百田尚樹のレビュー一覧
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上巻の感想に「最早ボクシングはマイナーなスポーツになってしまった」と書いたけれど、その昔、間違いなくボクシングが時代とともに呼吸をしてた時代があったよね。
ファイティング原田vsエデル・ジョフレ、沼田義明vs小林弘あるいはラウル・ロハス、大場政夫vsチャチャイ・チオノイ、輪島功一vs柳済斗など今も記憶に残る死闘の数々。
具志堅用高あたりを境に日本が豊かになるのと歩調を合わせ拳一本で世界を駆け上がるハングリーな闘いはTVのゴールデンタイムから遠ざかったけど、それでもボクシングの魅力が無くなった訳ではない。
さて下巻。そして、ここには上記の名勝負も斯くやと思わす熱い闘いがあった。
成長、挫折、更なる挑戦。努力を積み重ね秘められた能力を顕わにする木樽も凄いが、天才が死力を尽くしてこそ到達する高みへ駆ける鏑矢、もっと凄い。
終盤描かれる国体予選のvs鍵谷、vs稲村は鬼神が如く凄惨壮絶戦慄鮮烈のファイト、大興奮!終章の短い後日譚が然もありなんと思わせ微笑ましく清々しい。 -
Posted by ブクログ
周りから疎まれるほど醜い顔を持つ男性キャラクターはたくさんいるけど、それが女性で、しかも主人公に据えた物語はほとんどないんじゃないかな。
最近は転生ものが流行っているけど、実際はそんな簡単に人生をやり直すことなんてできない。実はすごい才能を持っていたりもしないし、前世の記憶だってない。みんな、生まれ持ったものや手が届く範囲の努力で、足掻き苦しんで生きていくしかない。その先が例え破滅だとしても。
作家である百田さん自身のことは少し苦手だけど、彼だからこそ人が抱える暗さや弱さ、闇をよく理解し、光を当てて炙り出し、物語として昇華できたように思う。
自分自身が思春期に抱えてた苦しみに寄り添ってもらえた気がして、あの頃の孤独が少し和らいだ気がする。
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Posted by ブクログ
物語がとてもキレイ。主人公は自分の信念を貫く。家族、社員、そして日本のために考えて行動する。そしてまわりもそれについてくる。
キレイすぎて本当にそうなの?美化しすぎでは?と思ってしまったり。。
歴史は年表ベースで習って覚えてきたけれど、この本のように「石油」の視点で見るとまた違って面白いかも。
以下メモ(抜粋)
・自分もまた日本のために生涯を懸けて石油の供給に励んできた。戦後の日本の繁栄にも幾分か貢献できたという自負もある。しかし、晩年になって、石油は本当に人々を幸せにしたのだろうかとの思いが頭をもたげはじめていた。もしかしたら人類は石油など手にしない方が幸せだったのではないだろうか。そうではないと思いたがったが、その思いは鐵造の胸から去らなかった。
・どこの家でも家族に一人くらいは出来の悪いのがいるだろう。
しかし、出来の悪いというだけで家族の縁を切ることがないように、国岡商店も首にはしない。むしろ、そういう店員をいかにして教育していくかということが会社のしめいではないかと思っている。出来の悪い社員を辞めさせ、すぐれた社員ばかりでやっていく。これを、少数精鋭主義と呼んで尊重する風潮もあるが、そんなものは私に言わせれば、単なる利己主義である。
メモ
・明治の初め、日本でも石油が採れていた
・精油技術があがるまでは使いにくいもので、時代は石炭だった。
・日本が東南アジアを併合していったのも、石油を求めて。
・アメリカからの石油輸入が止められたことは、戦争のきっかけになった。
・大きな戦艦が使われなかったのは、石油がなかったから。
・戦後も石油はなかなか自由化されなった
・イランの石油はイギリスの統治下にあった。
・イランの石油をめぐるイランとアメリカのたくらみ。 -
Posted by ブクログ
驚かされたのは、男性の作者でありながら 女性特有の生きづらさの解像度が極めて高かったところ。
学生時代の女子グループに存在する陰湿な容姿ヒエラルキーや陰口、男性から無遠慮に向けられる視線の不快感など、これを忠実に書けているのが凄いと思った。
特に「美人の性格が良いのは他者から優しく扱われて育った結果であり、不細工が屈折するのは酷い扱いを受け続けてきたからだ」という指摘は、的を得ていて面白かった。
かといって、読んでいてずっと苦しい訳でもなく、整形をし、誰もが見とれてしまうほどの美人になり、過去に酷い扱いをしてきた同級生や先生に復讐をする様は清々しく気持ちよかった。
この先どうなってしまうんだろうというドキドキもあり、面白い作品だった。
狂おしいほど好きだった人にまた会えることを願って、顔をまるっきり別人に変え、お店まで開いて、すごい執念ではあるが、それが彼女の稼ぐ理由、働く理由、生きる希望、生きる活力になっていたんだろうな〜 それはそれで幸せな気もする。