山口周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一言要約:隣人(他者)を愛す為の美意識、これなくして世の中は変えられない
論理と理性だけでこの社会を進めようとしてきた結果、特にこの日本のビジネス界には「魂のない歩く屍」が大量発生してしまった、そんな感覚になった
人や社会(不合理な生き物と仕組み)を構成・支配しているのは、論理よりも本能や感覚、感情であり、それらを見ずして世界の根本構造を変えることはできず、論理や理性はせいぜい「木の棒」にすぎず、新たな世界を築く為の剣や魔法の杖にはならないと感じる:感性や直感、つまり美意識という“飛び道具"が必要なのだと思慮
アートや斬新なアイデアは、万人にわかりやすいような言葉や形にはしにくく、出来たとして誰にでも理解できるものではない。測れず、機を逃せば消えてしまう。それを支え、形にするのがサイエンスやクラフトだが、今はその二つだけで押し切ろうとする空気がある(要は本質という地に対して足が着いておらずフラフラしている)
本質や普遍的なものはいつどの場所でも弱いもので、ここに意識を向け、意思決定へと舵を切ることこそが、マネジメントの役割だと心得る
技術の進化が速すぎて、ルールが追いついていない、まさにVUCAな世界では、マネジメントが偶然性や自由さを孕むランダムウォーク的なアートの感性を持ち合わせているかが、企業や個人の生存戦略に深く関わる視点だと考察する
当然、人類は社会を形成して成長する種で、サイエンス偏重社会から今一度アートや感性の重視に傾けたとしても、より本質的な、「他者を理解する心」を根底に据えなくてはならず、つまりは「隣人を愛するための美意識」こそが、力(サイエンス)を正しい方向へ導くのだという帰結である -
Posted by ブクログ
論理やデータ、過去の成功法則だけでは意思決定できない時代において、「美意識」という判断軸の重要性を論じた一冊。
本書が扱っているのは、感性の大切さを一般論として語ることではない。むしろ、経営や戦略のように本来きわめて合理性が求められる領域において、なぜいま「美意識」が必要になるのかを、かなり切実な問題として提示している。
従来の経営では、正解のある問いに対して、論理と分析によって最適解を導くことが重視されてきた。だが、社会が複雑化し、価値観が多様化し、変化のスピードが速くなった現在では、そもそも何が正解なのか自体が事前には分からない場面が増えている。そのような状況では、論理は依然として重要でありながらも、それだけでは最後の一歩を決めきれない。そこで必要になるのが、「自分は何を美しいと感じるのか」という内面的な基準なのだという指摘が印象的だった。
ここでいう美意識は、単なるセンスや趣味ではない。何を良しとし、何を醜いと感じるのかという、もっと深い価値判断の基盤である。つまりそれは、意思決定の場面で表れる自分なりの哲学に近い。数字や合理性だけでは割り切れない局面で、最後にその人の判断を支えるものが何かと考えたとき、それは結局、外から与えられた正解ではなく、自分の内側で鍛えられた基準なのだと思わされた。
また、本書はこれからの時代に求められる教養のあり方についても示唆的だった。ビジネスの現場ではつい、再現性や効率性、スキルの獲得が重視されがちだが、それだけでは不十分であり、人文学や芸術、歴史、哲学といった一見遠回りに見える領域こそが、最終的には判断の深さを支えるのではないかという感覚が残った。目の前の実務にすぐ役立つ知識ではなく、そもそも人間とは何か、社会とは何か、価値とは何かといった問いに触れてきた蓄積が、正解のない時代にはむしろ効いてくるのだと思う。
論理を磨くことはもちろん必要だが、それだけでは足りない。
何を選び、何を捨て、どこに向かうのか。
その判断を最後に支えるのは、自分の内側にある基準なのだと感じた。 -
Posted by ブクログ
どうしたら仕事ができるようになるのか、ではなく、仕事ができるということの意味を問いかける一冊。
好きな著者お二人の対談とあらば、読まないわけにはいかない。
テーマも面白いし。
スキルは言語化・数値化できるが、センスは言語化・数値化が難しい。
スキルは習得出来るけど、センスは身につけるための定型的・標準的な方法はない。
「役に立つ」はスキルで、「意味がある」はセンス。
…なんてことがお二人の間で軽快に問答されていくのが楽しい。
センスとは具体と抽象の往復運動、ということは
楠木さんが著作「経営センスの論理」でも指摘されていたことで、あらためて納得。
センスがある人をよく視ることが、センスを手っ取り早く錬成する方法でもある。
これからは、スキルを身に付けるより、センスを磨き続けることの方が大事になるんだろうな。 -
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ネタバレ何気ないビジネス書な装いだが、多くの人がわかりやすく現代社会を認識し行動を改めるきっかけになるという点で名著なのではと思いました。
我々はクリア後のゲームをプレーしているようだ
そりゃあつまらない
こんな言い方はしていないけれど
成熟した社会で見込めない経済合理的な成長を自己欺瞞を繰り返し人生を消費するのはやめよう
〇〇%成長の根拠は?
