山口周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルが強烈すぎて手に取ったけど、
読んでみると「オッサン批判」の本では
全然なかった。
むしろ刺さったのは、
年齢ではなく、思考停止した瞬間から人は
“オッサン化”する。
ということ。
過去の成功体験にしがみつく。
新しい価値観を否定する。
立場や肩書きを守ることが目的になる。
自分より若い人や異質な意見を受け入れられない。
これ、50代の人だけの話じゃない。
30代でも20代でも普通にあり得る。
僕自身、新しいビジネスや若い人たちと 関わることが多いけど、
「それ、普通はやらないよ」
「そんなのうまくいかないよ」
と言う側には、なるべくなりたくない。
むしろ、
「何それ?面白そうじゃん!」
と言える人でいたい。
経験を積むほど賢くなる一方で、
経験が「常識」という名の邪魔をすることもある。
だからこそ、
知らない人に会う。
知らない業界を見る。
新しいことをやってみる。
いくつになっても、
自分の常識をアップデートし続ける。
僕も立派なオッサンですが…
年齢はオッサンでも、思考までオッサンには
ならない。
改めてそう思わせてくれる一冊でした -
Posted by ブクログ
「役に立つ」という市場
山口 日本の場合、水野さんが言うところの「文明タイプ」というか、もともとある組織能力として、BtoBの仕事が得意な企業は多いと思います。なぜなら、かつては世の中にもたくさん問題があったので、BtoB的な「役に立つ」という能力がBtoCの市場でも生かせたからです。パナソニックのようなメーカーが、わかりやすい例でしょうね。身近な不便を解決してあげる、「役に立つ製品」をつくることが価値の提供だった。
でも今は、「不便だ」とか「使い勝手が悪い」といった世の中の身近な問題がほぼ解決されて、文明的に行くところまで行ってしまいました。そこで水野さんがおっしゃる「文化の出番」になるわけです。
水野 そうか、「文明=役に立つ」で、「文化=意味がある」と言い換えることができますね。 そして企業は、「役に立つ」と「意味がある」の分かれ道に立っている、と。
山口 あえて二極化させたら、組織の能力は「役に立つ」と「意味がある」の2種類しかありません。その上で、「自分たちはあくまで、『役に立つ』の道に進むんだ」と決めた会社もある。そういう会社はインフラを整えるとかダムを造るといった、BtoBの仕事に集中していきます。
なぜかと言えば、BtoBなら「役に立つ」という市場で戦えるからですよ。その業界ごとの役に立つ物差し、つまり「正解」がありますからね。たとえば「このダムの発電効率は」 みたいな物差しが業界ごとにあるわけじゃないですか。
水野 まさにおっしゃるとおりですね。僕は以前、とあるメーカーの携帯電話の仕事をしていて、彼らがBtoCの携帯事業から撤退する瞬間に立ち会ったことがあります。関わっていたプロジェクトがバーッとなくなっていって、「あ、この人たちはBtoBに行くんだな」 と肌で感じました。
山口 産業史の貴重な1ページを現場の当事者として目撃したわけですね(笑)。
山口 僕は広告の仕事をやっていたので、「この広告のメッセージのコアは何だ」と考えるわけです。電通時代に杉山恒太郎さんや佐藤雅彦さんに教えてもらったのは、「広告の究極の目的は、その人にとっての商品の意味合いを変える」ということ。自分にとって全然関係ないと思っていた商品やサービスが、広告によって自分と関係あるものに変わる。つまり意味づけが変わるということで、「広告は究極的に意味をつくっていくこと」だと感じました。
水野 「セブン‐イレブンいい気分」の杉山さんと、「バザールでござーる」や「ピタゴラスイッチ」の佐藤さん。電通のクリエイティブディレクターの大スターですね。
山口 お二人とも意味をつくれるクリエイターですが、そういう人は実は電通の中で1% もいない。残る9%の人は何をやっていたかというと「役に立つ」を15秒で伝えること。
世界観をつくるには?
