藤木稟のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
半ば強制的に休暇を取らされたロベルトと平賀。なんと豪華クルーズに搭乗することになり、優雅なバカンスを楽しむ……だけだったらお話になりません、残念ながら(苦笑)。素晴らしい奇跡の現象だけならともかく、陰惨な殺人事件やテロの脅威など、心が休まる暇もない。けれどロベルトはともかく、平賀はこの方が楽しそうだなあ。
ハイチのヴードゥーを巡るぞくぞくとした恐怖感も個人的に好み。あの謎の歌の不気味さがまたたまりません。そして不可解にしか思えなかった数々の事象がどんどん解決されていくのには、毎度のことながら舌を巻くばかり。ラストの緊迫したあのシーンまで、一気読みです。
ああしかし、まさかあの人が関わっていたん -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集。平賀の弟視点の話がファンタジックだが、その中に出てくる兄弟と何が幸福か説教に、なるほど現代の説教はこういう風に行うのかなと感心した。
魔女のスープの平賀の恰好がエクセレント。平賀の常識に囚われないぶっとんでるところが面白いし、人が死なない日常話は気楽に読めて楽しい。
ローレン視点の話はひたすら、ローレン……、と心で叫びながら読んでいた。このキャラ付けのローレンと平賀の間でどういう心の交流があったかなかったかが大変気になるので、早く本編に出てきてほしい。どうしてもローレンにも人の心の動きや一般的な幸せを期待してしまうが、本編でどういう結末や成長が見られるのか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレミステリ色強くて面白かった!
短編からのミスリードに見事引っかかりました(笑)
まさか本編に独房の探偵のメンバーが出て来るとは思わず嬉しかったです。が、今回も奇跡調査!って感じではなかったな。ミステリ好きとしては楽しめたけど、蘊蓄も少ないのでそこは少し物足りないかもしれない。あとバチカン2人組は殆ど出てこないので逆にそこに驚いた(笑)本編だしもっと活躍して欲しかったな。
情報化社会という身近な問題がテーマだったのでその点は興味深く読めました。感情の問題とか特に。
あらすじの「新展開」の文字に割と期待してたけどそこまで進まなかった(笑)ローレンの真相ってこれもう分かっていたような……名文化し -
Posted by ブクログ
ネタバレ豪華客船に殺人事件、仮面舞踏会にヴードゥ教、バミューダ海域とわくわくするシュチュエーションが目白押しで一気読みでした。
せっかくの休暇なのに結局休めていない2人の体が心配です。
相変わらず随所で平賀さんの食事に細やかな気遣いを見せるロベルトさんに、悪気はないんだけど着実にシン博士にトラウマ植え付けていってるマイペース平賀さん。
今回はクスリとする小ネタ満載で楽しかった。
ローレンが少し出てくるだけでものすごく嬉しくなる。前に彼が言っていたことの意味も分かったので、早く天使が彼を見つけますように。
黒幕側のことがまた少し分かったけれどこれは……規模大きいし、まだまだ解決しない気がする(笑) -
Posted by ブクログ
ネタバレエクソシズムの話で、前半のいつも以上にオカルトな展開から科学的な話になってくるのはやはり楽しいです。今回もまた実験による証明シーンが好きでした。
平賀家のやりとりにほっこりしました。平賀さんも平賀パパも自分の好きを推してるの可愛い。
リフォームの話だったり、悪魔を飼いだしたりと相変わらずマイペースな平賀さんが好きです。
今回もシン博士の地雷を悪気なくぶち抜いていたし、2人の距離は一向に縮まらない気がして笑えます。
終わり方怖くて満足。また厄介な敵対組織出てきたなとは思ったけども(笑)この人達はまた出て来るのか、もう出ないのか…続きを読むのが楽しみ! -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集第二弾。
「シンフォニア」
途中まで良太くんの話だ嬉しい!だったり、前作同様にヨゼフの話は涙腺緩みそうになったり、しんみりしつつもゆったり読んでましたが、ジュリア司祭のおかげで全然落ち着けなくなりました。これが今後にどう絡むのか楽しみ半分、不安半分。
「ペテロの椅子、天国の鍵」
不穏でした。本編の裏側が知れるのは良かった。短編はサウロ大司教の人柄がわかって嬉しい。
「魔女のスープ」
エリーナさんがノリの良い人で気に入りました。素数を数える平賀さん想像してシュール過ぎて笑った。「ペテロの椅子、天国の鍵」の後だったのでホッとできる話でした。
「独房の探偵」
ローレンが安楽椅子探偵やる -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回は舞台が長崎で、隠れキリシタンが素材で大変面白く読めた。いつも通り、ロベルトの単独行動と迂闊さにハラハラした。毎回のように、単独行動は危険だと学習してほしいいと思う。
8巻からチャンドラー・シンの増量週間に突入したらしくて、信頼関係が構築されているように思えた。
丁度、長崎に行ってきた人から、『隠れキリシタンの数は極小になったそうだよ』の絵葉書を貰った時に読んでいたので、こういう巡り合わせは面白いなとふむふむと頷きながら読んでいた。
新しい知識があると、自分が見る世界が拡張されるのが楽しい。自分が知る前からずっとそこにあって、自分が知らなかっただけなんだけど。新しく知ることで、対象 -
Posted by ブクログ
ネタバレ死んだはずの人間が生き返る、祈りで病を治す等の奇跡に挑んだ今回。まさかのオチにこれってアリなの~!?ミステリの禁じ手じゃないのって思ったんですけど、この作品はオカルトちっくなトリックじゃないと世界観に合わないですもんね……?
結局、敵さんの主人公たちの想像に及ばない力を持ってる、無理難題は組織力でカバーみたいな感じなんで推理を楽しむお話ではなかったなあ。
とはいえ面白くなかったわけじゃないのです。どうやってこの奇跡の謎を解明するのかワクワクしましたし、読み終えてみればちゃんと怪しい人への伏線はあったんですよねえ、面白かったです。