堂場瞬一のレビュー一覧
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警視庁総合支援課・柿谷晶を主人公にしたシリーズの第2弾。
幼い子の命が奪われた事件で、犯人として同居する男が逮捕される。
晶は、殺された子の母親夏海の支援に入るが、彼女は父親について口をつぐみ堅く心を閉じている。その彼女の支えとなる人物=子の父親を探すべく、晶は奔走する。
その過程で、懐かしき失踪課の明神愛美が捜索に加わる。愛美と晶との間で高城の話題が出、愛美は晶が呆れるほどにズケズケと上司=高城批判をする。
失踪課シリーズの読者には微笑ましく、高城のストップ役としての愛美の面目躍如といえる場面だろう。
一方、このシリーズでは、被害者家族たちの支援に前のめりになる直情径行的な晶のストップ役として、同僚の香奈江が絶妙な役割を果たしている。
「今の晶さん、爆弾ですよ。いや、地雷かな、踏んだらすぐ爆発しそうで」と、香奈江。見事なストップ役を果たしている。
関係者の間を訪ね歩く晶だが、遅々として事態は進展しない。読者のなかには、このあたり冗長すぎると辟易する者が出てくるかも(実際の事件捜査はこのようなものだろう)。
しかし、ひょんなことから事態は一変し、急転直下事件は意外な様相を呈してくる。
本書では、終わりのない答えの見いだせない支援業務に、晶が疲弊する様子が描かれている。
題名の『最後の光』は、ラストに。ひどい状況になった夏海に手を差し伸べる人がいることに、最後の光を見たと、述懐する晶。彼女が最後の光になれないことに悔しい思いをする。
次回作では、晶がどのように変わってゆくのだろう。楽しみに待つとしよう。
著者の小説の特徴の一つに食事の場面が度々登場する。本書でも、月島や王子の店が描かれる。そのなかでも、王子駅北口側のとんかつ屋が秀逸。実際にある店なら、是非とも食べに行ってみたくなる。 -
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ネタバレ【警視庁犯罪被害者支援課シリーズ第1作目】
アナザーフェイス・警視庁追跡捜査係・警視庁失踪課シリーズを読んできて、時々登場する犯罪被害者支援課の村野。少し足を引きずって登場し、被害者の気持ちに寄り添うために、捜査の事情聴取を断ったりする。
警視庁追跡捜査係・警視庁失踪課と並んで犯罪被害者支援課の3つは嫌われ部署。
堂場さんのシリーズは好きで、他のシリーズも読み終わったので、何度も手にしてきたが、通学中の子供の列に車がつっこみ亡くなった子供の親を支援する、という内容を重く感じ、なかなか読めずにいた。
やっと読めた。
まず、他のシリーズの主人公が40歳以上のおじさんたちであり、その主人公たちが一目置く村野のことを勝手におじさんだと思っていたが、35歳と若くてびっくりした。
犯罪被害者を支援していく話となるとただただ重いストーリーかと思いきや、単なる事故が殺人事件に発展していくなかで、常に村野が被害者に寄り添いながら解決していく、という話。
ただ被害者支援といっても、いろんな被害者感情があり、そこに寄り添っていく。ただまだ確立された部署ではなく、マニュアルも参考程度のもので臨機応変に対応していかないといけない。
「犯罪被害者支援基本三か条」があり、1:常に自分のことと考えて被害者に接する、2:過剰な思い入れを排する、3:時には沈黙を選ぶ、はすごくいいなと思った。
実際に存在する部署ではなく、フィクションのようだが、警察は犯罪被害者支援も行っているし、被害者支援センターも存在する。刑事ものの小説はたくさん読んできたが、被害者の支援という目線で小説を読んだことがあまりなかったので新鮮だった。 -
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ネタバレ堂場先生の他作品の登場人物がたくさん
先生のファンとしては楽しい作品
ガンさん対METO
ハラハラした
ガンさんに付き纏っていた福沢
シリーズ通してくどい人だな程度の印象だったが
彼が殺されるという始まりで
彼の仕事に関して理解が深まる
殺人の疑いの目がガンさんに
そう思われても仕方ない関係だが
