吉永南央のレビュー一覧

  • Fの記憶 ―中谷君と私―

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    ネタバレ

    *誰も本当の名前を思い出せない、ただFと呼ばれる彼。会社の不正を知った43歳の容子は、Fだったら、と自問する。解体業を営む43歳の悦史は、高校でリンチに遭わせたFの言葉に今も囚われている。41歳の有輔は25年前、淫蕩な母をナイフで刺し殺そうとしていた自分を止めたFの一言を反芻していた。目撃談のように語られるそれぞれのFの記憶。人生において喪失は再生の始まりであることを描いた一筋の光のような美しい物語*

    最近お草さんシリーズが重過ぎる私には、丁度いいくらいの重量感でした。翳り、やるせなさ、諦め、もどかしさ、などの入り混じった人間模様の描写はさすが。一筋の光…とまでは感じなかったものの、救いの残

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    2018年08月23日
  • まひるまの星 紅雲町珈琲屋こよみ

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    ネタバレ

    *紅雲町では山車蔵の移転問題が持ち上がり、お草が営む小蔵屋の敷地が第一候補に。話し合いが必要だが、お草は母の言いつけで「うなぎの小川」とは絶縁状態で、話し合いができない。かつては親友だった女将と亡母の間に、なにがあったのか。紅雲町を歩き回るうち、お草は町全体に関わる重い事実にたどり着く。シリーズ第5弾*

    安定の世界観に卓越した表現力、いつもながら素晴らしいです。ただ…回を追うごとに、心に刺さる内容の重さが少々辛いのも事実。出来れば目をそむけたい、そんな現実がつまびらかになっていく様が克明過ぎるせいかな。
    秋冬の、心に余裕がある時に読みたいシリーズ。

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    2018年06月07日
  • まひるまの星 紅雲町珈琲屋こよみ

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    北関東の町、紅雲町でコーヒー豆と和食器の店を営むお婆さん、杉浦草が町で起きる小さな事件を解決していくシリーズの第5弾。
    昨年1〜4話を一気に読んで、5話の「まひるまの星」も今回一気に読み終えた。毎回、お草さんが解決していく日常の小さなミステリーにワクワクする。
    草の亡くなった母親と親友だった鰻屋の清子との深いわだかまりの謎が、産業廃棄物の重い問題を絡めながら最後に解き明かされる。辛い話が最後に心が晴れて癒される。肩肘張らずに読めて、しかも最後はみんなが幸せになるストーリーで、幸福感が残る小説である。

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    2018年06月07日
  • Fの記憶 ―中谷君と私―

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    若さゆえといえるだろうか、悩み自分をもて余すような時期がある。そんな時期に目立たないはずなのに巣くったように今もときどきよみがえるFという同級生あるいは近所の青年。転機をつくってくれた彼のことを、いいトシになっても苦悩したり思うようにならなかったり不甲斐なさを感じるときに思い出す……そんな3人の物語と、最後にF自身の今が描かれる。
    孤高のF。あざやかに規範を破ってみせるF。3人の物語からそんなF像を描いていたんだけど、最後のF自身の今の物語からは孤高が破られそうな感じが漂ってきた。「ブルータスよ、おまえもか」という感じ。
    さながら、「人は一人では生きられない、誰かとともに生きているんだ」的な陳

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    2018年05月09日
  • まひるまの星 紅雲町珈琲屋こよみ

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    お草さんがめぐり合う色々なこと。今回は紅雲町全体に関わる重いこと。正しくないと思いながらも目の前の利益を守ることだけに噛り付く事の重荷を背負うことがずっとできるのだろうか。

    少しずつでも人の間のこだわりが薄れていくと信じよう。

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    2018年04月20日
  • 名もなき花の 紅雲町珈琲屋こよみ

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    *小蔵屋を営むお草は、新聞記者の萩尾の取材を手伝って以来、萩尾と、彼のライフワークである民俗学の師匠・勅使河原、その娘のミナホのことが気にかかっている。15年前のある“事件”をきっかけに、3人の関係はぎくしゃくしているらしいのだ。止まってしまった彼らの時計の針を、お草は動かすことができるのか。好評第3弾! *

    前作同様、やるせなさと温かさが交錯する独特の小蔵屋ワールドです。自分の想いだけでは済まされないもどかしさ、大人ならではのあきらめや達観…それでも、その先の柔らかい希望に繋げていくような世界観が本当に繊細な1冊。

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    2018年02月24日
  • 糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ

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    結構好きなシリーズの一つ。
    もう第4弾なんだ~って単行本で既に5弾が出ているけど
    こちらは文庫待ち
    おばあちゃんのほのぼの系と思いきや結構暗い感じの雰囲気です
    今回はそこまで暗くないけど色々とトラブルが。
    解決までにスッキリという感じのストーリーではないのだけど
    まぁそこには私は期待していないというか、
    内容の雰囲気が好きで読んでる感じです。
    でも毎回このシリーズ読んでるとお草さんのやっているお店に行きたくなる。
    そして丁寧な暮らしをしようって思える!!

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    2018年01月26日
  • 名もなき花の 紅雲町珈琲屋こよみ

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    今回は短編が続き物になっていました。萩尾の苦悩。ミナホの苦悩。勅使河原先生の苦悩。優しい文章でいつものように温かくなるお話でした。
    草さんは本当に優しい人だなぁ。
    ゲンエイ円空仏様は結局どうなったのかしら?