水野 僕はこれまで、「ブランディングって何ですか」という話をするとき、「見え方のコントロールだ」って言ってきたんです。ここまでお話ししてきて、「世界観をつくること」だと説明してあげたほうが、ロマンチックでわかりやすく、みんなが受け入れやすいなと感じました。これからは説明のしかたを変えようと思います。
山口 まさにクリエイティブ・ガバナンスが必要になりますね。
水野 デザイナーって個性的な人が多いし、「人のことはどうでもいいから一人で絵を描いていたい」という人も多い。業界的にはちょっと情けない話ですけど、ビジネスとデザインが協力していくうえで、そこは案外大きな課題なんですよね。
山口でも、水野さんはその両方ができるから、橋渡しも可能になる。クリエイティブディレクターと呼ばれる人たちは、美やアートの世界とビジネスの世界の垣根を越えられるし、繋げられる人たちじゃないでしゃないでしょうか。
水野 おっしゃるとおりですね
クリエイティブな組織をつくる第一歩は、まず経営者が、クリエイティブの重要性、「意味をつくる」ことの必要性を理解することです。自分にクリエイティブの良し悪しを判断できるスキルがなければ、外部からクリエイティブディレクターを招く。僕は、自分は経営者の右脳だと説明しています。経営者とクリエイティブディレクターが、二人で一つのチームになればいいんです。
次に、組織構造を変える。
経済産業省と特許庁が2018年5月に「『デザイン経営』の先行事例」をまとめた資料を発表しています。デザイン部を社長直轄の組織にしているソニー、マツダ、キヤノン、TO TOなどの実例が載っていて、最近は、ニコンもこの動きに追随しています。でもほんとうは、 この時期に「先行」事例とされていることがかなしいんですよね。ダイソンやサムスンなどはずっと前からやっていることですから。ソニーには1960年代から社長直轄のデザイン室(現・クリエイティブセンター)がありますが、そういう日本企業は少ない。
デザインやクリエイティブの部門は、今後は社長直轄にしないとだめだと思います。昔ながらの硬直化した日本型組織で、下から上げた案に中間からNGが出て差し戻しを繰り返し、さらに社内で順番に稟議を通して・・・・・・とやっていたら、「意味をつくる」戦いでは勝負になりません。
山口 インプットの方法を含めて、水野さんが教える学び方というのはどんなものですか? デザインは人に教わってできるようになるものでしょうか。
水野 慶應で講義していたのですが、端的に言うと「知識×やり方」です。知識が少ないのにやり方だけ知っていてもダメだし、知識が多くてもやり方を知らないとダメ。まずはたくさんのものを見ることがスタートですよね。
その上で、「簡単な上達法は?」と聞かれることはよくあります。僕が手掛けているだけでも、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、内装デザイン・・・・・・と分野がさまざまなので、グラフィックだけに絞ると、大きく三つあります。
一番目は、「らしさ」を見極められるようになること。「シズル」っていう言い方をするときもあるのですが、そのものらしさをしっかりと見極めて、そのものが持つ魅力が伝わる表現をすることが何より大切です。世の中にあふれるデザインには、出発点からずれちゃっているものが結構多いんです。上質な商品として見せたかったはずなのになぜこんなポップな色を使ってしまったんだろう、とか。世界観をちゃんとつくれていないし、捉えられていない、ということですよね。
二番目は、書体や色といった、デザインにまつわる超基本的な知識を身につけること。色に関していえば、色相環を理解しているだけでもまるで違いますよね。山口さんには常識中の常識だと思いますが、講演で話すと、色相環を理解していない人って案外いるんです。
三番目は、やっちゃいけないことを知っておくこと。当然ながら差別的表現や、性の多様性への配慮がない表現は一切ダメですよね。それとは別に、デザインの中にも、実はタブーはたくさんあります。先ほども言いましたが「この書体を使うと、欧米の人はこう感じる」といった知識。あと、家に入ってくるチラシでよくあるのが、書体を7、8種類も使っていたり、色を何色も使いすぎていたり、文字の大きさもまちまちで、情報が頭に入ってこないもの。あえて狙ってそういうデザインをしている場合は別として、情報伝達を目的にした場合には、書体、色、文字サイズの種類があまりにも多いと、目的を果たさなくなることが大半です。
