ケン・リュウのレビュー一覧
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中国SFのアンソロジー。
陳楸帆(チェン・チウファン)「鼠年」「麗江(リージャン)の魚」「沙嘴(シャーズイ)の花」
夏笳(シア・ジア)「百鬼夜行街」「童童(トントン)の夏」「龍馬夜行」
馬伯庸(マー・ボーヨン)「沈黙都市」
郝景芳(ハオ・ジンファン)「見えない惑星」「折りたたみ北京」
程●(女へんに靑)波(チョン・ジンボー)「蛍火の墓」
劉慈欣(リウ・ツーシン)「円」(「三体」から抜粋した章の改作)「神様の介護係」
劉慈欣の「神様の介護係」がいい。「円」も面白く「三体」が読みたくなった。
次に若手の陳楸帆。「荒潮」が出版されたら読みたい。
女性だったとはしらなかった郝景芳の「折りたたみ北京」は3番目かな。 -
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ビデオゲーム×SFをテーマにしたアンソロジー。
全部で12作品載っていて、自分的に特に印象深かったのは、「猫の王権」(チャーリー・ジェーン・アンダース)。
主人公が認知症の改善に効果があるという評判のVR国家運営シミュレーションゲームを同性のパートナー(認知症)にプレゼントするんだけど、そのパートナーはVRの世界でものすごい政治家になっちゃって、もはや主人公とは違う世界の住人になってしまう、っていうお話。
ゲームにのめり込むにつれて、主人公を必要としなくなってくるパートナーと、それを受け入れざるをえない主人公の悲しみが切ない……
最後、主人公が同じような境遇のひと(新しいパートナーになりそうな予感)と出会うところが救い(><)
あと、「アンダのゲーム」(コリイ・ドクトロウ)も良かった。
主人公に感情移入できて、最後は気分爽快のハッピーエンド(^○^) -
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現代中国SFアンソロジーという副題にたがわぬ、面白いSFが詰まっていた。ケンリュウの英訳をさらに日本語に訳してあるので、言葉使いは原典からどのくらい違うのかわからないが、発想やストーリーは十分堪能できる。
劉慈欣(リュウツーシン)の三体はぜひ読んでみたい(オバマも読んでる)
鼠年/陳楸帆:まだ鼠の毛一本見つけていない
麗江の魚/陳楸帆:再訪した。今回は病人として
沙嘴の花/陳楸帆:深圳湾の夏は10か月続く
百鬼夜行街/夏笳:百鬼夜行街は藍色の帯のように細く長い通りです。
童童の夏/夏笳:おじいちゃんがうちに引っ越してくるわよ
龍馬夜行/夏笳:りゅうまは月夜に目覚めた。
沈黙都市/馬伯庸:時は2046年。中国政府への風刺?
見えない惑星/郝景芳:魅力的だった惑星の話をきかせて
折りたたみ北京/郝景芳:ごみ処理施設での勤務が終わったあと老刀は・・・
コールガール/糖匪:小一のほっそりした裸体だけが、細い朝陽に照らされている。
蛍火の墓/程婧波:雪止鳥が空にあらわれ、世界の混乱は深まりました。
円/劉慈欣:秦の首都咸陽紀元前二二七年
神様の介護係/劉慈欣:神のせいで秋生一家はまたしても大騒ぎだった。 -
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ネタバレ個別の感想とは別に、全体的な印象としては、親子や血縁に関する情が表面に現れている作品が多かった気がする。
中国の儒教的な文化が背景にあると言ってしまえばそうかも知れないが、むしろ日本や西洋のSFの側が、その国の現在の平均的な社会の有り様よりも個人主義的姿勢を作品内で強調して描きがちな傾向があるのかもしれないと思った。
中国の神や民話や歴史のムードはとても好みだし、SF的な換骨奪胎にも向いている気がする。
深センを舞台にした「沙嘴の花」がとても良かったので、香港や北京や上海などフィクション全般に使われがちな土地以外の現代中国を舞台にした作品も読んでみたくなった。 -
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ネタバレ著者の実力が判る短編集。様々なSF的素材を上手いとうならせる料理法で絶妙な作品に仕上げている。それぞれに味があり面白かったが、題材はありがちだが残されし者が心に残った。人としての尊厳と子供たちの未来の天秤。以外に早くその時は訪れるのでは?
以下 覚書
・ウスリー羆:バンパイヤ
・草を結びて環を銜えん:揚州大虐殺
・重荷は常に汝と共に:異世界の税金
・母の記憶に:ウラシマ効果
・プレゼンス(存在):遠隔介護
・シミュラクラ:3次元カメラ?の発展版
・レギュラー:ハードボイルド探偵
・ループの中で:遠隔戦争
・状態変化:魂が氷だったら
・パーフェクトマッチ:ビッグデータ=ビッグママが支配する世界
・カサンドラ:スーパーマンの相手役
・残されし者:電脳化を拒否した人の末路
・上級読者のための比較認知科学絵本:様々な生命形態
・訴訟師と猿の王:揚州大虐殺の記録を守ろうとした人
・軍神関羽のアメリカでの物語:1800年代後半のアイダホ中国人入植
・輸送年報より長距離貨物輸送飛行船:飛行船で甘粛州からラスベガスまで荷物をお届け -
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各篇実に多様な趣の短篇集なのだけど、そのどれにも独特の叙情感が漂っているのがケン・リュウの特徴ではないかなあ。作品によって濃淡はあるが、切なく心にしみる感じが共通している。
強く印象に残るのは、揚州大虐殺に材を取った二篇。隠蔽され続けてきた歴史に光を当てたもので、心を揺さぶられた。特に「訴訟師と猿の王」の田の造型が見事。
進んだテクノロジーが家族にもたらす軋みを描いたものも目につく。テーマ的な新しさはないが、ケン・リュウの故国や家族、特に母に対する思慕の念が色濃く投影されているようで、しみじみと読んだ。
なかでもやはり表題作が出色。SF的ガジェットと普遍的な親子のありようが溶け合った一篇で、たった数ページでこれだけのことが言えることに驚嘆する。