折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー

折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー

小説・文芸
1,100円 (税込)

5pt

三層に分かれた折りたたみ式の北京を描いた表題作、中国に史上初のヒューゴー賞をもたらした「円」など7作家の13作品を、『紙の動物園』著者のケン・リュウが選び収録。いま一番SFが熱い国・中国の粋を集めたアンソロジー

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折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    親しみやすさを意識して構成されているようで、初心者の私でもとても読みやすかった。
    あと、「三体」の第一巻と第二巻は大衆向けのテーマを入れ込んだけど、第三巻はハードなSFファン向けだから出版社も作者も諦めてたのに、シリーズ全体の成功につながったのはSFファン向けに書いた第三巻だった、という話はこの本に掲載されてるエッセイに書いてあったんですねぇ。読めてうれしい。 収録作家と作品は以下の通り。

    ●陳楸帆(チェン・チウファン)
     ・鼠年
     ・麗江(リージャン)の魚
     ・沙嘴(シャーズイ)の花

    ●夏茄(シア・ジア)
     ・百鬼夜行街
     ・童童(トントン)の夏
     ・龍馬夜行

    ●馬伯庸(マー・ボーヨン)
     ・沈黙都市

    ●郝景芳(ハオ・ジンファン)
     ・見えない惑星
     ・折りたたみ北京

    ●糖匪(タン・フェイ)
     ・コールガール

    ●程婧波(チョン・ジンボー)
     ・蛍火の墓

    ●劉慈欣(リウ・ツーシン)
     ・円
     ・神様の介護係

    <エッセイ>
    ・ありとあらゆる可能性の中で最悪の宇宙と最良の地球:三体と中国SF / 劉慈欣

    ・引き裂かれた世代:移行期の文化における中国SF / 陳楸帆

    ・中国SFを中国たらしめているものは何か? / 夏茄

    0
    2025年10月12日

    Posted by ブクログ

    ケン・リュウ氏が編んだ中国SFの短編集。様々な賞を受賞している作品も多く、どれも面白い。中国SFだから何か特殊な作風があるのかというとそうでもなく、欧米のSF作品と似た読み方ができる。もちろん、読者は中国の事情を踏まえて読むことも多いだろうから、それはそれで読者が楽しめばよい。収録作品で印象に残ったのは「折りたたみ北京」で、これは何度読んでも良い。「沈黙都市」(馬伯庸)は言葉狩りの究極の姿を描いたディストピア。単純に息苦しさを感じる。「神様の介護係」(劉慈欣)は流転を感じる大きな時間軸の物語。「円」(劉慈欣)は既読で、IT技術の黎明と戦術いうか謀(はかりごと)を絡ませているのが面白い。

    0
    2025年01月31日

    Posted by ブクログ

    短篇の名手ケン・リュウが精選する中国SFアンソロジー。ヒューゴー賞の表題作を含む、7作家13作品を収録。

    ケン・リュウの英訳によって広く知られるようになった近年の中国SFがアツい。三体の劉慈欣は別格だが、それ以外にもクオリティの高い作品が多く、作家層の厚さをみせてくれた傑作短篇集が本書。ケン・リュウ自身の作品はないが、彼に劣らず魅力的なタイトルが目立ち、非常に読み応えのある一冊だった。

    「童童の夏/夏笳」介護における近未来技術の予測、すぐにも実現しそうで興味深い。

    「沈黙都市/馬伯庸」個人番号がウェブ上に延長され、匿名が許されない超管理ネット社会が描かれる。ネットの閲覧が管理国家によって制限されており、インターネットが最悪の方向に進んだらこうなるかもといわんばかりのディストピアが印象的。作中でも扱われる「1984年/ジョージ・オーウェル」の現代的なアプローチといえる。その中でも本作がスポットを当てているのは言葉の規制。言葉を制限することがすべてを制限することにつながるのがよくわかる空想実験だ。

    「折りたたみ北京」ヒューゴー賞 中編小説部門を受賞した本作は文字通り、都市のダイナミックな変形によってヒエラルキーを描くというワクワクする作品。これぞSFを読む醍醐味といった感じ。

    「神様の介護係/劉慈欣」はさすがのひとこと。コミカルな光景に見えて、深遠なテーマを含んだガチSF。

    中国SFおそるべし。食わず嫌いは損をする一冊。ぜひご賞味あれ。

    0
    2024年01月06日

    購入済み

    現代中国SFアンソロジーです。人気作家のSF短編が一冊で読めるので、中国SF新参者にはとてもありがたい作品でした。
    現実とは異なる世界でありながら、現実の社会課題を抽象化し描いたような作品が多く、社会課題を見つめる良いきっかけになります。
    エッセイでも書かれていましたが、何かを成し遂げるための手段・道具としてだけではなく単純に文学として面白いという点も魅力です。