水野 そんな調子だから、商品開発のあらゆる場面で「他社でこれが売れているからうちでもこれをつくろうと思います」「提携工場から、これなら安くつくれると言われたのでこれでいきます」となる。「このブランドのコンセプトは○○なんだから、もっとこういう考え方の商品をつくりませんか?」と提案しても、「それだとうちのお客様は買わないと思います」。そのうち他社から先にそのアイデアの商品が出てヒットしてしまったりして (笑)。
ブランディングって長期戦で、最初の3年くらいはなかなか数字に反映されないんです。 3年過ぎたあたりから動きが出て、5年経ったあたりでぐっと売上に反映されていくことが多いんですよね。その会社でも、ある程度の数字的成果を上げることはできましたが、 仕事として長続きしなかったですね。
山口 既存顧客のこと、競合他社のことだけ見ているから、売上がどんどん落ちてきたわけで。自分たちのビジョンを定めて、そこにむかって未来をつくっていかなければならなかったんですが、過去だけを見ている会社に「意味をつくる」ことは難しいと思います。
日本の場合、起業から5年以内に倒産する会社が85%と言われています。仕事を通じてさまざまな企業とお付き合いをする中で、伸びていく会社と消えていく会社をいくつも見てきました。
そこで気がついたのが、資金が潤沢で勢いもあったのに失速してしまう会社の多くは、 「急成長してたくさんの利益を得たい」という欲求がエンジンになっていたということです。
利益は、経済活動において必ずクリアすべき最重要課題の一つです。僕自身、自分の役割の一つとして、ブランディングに携わった企業の利益を上げることにこだわってきました。 ですが、「数字だけ」だと未来は描けないのもまた事実です。ましてや「意味がある」を大切にすべきこれからの僕たちを動かす原動力になってはくれません。
「世の中をこうしたい」「未来をこう変えたい」という熱意と希望と強い意志。それがまさに大義です。大義がなければ、自分たちの未来のビジョンを明確に描くことはできない。ビジョンがなければ、世界観も自ずとブレていきます。
なにより、組織において世界観をつくる作業は、自分一人でできることではありません。
多くの人が同じ想いを共有し、同じイメージを描いて、「意味」をつくり続けなければならない。それには、大義を旗印に、かかわる人全員に情熱を行き渡らせる必要があります。
成果を生み出すプロジェクトにおいて、AIによって時間をどれだけ短縮できても、人間の関与が必要な時間はゼロにはなりません。その「ゼロでない時間」の内訳を考えてみると、 物理的な作業時間と「方向性の決定および実現のための調整」の部分に大きく分かれます。
後者はつまり「何をするか、どんなものをつくるかを一から考えること」「進行過程で、 進んでいる方向が適切か確認すること」「必要に応じて軌道修正すること」などです。デザイン検証やマーケティングの実装といった作業もAIに任せられるようになった今、この部分で最も重要になるのは「意思」です。
AIによって「作業」の時間が短縮されることの真の価値は、浮いた時間を使ってこうした本質的な思考――「意思」の生成や世界観の構築――に、これまでより多くのエネルギーを注げることにあります。
「どんな世界を描きたいのか」という強い意思と情熱は、5年経った今、一層その必要性を増しています。AIが生み出す数多の可能性を前に、最終的な方向を決めるのは人間自身です。「意味」を生み出し「世界観」を築けるかどうかが、個人、企業、そして社会全体の未来を形づくっていきます。
文庫化にあたり、この本がその問いを考える一助となれば、これほど嬉しいことはありません。 -
Posted by ブクログ
リーダーシップを「行動」ではなく「意味づけ=コンテキスト」という視点から考える本。変化の波を読み取り、意味を与え、人を動かすという考え方が印象に残った。
これからの時代は、与えられた問題に正解を出す能力よりも、「そもそも何が解くべき問題なのか」を設定する力や、人を巻き込み実行する力の価値が高まる。また、強みも絶対的なものではなく、コンテキストによって変わるという考え方も興味深かった。
一方で、変化に気づいたとしても、実際にそのチャレンジに乗ることができる人がどれだけいるのか、という疑問も残った。多くの人は変化に気づいていても、なかなか行動には移さない。だからこそ、変化を捉えるだけでなく、人を動かすリーダーシップが必要なのだと思う。
AIによって「正解を出す力」の価値が下がる中で、自分で問いをつくり、人の心を動かすナラティブを描ける人になることの重要性を考えさせられた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短期の合理は長期の不合理
短期の不合理は長期の合理
20代にいろいろ手を出して経験して模索する
30代以降に何に集中するか探る。幅を広げる
2割の壁を超えると一気に変化が起こる
