ケン・リュウのレビュー一覧

  • 紙の動物園

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    SFのレーベルから出てるし、SFっぽい話が多いから、一応ジャンルはSFなんかな?1話が程よい長さで、訳もきれいで読みやすいんだが、全体的に社会風刺がビシビシなので、読んでで楽しくはない。が、おもしろかった。1話ずつ、間を開けて読んだ方がよいと思う。あと、デット・チャンみたいやな〜と思いながら読んでたら、作者注でデット・チャンについて語ってたし、あと訳者さんも同じでしたわ。

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    2025年04月27日
  • 紙の動物園

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    ケン・リュウの作品はテーマがストレートに描かれていてわかりやすい。ディズニー映画級にわかりやすい。日本人が主人公の表題作など顔が赤らんでしまうほどだ。
    わかりやすく説明的に描かれている分想像の余地は当然薄れてしまい、自分的には物足りなさを感じてしまう要因となるのだけれど。
    SF味の薄い「文字占い師」のような作品の方が印象に残っています。空虚なただの言葉であるはずのものが強カな力をもち人々を動かしはじめる。ル・グインを思わせる読後感。言葉は大事に使わないとね。
    ラストのオカルト・スチーム・パンクといった趣の「良い狩を」が哀愁もあり一番おもしろいかな。

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    2024年11月15日
  • 神々は繫がれてはいない

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    短編集6冊目。レコードのA面とB面のように前半と後半で色が違う。

    前半4編はひと繋がりのお話。これまで何回か出てきた、ヒトの頭脳・意識・心が
    シリコン・クラウド上に載せられてしまう設定。高速演算と稠密なネットワークによってクラウド上のヒトは人智を超えた「神々」となる。
    そして、テーマは家族愛。どこまで行っても、世紀末的世界でも、守るべきは家族みたいだ。

    後半は、作者のルーツである中国・漢民族が題材の4編。
    理不尽な世の中に、立ち向かう個人の強さは、漢民族の文化や考え方が背景にあるんだろうか?

    最後の、仮想通貨による反権威主義的リソース配分の話は、先に読んだ『差別の教室』と関連して、色々考

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    2024年11月07日
  • 紙の動物園

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    海外SFは今まで古典的なディック、ハインライン、クラーク等の長編しか読んだことがなかったのですが、短編で作品ごとに全く違う世界が繰り広げられる本作に圧倒されました。
    読む人やタイミングで、1番心に残る作品は変わってくると思います。「結縄」「文字占い師」にショックを受け、「紙の動物園」に涙しました。「良い狩りを」も好きです。
    問題に向かって進むSFばかりに慣れていたので、こんな終わり方があるのか!と驚かされるものも多かったです。
    個人的にはNetflixで連続ドラマ化して欲しいと思いました。作品によって長さが違っても融通がきくのが配信なので。

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    2024年07月10日
  • 紙の動物園

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    15作もの短編集で、魔法や呪い的な要素が入った作品、生命の定義を問うもの、システマティックなもの、歴史認識に関するものなど幅広い作品が収録されていました
    読み応えのある作品が多く、読む時間は長くなりました

    【特に好印象だった作品】
    ・良い狩りを
    ・紙の動物園
    ・結縄
    ・波

    【歴史認識を高めた作品】
    ・文字占い師
     
    訳者の後書きは、あらすじに触れずに作者の略歴や収録の経緯を解説されていて秀逸、先に読んでも問題はなさそうです

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    2024年04月28日
  • 母の記憶に

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    やはりケン・リュウ、いいですね。短編集ですが、どれもニヤリとさせられる作品ばかりで、違うテイストの物語をたくさん楽しめるお得な一冊です。

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    2023年09月02日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    作品紹介・あらすじ

    北京五輪の開会式を彼女と見たあの日から、世界はあまりにも変わってしまった――『三体X』の著者・宝樹が、中国の歴史とある男女の運命を重ね合わせた表題作、『三体』の劉慈欣が描く環境SFの佳品「月の光」、春節シーズンに突如消えた列車の謎を追う「折りたたみ北京」著者の郝景芳による「正月列車」など、14作家による中国SF16篇を収録。ケン・リュウ編による綺羅星のごときアンソロジー第2弾。解説/立原透耶 本書は新☆ハヤカワ・SF・シリーズ『月の光 現代中国SFアンソロジー』を改題・文庫化したものです。
    〈収録作品〉
    序文
    ケン・リュウ
    夏笳(シアジア)「おやすみなさい、メランコリー」

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    2023年07月05日
  • 生まれ変わり ケン・リュウ短篇傑作選5

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    介護士,隠遁者,七度の誕生日は,少し前までならSF以外の何者でもなかった設定だが,ここ数年の世の中の動きを見ていると,本当にこういった世界になりそうで怖い.

