百田尚樹のレビュー一覧
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ネタバレ刎頸(ふんけい)の契り…互いのためなら命を捨てても惜しくないほど固い友情や信頼関係を結ぶ、
という意味らしい。
竹馬の友との友情ものは大好物。
でも彦四郎なぜそこまで勘一に尽くせたのか、その根拠となる胸熱ストーリーがほしかった。
序盤から上士による無礼射ちの話で感情を揺さぶられ、彦四郎に何があったのか気になり、百田尚樹の小説は話への引き込み方がほんとうまいなーと思う。
でも本作は、上覧試合の試合運びの描写が長かったり、本筋ではない肉付け部分が多めに感じて、意外と単調なところがあった。
そして単行本の「もう一つの結末」は、いい話だけどせっかくの男の友情で終わったところに水を刺された感じでもやっとした。
まぁ、彦四郎は勘一とみね2人の幸せを守りたかったってことだよね?と思うようにする。 -
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政治寓話が特別好きというわけではないが、嫌いではない。
古典政治寓話はベースの知識量がリクワイアされるとは思うので
敬遠されがちなのでは?と思わなくもないが、
表面の物語だけ読んでも、秀逸な作品が多い。
物語はともかく、個人的には
政治寓話の挿絵が好きで、書籍を購入する事が多い。
グランヴィル、ドーミエ、ドレ、テニエルなどの有名作家をはじめ
それはもうたくさんの画家が存在し、
マニアも多い界隈なので、特別展覧会なども、それなりに開催されることがある。
目録や画集も入手する機会があり
ありがたい。
超ウルトラ世界的有名タイトルも多い。
『イソップ物語』『動物農場』『ガリバー旅行記』『蠅の王』
蝿の王は現在とても気に入ってて、
オーディオで通勤車内で聞いている。
日本にも
竹取とか宇治拾遺とか、鳥獣戯画など今でも
親しまれている名作が多い。
というわけで本題の本書、2016年パブリッシュ
カバーはドレ、これだけでも装丁買いしていい(笑)
挿絵は筆者の手によるもので、非常に味があって好みである。
日本の今が描かれる政治寓話
擬古典、て感じである。
人間はカエルになっている。
地名や人種(カエル種)もアナグラムやら
わかりやすい置き換えになっているので、
隠されてはいない、とても、ゾワゾワする。
数百年前の政治寓話を読んでいた当時の人は
こんな感じのゾワ感を味わったのか、
社会情勢上、さらに痛快と恐怖、
想像もつかないレベルの憤りもあったことと思う。
日本はありがたいことに、
政治を批判しても公的に罪に問われることはない。
大陸と比べると、有難いとは思う。
ただ、偏った報道や、
社会的なアキュゼーションがえぐい
最近特にエスカレートしているように感じる。
報道する自由かなんかしらんが、
過度の自粛や、
少数でも声の大きい人をさも”みんな”扱いしたり
都合の悪い報道をしない自由
ちゅうのはいただけないねぇ。
現在、
ネトで全ての地方紙を網羅できるようになっているので、
テレビなどの全国ニュースなんかを見ると
報道の取捨選択がえぐいな、、とバレる。
テレビしか見ない世代は、、、
私も普段高齢者を間近で見ることが多いので、
本書の全ツチガエル採決の怖さを痛切に感じる。
ということで、
大陸みたいにディクテイターに弾圧されない報道は良いと思うが
今の在り方はちょっと違う
と、思う。
というのを
本書では、明文化されていて
かなり胸がすくと同時に、
ゾッとする。
100年後にどう評価されるのか、
私はもう生きてないので、知る由もないが
非常に気になる書籍である。
筆者も”ハンドレッド”として登場する
P216
「元老のガルディアンは、今はナパージュのカエル
ということになっているが、元を辿ればヌマガエルの子孫だ」
「もちろん、ナパージュを愛してくれているなら、
ヌマガエルであっても大いに結構だ。
厄介なのは、ナパージュのことが嫌いでも、
ナパージュの民になれてしまうことだ」
