ケン・リュウのレビュー一覧
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現代中国の様々なSF作家の作品を集めたアンソロジー。傑作揃いで非常に読み応えがあった。
全体的にディスピアものが多く、激しく変動する中国社会に苦悩する作家達が、世界に示したある種のアレゴリーとしても受け取れる。
一方で、美しい詩的表現が目を引く作品もいつくかあり、詩歌(漢詩)の国 中国 の豊穣な蓄積が感じられた。
以下、気に入った作品を軽く紹介。
・龍馬夜行/夏笳
長い眠りから目を覚ましたロボット“龍馬”。長い年月の間に、地球から人類の姿は消えていた。“龍馬”はひとり、夜の旅をはじめる…
幻想的な情景と、海子(中国の詩人)の詩の引用が、寂しい夜の旅を美しく描き出す。
・折りたたみ北京/郝 -
ケン・リュウ / 桜坂洋 / アンディ ウィアー / デヴィッド・バー・カートリー / ホリー・ブラック / チャールズ・ユウ / チャーリー・ジェーン・アンダース / ダニエル・H・ウィルソン / ミッキー・ニールソン / ショーナン・マグワイア / ヒュー・ハウイー / コリイ・ドクトロウ / アーネスト・クライン / D・H・ウィルソン / J・J・アダムズ / 中原尚哉 / 古沢嘉通3.6 (31)
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ゲームをテーマにしたSF短篇アンソロジー。
ゲームを扱った作品と言っても様々なパターンがあり、ゲームをやることがストーリーの基軸となるもの、ゲームの中の世界が書かれたもの、ゲームのような展開があるもの、などなど。それぞれゲームに対するアプローチが違っており、こんな風に扱うこともできるのかと驚かされるアンソロジーでした。
死んだ時に近くの人間に乗り移ってしまう男、友が残したゲームには友の死の真相が隠されている、脳の障害による病気の治療に効果があるというシミュレーションゲーム、命を懸けたパズルゲームの行方、FPSゲームの私ならではのプレイ法、MMORPG内のミッションでリアルマネーが手に入る理由 -
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中国現代SFのアンソロジーである。序文や収録されているエッセイで、中国SFはどう中国なのか質問されるという話が出てくるが、今回紹介されているSFはバラエティに富んでいて、一口で中国SFを定義できない。
面白いのは、このアンソロジーが英語経由で日本語に訳されているということ。英語圏において中国現代SFが広く紹介されていることにも気づかされる。
表題作の『折りたたみ北京』を読んでファーマーの『ディワールド』とあさのあつこの『No.6』を思い出した。一週間を平等に分けるディワールドと違って、功利主義の行く末としての折りたたみ北京の怖ろしさ。これは国の差というよりは、時代の差なんだろうと思った。 -
ケン・リュウ / 桜坂洋 / アンディ ウィアー / デヴィッド・バー・カートリー / ホリー・ブラック / チャールズ・ユウ / チャーリー・ジェーン・アンダース / ダニエル・H・ウィルソン / ミッキー・ニールソン / ショーナン・マグワイア / ヒュー・ハウイー / コリイ・ドクトロウ / アーネスト・クライン / D・H・ウィルソン / J・J・アダムズ / 中原尚哉 / 古沢嘉通3.6 (31)
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「スタートボタンを押してください(ゲームSF傑作選)」
全作が書籍初収録。
「紙の動物園」のケン・リュウ、「All You Need Is Kill」の桜坂洋、「火星の人」のアンディ・ウィアーら、現代SFを牽引する豪華執筆陣が集結。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、星雲賞受賞作家たちが、ビデオゲームと小説の新たな可能性に挑む。本邦初訳10編を含む全12編を厳選した、傑作オリジナルSFアンソロジー。
という触れ込み。桜坂洋しか知らなかったのですが、どれも面白い。ゲームSFと言うジャンルすら初耳なんですが、こんな小説の世界観があったとは知らなんだ、、、
まず1発目の「リスボーン」が強烈なインパ -
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ネタバレケン・リュウ第2短編集。
ショートショートのようなワンアイデアで切れ味勝負のような作品から、中編と読んでもいいようなちょい長手作品まで、飽きることなく捨て作品なしの良質なSF宝箱である。上下2段組み500Pのボリュームはさすがにズシンときたが、これも掲載作の密度が濃いからで、決して水増しじゃないということの証明。
どの作品もそうだが、オリエントっぽいテイストが漂うのがよい。チャイニーズアメリカンである作者ならではの作風が強みになっている。時には郷愁が漂い、時には生命力を感じる。
どの国にもどの民族にも歴史や物語があり、誰にだって人生がある。あの国はダメだとか、あの民族は劣っているとか、あいつ -
ケン・リュウ / 桜坂洋 / アンディ ウィアー / デヴィッド・バー・カートリー / ホリー・ブラック / チャールズ・ユウ / チャーリー・ジェーン・アンダース / ダニエル・H・ウィルソン / ミッキー・ニールソン / ショーナン・マグワイア / ヒュー・ハウイー / コリイ・ドクトロウ / アーネスト・クライン / D・H・ウィルソン / J・J・アダムズ / 中原尚哉 / 古沢嘉通3.6 (31)
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ゲーム×SFという、好きな物同士の掛け合わせで面白くないわけがなかった。
アンディ・ウィアー目当てで買ったものの、他の作家さんの短編も面白いものがたくさんあって大満足。
「1アップ」「リコイル!」「アンダのゲーム」「キャラクター選択」が特に良かった。
MMOを長く遊んでいるし、FPSやテキストアドベンチャーもある程度通ってきているから想像がつきやすく楽しめた。この本を手に取っている時点でゲームが好きな人が多いとは思うけれど、ゲームに馴染みが無さすぎるとあんまり楽しめないような気はする。
ゲームだしSFだしで、絶対に現実ではないんだけど、でもそこで繰り広げられる人間同士の会話や感情はフィク