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古い映像作品をつくった男は何者なのか?
小蔵屋が高名な映画監督の新作の撮影候補地に。監督はお草に、彼に影響を与えた古い映像作品を作った無名の男を捜してほしいと頼む。
単行本 2023年10月 文藝春秋刊
文庫版 2025年10月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
紅雲町で珈琲と和食器のお店「小蔵屋」を営む、ちょっと気丈で小粋な店主の「お草さん」の日常には謎が沢山。
今日も映画撮影を依頼された監督から「別の頼み事」をされる。
店員の久美ちゃんとパートナーの気になる未来。
最近、ゴミの中から割れた食器などを取っていく若者は誰?
毎日の散歩で、自分の人生に思いを巡らせ過去の人々に語りかける、お草さん。
やがて、頼み事の核心に近づくのだが…
日変わり映えのない日々だなぁ、と思う中に人それぞれの人生がある。
それはドラマチックでもなんでもない
人生かもしれない。
でも、そこに居合わせた人にとっては自分の人生に彩りを与えるかもしれない。
色は明るくもあり、暗くもあるかもしれない。
でも人と人はそうやって交差し、色を差し合うのかも知れない。
小蔵屋シリーズも佳境を迎える。
あとどれくらい紅雲町の人達と会えるだろうか。
Posted by ブクログ
目次を開くと、「目次」の文字の下にコーヒー豆が二つ。
なんだか、このシリーズの雰囲気を語っているようで、並び具合かとか大きさとか、とても良い。
それはさておき、
第三章狐雨は嵐の晩に
第四章消えた場所まで
の2タイトルがなんとも不穏な感じで、読み進むのが不安になるような……
前作は、紅雲町の空気にそぐわないほどのアクションストーリーだったし……
しかし
本作はゆったりと流れていく謎解き。
世の中の謎というものは、全て人間関係の絡まりから生まれてくるんだなあと実感しました。
とすれば、謎解きは、すなわち、人間関係の縺れや絡まりを解いて、ほぐしていくことなのでしょう。
実生活では、他者の絡まりをほぐしていると、反作用で自分にからまってくるものが出てくることがあるけれど、そこは杉浦草さん、ほろ苦いコーヒーの奥から滲み出てくる甘い味わいのように、ステキな読後感を贈ってくれました。
それにしても
第四章は、ドキドキしました。頼む!お願い!と祈りながらページを繰りました。不穏な章題には、劇的な展開があるのだなあ、とため息つきつつ、最終章に進んだのでした。
次作で最後ですね。寂しいです。
巻末のシリーズ案内もステキな贈り物です。
これまでの表紙を眺めるだけで、時の流れとともに、小蔵屋の流れと空気を味わえました。
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小説・文芸
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