あらすじ
北関東のとある町にある、外国人向けアパート「ランタン楼」。無職の青年・瑞輝は祖母の入院により、彼女が経営するランタン楼の大家となる。瑞輝は昔から入居者のトラブルが絶えないアパートの歴史に怯えつつ、しぶしぶ大家業をこなしていく。住人を訪れた客の失踪、倉庫として貸していた部屋の泥棒騒ぎと、住人たちの問題と対峙し、彼らの窮状を解決するために奮闘する瑞輝にも、やがて大きな変化が訪れる――。ランタンが灯る古い洋館風のアパートを舞台に、異国の地で懸命に生きる人々との交流と瑞輝の成長を、優しく綴った連作短編集。
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Posted by ブクログ
外国人向けのアパート。大家代理は瑞輝くん。何となく目指していた弁護士をちょっと横に置いておいて、祖母の代わりを務める。街の人と入居者の、入居者どうしのあれやこれや。彼の推察にどきどきしたり感心したり。話そうとしないで分かり合えることはないと、当たり前のでもちょっぴり難しい事をして行かなくてはという気になってしまった。
Posted by ブクログ
良い意味であらすじを裏切ってくれる一冊でした。
よくあるほっこり系を期待しちゃダメです(笑。
まったくほっこりしないわけじゃないですけど…。
ピリリっと辛目なところがツボりました。
あぁ、でもランタン楼の描写は良かったな~。
そういうとこに住んでみたい。
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外国人専用アパートを舞台にした連作短編集。アパートの大家となった主人公が入居者やご近所さんと真摯に向き合い、読者も彼ら一人一人の物語(=人生)と向き合うことに。序盤は少し読みづらさも感じましたがすぐに慣れ、物語に引き込まれました。温かい気持ちになるというとありきたりですが、読んでいるうちに肩肘張っていたのがほぐれ、読後はいつの間にか軽くなっている、そんな作品だと思います。
Posted by ブクログ
容赦のない作家さんだな、というのは紅雲町シリーズを読んでいても思っていたのですが。この本もまた容赦なく描かれるたくさんの理不尽がある。
フィクションなのだからこそ解かれてほしい断罪されてほしいと願いながら読むのだけれど。関わることが出来ることと出来ないことの線引きが当たり前にあるのはどうしようもない現実なのだとも思い知らされる。
…北関東の街、といえば。著者のヒット作である紅雲町シリーズをもちろん思い浮かべる。同じ県なのだろう。この著者がコラボとかしそうもないなとは思いつつも、お草さんと瑞輝のコラボを妄想して楽しかったりもしましたwww
Posted by ブクログ
外国人専門のアパート「ランタン楼」。
祖母の代わりに大家をすることになった瑞輝の成長を描く連作短編集。
「アンジャーネ」を改題・文庫化。
ほっこり系かと思いきや、終始きな臭い。
主人公が探偵みたいなこともしてるし。
綺麗事を想像しがちだけど、現実的な展開も結構ある。
ちなみに「アンジャーネ」は方言からきてるそう。
Posted by ブクログ
瑞輝の気持ちが前向きでないからか、初めは全然面白く思えなかった。
でも我慢して読んでいる内にどんどん引き込まれ、最終的には続編があればいいのにと思うようになった。
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北関東のおある町にある、外国人向けアパート「ランタン楼」。昔からトラブルが絶えないアパートの歴史に怯えつつ、祖母の代わりに大家業をこなしていく瑞輝。住人の問題と対峙し、彼らの窮状を解決しようと奮闘するうちに、瑞輝の心にも大きな変化が訪れる。ランタン灯る古い洋館風のアパートを舞台に、異国の地で懸命に生きる人々との交流と聖年の成長を、優しく綴った連作集。