あらすじ
悪しき記憶を切除する技術をもつ異星の訪問者により人類は生まれ変わった……。表題作ほかアジアの工場で過酷な労働に従事する少女の不思議な体験を描く「ランニング・シューズ」など、現代SFのトップランナー・リュウによる第三短篇集『生まれ変わり』から12篇を収録した傑作集
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Posted by ブクログ
介護士,隠遁者,七度の誕生日は,少し前までならSF以外の何者でもなかった設定だが,ここ数年の世の中の動きを見ていると,本当にこういった世界になりそうで怖い.
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面白かった。
「紙の動物園」「もののあはれ」の次にこの「生まれ変わり」を読んだが、この本が1番好みだったかもしれない。
この作者の印象であるビターでドロッとした話が少なく、綺麗なSFチックな話がまとまっていて読みやすい。
テッド・チャンみたい。
個人的には「訪問者」が好きだった。
相変わらず情景描写が美しく叙情的で幅広い知識に溢れていて素晴らしい出来でした!
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短編集5冊目。作者の多様な筆力と、取り巻く世界への問題意識を感じられる一冊。やっぱりSFと呼ぶよりファンタジーだと思う。
過酷な状況(この短編では主に格差)が現実として存在することをこんな形で伝えてくれる作家がいてくれるこの世界は、まだ救いがあるのかもしれない。絶望的に真っ暗で深い坑道を彷徨っていても、まだ僕らにはカナリアが傍にいるみたいだ。
Posted by ブクログ
「生まれ変わり」★★★
「介護士」★★
「ランニング・シューズ」★★★
「化学調味料ゴーレム」★★★★
「ホモ・フローレシエンシス」★★
「訪問者」★★★
「悪疫」★★
「生きている本の起源に関する、短くて不確かだが本当の話」★★
「ペレの住民」★★★
「揺り籠からの特報:隠遁者」★★★
「七度の誕生日」★★
「数えられるもの」★★★
Posted by ブクログ
宇宙旅行、人間の手で居住可能となった火星、肉体を捨て、電子になった人類
本当にこんな未来が待ち構えてるのではないかという空恐ろしさを感じました。
普段あまりSF作品を読まないので、不思議な読書体験でした。
Posted by ブクログ
ケン・リュウの傑作短篇集第5段。
表題作は、テセウスの舟を人間の記憶に当てはめ(ちょっと違うか)、サスペンスに仕上げた作品です。異星からの訪問者トウニン人により罪を犯した人間は悪い記憶を除去され、新しい人間に生まれ変わる。果たして記憶を失くした人間は別人なのか?記憶がなくなれば罪もまたなくなるのか?このあたりはとても興味深い問いです。もちろんイエスかノーで答えられる問いではないでしょう。加えて、記憶とはデータのように上書きしたり、新しく置き換えたりできるものではありません。本作では終盤にある人物が除去されていた記憶を取り戻します。別人に生まれ変わっていた人物が元の記憶を取り戻すとき、果たしてどちらの記憶が優先されるのでしょうか。
本書では他にもコミカルなタッチの「化学調味料ゴーレム」だったり、意思疎通の皮肉を描く「悪疫」、異星開発+ファーストコンタクトな「ペレの住民」など、楽しく読める作品が続きます。
特段コレ!といった作品はありませんでしたが、可もなく不可もなく安定して楽しめる一冊でした。