山口周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「毎日忙しい。でも、自分の仕事は本当に社会を良くしているのだろうか?」
そんな気持ちを抱えながら働いている人に、本書はかなり刺さると思います。
山口周さんの『クリティカル・ビジネス・パラダイム』は、単なる経営書ではなく、「これからの仕事は何を目指すべきか」を考えさせる本でした。
本書で語られるのは、「お客さんが欲しいものを作る」だけではなく、「社会の前提そのものを問い直す」ビジネスへの転換です。
つまり、ただ商品を売るのではなく、「このままで本当にいいのか?」という違和感から、新しい価値を生み出していく。
特に印象に残ったのは、テスラやパタゴニアの話です。彼らは単なる人気企業というより、「こういう社会のほうが良くない?」という考え方ごと広げているように見えました。商品より先に、“思想”や“姿勢”に人が集まっている感覚があります。
また、「アクティヴィストのための10の弾丸」の内容も面白く、社会へのモヤモヤや怒りを、どう行動につなげるかが具体的に語られています。
読み終わったあと、自分が普段感じていた小さな違和感を、「気にしすぎ」ではなく、ちゃんと考えていいものなんだと思えました。
仕事をただの作業で終わらせたくない人に、おすすめしたい一冊です。 -
Posted by ブクログ
人文知とは、哲学・歴史・文学・宗教・芸術など学問から得られる知識と思考様式の総称である。人文知は、世界の切り取り方、つまり解釈の幅を広げるために必要。人はなぜ、そのように感じ、行動するのかを描く想像力を与えてくれる。AIにより正解が導き出され、政治によって簡単に正解の判断が揺らぐ時代に必要不可欠。面白い問いを立てる能力も、現在地を把握しつつ実行していくことも人文知が役立つ。
リーダーには、古今東西、時代を通じて成功する共通項があり、「それは正確な現状認識」ができているという点である。外部環境の変化を見抜いたり、内部のステークホルダーの感情を理解したり、組織メンバーの戦略への理解度などの現状認識を把握できるのは、人文知の結集である。
自分が愚かであり、何もわかっていないことを自覚し続けて、認知をアップデートし続ける。この態度がなければ人文的にはなれない。そして、それに必要なのは元ライフネットの出口さんのいうように人・本・旅がそれを磨く。山口氏によれば、本を読むだけでも充分である。
自分の人生経験以外から考えられる思考の幅を持つことで、空間軸を広くとったり、時間軸を長くとったりできるようになる。例えば時間軸を長く取ればアメリカが覇権国であるのは、歴史上のある瞬間たまたま起こっていることだと理解できる。人間には直近の出来事や情報に影響されて、評価が歪む「直近評価バイアス」がある。
人文知を自分の人生に活かすのために必要なのは、認めたくない意見や考えに対して、どれだけ自分を開かれた状態にして、新しい発見を取り込んでいけるか。
これからの企業価値は、「こういう活動をしていることを我々はこのように解釈して、こういうふうに意義付けしています、」と説明できるかどうかに寄る。それは3年~5年のような時間軸ではなく50年~100年軸で考えることで、構想が大きくなり、採用を促進し、価値を高める。 -
Posted by ブクログ
サステナビリティを制約ではなく戦略として捉えて成長を描く。そのためにどうするべきか世界の豊富な事例をもとに山口周氏と磯貝友紀氏との対談形式で日本企業の在り方を問う。
まず海外の事例は非常に参考になる。SXの成功事例(何を以って成功とするかはやや主観的だが)としてVUCA時代の新たな経営の形を学べる。一方で両氏が日本企業を卑下しすぎ、「海外企業がこうだから日本企業もそうすべし」とやや乱暴な議論が多いように思う。哲学書や思想家の高尚な引用もよいが、国内外の企業がなぜそういう形であるのかもう少し込み入った分析や議論が欲しかったところ。サステナビリティ経営の目指す姿のヒントはもらえる本。 -
Posted by ブクログ
読書法や読書論についての本を、たまに無性に読みたくなります。
本書もそんな動機で手にしました。
本書で新しく得たものは2つ。
①「ビジネス書マンダラ」を自分の職業に当てはめて作ってみようということ。
②リベラルアーツに関して「イケス」と「テーマ」を再確認しようということ。
①については、必読書を中心に、同心円状に著者の勧める本が位置付けられています。そのどれもが「原典・古典的」的な本。
流行りの本は「方法」を手っ取り早く掴むのにはよいですが、その「方法」に流れている理論や思想、物語などへの記述が不十分であることがあります。私の専門分野でも、技はあるけど目的や理論が曖昧なため、十分に成果につなげることができていない人が時々見受けられます。
