【感想・ネタバレ】動乱の刑事のレビュー

あらすじ

一九五二年、サンフランシスコ講和条約発効直前。東京都内の駐在所が爆破された。死者は二名。ひとりは駐在巡査、もうひとりの身元は不明。
刑事の高峰は、共産党過激派の関与を睨むが、秘密主義の公安から情報が流れず、捜査は難航する。高峰は、親友で公安に所属する海老沢に協力を仰ぎ、共同戦線を張って真相に近づこうとする。

だが、あくまで個人への犯罪として捜査する「捜査一課」に対し、事件を利用し過激派の瓦解を目論む「公安一課」という相反する立場が、ふたりの関係に影を落とす。

時代の乱れが、警察という「組織」の矛盾を生み出していく。
戦後警察の光と闇を炙り出す一大叙事詩、待望の第二幕!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

それぞれの正義を貫く2人
前作では、共に事件に立ち向かっていっただけに、今回バラバラになってしまったことに、ぐっとした気持ちがきた。
いつか交じ合う日が来るのかな

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2024年01月19日

Posted by ブクログ

このシリーズええよ。
堂場瞬一君のものは、時として冗長過ぎる部分が多いけど、コレはそうでもない。第三弾も早く読も。

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2022年10月18日

Posted by ブクログ

「日本の警察」シリーズ第2弾。
刑事警察と公安警察という警察の二つの顔を、高峰と海老沢の二人の主人公を介して浮き彫りにする。
時は、占領下から脱し日本が独立国として歩み始めた
昭和27年。駐在所が爆破され、過激派の関与も疑われ、捜査一課の高峰たちの前に、公安が立ちはだかる。
高峰は、友人で公安の海老沢に密かに協力を求めるが、二人の立場の違いが徐々に明らかになる。あくまで犯人を逮捕することが仕事だと主張する高峰に対し、海老沢は真相究明よりも公の安定が正義だとの立場を取る。
そんな二人の前に一人の検察官が現れ、今回の事件の根っこにあるのは破防法であり、事件の裏で糸を引いていたのは検察のある一派だと明かす。
そして、二人なら新しい警察を生み出せるし、協力し合うべきではないかと語り、現場の検察官として、それを望むとまで言う。
今回の事件で、袂を分かったかのような高峰と海老沢。二人は、検察官が望むような関係に戻れるのか。第3弾に期待したい。

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2022年07月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一節一節で一呼吸しないと息が詰まる作品

交番爆破事件
爆破犯は革命軍
その革命軍は公安の思惑によって動かされていたのか

殺人事件の解決を目的とした捜査と
革命軍の抑制を目的とした捜査の両面から
描かれていて事件全体の裏が立体的に浮かぶ
だが、はっきりとした描写が無いので
多分こうだろう。という終わり方
(私の読解力が足りないかもしれない。)

警察組織の中の
刑事の高峰と公安の海老沢

2人が幼馴染でお互いに気心が知れている関係である事が周知で
関係性を保ちたい、でも心意は曲げられないという2人の意思が印象的だった

海老沢は人当たり良く優しい印象で
柔軟、言い換えると周りからの意見で変わってしまう、そんなタイプに見えていたため、
高峰に引っ張られるかと思ったが、最後まで貫いた姿がよかった

次作があるのが分かっているが
ファンとして2人の関係性は壊れないでほしいと思いながら読んだ
海老沢はずっと可哀想な立ち位置にいて、家族を失って友を失って、それでも守るために死ねると言った彼に多くの幸せがあって欲しい
そこには高峰にもいて欲しい
願いのような感情が強く残った

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2022年05月21日

Posted by ブクログ

戦後の日本には共産主義者、革命家とその行動を把握して国家の大事を未然に防ぐ公安警察が確かに存在したものの、特に反体制側がどれだけまともな思想と信念をもって行動していたのかについては歴史を見る限り大きな疑問が残る。ただ、当時は本書で描かれている通りそれぞれよ立場で真剣だったのだろうな。
という感想を持ったものの、小説として面白いとは思わなかった。

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2025年04月28日

Posted by ブクログ

2024.07.07
うーん、主人公2人の関係性に違和感が出てきたというかなんというか。第1作ほど素直に読めない。

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2024年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【325冊目】「荒野の刑事」に続く、警察大河小説の2作目。

 筆者の堂場瞬一は元々読売新聞の記者で、今は古巣の依頼も受けて小説の書き方講座みたいなこともしているらしいです。それに関連したインタビューが先日読売新聞の夕刊に載っていました。曰く、ミステリーにおいて新たなトリックや意外な犯人を描くのはもう難しいと。意外な犯人と銘打つものは、たいてい味方に反人がいて、多くの場合警察官だったりすると。
 そんなインタビューを読んだばかりだったので、本書をミステリーとして読んだときには消化不良感が残りました。事件が完全解決しない、という警察小説としては珍しい結末は、凡庸な小説を書きたくない筆者としての辻褄合わせだったのかもしれません。

 ただ、警察大河として読んだとき、戦後の社会の変化や、警察組織の変容をよく描いているなと思います。とはいえ、その変容の中身として主に描かれるのは、2人いる主人公のうちの一人である海老沢が所属する公安警察側で、もう一人の高峰が所属する刑事警察が単純に描かれすぎているとも思いました。戦後になり、刑事警察に主に起こったのは手法の変容だったのに対し、公安警察に起こったのは看板の架け替え、敗戦による否定と共産主義台頭による肯定など大きな変容だったため、小説の題材にしやすいという事情もあるのかもしれません。

 さて、これを「大河小説」として読んだとき、本作の白眉はやはりラスト、海老沢と高峰が別々の道を歩むことを決め、訣別するシーンでしょう。実際、本当に組織内でのそんな対立があり得るのかなあ?と勘繰ってしまいますが、1995年の國松警察庁長官狙撃事件で噂される公安部と刑事部の捜査方針をめぐる對立などを聞いていると、そんなもんなのかなとも思ったり。営業と製造・開発の対立みたいなもので、哲学の違いは並行線のままなのかもしれないですね。
 いずれにせよ、かつては親友だった2人が訣別するのは、自分の経験に照らしても寂しくて、ドラマチックでした。

 果たして、この2人の道は3作目で再び交わるのでしょうか…(交わらないと作品にならないのですが笑

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2023年12月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦後、共産党及び共産主義に賛同する過激派が企業の組合や学生に裾野を広げる中、駐在所爆発殺人事件を起こす。
主人公は公安の中堅刑事と幼馴染の捜査一家の刑事の二人。
犯人を捕まえたい捜査一家、国の安定を求める公安。
2人の正義がすれ違って行く。

次回作で二人がおそらく正面衝突しそうなので楽しみです。

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2023年02月16日

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