山口周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これからの時代、製品・サービスに必要なのは、性能ではなく「美意識」だ。ビジネスで成功するために知っておきたい美意識の持つ力、活用法を説く書籍。
「美意識」とは、人が自らの感覚を通じて対象や経験を理解し、知覚することで得られる喜びや満足感のこと。美意識に支えられたビジネスは、消費者に見た目、味、音など「感覚上の満足」を提供し、喜んで買いたいと思わせることができる。
物があふれている今日、消費者は物欲に駆られることはなく、意味や意義のあるものを求めている。そうした中で、豊かな美意識を持つ企業となるためには「レゾン・デートル(存在理由、存在価値)」に拠って立つことが求められる。それこそが、真に顧客の心に訴え、顧客を喜ばせるものである。
消費者が製品やサービスを購入する際、動機の約85%を占めるのは、その製品やサービスに対する感覚や感情だ。人は、特定の製品やサービスを通して、自分の五感(味覚、嗅覚、触覚、視覚、聴覚)のうち少なくとも3つが刺激された時、感動や満足感を覚える。
人々の感覚や知覚に訴えかけ、ブランドの価値を高めるには、まず自社の「ブランドコード」とは何かを理解する。そして、五感をどう使えばブランドコードを洗練させ、消費者の関心を惹けるのかを理解することが必要だ。
ブランドコードとは、ブランドの哲学や美学を表わす、そのブランド特有の目印のことである。ロゴやキャッチフレーズ、特定の色など、ブランドコードは多種多様であるが、いずれも個々の製品を超えて意義や価値を喚起し、人々と製品の間に永続する感情的なつながりを築くことができる。 -
Posted by ブクログ
日本のトップと組織の病巣をつく
おわりにで筆者が種明かしする様に、イノベーションではなくリーダーシップ論と組織論
■概要
そもそもイノベーションが「日本人」から生まれないのではなく、日本的リーダーシップと日本型の組織、人材採用・配置、コミュニケーション、評価に問題あり。
権威や役職がないのでリーダーシップを取れませんではなく、必要に迫られてアクションを取り人を動かしていくのが本来のリーダーシップ。米国型を映画『ジョーズ』に、日本型を『ゴジラ』から見て取れる。後者は政府は絶対正義、前者は無能な市長を差し置いて街の人が勝手に動く。
組織は多様性、特にバックグラウンドの多様性(それが思考の多様性につながるので)が大切。
ところがどっこい新卒一括採用して、キャリアを成り行きにしている日本企業はダメ。P&Gの様に経済と文化が異なる国でマネジメントした人が幹部になる、の様にデザインしないといけない。
■感想
リーダーシップのあたりは山口周節が効いていて、なるほどの正論&胸が熱くなる論調だった。全体を通すとしつこいのが多少あるのと、本人が再編と言っている様に既視感を拭えず、頭に残るものは少なかった。2013年に書かれたことを考えると当時にしては先進的な見方であるが、今にも通ずる要素はそこまで多くないと感じる。山口氏への期待値が高かったのと、推薦図書として絶賛されていただけに、その差分から★3つ。内容としては4つでも良かったかも。 -
Posted by ブクログ
山口周氏の著作の中で初めて読んだ。
7人の各専門家との対談をまとめたもので、機能不全または暴走とも呼べる現代の資本主義社会をどのように捉えていくかというテーマが通底している。
本書の目的・方向性は要約すると「時代の先を読めない現代における指針、ヒントを得る」となるが、これはそれぞれ専門の異なる人らとの対談を集めて説明するためにやむなく取ってつけたように感じる。
本書にチラホラ登場する「教養」というキーワードもやや流行りに乗っているような雰囲気がある。
とはいえ、本書の内容自体は重厚だ。
各人の研究・実践のテーマそれぞれはまさに現代社会の課題を解決するための糸口であるし、非常に期待できる。
本来であれば各人の主となる著作を読むべきだが、核心のみを素早く掴み取りたいのであれば本書は有益だと思う。
経済成長一辺倒の資本主義・新自由主義経済が続いてきて行き詰っている現代において、例えば脱成長、例えばアナーキズム、例えば非合理的な偶然性、例えば都市から離れ自然に立ち返ること、例えばBI、のように一歩引いた視点で働き方・生き方を見つめ直せば、解決、とまではいわずとも改善のヒントは見つかる。
社会制度も、大衆の意識も、染み付いた習慣も一昼夜で変わることはない。
しかし個人単位で思考を変え、行き詰った常識を刷新して行動のベクトルを変えれば、まずは心持が変わり、次いで習慣が変わり、人づきあいが変わり、所属が変わり、生活が変わっていく。
これが静かながら広範囲な潮流となれば、社会は新しい形へと変わっていくはずだ。
希望はゼロではない。 -
Posted by ブクログ
デジタル技術によって「最大多数の最大幸福」ではなく「最大多様の最大幸福」を目指すことが可能になってきている。相互の評価が参照可能な形で残るDiDiやUber Eatsのような仕組みにより誠実な行動が促進される社会になってきている。
そうしたテクノロジーに社会の方が追い付いていないこととして、GDPを唯一の指標とする社会評価や、政策の組み合わせを主張する人間としての政治家が多様な民意を代弁する間接民主制が挙げられる。より多様な指標をリアルタイムで評価し、政策単位で人々のニーズを吸い上げる直接民主制を実現できるはずである。
全員が納得する課題が解決され人々の不満が解消された今、社会のニーズは多様になり、その平均をとるしかない社会システムでは誰も満足させられなくなっている。国家の枠組みにとらわれず、複数の社会システムを存在させて、人々はそれらの中から自分で選択するような仕組みを著者らは主張する(いきなり実装するのは暴論以外の何物でもないと思うが。)。その社会では、人は移動と再チャレンジのチャンスを持ち、ベーシック・インカムによって企業ではなく個人が直接保護される制度が前提として必要になる。
そうして、多様な幸福を人が自由に選択し追求できる社会の到来こそがDXの目指すものであるとの提言と受け取った。
面白い視点があったが、対談もので論点が深掘りされないまま発散していく内容であったため、星3つ。