あらすじ
累計65万部、大人気の紅雲町珈琲屋こよみシリーズ第7弾。
お草さんが営むコーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」で片腕として働いている頼れる店員・久実。
なぜか男っ気のない久実にもついに春が……!?
浮き立つ店に、元アイドルの女性が店の敷地内で暴行を受けたという
衝撃のニュースが飛び込んでくる。
容疑者は地元名士の息子。
久実の様子がおかしいことに気づいたお草。
そして、暴行現場で拾った「あるもの」がお草と久実を悩ませることになる。
「私、いつから加害者になったんだろう」
──心に小さな勇気の火を灯す人気シリーズ第7弾。
※この電子書籍は2019年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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読み終えた後、“黄色い実”ってどんなものだろう?と調べ、その植生や言い伝え、花言葉などを知って再度じんわりと物語の余韻が染み渡った。
シリーズ7作目の積み重ねあってこその親近感ゆえ、とりわけ三章の終盤からは友人の安否を心配するような心持ちで頁を捲る手が止まらなくなる。
春先の山菜を食べたその苦味であたたかさのある季節の巡りを実感し安堵するような、そんな気持ちに至る終幕が味わい深い。
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紅雲町お草さんシリーズ第7弾。
いやー、お草さんの相棒、久実には早く幸せになってほしい。
何せ恋愛が上手くいかない話ばかりなので。
別に店員を続けてくれれば、恋人とか夫とかできても良いんじゃないの?
常々そう思っているところに、
男に乱暴されかかるとは酷い展開だ。
ちょっと仲良くなりかけた人がいるというのに。
ひとりで行こうとしていた温泉に、
別の被害者の女性と久実を誘った場面は良かったが、
お草さんが久実に警察に行くよう強いるのはどうかと。
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どこかに在りそうな普通の小さな田舎町のお話なんですが…物騒な事件❗
でも起こりうることですね。
毅然とした態度で正論で臨みたいけど、被害者や家族の気持ちに寄り添わないとさらにキズつけてしまう。
こんなときどうしたら正解か解らないけど、お草さんみたいに出来るような人になりたい。
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*お草さんが営むコーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」で片腕として働いている頼れる店員・久実。なぜか男っ気のない久実にもついに春が……!?浮き立つ店に、元アイドルの女性が店の敷地内で暴行を受けたという衝撃のニュースが飛び込んでくる。容疑者は地元名士の息子。久実の様子がおかしいことに気づいたお草。そして、暴行現場で拾った「あるもの」がお草と久実を悩ませることになる。「私、いつから加害者になったんだろう」──心に小さな勇気の火を灯す人気シリーズ第7弾*
これは・・・シリーズ史上、最も辛く、やるせない作品でした。
え? 何??
どうして???
と、途中錯乱し過ぎて、1度目はほぼ斜め読み。
それでも涙が止まらず、読み切るのが本当に辛かった。
けれど、なんとか最後まで読み通し、動揺が収まってからもう一度きちんと読み返したら、ああやっぱり小蔵屋だな、お草さんにしか出来ない物語だな・・・と。
じっくり読んだ分、二度目は倍から泣きましたけどね・・・
被害者なのに、加害者になる。
私にその発想はなかったけど、お草さんはさすが年の功だけあります。諸々飲み込んだ上で、冷静に「その先」を見据えている。
「その先」までの辛さや苦しみがわかっていても、一番大事なことは何なのか、決してぶれない。
その代わり、今の自分が出来る精一杯のことを重ねていく。
それらが相まって、本当に辛い展開ではありますが、含蓄のある作品に仕上がっています。
そして、今回は小蔵屋の面々の温かさが十分に発揮されています。寺田さん、由紀乃さんはもとより、まさかの幸子さんまで!いい仕事をしてくれています。まさに、何が功を奏すかわからないな・・・
歳を重ねることの意味を見せてもらえたような作品でもあります。
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読みながら実際に起こった事件に思いを馳せていたが、やはりそうだったか。
