山口周のレビュー一覧
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ひさしぶりに新書を読んだが、新鮮で刺さることが多かった。いかに読書メモ。
日本はKPIを重視し、計測可能な指標だけをひたすら伸ばしていく一種のゲームみたいな状態に陥っている。
井深大がしたためたソニーの設立趣意書、何をやるべきか、やるべきではないかという意思決定の際に準拠すべき基準は、面白いのか?愉快なのか?という軸、つまり、理性よりも感性。これは私が研究をやる上でも通ずるところがある。ソニーについては今後も本を読んでみたい。
もし経営における意思決定が徹頭徹尾、理論的かつ理性的に行われるべきでなのであれば、それこそ経営コンセプトとビジネスケースを大量に記憶した人工知能にやらせればいい。これも研究の課題設定に通ずる。
なにをしないのか決めるのは、何をするのか決めるのと同じくらい大事だ。会社についてもそうだし、製品についてもそうだ。スティーブ・ジョブズ。これは分かったようで理解しきれていない。これをもっと理解したい。
ビジョンについて。アジアで売上トップに、などは目標であり、人を共感させるような真善美が含まれない。これは私が独立した際、どういうビジョンをかかげるかにも通ずる。私自身、明確なビジョンがない。
デザインとテクノロジーはコピーできる。ストーリー性だけは、コピーされてもオリジナル価値が揺るがない最後の価値。濱口秀治,デザイン思考を超えるデザイン思考。これは読みたい。
世界の国は罪の文化と恥の文化に二分され、日本は恥の文化に分類される。これは本当にそうだと思った。
セルフウェアネスの重要性。自分の状況認識、自分の強みや弱み、自分の価値観や志向性など、自分の内側にあるものに気づく力のこと。これは伸ばしたい。
美意識を鍛える方法。絵画を見る、哲学に親しむ、詩を読む、など、これは取り入れていきたい -
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世の中的に知られている事象を事例に解説されていて、分かりやすい。
ワークショップデザイナーのコースで学んだ内容なども出てきて復習にもなった。
リーダーシップとコンテキストの関係 組織や会社の状態によって使い分けられるリーダーがすぐれたリーダーだと感じた。(自分の得意なマネジメントのタイプ以外をどう身につけるか。というところは課題(本書の中ではリーダーシップの研修で演技の研修がある理由にされていたのは確かに。と思った)
コンテキスト(文脈)を読み取る力はメタ認知、メタ思考の考え方にも似ているなと感じた。
自分のチームの今の状態を把握(コンテキスト)し適切なかかわりができるようにしたい -
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勝てるプロジェクトを見極める
目的が不明確だとポシャる。手段ではなく、目的
成否の半分は人選。人選が先、計画が後
危機対応用に、人の質と量は多めに
成功も失敗もリーダーの評価
関係者の期待をコントロール。最初にメンバー増員を交渉。借りを作らせることにもなる
目標は、合理的計算とビジョンとワクワクの三つのかけ合わせ
プロジェクトの意義をメンバーと共有
ハイリスクな案件は初めて何かを試す、ことがないようにする
プロジェクトオーナーを明確に
メンバーの懸念と期待を聞く
簡単な仕事は優秀な人に、難しい仕事は自分がメインで優秀ではない人をサポートに
横同士のコミュニケーションをとってもらう。価値観の共有が必要
上位役職者とな生意気なやり取りは高評価になる
仮説に固執しない。目的は変えない
行動ではなく目的を伝える
慕われるだけでも恐れられるだけでもなく、両方必要なのがリーダー
トラブルはリーダーの本質を暴く
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Posted by ブクログ
・行為が理解を生み出す(Enactment):状況は受動的に観察するだけでは捉えられず、行動によって初めてその輪郭が浮かび上がります。行動と学習を結びつけるこの対話の繰り返しによって、組織全体のコンテキスト理解は徐々に揃っていきます
・観察・解釈・行動の3つのステップは単なる単純作業ではなく、リーダーとメンバーが対話を通じて共通の物語を育てるための循環です。この循環を意識的に回し続けることが、組織におけるコンテキストの共有を可能にするのです。言い換えれば、リーダーとは単なる意思決定者ではなく、「意味を作る存在=Sense Maker」であるべき
・リーダーは「コンテキストをマネジメントする存在」でなければならない。メンバーがリーダーの行為や発言をどのように意味づけるかという解釈の土台にまで働きかけることが求められる