警察って視野狭いのかなと思ってしまう
1人で周辺捜査を進める中で、
記者との繋がりを見つけ出し
少しずつMETOに繋がっていく
先生の作品は
繋がらないヒントがぽつぽつと出てきて、最後に全部ハマる
というイメージを持っていたため、一歩一歩進む感じが少し新鮮だった
ハラハラした部分は、ガンさんの周りや情報を持っていた人が傷つくことが多くずっと狙われている感じがハラハラした
ガンさんに感じる人間ぽさというか普通な感じが、主人公補正が無さそうに思えて今回は撃たれちゃうんじゃ…?って思う場面が多かった
まだまだ真相まで遠そうな終わり方だった -
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メジャーリーグでかつて投手として活躍した藤原。引退後はファームピッチングコーチとして穏やかな日常を過ごしていた。ところが2020年東京オリンピック野球アメリカ代表監督が急死。藤原がその後任として就任することに。アメリカの国技ともいえる野球のナショナルチーム監督に日本人の自分が就任し、おそらくは日本と雌雄を決する試合に臨むことに悩む藤原。しかし決心を固めると、チームの打力不足を補うため、日本の大学野球で活躍していたアメリカとの二重国籍を持つ芦田をチームに招聘。日本のプロ野球入り、そして将来の日本代表への参加も夢見ていた芦田は、当初アメリカ代表チームへの招聘に応じるかどうか悩むが、彼は応じることを選ぶ。芦田は当初アメリカのチームメイトからは受け入れられず、一方日本のSNSでは「裏切者」と書かれて、自身の「ホーム(居場所)」は一体どちらなのか、と悩み続ける。そして開幕した東京オリンピック。紆余曲折を経て、アメリカと日本は金メダルをかけて横浜スタジアムで対峙する。果たして藤原の、芦田の「ホーム」はどちらなのか…。そして勝負の行方は…。
20年ぐらい前だったら、ナショナルチームと言えば監督もスタッフも、選手もすべてがその国の国籍を持つ人で構成されているのが当たり前でした。しかし、今では監督はほとんどの競技で国籍は問われませんし、ラグビーなどは選手でも一定の基準を満たせば日本国籍が無くても日本のナショナルチームへの参加資格が得られます。
大半の人は「多様性」を受け入れ、そのようなナショナルチームを抵抗なく支持していますが、残念ながら一部の人はSNSなどで「日本国籍でない選手の日本代表などは…」等々、ネガティブな反応を示す人も存在します。この状況を見据えて、野球という日本とアメリカがライバルとなる競技で、アメリカナショナルチームを率いる日本人、その主軸となる二重国籍の若手スラッガ―の葛藤が本小説のテーマです。日本人の藤原がアメリカ代表監督に就任すること、アメリカと日本の両方の国籍を持つ芦田がアメリカチームに参加することはルール上は一切問題がありません。それにも関わらず、ネガティブな反応を示す一部マスコミや、否定的な投稿を繰り返すSNSなどは、もしもこの状況が実現したら、十分にあり得る話だと思います。
本書後半の日米の対決シーン。よくあるスポーツ小説なら主人公は当然日本チーム。しかし本書の主人公は日本人ですが、所属はアメリカチームです。対戦する相手が日本チームという構成なので、本書を読んでいても「自分はどっちを応援しているんだろう」と考えさせられるスポーツ小説でした。 -
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シリーズもの。今までのものは未読。
……なので、人物の相関を把握するのが大変だった。何せ登場人物多いし、2つの事件の話が交互にすすむし。
シリーズものとして読んでたら、レギュラー陣のキャラが分かってるからここまで人物関係を把握するのは大変じゃないと思うけど。途中から、相関図書きながら読みました。
この作家さんの小説、実は以前一度読みきるのを挫折したことがあったんだけど(これとは違う別の作品)、今回は完読。文章運びが独特?なのか(私の感性と合いにくかったのか)最初はなかなか入り込めなかったけど。
登場した事件の真相が気になって、読み進めれました。
おそらくシリーズとして読んだら面白さ倍増だろうな。