ケン・リュウのレビュー一覧
-
ケン・リュウ / 桜坂洋 / アンディ ウィアー / デヴィッド・バー・カートリー / ホリー・ブラック / チャールズ・ユウ / チャーリー・ジェーン・アンダース / ダニエル・H・ウィルソン / ミッキー・ニールソン / ショーナン・マグワイア / ヒュー・ハウイー / コリイ・ドクトロウ / アーネスト・クライン / D・H・ウィルソン / J・J・アダムズ / 中原尚哉 / 古沢嘉通3.6 (31)
-
ケン・リュウ / 桜坂洋 / アンディ ウィアー / デヴィッド・バー・カートリー / ホリー・ブラック / チャールズ・ユウ / チャーリー・ジェーン・アンダース / ダニエル・H・ウィルソン / ミッキー・ニールソン / ショーナン・マグワイア / ヒュー・ハウイー / コリイ・ドクトロウ / アーネスト・クライン / D・H・ウィルソン / J・J・アダムズ / 中原尚哉 / 古沢嘉通3.6 (31)
Posted by ブクログ
ビデオゲーム×SFをテーマにしたアンソロジー。
全部で12作品載っていて、自分的に特に印象深かったのは、「猫の王権」(チャーリー・ジェーン・アンダース)。
主人公が認知症の改善に効果があるという評判のVR国家運営シミュレーションゲームを同性のパートナー(認知症)にプレゼントするんだけど、そのパートナーはVRの世界でものすごい政治家になっちゃって、もはや主人公とは違う世界の住人になってしまう、っていうお話。
ゲームにのめり込むにつれて、主人公を必要としなくなってくるパートナーと、それを受け入れざるをえない主人公の悲しみが切ない……
最後、主人公が同じような境遇のひと(新しいパートナーになりそうな -
Posted by ブクログ
現代中国SFアンソロジーという副題にたがわぬ、面白いSFが詰まっていた。ケンリュウの英訳をさらに日本語に訳してあるので、言葉使いは原典からどのくらい違うのかわからないが、発想やストーリーは十分堪能できる。
劉慈欣(リュウツーシン)の三体はぜひ読んでみたい(オバマも読んでる)
鼠年/陳楸帆:まだ鼠の毛一本見つけていない
麗江の魚/陳楸帆:再訪した。今回は病人として
沙嘴の花/陳楸帆:深圳湾の夏は10か月続く
百鬼夜行街/夏笳:百鬼夜行街は藍色の帯のように細く長い通りです。
童童の夏/夏笳:おじいちゃんがうちに引っ越してくるわよ
龍馬夜行/夏笳:りゅうまは月夜に目覚めた。
沈黙都市/馬伯庸:時は -
Posted by ブクログ
ネタバレ個別の感想とは別に、全体的な印象としては、親子や血縁に関する情が表面に現れている作品が多かった気がする。
中国の儒教的な文化が背景にあると言ってしまえばそうかも知れないが、むしろ日本や西洋のSFの側が、その国の現在の平均的な社会の有り様よりも個人主義的姿勢を作品内で強調して描きがちな傾向があるのかもしれないと思った。
中国の神や民話や歴史のムードはとても好みだし、SF的な換骨奪胎にも向いている気がする。
深センを舞台にした「沙嘴の花」がとても良かったので、香港や北京や上海などフィクション全般に使われがちな土地以外の現代中国を舞台にした作品も読んでみたくなった。 -
ケン・リュウ / 桜坂洋 / アンディ ウィアー / デヴィッド・バー・カートリー / ホリー・ブラック / チャールズ・ユウ / チャーリー・ジェーン・アンダース / ダニエル・H・ウィルソン / ミッキー・ニールソン / ショーナン・マグワイア / ヒュー・ハウイー / コリイ・ドクトロウ / アーネスト・クライン / D・H・ウィルソン / J・J・アダムズ / 中原尚哉 / 古沢嘉通3.6 (31)
-
ケン・リュウ / 桜坂洋 / アンディ ウィアー / デヴィッド・バー・カートリー / ホリー・ブラック / チャールズ・ユウ / チャーリー・ジェーン・アンダース / ダニエル・H・ウィルソン / ミッキー・ニールソン / ショーナン・マグワイア / ヒュー・ハウイー / コリイ・ドクトロウ / アーネスト・クライン / D・H・ウィルソン / J・J・アダムズ / 中原尚哉 / 古沢嘉通3.6 (31)
-
Posted by ブクログ
ネタバレ著者の実力が判る短編集。様々なSF的素材を上手いとうならせる料理法で絶妙な作品に仕上げている。それぞれに味があり面白かったが、題材はありがちだが残されし者が心に残った。人としての尊厳と子供たちの未来の天秤。以外に早くその時は訪れるのでは?
以下 覚書
・ウスリー羆:バンパイヤ
・草を結びて環を銜えん:揚州大虐殺
・重荷は常に汝と共に:異世界の税金
・母の記憶に:ウラシマ効果
・プレゼンス(存在):遠隔介護
・シミュラクラ:3次元カメラ?の発展版
・レギュラー:ハードボイルド探偵
・ループの中で:遠隔戦争
・状態変化:魂が氷だったら
・パーフェクトマッチ:ビッグデータ=ビッグママが支配する世界
-
Posted by ブクログ
各篇実に多様な趣の短篇集なのだけど、そのどれにも独特の叙情感が漂っているのがケン・リュウの特徴ではないかなあ。作品によって濃淡はあるが、切なく心にしみる感じが共通している。
強く印象に残るのは、揚州大虐殺に材を取った二篇。隠蔽され続けてきた歴史に光を当てたもので、心を揺さぶられた。特に「訴訟師と猿の王」の田の造型が見事。
進んだテクノロジーが家族にもたらす軋みを描いたものも目につく。テーマ的な新しさはないが、ケン・リュウの故国や家族、特に母に対する思慕の念が色濃く投影されているようで、しみじみと読んだ。
なかでもやはり表題作が出色。SF的ガジェットと普遍的な親子のありようが溶け合った一篇 -
Posted by ブクログ
ネタバレ楚漢戦争を下敷きにしたケン=リュウの異世界ファンタジー第2巻。第一部の完結編。
前巻と比べ、主要登場人物の陰の部分がより深く描かれている印象。
登場人物の多くがそれぞれ自分なりに葛藤やら業やらを抱え込んでどんどん濁っていく中で、クニ=ガル(劉邦)は「自分はそんなことしたくなかったんだけど、周りの意見を聞き入れた結果…」という体。実際は相当えぐいことをやっているのに、一人だけそんなに濁らない構造になっているのは実にズルくてうまい。
人物の大きな運命に関してはここまでのところ下敷きに忠実なので、あの人やあの人やあの人も今後随分ひどいことになっていくのかなあ…と思いながら読むと実に苦々しい気分にな -
Posted by ブクログ
(巻の一、二を併せての評である)
ケン・リュウ版「楚漢戦争」。竹や木、鯨骨といったアジア的な材料を用いて、飛行船や潜水艦を活躍させる、著者自らの命名によるシルクパンクというジャンルを創出して見せたファンタジー小説。
紀元前中国における項羽と劉邦の対決を、ゲド戦記の舞台、アーキ・ペラゴのような架空の多島海に置き換え、ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』に登場するような神々に似た各国を贔屓する神々まで登場させて換骨奪胎している。
ただ、ストーリーそのものは、人口に膾炙した鴻門之会や四面楚歌など、楚漢戦争をなぞっており、新味は少ない。横山光輝のマンガを読んでいるのと似ている。英雄は英雄らしく、