・アクティブ・ノンアクション:表面的には忙しく働いているけれども、本質的に重要なアジェンダには取り組んでいない
・ビジョンがワークする条件
ビジョンに戦略合理性があり、メンバーが共感できるものであること
現状の延長線上には未来がない、という健全な危機感が醸成されていること
そのビジョンを打ち出したリーダーが組織構成員から信頼されていること
・いかに素晴らしい理念や構想であっても、コンテキストと合致しなければ、それが有効に機能することはない
・信頼の貯金
新しく集団に加わったメンバーは、当初は既存のルールやしきたりにしたがい、協力的に行動し、有能さを示す必要がある
一定の期間、協力的な態度や有能さを示すことで、新しく参加したメンバーに「信用の貯金」が蓄積されていく
信用の額が一定量に達すると、新しいメンバーは、新規の提案をしたり、規範を一時的に破ったりすることが、むしろ期待されるようになる
・戦略フレームは単なる分析の道具ではなく、人々に「自分たちの仕事が企業全体にとってどのような意味を持っているのか」を意味づける「編集の装置」でもあります。フレームを通してコンテキストが再解釈され、そこから行動の方向性と意味が導かれる。まさにフレームは、戦略とナラティブをつなぐ橋渡しとして機能するのです
・環境を選ばず、どんな状況でも力を発揮できる「万能の人材」は存在しません。むしろ、自らの強みや特性が最も活かされる土壌を見極め、そこに身を置くことができる人こそが、結果的に最大の成果を上げるのです
・無印良品:それまでのマーケティングでは、商品の内実に大きな変化がないにおmかかわらず、ブランドやパッケージやコミュニケーションの操作によって価格を上昇されるという手法が頻繁に用いられていました。この風潮について否定的な疑問を持っていた堤氏は、「消費と記号」の関係について考えを巡らせ、記号性をむしろ削ぎ御斎していくことによって、ブランドを生み出すことができないか、と言うアイデアに思い至ります。最終的に無印良品を「アンチブランドとしてのブランド、反対性としてのブランド」として位置づけた
・優れたリーダーシップとは、技術そのものを発明すること以上に、テクノロジーがもたらす文脈の変化を誰よりも早く検知し、それを物語や戦略に編み込む力だ
・コンテキストでは「スピード」よりも「カイロス」が重要になります。これはつまり、「ただ単に早ければいい」ということではなく、コンテキストを読んで、適切なタイミングを捉えることが重要だ、ということです
・長期のマクロトレンドとしてみれば、先進国の社会全体は否応なく「超低成長の社会へ」向かわざるを得ない
・ビジネスが、成長に伴って「より大きく、より簡単な問題」を必然的に求めるのに対して、社会に残存するのは「より小さく、より複雑な問題」担っていくのです。これが多くのテクノロジー・イノベーションが起きているにも関わらず、経済成長率が鈍化している構造的な要因です
・問題:ありたい姿と現状の差分。したがって、ありたい姿が定義できなければ、問題は原理的に設定できません。問題は現状の中に内在しているわけではなく、私たちが認知的に新たに生成するもの
・ビジネスの社会運動化:ビジョンやパーパスに顧客や市場という概念が含まれていない(テスラ、パタゴニア、グーグル、Airbnb)
・イノベーションとは、生産性を均等に押し上げるものではなく、ボトルネックの位置を移動させるもの、生産工程の効率化のあとに残るボトルネックは市場の欲求
・アジェンダの設定とは、単に問題を解くことではありません。むしろ、誰もが当たり前だと思いこんでいる前提に疑問を投げかけ「そもそも何を問うべきか」を定義する営みです。ここで求められるのは、正解を導く知性ではなく、違和感を言語化する批判的思考であり、価値観や直感に根ざした人文学的な判断力です。
・リーダーがエピソードやハプニングに意味づけすることで、周囲にいる人々に「私たちはどんなコンテキストの中にいるのか」を腹落ちさせることができる。特に、大きな組織、多くの人々をうねるのように動かしていくためには、「多くの人が腹落ちする架空の物語」を生み出していく力が必須のものとなります
・AIの強みはあくまでもデジタル空間上に存在する二次情報を扱う領域にあります。つまり、未だ文字になっていない一次情報「五感を通じてしか得られない情報」を収集・分析・統合することはできないのです。この点を踏まえると、私たち人間が自らの身体を通じて獲得する一次情報の価値は、むしろAI時代において増していくと言えるでしょう -
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ネタバレ『仕事ができるとはどういうことか?』自分用まとめ