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    2023年06月06日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    『金色昔日』は良かった。
    この手法で読ませるストーリーになっている。
    『月の光』もありそうな未来で面白かった。

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    2023年02月19日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    全体的に見てやや分かりにくい作品が多い印象。『折りたたみ北京』の方が分かりやすく面白い。だからマストバイとは言いにくいのだけど、糖匪(タンフェイ)「壊れた星」の一編だけは怪奇SFとして至極の出来なのでぜひ読んで欲しい。お気に入りは「壊れた星」「金色昔日」「開光」。

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    2022年12月20日
  • スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選

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    「リスポーン」行動心理学によれば人間の行動は大きくレスポンポンデント条件付けとオペラント条件付けに分けられる、簡単に言うと環境に対して行動が発現する。それの極端な形が”ゲーム”である、というところからアイデアとったのかな?と思われる短編。ゲームの中でプレイヤーはどんな人にでもなれる。でも所詮それだって、条件付けの産物にすぎない。じゃあ、俺は俺のままでもなんだってできる。そういうことだろ?みたいな話。ゲームSFの懐の深さを見せつける読みやすい良作。

    「救助よろ」ケン・リュウは別格なので置いておくとしたら、これが一番面白かった。最初から現社会と異世界の合いの子みたいな世界観で、まあ、SFなんだし

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    2022年12月20日
  • 金色昔日【こんじきせきじつ】 現代中国SFアンソロジー

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    時間をテーマにした作品が目立つのが興味深かった。時の進み方は相対的なんだよ、と諭されてるようで。また、多次元宇宙というのは昨今の流行りなのかな。

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    2022年12月11日
  • スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選

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    TVゲームをモチーフにした短編SFアンソロジー。本作で初めて日本語訳される方も含め新進のSF作家の作品をまとめて読めるお得な本。いくつかの作品で感じたのはゲームを題材に、ゲーム的な解釈であればかなり殺伐とした雰囲気や残酷な展開もわりとマイルドに感じてしまえるということの面白さとある種の怖さ。ゲーム的な発想や物事の解釈はとっくにゲームの外にも飛び出していて私たちの発想に染み付いている。それは良くも悪くもなんだろうけど、ゲームはそんなことはお構いなしに面白さで突き進んでしまえるんですよね。

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    2022年12月04日
  • 紙の動物園

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    ネタバレ

    結縄と円弧が特に好き。理解力が追いつかないのもあったけど大体は楽しく読めた。

    ト・ムを許すな!!!!!!(結縄)

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    2022年09月15日
  • 折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー

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    表題作の他、数篇を読んだ。「折りたたみ北京」は、わかりやすいディストピア小説だが、その発想とそれを読みやすい作品にする構想力には畏れ入る。

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    2022年05月26日
  • 紙の動物園

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    『心智五行』が一番好き。
    人間は科学で説明できるものじゃないと思っているので、ロマンを感じた。
    説明できないけど感じるものをうまく表現できていて胸が熱くなった。

    『1ビットのエラー』の中の「成熟を価値あることと見なすというよくあるミス(p272)」という所ははっとさせられた。

    SFを使って「人間とは」ということを表現するのが得意な作家さんなんだなぁと思った。

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    2022年05月21日
  • スタートボタンを押してください ゲームSF傑作選

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    ネタバレ

    もともとビデオゲームを題材にした26篇が収録されていた米国のアンソロジーから、12篇を邦訳した日本版再編集アンソロジー。全体的に読みやすい文体で短めの短編作品が多い。ゲームSF縛りだけど全く飽きず。

    「リスポーン」★★★☆☆
    - 本アンソロジー唯一の日本人作家、桜坂洋。ラノベ出身なだけあってサラッと読みやすい。死ぬと近くにいる誰かに乗り移って、死ねない男。

    「救助よろ」★★☆☆☆
    - ゲームにのめり込んだ元カレ、デボンと連絡を取るためにメグはそのゲームに参加してみると「助けてくれ」という連絡。彼女は元カレのためにゲームを勝ち進み、彼氏を救出するが、それは毎回記憶(記録)をリセットして繰り返

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    2022年04月05日
  • 紙の動物園

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    SFというよりもファンタジーに近い雰囲気の短編集。
    自伝的な要素が感じられる作品がいくつもあり、アジア系ならではの表現が随所に感じられた。
    どの作品も一級品の出来で、この一冊でケン・リュウの世界観を存分に堪能できる。
    「紙の動物園」「もののあはれ」「月へ」「円弧」「文字占い師」「良い狩りを」
    が特によかった。

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    2022年01月20日
  • 紙の動物園

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    移民の母親と、母親が周りと馴染めないことに憤りを感じる息子との間で、距離が広がっていく表題作でぼろぼろ泣いた。しかもその下地に文化大革命での複数の死があるのだから。

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    2021年12月24日
  • 母の記憶に

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    一編一編がおそろしく練られた、まるで宝石箱のような短編集。取り上げる題材や時代は実に多彩でバラエティに富んでいるが、メッセージは根底では統一されている。それは“融合”。多様性の意義と実践が叫ばれる現代においてその輝きはさらに増して見える。特に「万味調和」は珠玉。

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    2021年11月20日