【感想・ネタバレ】焦土の刑事のレビュー

あらすじ

東京は壊れつつある。見慣れぬ街に変わりつつある――。

1945年。B29による空襲の翌朝、防空壕の中で女性の遺体が発見される。首には刃物による切り傷が。無数の遺体と目の前のたったひとつの遺体。

これは戦争ではない。個人に対する犯罪だ――。

捜査を進める京橋署刑事の高峰は署長から思わぬ言葉を聞かされる。「あれは、空襲の被害者だ」。殺人事件のもみ消し――そしてまた殺人が起きる。

高峰は、中学からの同級生で特高に籍をを置く海老沢とともに、終戦をまたいで「戦時下の殺人」の犯人を追い詰めていく。

警察小説の旗手が満を持して描く、壮大な警察大河シリーズ、ここに開幕。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

2024.03.19
今も昔も変わらない正義が世の中を守る!
が、わたしが1分で考えたキャッチコピーです。不自由な社会でも正義を貫いて生きている人がいる。そう思うと胸熱!になれるかな。

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2024年03月19日

Posted by ブクログ

戦争が、全てを変えた。
まさにその一言かなと思った。
苦しい状況の中で生きてきた昔の人たちが、本当にすごいとしか言えない。

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2023年12月14日

Posted by ブクログ

戦時中、戦後で刑事のあり方、国家の形が変わり、当時の人々の戸惑いを感じられる本。ドキドキしながら、読みました。

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2023年06月29日

Posted by ブクログ

防空壕の中で女性の遺体が見つかるその後3人、操作が思うように行かなくて刑事は焦る、上からの命令と聞き疑問に思う、戦後民主主義になり少しずつ流れは変わり元特攻隊だった無職の海老沢と2人で事件を解決していく戦前戦後の物語。

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2022年08月05日

Posted by ブクログ

「日本の警察」という新シリーズ。
第1弾は、戦争末期と戦後直後が舞台。
戦時中の警察と言えば、イメージは特高ばかり。しかし、戦争の混乱期でも刑事警察は存在し、国民を守るべく空襲時など様々な活動をしていたことが綴られる。
著者の最近の警察小説は、冗長気味の部分が無いとはいえないが、経験の無い太平洋戦争の末期という時代が舞台ゆえ、巻末の参考文献が示すように、それらを駆使し、まとまった作品となっている。
戦時下に起きた殺人事件が、戦時下故にもみ消され、忸怩たる思いの刑事が、戦後に真相を究明する。
この刑事高峰と、特高に籍を置いた友人の海老沢、この二人が主人公で、第2弾、第3弾もあり、日本の警察組織を問う意欲作となることを期待したい。

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2022年06月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

舞台は終戦間近から戦後
『戦争』が『何を』変えるのか、作り出すのか考えられる作品

二部制で描かれており
一部の隠されたものは
平和な時代しか経験していない私には
情景が浮かばず、学校で習ったことを繋ぎ合わせ
そこに、物語の事件を追加していく
…難しい、読み終えられるか不安になった

二部の暴かれたものも
全く事件が繋がらず、この時点では星は2


主人公は高峰と、幼馴染の海老沢
高峰視点が多いが、海老沢もキャラ立ちしていて面白く
2人が主人公だと感じた

2人とも警察組織に所属して
高峰は刑事、海老沢は検閲の業務を行なっている
業務内の関わりはほぼ無く、
プライベートは非常に仲良し
終戦後は同じ組織だったとは思えない程、別の道へ

立て続けに起こる事件を解決しようと
高峰が海老沢に協力を仰ぎ
2人が傷つきもがき苦しみ、立ち向かう様はとても泥臭く、熱いものがあった

犯人も黒幕も暴かれた後、
今度は自身の道に立ち向かっていく様子に
嬉しさと期待が高まった


読み終えた時には、感じていた読みづらさは全く無かった
あそこにも触れたい!が多く、感想を書くのが楽しかった

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2022年04月27日

Posted by ブクログ

戦争とは何なのか。
実際に体験していない僕らには結局分からないかもしれない。
ウクライナ。イスラエル。
今も世界中で戦争は起こっている。それを「知っている」と「体験している」は到底分かり合えない程の差があるはずだ。

本作はミステリには珍しく戦時中が舞台。しかも終戦の約5ヶ月前の東京大空襲から始まる。この時期の犯罪を扱ったミステリはないように思うが、考えてみれば混沌としてただ生きる事に必死な時期であっても犯罪人はいるだろう。
本作は終戦間際の戦時中から戦後にかけての世相や市井の人々の変容を描きながら、ミステリに仕上げた興味深い作品だと思う。

不変の正義と国家の正義。
国家の正義として信じた役割は果たして悪なのか。
色々な視点での本作の読み方はあると思うが、私は率直に戦争の悲惨さ、特に兵隊ではない市井の人々の戦時中の過酷さを味わった。
戦時中はもはや兵役についた人間も、市井の人々も普通ではいられない。そこで超えてはならない一線を越える人とそうでない人たち。その境界線は何なのかと思う。

戦争は、争うことは、人間の業だという人もいる。しかし平和を求めてやまないのも人間だ。
このミステリ一つで何も変わらないとは思うが、少なくとも戦争はいけないとその一瞬でも思う気持ちが大事なのではと思う。
私は本作はミステリとしてよりも戦中戦後の物語として読んだ。

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2024年04月02日

Posted by ブクログ

終戦時の東京を舞台にした堂場氏には珍しいタイプの作品です。敗戦を境に世の中の基準が変わることに上手く対応できるできた人とそうでない人の対比や、戦地を体験して価値観が変わってしまった人など、もし自分にはだったらどう感じたのだろうかと考えさせられた。

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2024年03月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【320冊目】堂場瞬一さんの作品は「震える牛」しか読んだことがなく、硬い空気感で進むのかなぁと思っていた。

 もちろん時代背景や事件は悲惨で、主人公のひとりである海老沢に降りかかる不幸もまた辛いのだけど、全編を通してどこかエネルギーに溢れていて前向きであり、苦もなくスッと読めた。
 それは、高峰のまっすぐな正義感と、戦火や組織の理不尽さにやられても立ち上がる強さのおかげだろう。節子との淡い恋模様も清涼剤として読みやすさに貢献している。

 それにしても、戦争中に死体はたくさん出ただろうし、実際にはどさくさに紛れて埋もれてしまった殺人事件もたくさんあったのだろうな。とかく戦争中の警察といえば本書にも登場する思想警察たる特高を思い浮かべるけど、いわゆる高峰のような殺人刑事や泥棒刑事はどこまで仕事ができていたんだろうな。そんなことに思いを至らせてくれる作品だった。

 あと、海老沢のような警視庁保安課の検閲官と作家の関係性について考えたこともないし、戦争中に警察の評判を目一杯傷付けた特高所属の警察官が戦後どんな目にあったのかも気にしたことがなかった。実際には海老沢のように公安警察に戻った者も多いんだろうけど。

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2023年10月22日

Posted by ブクログ

東京大空襲最中の殺人事件。
一旦は捜査を止められたものの、
終戦を経て再び動く捜査。
大変面白かった!
シリーズみたいなので、他のも読んでみたいです。

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2022年12月11日

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