なぜ成長が必要なの?
それで社会は良くなるの?
そしたら人類は滅びるよ?
ビジネス社会あるいはそれを構成する我々がよく口にする欺瞞に対してソクラテスのように問いまくりたくなる一冊
キーワードは人間生に根付いた「衝動」です
生きるに値する社会に変えていくために
まだ金になっていないが私にとっては
見過ごせない
どうにかしなくちゃならない
ついそうしてしまう
何か
例えば楽しい、美しい、守りたい、救いたい等など
それは他人にとっても価値あるモノゴト
それを生み出していこう
仕事と余暇ではなく
仕事は趣味とか遊びとかそういうものとも一体化して溶け合っていく
常識が誤りだと物腰柔らかい文章で諭してくる残酷さがある
一方でじゃあとうしたらいいのかという
あたたかな希望のアイデアを提示しており
発想の指針となる良書でありました
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既存社会の常識に対する批判的な価値観を進めるビジネスが必要になってきている。競合は必ずしも打ち倒すべき敵ではなく、同じ社会課題の解決を目指す同志の側面。競合を持つメリットは、問題意識の啓発、情報知識の拡張、学習加速。ゼロサムゲームではなく新たな市場形成でプラスサムを目指す。テスラのオープンソース特許…短期的な利潤を追求しないと明言して投資家の期待値コントロールが重要。儒教やローマカトリックの影響が強い国は権力格差が強くなりがち。プロテスタント系の国は格差が小さい傾向。共感力の高い人間の増加により市場発展が支えられている。現代は禁欲・節制を欲求化する欲望のアップデートが行われている。物質主義から脱物質化の流れと一致。クリティカルビジネスの初動は多動性から。ただし、その批判的特性から逆風は避けられず心理的ストレスは覚悟する。フォーカスをローカルメジャーからグローバルニッチに。フィードバックが学習スピードを加速させる。
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Posted by ブクログ
最近リベラルアーツのように実学とは異なる領域が脚光を浴びていることが気になっており、本書でヒントが得られればと思い手に取った。
ロジカルシンキングのように言語化できて再現性のある手法は真似されて差別化が難しくなること、現代のようにシステムに法対応が追いついていない世の中では後出しジャンケンで違法とされるリスクがあり自然法主義的な考え方が重要になる、など美意識の重要性を具体例を交えて分かりやすく説明されており腹落ちした。
具体的にどのように美意識を鍛えれば良いのか難しいが、まずはアートに触れる機会を増やし、観察眼を養うことから始めてみたい。 -
Posted by ブクログ
タイトル通り仕事を進めるうえでのコツが書かれている。
コンサルらしく非常に整理された内容で図などを多用し説明している。
ただ、既知の内容やよく言われていることも3割くらいあった。また、ところどころ精神論が見え隠れする感じもした。(P77「とにかく何とかする」等)
ただ、基本的な心構えを整理するという意味では有用な本。
特に第1章の「知的生産の「戦略」」の章は自分はあまり意識していなかったので非常に勉強になった。仕事に対して、一生懸命全力投球していれば報われると考えていた自分にとっては相手の期待値をコントロールするなどは新鮮だった。
また、第5章の「知的ストックを厚くする」のイケスの概念などは今後の参考にしたい。
個人的には、新鮮な考え2割、既知5割、陳腐3割という感じだった。また、比較的若手と呼ばれる人間には有用だが、コンサル現役の人や管理職にとっては「知ってる知ってる。当然だよね。」といわれそうでお勧めしづらくはある。
新入社員とかは1章だけでも読んだ方がいいと思う。 -
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ネタバレ親から唐突にこの本が送られてきて、めちゃめちゃ真面目なタイトルから、すわ啓蒙本かと一瞬身構えてしまったが、結果としてはだいぶ分かりやすくおもしろく、色々と考えるきっかけになる良い本だった。タイトルで敬遠されてそう。少なくとも自分は買おうとは思わないだろうな。
茂木さんはもちろん知ってるし、もう一人の山口さんも、名前は覚えてなかったけど『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 』はだいぶ前に読んで、面白かったという記憶はあるので、内容としては結構合ってた。
連載自体は2022年のプレジデントと結構前だけど、編集で結構時間がかかったようで茂木さんがケルンでこのまえがきを書いたのが2025年8月末。自分もその時期にケルンにいたからすれ違ってたかも!