性犯罪の被害者は、事が明るみになった後、世間からセカンドレイプを受ける。理不尽だし、間違っていると思うが、無くならない。
声を上げた被害者が世間から受けた仕打ちを身近で見ていたからこそ、思い悩む久美に「問題を間違えないでちょうだい。犯人を放置するか、逮捕させるか。事は単純なのよ。」と草が言う。そう言いながら、久美の気持ちを思うと「もういい」と言ってしまいそうになるのをぐっとこらえる。
肉親には言えない言葉だと思う。他人だからこそ、広い視野で事件を捉え、久美を支える。
犯人は逮捕され、そのうち裁判が始まる。
そこでまた辛い思いをするのだろうが、大丈夫。
久美には、草や寺田、一ノ瀬、由紀乃、緒里江がいる。
変わらない小蔵屋に安堵した。
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第一章 小春日和 第二章 颪の夜 第三章 宿り木
第四章 帽子と嵐 第五章 黄色い実
元女性アイドルへの性的暴行事件。被害届にも勇気がいる、襲われた女性は犯人からと世間からの二重苦に晒されてしまう。ただ ただ 犯人が悪いのに、女性にもあんなことやこんなことがあったんじゃないかと非難を受けることがある。噂の的にもなる。たまったもんじゃないよねぇ。
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この巻は切ないかったですね。
良かれと思ってやったことが悪い方向へ向かうこともあるし、許されない犯罪を犯した容疑者よりも被害を受けた人間の方が犯罪者のように扱われる事実。
草さんも久美ちゃんも気持ちが分かったいるだけに辛い。
そして最後のページに付記された文言が今の日本という国を表しているようで哀しくて、悔しいと思った。
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コーヒー豆と和雑貨の店「小倉屋」のお草さんシリーズ。
今回は店を手伝う久実ちゃんの身辺があれこれと大変な事に・・・
お草さんもあれこれと思い悩みます。
女性であることを、考えさせられる。
そして、年をとりながら暮らすことも。
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シリーズ第7弾。
今回の話は、前回と違う方向へぶっ飛ばされた感じ。
小蔵屋の周りでぶっそうな事件が起きる。その被害者は?加害者は?その後、どうなる??
性犯罪は難しい。公表すべき声もあるし、公表したら再出発はさらに厳しくなろう。
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シリーズ7作目。小蔵屋の店員、男っ気のない久実ちゃんにとうとう…そんな時に小蔵屋の第二駐車場で元アイドルの女性が暴行を受けた事件が起き、容疑者は地元の名士の息子で…
シリーズをバラバラによんでいるので、久実ちゃんと一ノ瀬さんのなれ初めが読めると楽しみにしていたら、酷い事件だった。元アイドルという経歴から復帰のための売名と言われたり、色々噂されたり…被害にあっただけでなくさらに傷つけられるのは読んでて辛かった。そして被害者は彼女だけではないことも…すでに読んでいたこれより後の作品で、久実ちゃんのお母さんの言動や態度が意味不明だったのだけど、それも理解できた。こんなことあったら、そういうふうになるよなぁ…と。付記もあって、現実とリンクしてるというか、色々考えてしまった。
Posted by ブクログ
歳をとって、コーヒー屋を営む杉浦草と従業員の久美そのお店にとって、従業員は宝くじが当たるよりも難しい程よい従業員に恵まれる、その久美が大学教授の息子から性的被害を受け(他2名)皆に迷惑かけたくない為名乗り出ない、それを知った草は行動起こし事件解決に向けて動く。
Posted by ブクログ
7作目。後ろのあらすじで、久実ちゃんとうとう…と思ったら、それは勿論あったけど本筋の事件がつらくてつらくて。衝撃でした。
性犯罪は犯罪そのものももちろんつらいけど、二次被害の方がつらいのは実体験あるのでしみじみわかります。強姦じゃなくても心の隅の方で引きずるのにな。。
久実ちゃんは一ノ瀬さんとつかず離れずでいくのかな。すぐにどうこう、というのは難しそうだけれどふたりには仲良くしていてほしいです。
小蔵屋、顔馴染みとか味方も多いけど、町内会の描写では結構反感も買っているようで心配になります。地方の小都市みたいなので新しいことには及び腰なのだろうな…うぅ。。
お草さんの心はちくちくといつも休まらない。頼っていいと言ってくれる人は居るだろうけれど、出来るだけ自分の人生を一人で引き受けるとはこういうことなのだと、このシリーズを読んでいるとこの先に思いを馳せたりしてしまいます。続きも読みます。