あらすじ
北関東の紅雲町(こううんちょう)で、コーヒー豆と和食器の店を営む大正生まれのお草(そう)さん。彼女は、常連たちとの会話から街で起こっている小さな事件に気付き、ひとり捜索に精を出す。ある日、とあるマンションの一室で虐待が行われていると気づいたお草さん。ひとり捜索まがいのことを始めるが…。悩む人たちの心に彼女の言葉は届くのか? 行動するお婆ちゃん探偵・お草さんを主人公に「老い」と「家族」を正面に据えて描く、期待の新鋭のミステリ短篇。
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和食器と珈琲を出すお店小蔵屋の店主お草さんが日常の謎に挑むシリーズの第一弾
日常の謎の真相は優しさの裏返しが多く今回の本もそう
辛い過去を乗り越えて、人を助けるお草さん本当に素敵
最初の話は少しハードだけど、お草さんなら解決してくれるという安心感がすごい
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年齢で夢を諦めない草さんの姿が凛々しい。
こんな風に歳を重ねて、老いを受け入れたい。
色んな事があった草さんだからこそ、人の弱さが辛さが分かって手を差し伸べたくなるのだろうな。
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65歳でコーヒー豆と和食器の店を開くお草さんの紅雲町珈琲屋こよみシリーズの一冊目。正義感に溢れ、無鉄砲な行動力もあるけれど、人の気持ちに寄り添い温かいお草に魅力を感じる。シリーズは人気となり、今では10冊以上が刊行されているのも納得。先日ふと手にしたのが途中作だった。シリーズの設定やそれまでのお草さんを知りたくて、一作目から読み始めた。順を追って読んでいくことをお勧めします。
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小蔵屋というコーヒー豆と和食器のお店をしている主人公、76歳のおばあちゃん杉浦草(すぎうらそう)が街で起こる事件を解決していくお話。好奇心旺盛でお節介。でもお店では話しかけられない限りは自分からはなるべく話しかけない(お客たちの会話を楽しんで聞いている)憎めないのは、この主人公の人生が平坦ではなかったからなのか。続きが読みたくなりました。
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なんか、カフェっぽいお話が読みたくて購入した一冊。
76歳のおばあちゃんが謎を解明していくお話です。
だいぶ前に読んだのであまり覚えていないけど、面白かったので続きがまた読みたいと思った記憶があります。
時間があったら読み返してみよう。。。
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お婆ちゃん探偵というほどのミステリではないけれど日常の小さな事件を解いていく過程は楽しめた。今どき無料のコーヒーを提供してくれるというだけで現実的ではないと思えちゃうけど儲けなしで残りの人生を楽しむ場所としてはありなのかもしれない。自分が草さんに寄り添った気持ちになれるのはもう少し先かもしれないけど今後の彼女の生き様も見届けたい。
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初めて読んだ作家さんです。
おばあちゃん探偵シリーズですね。
本格的なミステリではないけど、問題を解決したり、人情物語的な話もあって面白かったです。
コーヒーと雑貨のお店で、ほんとにこんなお店あったら行ってみたいなぁっと思いました。
この小説、シリーズになっているので違うお話も読んでみようと思います!
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おばあちゃんの探偵もの。
主人公のお草さんは76歳でおしゃれなコーヒー豆屋兼食器屋さんを営んでいる。
あまり謎解きという感じではなく、違和感に気づいたけどどうしよう?みたいな展開。
解決の邪魔をするのは自分の老いた肉体だったり周りの偏見だったり、歳をとるということの切なさが散りばめられている。
でもお草さんは店を切り盛りしつつたんたんと解決していく。
お草さんのお店の古民家建築のような、ゆったりとした雰囲気がいいのかもしれない。
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70代の女性コーヒー店店主が、身の回りで起きる事件にいどむ本作。主人公のお草さんは、和服のよく似合う、凛としたたたずまいの女性。今度お草さんのお店にコーヒーをいただきに行ってみたいと思います。
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主人公は珈琲と雑貨のお店を営む76歳のおばあちゃん。
のどかな風景の描写と、実在しているかのような人物描写に引き込まれて好きなシリーズ。
ただお草さんの周辺で奇特な事件起こりすぎ(笑)
「紅雲町のお草」近所のマンションでの虐待疑惑を探る。
「クワバラ、クワバラ」幼い頃になぜか草につらく当たってきた秀子が引きずる過去。