読み始めてすぐは、まだ啓蒙的内容を感じて身構えていたが、対談形式なのと、二人の話し方が柔らかいのと、大学ランキングとか無意味、みたいな自分も思っていたことがホイホイ出てくるのでまんまと面白がってしまった。
今の社会を定常社会を捉えるべき、という考え方はめっちゃいい。無駄に嘆くでもなく、無駄に発奮するでもなく。
自分も会社にいた頃は、毎年売り上げを上げて成長しなければいけないというのが全くピンときてなかった。その感覚は合ってた。いや、でもここで言ってるのはマクロな経済という枠組みであり、会社が成長しなくていいとは言ってないか。成長しない企業、お金が戻ってこない企業には誰も支援したくないわけで。難しい。
ちなみに脚注が各章の終わりにあるのが優しい。この形式好き。
結局、社会が変わるには上から変わるか下から変わるかしかなく、日本は上から変わるのができなさそうだから一人ひとりが好き勝手生きていきましょうという、投げやりのようで結構力強いメッセージが提示されて終わる。
自分ももう好き勝手生きてるし、人の評価とか人の目も気にしてない。
でもそれは自分が海外とか行って色々見てきたからだから、どっちかというと子供や若者に届いて欲しい、そしてその親にも届いて欲しいメッセージだな。
とは言え、ほんとに好き勝手生きたら今の日本では結構生きにくいと思うので、困ったときに逃げる場所や相談相手も誰かが用意しておいて欲しい気持ち。それを我々大人がやっていかなきゃならないのかな… -
Posted by ブクログ
「成長」や「効率」を最上位に置いてきた近代的ビジネス観を問い直し、経済活動に人間性をどう取り戻すかを探る一冊です。
本書の出発点は、物質的な不足が解消されつつある成熟社会において、従来型の“問題解決型ビジネス”は限界に近づいているという認識です。機能的価値をいくら磨いても差別化が難しい時代に、これから重要になるのは「意味」や「美意識」といった、人間の内面に関わる価値だと論じます。
印象的なのは、アートや哲学の視点を経済論に組み込んでいる点。合理性やデータだけでは測れない領域こそが、これからの競争優位を生む源泉になると説きます。効率を追うほどに疲弊していく社会構造に対し、ヒューマニティ(人間らしさ)を軸に再設計する必要性を静かに訴えます。
また、企業経営だけでなく、働き方やキャリア観にも示唆を与えます。外発的な報酬や評価に依存するのではなく、自らが「美しい」と思える仕事を選び取る姿勢が、長期的な価値創造につながるという主張は示唆的です。
未来予測というより、価値基準の転換を促す提言書。合理性の延長線上に違和感を抱いている人にとって、思考の地図を書き換えてくれる一冊です。 -
Posted by ブクログ
アートや美意識の観点から、現代のエリートに
求められる視点を教えてくれる一冊。
何が正しいのか判断するための美意識、
会社や社会に染まれば染まるほどわからなくなる
「会社の常識が社会の非常識」という問題、
前に勤めていた会社で、特に出世した方に対して、
強く感じていた違和感。
馴染むほどに疑うことは難しいけれど、
哲学や社会学など、自分が興味を持っていた分野が
自分の美意識を鍛える力になっていたのかも。
共感しているうち、あっという間に読み終わった。
AIの台頭で論理的思考によるアウトプットに
偏りや優劣が生まれにくくなってきた時代、
急速な変化や複雑な因果関係のなかで
明快な正解が分かりにくい(出せない)時代においては
データや経験に偏らない、
自身の美意識に従った意思決定が、
何ができるかではなく何をしたいのかという
ミッションやパッションが、
独自のスタイルとして価値を生み出すと感じた。 -
Posted by ブクログ
★学んだこと
・パレートの法則 エッセンスの2割だけ
・「全部読まないともったいない」をやめる→タイパ考える
・目次みる→段落冒頭1文だけよむ、
おもしろい→その章よむ
おもろくない→次の章にすすむ
・アイドルタイムを減らす
・複数冊 同時進行で(どんな気分でも何か読めるように)
〇ビジネス書
・まとめない、実践
・狭く、深く
・良い本を何度も読む
・古典 マンダラの内側から
〇教養書
・いけす(検索可能で)
①線を引く
②線に優先順位をつける max5-9か所
③仕事への示唆を書く
1.おもしろかった箇所
2.ビジネスや実生活に対する示唆(おもいつきでOK)
3.具体的なアクションの仮設(行動)
・広く、浅く
①哲学
②歴史
③心理学
④医学、生理学、脳科学
⑤工学(コンピューターサイエンス含む)
⑥生物学
⑦文化人類学
・本棚は2か所 活火山と休火山
活火山:読む本すぐ手に取れるように
休火山:判型ではなくテーマごとで
★TODO
・マンダラの本難しそうだが読んでいく