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    2017年09月27日
  • エール!(3)

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    小春日和/日明恩 ☆5
    災害救急情報センター通信員

    ラブ•ミー•テンダー/森谷明子 ☆4
    ベビーシッター

    シンプル•マインド/吉永南央 ☆3
    イベント会社契約社員

    彗星さんたち/伊坂幸太郎 ☆4
    新幹線清掃スタッフ

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    2017年08月15日
  • その日まで 紅雲町珈琲屋こよみ

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」の近くに、ライバル店「つづら」が開店した。つづらは元和菓子屋だったが、近隣では経営難のオーナーから詐欺まがいの手口で土地家屋を買い叩く業者グループがいるという噂がある。小蔵屋を営む気丈なおばあちゃん・杉浦草は、背景を調べ始めるが…。

    【感想】

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    2017年08月10日
  • 糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ

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    登場人物にも、もう4冊目となり、それぞれへの思い入れが生まれてきました。久実さんの真っ直ぐな感じが今回も際立っていたように思います。
    ふんわりと暖かくて柔らかいのだけれども、ベタベタと甘くない。その匙加減がとても良いです。
    今回新たに登場した人は、今後も何かで関係が深まっていくのでしょうか。
    お草さんはこれまでのつらい部分をそのまま残して、これからも生きていくんでしょうね。でも、それがお草さんを作っているのだから、そういうことなんだろうな、と思いながら、ほんのりのビターを味わいたいと思います。

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    2017年04月02日
  • ランタン灯る窓辺で アパートメント・ストーリーズ

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    ネタバレ

    良い意味であらすじを裏切ってくれる一冊でした。
    よくあるほっこり系を期待しちゃダメです(笑。
    まったくほっこりしないわけじゃないですけど…。
    ピリリっと辛目なところがツボりました。
    あぁ、でもランタン楼の描写は良かったな~。
    そういうとこに住んでみたい。

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    2017年01月04日
  • 糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ

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    シリーズ4作目。
    年を取るとちょっとのボタンの掛け違いもしんどくなりますよね…。
    怒れる久実さんがかわいかったです。

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    2017年01月04日
  • 糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ

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    ネタバレ

    大好きな紅雲町珈琲屋こよみシリーズの最新作
    1作目は「萩を揺らす雨」
    2作目、「その日まで」
    3作目、「名もなき花」
    初めて読んだのが2011年の7月から
    ずっと、このシリーズのお草さんが好きで
    淡々としながら、深く優しい人たちの物語を読むのが楽しみ
    今回も、人間って仕方がないなぁと思いながらも
    暖かな目を持つお草さんに救われるような気持ちになった

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    2016年12月23日
  • 糸切り 紅雲町珈琲屋こよみ

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    日常の謎。解くのは男でなく若くもない市井の人。お草さん元気でいてね、無理しないでね。いつかコーヒー飲ませてください。

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    2016年12月22日
  • エール!(3)

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    シリーズ1のあと、3を読みました。
    どの女性たちも一生懸命お仕事していて、ほんとにエールを送りたくなります。美術品輸送、災害緊急情報センター、新幹線清掃、ベビーシッターなどの、仕事の裏側を知る楽しさも味わいました。
    知らなかった作家さんとの出会いがあるのも楽しみでした。

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    2016年04月29日
  • その日まで 紅雲町珈琲屋こよみ

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    お草さんシリーズ第2段。最早日常ものミステリーの枠を超えて、田舎町人間模様短編集という体をなしてきた。ミステリー要素もあるにはあるが、フーダニットはおまけの扱い。紅雲町をとりまく小悪人どもvsお草さん一派の行き詰る日常…これはこれでオモロいけどね。

    お草さんの生き方が相変わらず素晴らしい。彼女の凛とした生き方、処世の術を読むにつけ、どんなに困った事態になろうとも日常を丁寧に生きる事の大切さと、それによる強さを思い知らされる。

    きっちり掃除し、暖かい旬の手作りの料理を食べ、物を大切に使い、背筋を伸ばして生きることの大切さ。そうやって生きる人の強さ。

    やっぱ、このシリーズハードボイルドやわ。

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    2015年11月06日
  • 名もなき花の 紅雲町珈琲屋こよみ

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    ネタバレ

    このシリーズも三作目かぁ。
    一番好きかも。
    日々の暮らしに潜む謎を紐解く…よりは解けていくのを、時に焦れったくたぐりよせる感じが持ち味かなぁと。
    丁寧な暮らし方、生活感も好き。

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    2015年09月07日
  • 名もなき花の 紅雲町珈琲屋こよみ

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    おばあさんが身近な出来事の謎を解く、紅雲町珈琲屋こよみ、シリーズ3作目。
    連作短編が繋がって長編になっているような作品です。

    珈琲豆と和雑貨の店、小蔵屋を営むお草さん。
    白髪をお団子にまとめ、いつも着物姿です。
    若くして離婚後実家に戻り、65歳のときに思い立って改装し、十年以上たつ大事な店。
    季節を感じながら、馴染みのお客さんや近所の人にも目配りして、丁寧に暮らしています。
    今は若くて元気な体育会系の久実が、店を手伝ってくれているのです。

    珈琲豆を安くおろしてくれている会社の社長三友が会長に勇退、娘が跡を継いだ。
    これまでと同じようには行かないだろうと不安を抱える草。

    親友の由紀乃の親戚

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    2015年07月11日
  • 名もなき花の 紅雲町珈琲屋こよみ

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    お草さんの人間ドラマ、第3弾。
    心にじわりと染みてくる読後感がいい。
    七十代にして行動力のあるお草さんがいい。傷みをずっと抱えたまま、その傷みが人への優しさや思いやりにつながっているんだと思った。
    次が楽しみだが、一方では高齢な主人公とその周辺に、健康と安泰を願わずにはいられない。

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    2015年06月05日