編掲載されているが,非常に興味深い.少し前に福島正実の「未踏の時代」を読んだが,21世紀初頭の中国のSF界は,あの時代の雰囲気にとても似ている.そういった時代が中国にやって来るのが政治のために30年遅れて,現代になって一気に花開いているようだ.

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    2023年09月29日
  • 七月七日

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    どの作品も楽しく読んだけど、特に面白いというほどではなかったかな。
    日本人作家の日本の伝承を基にした作品がもっとあるとよかった。

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    2023年08月22日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    ・ケン・リュウ編「金色昔日 現代中国SFアンソロジー」(ハヤカワ文庫SF)は「折りたたみ北京」に続く中国SFの第2弾である。登場人物等、さすが中国である。カタカナでではなく、漢字の名前が多い。ま づこのことに感心してしまつた。それほど私が中国とは無縁の読書生活を送つてゐるといふことである。さういふ内容の作品もあればさうではない作品もある。実に様々である。「本アンソロジーには、全部で十四名の作家による十六篇の作品が収録されて」(「序文」12頁)をり、「作品渉猟の場を拡大する方向に目を向けて」(同前)編まれたといふ。ただし、「本プロジェクトは、中国現代SFの代表的な作品を集めるという意図は」(同1

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    2023年04月05日
  • 生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作選5

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    「生まれ変わり」★★★
    「介護士」★★
    「ランニング・シューズ」★★★
    「化学調味料ゴーレム」★★★★
    「ホモ・フローレシエンシス」★★
    「訪問者」★★★
    「悪疫」★★
    「生きている本の起源に関する、短くて不確かだが本当の話」★★
    「ペレの住民」★★★
    「揺り籠からの特報:隠遁者」★★★
    「七度の誕生日」★★
    「数えられるもの」★★★

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    2024年04月28日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    アンソロジー集なので
    合間あいまに拾い読みしてました。
    いろんな作家さんがいることがわかって
    楽しかったです。

    好みなのは
    『おやすみなさい、メランコリー』
    『鏡』もテイストが近い。
    『月の光』『正月列車』は
    なんか星新一のようにニヤリとする。

    表題作の『金色昔日』も哀しいけど良かった。
    ひとつの家族の一代記なんだけど
    途中である違和感を感じてから先は
    胸が締めつけられつつ読んだわ。

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    2023年02月27日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    近年スマッシュ・ヒットを飛ばし続けている現代中国SFのアンソロジー、2019年に発売された「折りたたみ北京」に続く第二弾が満を侍して発売。SF者の期待感を表すかのような分厚さ。「折りたたみ北京」の1.5倍ぐらいになっている・・・(^_^; 早川書房さん、紙の文庫本は上下巻に分かれても構いませんので一冊あたりの厚みを抑えていただけないものでしょうかね〜。紙の文庫本にとって、「携帯性」ってとても重要なポイントだと思うんですけどね〜〜。

    閑話休題。
    一通り読んでみて、「折りたたみ北京」を読んだ時ほどの衝撃は、正直感じませんでした。読むこちら側の期待値の違いかもしれません。「よーし、面白いSF読むぞ

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    2023年01月29日
  • 生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作選5

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    宇宙旅行、人間の手で居住可能となった火星、肉体を捨て、電子になった人類
    本当にこんな未来が待ち構えてるのではないかという空恐ろしさを感じました。
    普段あまりSF作品を読まないので、不思議な読書体験でした。

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    2023年01月16日