この本の核心
「仕事ができる」とは、単にスキルが高いことではない。
本当に仕事ができる人とは、
「成果を出し続け、この人じゃないとダメだと思われる人」
であり、その源泉はスキルの総量ではなくセンスにある。
スキルは教えられる。
センスは教えられない。
しかし、
センスは経験・内省・試行錯誤によって自ら錬成していくもの
である。
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1. スキルの時代からセンスの時代へ
これまでは、
* 問題が多い
* 解決策が少ない
世界だった。
だから、
* 知識
* 手法
* フレームワーク
を持っている人に価値があった。
しかし現在は、
* 解決策が溢れている
* 情報も手法も簡単に手に入る
時代になった。
その結果、
「どう解決するか」よりも「何を問題として設定するか」
の価値が高まっている。
問題発見や問題設定はロジックだけではできず、
* 直感
* 違和感
* 嗅覚
といったセンスの領域になる。
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2. センスとは何か
センスとは、
部分ではなく全体を見る力
である。
スキルは部分最適を扱う。
一方でセンスは、
* 全体構造を見る
* 本質を掴む
* 意味のある切り口を見つける
* 人や組織の力学を読む
といった能力として現れる。
分析も同じ。
分析はデータを細かく見ることではなく、
「どこに原因がありそうか」という直感と、データによる検証を往復すること
である。
優秀な人ほど、
* トップダウン(仮説)
* ボトムアップ(分析)
を同時に使う。
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3. 成功する人の共通点
外交官研究で見つかった特徴は、
① 対人感受性が高い
相手の感情や空気を読む力。
② フラットで建設的な人間関係を信じている
人を敵か味方かで見ない。
③ 政治的力学への嗅覚がある
組織や人間関係の裏にある構造を理解できる。
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4. 自分のセンスを見つける
多くの場合、
才能やセンスは「自分には当たり前すぎて気付けない」
ものである。
だから重要なのは、
* 自分は何が得意か
ではなく、
* 自分はどの土俵で勝負する人なのか
を知ること。
本当にセンスのある人は、
自分のセンスが発揮される領域を理解している人
である。
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5. センスを殺すもの
箇条書き思考
できない人ほど箇条書きが好き。
箇条書きだけでは、
* 因果関係
* 時系列
* 意味
が抜け落ちる。
結果として、
「で、結局何が言いたいの?」
になる。
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ストーリーの欠如
優れたリーダーには必ずストーリーがある。
人は論理だけでは動かない。
未来像や物語に共感して動く。
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アウトサイドイン思考
外部環境を見て、
* どうなるだろう
* 正解はどこだろう
と考え続ける人は動けない。
仕事ができる人は、
「どうなるかわからないけど、自分はこうする」
というインサイドアウトで考える。
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6. センスを磨く方法
好きなことを深掘る
最も再現性が高い方法は、
「好きであること」
好きだから観察する。
好きだから考える。
好きだから続く。
結果として解像度が上がり、センスになる。
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具体と抽象を往復する
経験をそのまま蓄積するだけでは物知りで終わる。
重要なのは、
* 具体的経験
↓
* 抽象化
↓
* 別の場面へ応用
という流れ。
センスの正体は、
具体と抽象を行き来する力
である。
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決める
最も有害なのは、
「それも一理ありますね」
で終わること。
一理あるのは当たり前。
重要なのは、
* 全体を見る
* 優先順位をつける
* 意思決定する
ことである。