また、テーマがはっきりして、かつそのベクトルでの「原典・古典」「流行」の位置付けが自分なりに整理できていると、その後引用したり再読したりする際に役立つ、ような気がします。
②情報へのアンテナは、いつも張っていました。カラーバス効果についても意識しています。このカラーバスについては講和でもたまに扱ってますが、意識していない人が案外多いことも感じています。
問題なのは、集めた情報や気付きを、活用できる状態でプールできていないこと。できていなくはないか。検索して活用していないこと。
以前Evernoteで10年以上にわたって情報を蓄積していたのですが、有料化されてから放置してしまっています。何かしら、活用 可能な状態での蓄積方法を再考してみます。 -
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ネタバレ仕事で読まなくてはいけなくて読みましたので、難しい言葉も私にとってはたくさんありましたが、興味深い点もたくさんありました。
サステナビリティへの意識が高い企業と、とりあえず流行のようにサステナビリティを掲げておけば良いという企業があり、儲けることも、環境配慮も、両立できなければ長続きしないこともわかりました。
感銘を受けたのは、オランダの認知症の村、ホグウェイ。聞いたことはありましたが、ここまでだとは! 若い子が大学選ぶみたいに、私、おばあちゃんになったらこの施設入りたいんだよね〜っていう話題になるような、すてきな介護施設が増えたらいいなと思いました。国のルールが厳しいから無理、、ではなく、ルールを変えてしまうくらいの先取りをする勇気が時には必要なのだなと思いました。
また、国民の意識を変える力は、広告を打てる企業だというのも納得しました。広告の洗脳ってすごいから、サステナビリティに関心を抱くような広告を期待します。 -
Posted by ブクログ
ネタバレクリティカルビジネスパラダイム=社会運動・社会批評としての側面を強くもつビジネスのこと
企業のビジョンには顧客を意識したものを掲げることが多いが、ここでは社会課題を提唱する企業を例としてとりあげられていた。
例えばオランダのスマートフォンスタートアップ企業のフェアフォンは、サステナブルな設計でリペアしやすいものを販売している。アップルが正規店でしか修理不可、修理できないものは次の端末へ買い替えを考えると対比がよくわかる。フェアフォンを使うことは、環境理念に共感しているということにもつながる。
そのほかにもGoogleやテスラの企業理念が、
市場に存在する潜在的あるいは顕在的な顧客の不満不安不便を解消することで成長したのではなく、誰もが不本意ながらも受け入れていたシステムに対して全く異なるオルタナティブなあり方を示し、新たな問題を生成することで成長していたということがわかりやすく示されていた。
コンセンサスのとれていない社会課題をとりあげるという難題は
ビジネスという大きな力を使うことでこそ力を発揮するものと本書を読んでいて感じた。
またクリティカルビジネスを実践するアクティビストの特徴としてあった、多動するは当たり前だがその通りと感じたのと、経済合理性限界曲線の残存する小さな個人的問題と大きな社会的問題を、自分ごととして捉えるようになれば、曲線の内側の範囲が広くなり、無理ゲーから遠ざかると思った。
言行一致が大切な例としてNIKE(Black Lives Matterに、関連する運動が再燃していたときに、NIKEも差別を止めようという広告をだしたが、NIKEは黒人スポーツ選手を利用して巨額の富を得ている企業なのに、上級役員には黒人がいないと批判され、表向きには社会正義に対して強い立場をとっているのに、実際には経営層のレベルで価値観を行動として実践していないと指摘された)があげられていたが、
このような視点から企業をみてみるのは面白いとぉったので注目してみたい。 -
Posted by ブクログ
私はある時から衝動的に読書に目覚め、興味や問いの赴くままに、日々本を読み耽っています。それでもふと、「あれ、こんなんでいいのかな?」と思ってしまうことはあります。
独学だ、研究だと自分に言い聞かせながら、どこかで“役に立つこと”を意識してしまう。そんな自分はやっぱり、この時代の常識に絡め取られているのだなと感じます。
独立研究者・山口周さんの『独学の技法』は、れっきとしたビジネス書。
もちろん社会で役に立つことを前提に書かれていますが、ところどころで、「刹那的な興味関心で読むこと」も勧めていて、読んでいて嬉しくなりました。
やっぱり、無目的に、貪るように読書することはものすごく大きな可能性を秘めていると思う。そんな生き方も、もっと奨励される社会であってほしいなと思いました。
もはや目指すは、脱・戦闘力ですね。