「0と1の間」草にパソコンを教えてくれる真面目な大学生、白石の秘密。
「悪い男」小蔵屋に出入りする運送屋、寺田の同級生大竹にかけられた疑惑と真実。
「萩を揺らす雨」草が密かに想いを寄せる幼馴染、大谷の愛人との間にできた息子とのお話。
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再読。
覚えていないものだ。お草さんのピシッとした雰囲気や、久実ちゃんのたくましさは覚えていたが、ストーリーは全然覚えていなかった。「日常の謎」というにはちょっと、事件性が濃くないですかね。
お草さんの負けん気の強さとか、老人然としていない所が好き。(たまに弱音が漏れるけど…)
お草さんみたいに歳を重ねたいと思える、理想のおばあちゃんだ。
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HKさんのお勧め。
おばあさんの話だが、
枯れきっている訳でもなく、
綺麗ごとだけでもなく、淡々として良い感じ。
一人暮らしで、
好きな器とコーヒーの店をやっていて理想的な老後なのかも、と思っていたが、
旧友の由紀乃が遠くに行ってしまった。
次作が気になる。
Posted by ブクログ
気丈なおばあさん・草(そう)さんの事件帖1作目。短編連作です。
紅雲町(こううんちょう)は、丘の上の観音様が見下ろす田舎町。
和食器とコーヒー豆の店「小蔵屋」は古民家風の造り。
今は数えで76歳の杉浦草が、65歳のときに思い立って改装したものだ。
もともと同じ屋号の店は祖父が始め、両親が何でもある雑貨屋を営んでいた。
29歳で離婚して実家に戻り、家業を手伝っていたが、両親もなくなって久しく、人生の最後に好きなことをしてみようと賭に出たのだ。
コーヒー一杯は無料で試飲出来るようにしたため、それ目当てのお客さんも多い。
店員の森野久美は27歳。若いときはスキーの選手だったというがっしり型で、頼りになる明るい娘だ。
常連のお客さんが喋っているのを聞いて、おかしな事が起きているのではと心配した草は、マンションが建っている通りの様子を見に、何度も散歩に行くようになる。
階上の主婦が話していた~夫婦げんかが絶えない家で、大きな物音がしたという話。
女の子達が話していた~窓に張り付いた手が見えたという話。
それが同じ家だとするならば…
草は警官に不審尋問され、徘徊と誤解されたと気づいて、失礼なと大声をあげる。「そう興奮しないで」となだめられ、その時のことが評判になってしまう。
しかし…
空き巣狙いと出くわしたことからの意外な解決と、たくましい行動力、そして草の過去に秘められた悔恨…
表題作は、幼なじみの男性・大谷清治から数年ぶりの電話。
おしゃれな着物に着替えようとした草は、途中で気持ちを変える。
清治のかっての恋人・鈴子が死んだという。
清治は両親を亡くして大谷家の養子に入り、議員となった男。
妻子ある身で初めて恋したのが若い鈴子だった。
その話を初めて聞かされたとき、草は自分の気持ちに気づいたが、女として見られていないことにも気づいて、口には出せないまま。
親に結婚を猛反対されて鈴子は他の男性に嫁いだが、夫の子として生み育てた清史はじつは清治の子。
出来れば引き取るか援助したいという意向を伝えるが、清史にその気はなかった…
清史が何かの事件に巻き込まれていると気づいた草は?!
人生にありそうな幾つかの難題が、現実的な重みを感じさせます。
解決出来ることも出来ないこともありつつ、何かしら手は貸せる。
過去に悲しみを背負った草が、温かい目で人々を見つめながら、ぴんしゃんと生きていく。
年月を重ねて着こなした着物のように、さらりとした感触が心地良い。
単行本は2008年発行。
Posted by ブクログ
数えで76歳のお草さんが、日常の謎を解き明かしていく、シリーズ1作目。
お草さんは、自ら行動するタイプなので、色々と危ない目にも会うし、「日常の謎」の背景がなかなか重い内容なので、読んでいると老いや人生について考えさせられました。
続きも読んでいきます。
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紅雲町珈琲屋こよみシリーズ一作目。コーヒーと和食器のお店『小蔵屋』を営むおばあさん杉浦草は、常連客の会話から街で起きている小さな事件に気がつき…
シリーズを飛び飛びに読んでいるので、最初の作品を手に取ってみた。今まで読んだ作品は短編だけど、全体で一つの流れにはなっていた。これは本当に短編集でビックリした。お草さんの行動力の原点はこれなのか…って納得。1話目の『紅雲町のお草』の展開にはビックリした。
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北関東のとある町でコーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」を営む杉浦草は数えで76歳。
彼女が店の客から小耳に挟む事件や町の異変を、持ち前の行動力で解決に導くいわゆるコージーミステリ5篇。
コージーとはいいながら決して「居心地がいい」わけではない。
扱う謎は児童虐待や昔年の親と子の確執、果ては麻薬の顧客名簿の入った携帯電話まで、とても軽〜くほのぼのと読み流せるものではない。