    0
    2023年06月01日

    Posted by ブクログ

    現代中国の様々なSF作家の作品を集めたアンソロジー。傑作揃いで非常に読み応えがあった。
    全体的にディスピアものが多く、激しく変動する中国社会に苦悩する作家達が、世界に示したある種のアレゴリーとしても受け取れる。
    一方で、美しい詩的表現が目を引く作品もいつくかあり、詩歌(漢詩)の国 中国 の豊穣な蓄積が感じられた。

    以下、気に入った作品を軽く紹介。

    ・龍馬夜行/夏笳
    長い眠りから目を覚ましたロボット“龍馬”。長い年月の間に、地球から人類の姿は消えていた。“龍馬”はひとり、夜の旅をはじめる…
    幻想的な情景と、海子(中国の詩人)の詩の引用が、寂しい夜の旅を美しく描き出す。

    ・折りたたみ北京/郝景芳
    表題作にもなっている作品で、中国社会の貧富の差がSFに織り込まれている。
    来る日も来る日も厳しい労働に明け暮れる主人公の現実にやるせなくなる。
    胸を締つけるラストに、読んだ後もずっと切ない気持ちが続いた。

    ・蛍火の墓/程婧波
    SFとファンタジーを織り交ぜたような幻想的な世界観が、夢のように美しい。
    そのあまりに緻密な文章表現にひたすら魅了された。

    ・神様の介護係/劉慈欣
    壮大な宇宙スケールと中国古来のヒューマニズムが合わさった傑作。
    作者の想像力にただ圧倒される。

    0
    2020年02月06日

    Posted by ブクログ

    百鬼夜行街、円、神様の介護係が面白い。特に人間3人を使って基本的な演算回路を作り、300万人集めて人力コンピュータを作るという「円」が素晴らしい。昔の日本のsfって、こういうセンスオブワンダーがあったんだよなー、と思いました。

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    2019年06月22日

    Posted by ブクログ

    中国現代SFのアンソロジーである。序文や収録されているエッセイで、中国SFはどう中国なのか質問されるという話が出てくるが、今回紹介されているSFはバラエティに富んでいて、一口で中国SFを定義できない。
    面白いのは、このアンソロジーが英語経由で日本語に訳されているということ。英語圏において中国現代SFが広く紹介されていることにも気づかされる。
    表題作の『折りたたみ北京』を読んでファーマーの『ディワールド』とあさのあつこの『No.6』を思い出した。一週間を平等に分けるディワールドと違って、功利主義の行く末としての折りたたみ北京の怖ろしさ。これは国の差というよりは、時代の差なんだろうと思った。

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    2019年04月11日

    Posted by ブクログ

    ケン・リュウの本を読んだのは、紙の動物園に続き2冊目ですが、今回も綺麗な文章で、秀逸な内容の短編集でした。前よりも理系カラーに傾き踏み込んだストーリーが多いかもしれません。

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    2019年01月05日

    Posted by ブクログ

    現代中国の本には全く馴染みがなかったが、この本はとても良かった。アジア的ディストピアの描写はなんとなく肌馴染みが良いし、翻訳もとても自然で読みやすい。また著者紹介のページを見ると、プロ作家専業というよりもいろいろな分野との兼業作家が多いのも興味深い。ここら辺、中国の検閲文化と関係しているんだろうか…
    名作『紙の動物園』のケン・リュウ氏の作品は残念ながら入っていないけれども、アンソロジーとしてのレベルは高くまとまっている。

    0
    2019年07月21日

    Posted by ブクログ

    色々身構えて読み始めたけどそんな心配はいらなかった。
    中国とSFの結び付きとは、とか最近SF読んでいなかったな、とかポケットブック版は情報量多そうだな、とかそんな事を色々考えていたけど。

    子供の頃読んだジュブナイルSFを思い出すような、とにかくわくわくして読めた。
    カタログ的にどれか気に入った作品があればという感じでも読もうとしていて、作品の中では「蛍火の墓」が美しく哀しく印象に残ったけど、どの作品も異なった世界観が魅力的で、次に読んだらまた新しい良さが発見できると思う。

    0
    2018年10月24日

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