百田尚樹のレビュー一覧
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ネタバレ"多数派"の恐ろしさを体現した一冊だった。徹底された平和主義は度を越すと返って楽園を滅ぼすことになる。作者の楽園に対する意図も相まって他人事ではないという、背筋の凍る思いをした。
考えることを放棄した若いカエルにならないように頑張らなきゃ…
凶暴なダルマガエルの襲撃により国を追われた2匹のアマガエル、ソクラテスとロベルト。最終的に辿り着いたのはナパージュという、ツチガエルが治める国だった。その国は「三戒」という戒律と「誤りソング」という奇妙な歌によって守られていた。しかし、ある日突然ウシガエルの魔の手にかかり…
この内容が他人事と思えない恐怖を覚える。最初は滑稽な話だと思 -
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ネタバレサービスアパートの図書室で借りた。
敗戦の夏、国岡鐡造は借金以外なにもかも失っていた――。20世紀の産業を興し、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。その石油を武器に変えて世界と闘った男とはいったい何者か。
出光興産創業者の出光佐三がモデル。
2013年本屋大賞受賞。
鐵造が興した国岡商店は「人間尊重」を大事にし、創業以来、馘首も就業規則も出勤簿も定年もない。戦後、仕事がない時でも誰ひとりとしてクビにはしなかった。
「店員は家族」だと言って信頼していたからだ。
“「ぼくは若か店員たちば家族と思うとる。皆、優秀やけど貧しくて上の学校さん進めんやった子供たちたい。彼らば親御さんから預かったとき -
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前作を忘れましたが、国や人を皮肉った内容だったというのは覚えています。今回はコロナ禍をカエルの世界に落とし込み『政治家は何してやがるんだ』『誰も信用ならねえな』といった強烈なアンチテーゼ。
コロナ禍だった2020年、当時は見えない不安に押しつぶされそうになって、経済も止まってしまって、マスクが配られた時は『本当この国狂ってんなぁ』って思ったさ。今だからこそ思い出話みたいに語られるけど、忘れ去られることは決して無いでしょう。
あとがきに著者の思いとして書き記されていましたが、この作品を世に出して本として出版し残したことにやはり意義があると私は感じました。3つの結末。ストーリーはファンタジー。読み -
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改めて通史をさらいたいなと思って手に取りました。
歴史はどこまでいっても主観性から逃れなれないということなのかな。多くを語る気は無いが、著者の自国の歴史をポジティブに捉え直すべきという思想がひしひしと伝わってくる。古き良き「美しき日本」云々か。否定する気もないが、全面的に肯定するほど子供でも無い。
改鋳、といえば、日本史を受験科目にしていた身としては、世の中が混乱する悪いこと、という認識があったが経済政策においては一定の効果が得られたという。ならば山川の教科書すらも疑ってかかっていかなければならない。まあ、それこそ大学が存在している理由というか、本分である。