百田尚樹のレビュー一覧
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百田尚樹『幻庵 下』文春文庫。
幕末期、後に幻庵と呼ばれる囲碁界の風雲児の生涯を描く長編小説の下巻。
中巻の終盤から下巻の展開は面白い。短気者の自分には上巻から中巻にかけてのゆっくりとした展開が耐えられないだけなのかも知れない。
結局、因碩らを策略に嵌めた丈和が名人碁所となり、因碩の名人碁所への道は断ち切られる。
人生には必ずそういう場面がある。その後捨て鉢になり、自分を見失うか、さらなる高みを目指すかで未来は違って来る。人生の山と谷、それを機微と感じ、どのように振る舞うかで、その後の人生は決まる。
もはやこれまでかと思われた因碩にも好機が巡って来る。昇段を巡る丈和の悪事が露呈し、丈 -
ネタバレ 購入済み
ナパージュの無能ツチガエル
国家の安全保障を描いた作品として読んでも面白いし、現在のビジネスに置き換えて、日本企業と中国企業、アメリカ企業の関係と見ても面白いです。
日本が衰退していくシナリオが三戒と話し合いを美徳と掲げた集団とそうでない集団として描かれています。
歯痒いかな現在の日本人は、ビジネスの面で、この物語のツチガエルの様にやっつけられています。日本人が変われない、企業も変われない、だから日本企業は淘汰されてナパージュのようになっていくのでしょうね。 -
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「逃げる」と聞いてどんなイメージをもつだろうか。どちらかといえばマイナスのイメージを持つ人が多いのではないだろうか。
この本では「逃げる力」と題し、様々なことから逃げることの大切さを書いておられます。
自分も逃げることに対してはマイナスのイメージを持っていましたが、この本を読むつい数か月前にあることから逃げました。
挑戦したことから逃げるのは勇気がいりましたが、逃げてみるとすごく楽になりました。
では「逃げる」のはどんな時でしょうか。それは人それぞれであるが、その価値基準があります。
自分は「幸せの絶対的基準を持っているか」
何から幸せを得ている?「仕事」「家族?」「趣味?」
そうした -
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天皇制について、著者2人の対談を本にしたもの。天皇制とはどういうもので、天皇が日本人にとってどういう意味をもっているのかを述べている。これまで続けてきた「万世一系」の継続が、にほんにとっていかに重要かがよくわかった。
「東アジアにある島国、日本はただひとつの王朝のもと、現代に至るまで一度も別の国になったことがありません。こんな国は世界のどこにも存在しません。そのことがまさしく奇跡です」p3
「日本という国は、天皇を中心とする家族のような国家」p4
「(万葉集)素晴らしい歌を詠めば、そこには身分の差も何もない、和歌という芸の前には人は平等だという価値観が、8世紀、奈良時代の日本にすでにあったと -
購入済み
破壊と再生
インド神話の破壊の神シヴァは同時に再生の神でもある。
敗戦ですべてを失った日本の再生を担った男の物語。
実在の人を扱った話であるが、現在からみるとまるで神話のような高い志を持っていた人の話でもある。 -
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ネタバレタイトルからして、話し方のテクニックを伝えるスキル上達本だと思って読み進めると決してそのような薄っぺらい内容の本ではなかった。技術うんぬんより先に、人を楽しませたいと言う意識が大前提で持っていないといけないものであった。相手を意識することで反応を見ながら話すスピード、膨らませかた、ストーリー展開などを変化させることができるようになる。また印象に残った内容として、聞き上手になること、自分の興味を持った内容について話すこと、同じ話を何度もこすることなどがあった。
様々なジャンルのお話を百田さんが紹介してくださっているので、参考になりました!