あらすじ
大好きなパパがなくなり、マディーとママは新しい土地に引っ越してきた。学校でいじめっ子に目をつけられたマディーは、毎日悲しみと不安に傷つきながら過ごしていた。そんなある日、彼女のノートパソコンに、絵文字だけの謎のチャットが届いて……。表題作ほか謎の尼僧に見出されて殺し屋として生きることになった唐の将軍の娘の物語「隠娘(いんじょう)」など、第三短篇集である単行本『生まれ変わり』から8篇を収録した珠玉の短篇集
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
タイトルと表紙のイメージは完全にミスリード。ゴリゴリのSFから中国幻想譚のSF再解釈もの、胃が痛くなるポリティカルな暗号通貨ネタまで傑作ぞろい。神々3部作も「ビザンチン・エンバシー」もすごいが、「隠娘」に大興奮。元ネタはなんと映画「黒衣の刺客」だったのもびっくりだが、映画化権も売れてるらしく、これを映像化できるのはヴィルヌーヴかノーランしか思いつかない。あ!ブランドン・クローネンバーグでもいいかも!!
Posted by ブクログ
短編集6冊目。レコードのA面とB面のように前半と後半で色が違う。
前半4編はひと繋がりのお話。これまで何回か出てきた、ヒトの頭脳・意識・心が
シリコン・クラウド上に載せられてしまう設定。高速演算と稠密なネットワークによってクラウド上のヒトは人智を超えた「神々」となる。
そして、テーマは家族愛。どこまで行っても、世紀末的世界でも、守るべきは家族みたいだ。
後半は、作者のルーツである中国・漢民族が題材の4編。
理不尽な世の中に、立ち向かう個人の強さは、漢民族の文化や考え方が背景にあるんだろうか?
最後の、仮想通貨による反権威主義的リソース配分の話は、先に読んだ『差別の教室』と関連して、色々考えさせられた。全てを知ってるわけじゃないから断定的に言いたくないけれど、ODAなんかも、既存権益化してて予算に群がってる人たちの
ためのものになっちゃてるものな…
民族自決権、分離独立、力による現状変更・・・正義なのか、悪なのか、なんて議論よりも、地政学的なパワーバランスに翻弄されないよう、この仮想通貨システムのような仕組みで立ち向かっていけるようにならないだろうか?
Posted by ブクログ
『神々は繋がれてはいない』の連作は凄かったですね。
もしかしたら、世界はいつかこんな風になるのかもと考えると怖いな。
『隠女』は原典が『唐代伝奇集』なんですね、確認してみよう。女任侠のような姉弟子達との剣戟シーン、好みです(//∇//)
まだ『生まれ変わり』を読んでいないので、それを先に読むか、時代小説が読みたいので、そちらを先に読むか検討中(^◇^;)
Posted by ブクログ
SNSで見かけて気になったので読んでみた。
アメリカに住む女の子マディーのパソコンに意味不明な絵文字のチャットが届く。表題3連作を含むSF短編集。
宇宙人なのか異世界人なのか。本作ではどんな接触があるのだろうと興味を抱いて読んでみたところ、相手は意識をデータ化され、デジタルネットワークの世界に存在する父親だった。
本作が書かれたのは2011年らしい。当時に読みたかったかも。今ではとくに意外性を感じない設定となってしまった。
表題作はまだよかったのだけれど、翻訳のせいなのか、専門用語が多いせいなのか、全体的に読みづらく、ストーリーが頭に入ってこなかった。お酒を飲みながら読んでいたせいかもしれない。
Posted by ブクログ
SFはコンピューターネットワークが舞台になりつつあるな
宇宙ではなく、より現実的な舞台だと言える。でも、面白くないな。デビュー作品の紙の動物園に対して感じた緩やかさというかじれったさが作風なのかも。今回も感じたから。
でも、表題作関連の3短編は力作だと思う。映画で言えばマトリクス的かな。よくある設定のよくある展開なんだけど、読ませる。
本作で感じたことは時間外ループするのではないかということ。未来を突き詰めるとビッグバンに戻り、ビッグバンを研究するとその先には未来が見える感じ。神はネットワーク上の仮想人格だって想定から思いついたことね。