ハンドレッドはそういって笑いました。
P249
「では、ハンドレッドさんも逃げるのですか?」
「俺は逃げないよ。ずっとここにいる」
「食べられるとわかっていて、ここにいるのですか?」
「ひどい国だが、俺はこの国が好きなんだ。
それにーここが俺の国だ」
ハンドレッドはそう言って寂しそうに笑うと、静かに去っていきました。 -
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ネタバレ【第10回本屋大賞】
国岡商店、今の基準で言うとブラック企業。人と人の距離が近かった昭和を感じさせる社風。社交性のない私的には、適度な距離間のある現在が好きですが、人が人に魅了されて「この人のために」ということがあった時代が懐かしくもあり。
先の大戦の官僚の愚かさと、軍部の狂気に振り回されながらも、鐡造の国を思う情熱に泣けること数回。
政治に関わる軍人は、特に先の大戦の軍人は、もはや軍人の誇りなどなく、国を守るという本来の職務を放棄していると思わざるを得ない。
共産主義、資本主義、君主制など国の在り方はいろいろありますが、国家とはそもそも何か、ということを本を読みながら考えました。
後半。実在の人物をモデルとしている鐡造への国岡商店店員の心酔ぶりが、ちょっとひきました。小説なので、そこはあまり気にしなくてもいいのかな? -
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展開としてはご都合主義というか、
邪魔されて→何とかして→邪魔されての繰り返しでちょっとテンション下がった。
ホルムズ海峡への航海も、運任せで怖かった。それで困難くぐりぬけられたのは結果論で、根拠薄くないか?色々と…ともやることもあった。
でも結局、この本で国岡商店の人たちが貫く男気は、今の世の中になくて、それを持つ人がもっと増え、国や企業の上の方、一般人の中でも声を上げられるといいけど、そんなことはなくてどんどん苦しくなってるからこそ、眩しいほどに輝いていて胸が熱くなった。
この本で国岡商店の足を引っ張ろうとしていたような人たちとか、国岡商店にある倫理観や道徳のかけらもないような人たちで溢れかえって牛耳られてる世の中だなと思うけど、この本に感動して心震える人がまだまだ日本にはいるとも信じている。
諦めずに手を取り合って日本を支えていきたいねと思う。 -
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主人公であるアマガエルのソクラテスは、安息の地を求め仲間のアマガエルと一緒に旅をする中で、ナパージュというツチガエルの楽園に辿り着く。
そこでは、「三戒」と「謝りソング」の存在がナパージュを楽園たらしめている。
平和な日々が続く中、ある日南からウシガエルがナパージュに侵攻しているという噂が。
撃退するべきだという声も上がる一方で、「三戒」を守るべきだという声も上がり、ナパージュ内では真っ向から意見が対立し、やがて。。。
寓話的に綴られる本書は、読み進めるとすぐに日本を取り巻く国際情勢や安全保障のあり方を風刺的に描いた物語であることがわかります。
・ナパージュ(napaj→japan)
・スチームボート(アメリカ)
・ウシガエル(中国)
と代表されるように、各キャラクターはそれぞれ現実世界の国家や思想の象徴として登場し、それぞれの立場や思想を背負いながら物語が展開していきます。
ブラックユーモアと風刺に満ちた、終始シニカルな空気感が漂ってます。
このようなお話は個人的に大好物なので、とても楽しめました!
作者である百田さんも物語に登場していたり、ハンニバル三兄弟もカッコよかったり、キャラクターも良き。
刊行は10年前ですが、日本を取り巻く国際情勢はその頃から変わることもなく、むしろ世界に目を向けるとロシアとウクライナの戦争、中東での戦争と争いは増すばかり。
人は繰り返し争ってしまう生き物なのだと、つくづく考えさせられます。
エンタメとして楽しみつつ、読後には不穏な現実が頭に残る作品でした。