市場におけるスキルの価値は「能力や知識の水準」ではなく「需要と供給の関係」によって決まる
AIが正解を過剰供給するなかで人間が担うべき仕事は「見過ごされてきた問題を提起する」こと。 誰もが常識だと考えていること、仕方がないと飲み込んでしまい最早意識されることもない様々な理不尽なことについて問いかけ、現状と異なるあるべき姿について構想する力
教養=リベラルアーツ=自由に思考するための技術
流行のスキルではなく、「他の人にはない、私のユニークな特徴は何か?」について考え、その特徴をどうやってキャリアや仕事につなげるかを考えるべき。
自分で自分のプロデューサーになることが必要
打率よりも打席の数の方が重要
打率1%の人が100打席立てばヒットを打つ確率は63.4%
優れたアウトプットのリターンは、ダメなアウトプットによるロスより程度が大きいことが多い、非対称
パフォーマンスを上げる選択肢 と ゲームに勝つ選択肢 は異なるものである。
人々の発達、成長は「研修の場」だけでなく、「業務の場」においても追求されるべきである
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Posted by ブクログ
・私たちの眼の前にある現場がどんなにネガティブに見えるものであっても、その状況に対置される「あるべき姿」が構想できなければ、そこに問題は存在しません。つまり「我々が認知的に生成しなければ、すべての問題は存在しない」ということです。
・クリティカルビジネスは、単に経済的な利益を追求するだけではなく、社会的な変革や価値の実現を目的としています。このため、従来のビジネスモデルでよく見られる「シェアの奪い合い=ゼロサム・ゲーム」の考え方とは異なるアプローチ、つまり「市場全体を増やす=プラスサム・ゲーム」を追求します。
・理想的な社会とはどのような社会ではないのか、と言うクリティカルな態度こそが社会運動・社会構想に必要
・人が身銭を切って解決するのは、まずは何をおいても個人的問題。市場原理の枠組みの中では「社会問題」は解決されにくい
・企業は「大きな問題」から順番に解決をしていくので、年を追うごとに社会に残存する問題は小さく、難しくなります。求められる成長は年を追うごとに大きくなっていくのに対して、解決することでリターンをもたらしてくれる問題はどんどん小さく、難しくなっているのです。
・人々は、多数派の意見に触れたときには「表面的な態度は多数派に接近するが、本音は変わらない」のに対して、少数派の意見に触れたときには「表面的な態度は変化しないが、本音は変わる」
・グラミン銀行の画期的にクリティカルだった点は、貧困という問題を「お金の不足」と捉えるのではなく、生活様式・生活習慣が絡んだ複雑なシステム問題として捉え、有志と同時にこの点を改めることを顧客に強く求めたことです。
・「普遍性の低い問題」も、空間軸を大きく捉え直し、「普遍性は低いけれども、グローバルにあまねく存在する問題」としてし設定できれば、非常に大きな経済的インパクトをもたらす魅力的な事業機会になりうる
・複雑なシステムの世界で上手に生きていくということは、時間軸と思考の範囲を広げるだけではなく、結局のところ、思いやりの範囲を広げるということです
・「場所」は意味的な価値を形成するうえで非常に重要です。すでに意味的価値の固まってしまった地域に根城を構えることで、これまで、それらの場所が蓄積してきた意味的価値の影響を大きく受けることになってしまうからです。
・難易度の高いアジェンダは優秀でモチベーションの高い人にとって報酬なのです。一方で凡庸でモチベーションの低い人を逆に遠ざけるという、クリティカルビジネスにおあつらえ向きの非対称性があるのです。
・手元にあるもので始めることで、リスクの低減、ステークホルダーの誘引、学習の加速のメリットがある
・フィードバックの持つ価値は、事業運営に関する選択肢の最も多い初期段階ほど高く、時間を経て様々な選択肢の柔軟性が失われるにつれて減少していきます。「とにかく試してみる」ことによって、事業の早期の段階で良質なフィードバックを得ることが可能になります。
・より大きなシステムを捉える。複雑な状況では、人は大抵、自分に都合の良い視点から問題を捉えます。複雑なシステム問題について関係者の共通理解を形成するために、各人が描く局所的な枠組みを包括する「より大きなシステム」を捉えるコンピテンシーがシステムリーダーには欠かせません。
・生成的な対話を促す能力。内省の結果を各人が他者と共有することで、組織や個人からなる集団がそれぞれの異なる意見をほんとうの意味で聞き、互いの見ている現実を認知的だけではなく、感情的にも理解し合うことが欠かせないステップとなります