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強みは試して見つける
若いうちは自分の強みを誤認していることが多い。
だから、
得意不得意を決めつけず、とにかく試す
ことが必要。
そして、
* ウケた
* ウケなかった
という現実を素直に受け止める。
その繰り返しで、自分の土俵が見えてくる。
一言でまとめると
仕事ができる人とは、部分最適のスキルを超えて、全体を構想し、人と組織を動かすセンスを磨き続けている人である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ楠木成功者について、「ほかの人間とは景色が違って見えている」ということをよく言いますね。これは、その人の独自のフィルターを通したときに、同じものが「違って見える」ということだと思うんですよ。つまり「differently」という副詞であって、本当に「different なものを見てる」んじゃない。古い話ですが、「ボールが止まって見える」と川上哲治は言ったのですが、本当にボールが止まっているわけじゃない。ここでフィルターに相当するのが、その人が持っているストーリーなんだと思うんです。
結局、なんで商売で儲かるかというと、ほかの人が知らないことを知っているとか、できないことができるとか、そういうことですよね。それが戦略の原点ですから。オリックスの宮内義彦さんと話をしてるときに「僕から見ると、オリックスってなんで儲るのかわかりにくい会社ですよね」と言ったら、「お前みたいなヤツにすぐわからないから儲かるんじゃないか」と言われました。ホントにそのとおり。
山口見えないものが見えている。
楠木 これはその人にしか手に入れられないような「特別の秘密情報」というものではないんですね。そういうのを持ってくるのは、だいたい詐欺師。
山口情報とかツールはコモディティですからね。どんどんコモディティ化されていって、しかもいろんなベンダーが「どうぞ見てください」と見えやすいように持ってきて見せてくれるわけですから、そこで差をつけることは難しい。
楠木なんで知らないことを知っているのか、見えないものが見えているのかというと、結局その人が持っているストーリーからして同じものが違って見えるのではないか。自分なりのストーリー上に位置づけることで、個別の要素が独自の意味を持ち始めるということだと思うんですね。AIのような飛び道具感の強いものほどそうですね。先にこっちにストーリーがなければならない。そのストーリーの中のこの部分にAIを入れると、ほかの要素とこうつながって一気にコストが下がって利益が出るというように、全体の文脈の中で初めてAIの効果が出る。AIという要素自体に意味があるわけではなくて、価値をつくっているのは独自のストーリーのほうなんですね。
山口戦略は全部「特殊解」であって、すべてが文脈に依存していて一般的な解はないですからね。逆に言えば、論理を積み重ねていきついた解が他者と同じであれば、それは論理的に正しくても最適解ではない、ということですよね。
楠木だから戦略に限って言うと、一般理論はいつまでたってもできないと言ってもいい。ところが「ベストプラクティス」が好きな人はワンフレーズやキーワードにすぐに飛びつく。飛び道具を欲しがるんですね。需要があれば必ず供給がある。いつの時代でも、人々をそそる「旬の飛び道具」が出てくるという成り行きです。
ちょっと前だと「ビッグデータ」、今だと「AI」とか「IoT」。あと、よくあるのが「なんとか3・0」。
しばらく前にあるメディアから「商社3・0」という特集記事への寄稿を求められたとき、僕は「商社3・0なんてない」というタイトルで書かせてもらったんですよ。そもそも「商社3・0」ってなんなのか。かつての輸入とか輸出とかトランザクション中心だった頃の商社が1・0で、事業投資とそこへの経営参加が中心になった現在の総合商社を2・0と言うならまだわかる。両者の間には質的な違いがありますからね。ところがそれと質的に違う3・0というものには、商社はまだなってないわけで。
楠木
仕事ができる人の思考の軸足はインサイド・アウトです。完全な未来予想はできない。情報は不完全でも、まず自分なりのロジックやストーリー、自分なりのハッピーエンドみたいなものが見えている。もちろん知らないことはいっぱいあるんだけど、「わからなかったらあとで取りに行けばいいよ」というのがインサイド・アウトの考え方です。
アウトサイド・インの人というのは使わない部品みたいな在庫がめちゃめちゃ溜まっている。インサイド・アウトの人はトヨタ生産システムで、必要な部品を必要なときに取りに行く。ただし完成車のイメージはもうできあがっている。この違いがけっこう大きいと思うんです。