29で離縁され、取り上げられた息子は幼くして水の事故で亡くなったというお草さんの人生が既に重い。
謎を調べようと歩き回れば徘徊老人と扱われて傷つき、無二の親友が日々記憶を衰えさせていく辛さなど老人ならではの悲哀も明日は我が身と身につまされる。
それでも、辛い目にも遭い、さまざまな理不尽も経験してきたからこその知恵や優しさもあるし、その言葉には説得力もあるということに静かに励まされる。
それは、若い素人探偵のコージーミステリとはひと味もふた味も違った、小蔵屋のコーヒーのようにビターな人間模様なのである。
このシリーズ、少しずつ読破していきたいと思います。
Posted by ブクログ
76歳でコーヒー豆と和食器の店を営む草さん。普通なら自分のことで精一杯のはずだけど、草さんはフットワークが軽い。様々な事件を解決してゆく。ちょっと年齢的に違和感アリの設定だけど、この年齢だからこそのものの見方とかもあると思うのでそこは目をつぶって楽しみました。
それにしても、またシリーズものに手を出してしまった…
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おばあちゃん探偵、杉浦草さん。
追いかけたい格好いいおばあちゃんが増えました。
老いは避けられなくてその切なさもあるけど、心がパワフルで、放っておけないけれど無神経に踏み込むことはしない、そのバランスがお草さんの人生経験の深みを感じさせます。
久実さんも、はつらつとしてて健全で良いです。
日常の謎系ですが、ほのぼのとしてなくてちょっと苦かったり寂しかったりするのも好き。
シリーズ読みます。
Posted by ブクログ
お草さんのようなおばあちゃんが実際にいたらいいのになと思った。穏やかな面もありながら力強い生き方をするおばあちゃんだった。
「弱いと認めちゃったほうが楽なの。力を抜いて、少しは人に頼ったり、頼られたり。そうしていると、行き止まりじゃなくなる。自然といろんな道が見えてくるものよ」という言葉が本当に素敵だなと思った。
Posted by ブクログ
表紙絵のアットホームな雰囲気とは全く別物。70歳の一人の女性が自立して生きていく姿を、個々のエピソードの中に散りばめている。主人公の凛とした立ち姿が爽やか。
Posted by ブクログ
警官に痴呆で徘徊していると思われての「老いに覚悟も誇りも持っていたはずなのに、結局どこかに自分だけは老いの外だという妙な自信があったのかもしれない」や、脳梗塞の後遺症のある友人についての「同情や優越を感じていなかったか」等から、数えで七十六歳のおばあちゃんの目線が寄り添い易くリアルに感じられた。難しくないのに濃密な文章で、情報量の多さに溺れそうになって上手く入り込めなかった。一話の徘徊に間違われるシーンと、最後の話の知人の為に連れてきちゃった遺骨の欠片の結末が印象的だった。パソコンを習うのも凄いなあ。
Posted by ブクログ
コーヒーと和食器の店「小蔵屋」という店を営む杉浦草というおばあちゃんが主人公の「日常の謎」系のミステリ。離婚をして,親権を離婚相手に取られ,その子が死んでしまったという悲しい過去を背負う上に,親友のおばあちゃんである由紀乃さんの痴呆が悪化し,会えなくなっていくなど,根底となっている設定が切ない。人間の悪意などが描かれていて,忘れられない印象が残る作品は好みなのだが,この作品はそういう意味での読後感の悪さとは異なる寂しさがある。読み終わったあとに,年を取るって大変なことだな…と思わせる寂しさがある作品。個々の短篇のミステリとしてのできも悪くない。好みの作風でないという点が最大の減点材料か。★3で。
○ 紅雲町のお草
妻の連れ子に虐待をする父の話。杉浦草が,泥棒と協力して子どもを救い出す。
○ クワバラ、クワバラ
小さい頃から杉浦草にいじわるしていた秀子についての話。小蔵屋を建てるときにも意地悪をした秀子が家出をする話。ミステリというよりは,ちょっとした小話
○ 0と1の間
杉浦草にパソコンを教えていた白石という青年が妹にひどい目に合わされる話。妹が彼女と誤解され,白石が女に騙されていると思わせ,真相は妹だったというオチ
○ 悪い男
大竹という男がピアニストを目指していた小枝子という女性をかばった話
○ 萩を揺らす雨
杉浦草が古くからの知り合いである政治家「大谷」の愛人との問題で,大谷と愛人の子どものトラブルに手を貸す話
Posted by 読むコレ
事前に小耳に挟んでいた情報によればオール讀物推理小説新人賞作とか。
確かに一話目はその様な雰囲気もありましたが、全体的には概ね装丁から受ける印象を損なわない、珈琲屋と主人公のお草さんに纏わる人達との人情物語といった趣でした。
76歳と高齢でありながら若々しい感性と好奇心を持つお草さんは現代社会に在っても堂々とした振る舞いで、年輪を感じさせる余裕でもって若者達をいなしていく姿が見所でしょうか。
短編が故か話を急いでご都合主義的な展開が多い様にも見えなくもないですが、否、これが年の功という奴です。
御見逸れしました。
Posted by ブクログ
連作短編集は私が好きな分野なんだけど、なんだか読むのに時間がかかったなぁ。
時間がのんびり流れていく感じがして、思い返してみてもいいお話だと思うんだけど。
なんでだろう?