・システムリーダーは、変化が生まれ、変化が自律的に継続するような場を生み出すことに注力します
・Leadはもともと「境界線を超える」という言葉を源にしている。単に導くだけでなく、過去の規範や慣習や定石などの「一線を越える」ことにこそリーダーシップの本質があるのであるとすれば、逸脱を許容しない社会からはリーダーもまた生まれない -
Posted by ブクログ
ネタバレセンスとはなにかが分かる。よみやすい。
スキル×センス
役に立つ×意味がある
論理×直観
良し悪し×好き嫌い
すぐに分析×事後性
絶対にうまくいく×ひょっとしたらうまくいくかも
・センスとは具体と抽象の往復運動
・並列箇条書きではなく直列
・起点はセンス。何を知りたいかが一番大切な問い。山の両側からトンネルをほる。
センスは事後性が高い。あとから気づくもの。
黙ってやれという世界にも一定の合理性。
・リベラルアーツとは、自分の価値基準を自分の言葉で説明できること
・P=WTP-C
・横串の前にまずお前が縦串をさせ
タペストリー
横串を通して=関係部門とうまくやっといて
・行き場を失った運動エネルギーが位置エネルギーになっているのではないか -
Posted by ブクログ
サイエンス頼みの意思決定では立ち行かない時代に、アート=美意識を取り戻すための本。
企業競争がコスト/スピード勝負から、「自分の美意識で判断する」フェーズに移った。外のモノサシでは測れない不安定な世界で、アート・サイエンス・クラフトの再バランスが必要だと説く。
「美しいチーム」を選べるリーダーが、課題を突破する時代へ。
日本企業の停滞は“サイエンス偏重”だったと腑に落ちた。内なるモノサシ=美意識を立てることが、リーダーの条件になるというが、アートの感性自信なし。
毎週1回、名画鑑賞やNASA宇宙写真アプリなどを使ったVTSで“見る力”を鍛えてみるか、、、 -
Posted by ブクログ
通勤中の読書で毎日50頁ずつぐらい読み進めて読み終わった。気分を仕事へと切り替えるにおいて、とても心地の良い、面白い本だった。
読む前に想像していた内容よりも、より俯瞰的(捉える範囲や時間軸)な見方が多く言及されており、社会学や歴史学の要素、あるいは多くの参考文献にも触れられており、大変面白く読むことができた。
単に仕事の中での部下、同僚、上司とのコミュニケーションだけではなく経営陣とのコミュニケーションや、仕事を離れたところでのあらゆる場面でのコミュニケーションに活きてくる本。
人は結局は、自分という“フィルター”を通してしか世界を見ることができない。どんなに客観的な見方を意識しても逃れられない。その前提をおいたうえで、また相手も相手の“フィルター”を通して世界を見ていることを理解することで理解しようとする努力ができるのではないか。「(相手が)間違っている」「許容できない」「理解できない」で思考ストップではなく、もう一歩、二歩先に。
参考文献リストも大変豊富にあったので、ここからさらに深堀りしていくこともありか。 -
Posted by ブクログ
「同じことを言っているのに、人によって受け止め方が全然違う。」
仕事をしていると、そんな場面に何度も出会います。良かれと思って任せた仕事が「信頼された」と受け取られることもあれば、「丸投げされた」と感じられることもある。この違いは何なのだろうと思っていました。
山口周さんの『コンテキスト・リーダーシップ』は、その答えを「文脈(コンテキスト)」という言葉で見事に説明してくれる一冊です。
本書が伝えるのは、「優れたリーダーには決まった型がある」のではなく、組織の状況や相手との関係性によって、同じ行動でも意味がまったく変わるということ。リーダーシップとは技術ではなく、「今、この場では何が求められているのか」を読み取る力なのだと気づかされました。
特に印象に残ったのは、IBMを再建したルイス・ガースナーの話です。経営危機のIBMで彼は「今のIBMにビジョンは必要ない」と語りました。一見するとリーダーらしくない言葉ですが、会社が生き残ることが最優先だった当時の状況を考えると、とても理にかなっています。そして実績を積み重ね、組織との信頼関係が築かれた後に「e-business」という未来を示した流れは、以前読んだ『巨象も踊る』ともつながり、とても腑に落ちました。
AIが正解を出せる時代だからこそ、人が担うべきなのは「何が正しいか」を教えることではなく、「今、この組織にはどんな意味が必要なのか」を考えることなのかもしれません。
リーダーだけでなく、部下として働く人にもおすすめしたい一冊です。相手の言動を「良い・悪い」で判断する前に、「どんな文脈だったのだろう」と考える癖がつくだけで、人との関わり方が少し変わるような気がしました。