吉永南央のレビュー一覧
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目次を開くと、「目次」の文字の下にコーヒー豆が二つ。
なんだか、このシリーズの雰囲気を語っているようで、並び具合かとか大きさとか、とても良い。
それはさておき、
第三章狐雨は嵐の晩に
第四章消えた場所まで
の2タイトルがなんとも不穏な感じで、読み進むのが不安になるような……
前作は、紅雲町の空気にそぐわないほどのアクションストーリーだったし……
しかし
本作はゆったりと流れていく謎解き。
世の中の謎というものは、全て人間関係の絡まりから生まれてくるんだなあと実感しました。
とすれば、謎解きは、すなわち、人間関係の縺れや絡まりを解いて、ほぐしていくことなのでしょう。
実生活では、他者の絡まりをほぐしていると、反作用で自分にからまってくるものが出てくることがあるけれど、そこは杉浦草さん、ほろ苦いコーヒーの奥から滲み出てくる甘い味わいのように、ステキな読後感を贈ってくれました。
それにしても
第四章は、ドキドキしました。頼む!お願い!と祈りながらページを繰りました。不穏な章題には、劇的な展開があるのだなあ、とため息つきつつ、最終章に進んだのでした。
次作で最後ですね。寂しいです。
巻末のシリーズ案内もステキな贈り物です。
これまでの表紙を眺めるだけで、時の流れとともに、小蔵屋の流れと空気を味わえました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ紅雲町お草さんシリーズ第12弾。
階段を一段一段くだっていると思ったら、
いきなり踏み板どころか段そのものがなくなって、すとんと落ちてしまった感じ。
落ちたのは下の階ではなく、七年後だった。
一ノ瀬がまた山に登ってるのは良いとしても、
久美は他の人と結婚してるし、
小蔵屋は閉店してるし、
お草さんは行方不明。
どういうこと?
最終巻とはわかっていたので、
事件が起こりながらも静かに小蔵屋を閉める話なのかな、
久美ちゃんが後を継いでくれると良いな、
と勝手に妄想していたので、
大きな落とし穴に落ちたような感じでもあった。
お笑い芸人がよく落ちてるような。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ紅雲町お草さんシリーズ第10弾。
いつになくハードボイルドなお草さん。
以前登場したこともある長い間の想い人から預かったものの、
手元に置くには苦しく手放してしまった帯留め。
骨董屋に戻ったと知らされ、買い取りに向かったことから
届け物を頼まれ、子供連れで、ヤクザより質の悪い男に追われることになる。
その男だけでなく、誘拐犯として、新幹線の車掌や警察からも逃げ回る。
のんびり京都を旅するはずだったのに。
そこへ、久美の恋人一ノ瀬の知人、元警察官の男の恋愛話がからんできて、
ちょっとややこしい。
むかし、お草さんが救えなかった男の子が大人になり、
同じ苦しみの中にいた少年とともに日本を脱出するラストで良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ紅雲町お草さんシリーズ第9弾。
久美は紆余曲折あるものの、
一ノ瀬との同棲生活が続いているようで良かった。
今回は引きこもりの息子と母のお話。
9年引きこもっている45歳の息子が、
母親が倒れても、救急車も呼ばないし部屋からも出てこないと言う、
自分からしたら少々気味が悪い展開だった。
一度はきちんと働いていたとはいえそんな息子が、
お医者さんの訪問と、
お草さんの良い意味でしつこい働きかけで、
社会に復帰するまで至るのは驚きだった。
行方不明の女子高校生の話は、
道草まで禁止の校則の話になり、
学校で掲示されていたのに廃棄された昔の生徒たち写真を
小蔵屋で展示する話、
OBOGたちが臙脂色を身に着けて反対を示す話になって、
こちらの方が面白かったかな。