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生成AI時代に求められるのは、物語と未来を構想するスキル「世界観」である。それは、情報を意味づけ、価値へと転換する表現力でもある。俊英二人が、ビジネスとクリエイティブをつなげ、新しい意味を生み出す働き方を伝授。
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Posted by ブクログ
自分のデザインの仕事を言語化してくれる感覚があり、とても勉強になったし、今後自分が経営への理解を深めていくことで広がる世界も知ることができた。 また、文庫化にあたっての水野学さんのあとがきにあった、AIで作業時間が短縮された分でこそ、意味や世界観を構築すべきというお話も、非常に納得感があった。 文庫...続きを読む化されたタイミングで読むことができて、良かったと思う。
仕事の意味とは、ファクトを捉えて課題を見つけその本質を考察し、ストーリーを創り、次世代や未来に向けて新たな価値を生み出すこと
・意味付けをして、世界観を作る。 どんな世界観にしたいか徹底的にな考える。 その世界観にそぐわないものは排除する。 ・累積したインプットの量=センス 量が大切! インプット、インプット、インプット! どういう時間なら使い方をしたか=その人の世界観になるのだと感じた。 その人の世界観と...続きを読むは、雰囲気だったり、発する言葉だったり、顔つきだったり、持ち物だったり。 逆にいえば、どういう風になりたいかを考えて、 時間の使い方を変えればなりたい自分になれるのかな。 センス溢れる方々のお話はおもしろかった!
「役に立つ」という市場 山口 日本の場合、水野さんが言うところの「文明タイプ」というか、もともとある組織能力として、BtoBの仕事が得意な企業は多いと思います。なぜなら、かつては世の中にもたくさん問題があったので、BtoB的な「役に立つ」という能力がBtoCの市場でも生かせたからです。パナソニックの...続きを読むようなメーカーが、わかりやすい例でしょうね。身近な不便を解決してあげる、「役に立つ製品」をつくることが価値の提供だった。 でも今は、「不便だ」とか「使い勝手が悪い」といった世の中の身近な問題がほぼ解決されて、文明的に行くところまで行ってしまいました。そこで水野さんがおっしゃる「文化の出番」になるわけです。 水野 そうか、「文明=役に立つ」で、「文化=意味がある」と言い換えることができますね。 そして企業は、「役に立つ」と「意味がある」の分かれ道に立っている、と。 山口 あえて二極化させたら、組織の能力は「役に立つ」と「意味がある」の2種類しかありません。その上で、「自分たちはあくまで、『役に立つ』の道に進むんだ」と決めた会社もある。そういう会社はインフラを整えるとかダムを造るといった、BtoBの仕事に集中していきます。 なぜかと言えば、BtoBなら「役に立つ」という市場で戦えるからですよ。その業界ごとの役に立つ物差し、つまり「正解」がありますからね。たとえば「このダムの発電効率は」 みたいな物差しが業界ごとにあるわけじゃないですか。 水野 まさにおっしゃるとおりですね。僕は以前、とあるメーカーの携帯電話の仕事をしていて、彼らがBtoCの携帯事業から撤退する瞬間に立ち会ったことがあります。関わっていたプロジェクトがバーッとなくなっていって、「あ、この人たちはBtoBに行くんだな」 と肌で感じました。 山口 産業史の貴重な1ページを現場の当事者として目撃したわけですね(笑)。 山口 僕は広告の仕事をやっていたので、「この広告のメッセージのコアは何だ」と考えるわけです。電通時代に杉山恒太郎さんや佐藤雅彦さんに教えてもらったのは、「広告の究極の目的は、その人にとっての商品の意味合いを変える」ということ。自分にとって全然関係ないと思っていた商品やサービスが、広告によって自分と関係あるものに変わる。つまり意味づけが変わるということで、「広告は究極的に意味をつくっていくこと」だと感じました。 水野 「セブン‐イレブンいい気分」の杉山さんと、「バザールでござーる」や「ピタゴラスイッチ」の佐藤さん。電通のクリエイティブディレクターの大スターですね。 山口 お二人とも意味をつくれるクリエイターですが、そういう人は実は電通の中で1% もいない。残る9%の人は何をやっていたかというと「役に立つ」を15秒で伝えること。 世界観をつくるには? 水野 僕はこれまで、「ブランディングって何ですか」という話をするとき、「見え方のコントロールだ」って言ってきたんです。ここまでお話ししてきて、「世界観をつくること」だと説明してあげたほうが、ロマンチックでわかりやすく、みんなが受け入れやすいなと感じました。これからは説明のしかたを変えようと思います。 山口 まさにクリエイティブ・ガバナンスが必要になりますね。 水野 デザイナーって個性的な人が多いし、「人のことはどうでもいいから一人で絵を描いていたい」という人も多い。業界的にはちょっと情けない話ですけど、ビジネスとデザインが協力していくうえで、そこは案外大きな課題なんですよね。 山口でも、水野さんはその両方ができるから、橋渡しも可能になる。クリエイティブディレクターと呼ばれる人たちは、美やアートの世界とビジネスの世界の垣根を越えられるし、繋げられる人たちじゃないでしゃないでしょうか。 水野 おっしゃるとおりですね クリエイティブな組織をつくる第一歩は、まず経営者が、クリエイティブの重要性、「意味をつくる」ことの必要性を理解することです。自分にクリエイティブの良し悪しを判断できるスキルがなければ、外部からクリエイティブディレクターを招く。僕は、自分は経営者の右脳だと説明しています。経営者とクリエイティブディレクターが、二人で一つのチームになればいいんです。 次に、組織構造を変える。 経済産業省と特許庁が2018年5月に「『デザイン経営』の先行事例」をまとめた資料を発表しています。デザイン部を社長直轄の組織にしているソニー、マツダ、キヤノン、TO TOなどの実例が載っていて、最近は、ニコンもこの動きに追随しています。でもほんとうは、 この時期に「先行」事例とされていることがかなしいんですよね。ダイソンやサムスンなどはずっと前からやっていることですから。ソニーには1960年代から社長直轄のデザイン室(現・クリエイティブセンター)がありますが、そういう日本企業は少ない。 デザインやクリエイティブの部門は、今後は社長直轄にしないとだめだと思います。昔ながらの硬直化した日本型組織で、下から上げた案に中間からNGが出て差し戻しを繰り返し、さらに社内で順番に稟議を通して・・・・・・とやっていたら、「意味をつくる」戦いでは勝負になりません。 山口 インプットの方法を含めて、水野さんが教える学び方というのはどんなものですか? デザインは人に教わってできるようになるものでしょうか。 水野 慶應で講義していたのですが、端的に言うと「知識×やり方」です。知識が少ないのにやり方だけ知っていてもダメだし、知識が多くてもやり方を知らないとダメ。まずはたくさんのものを見ることがスタートですよね。 その上で、「簡単な上達法は?」と聞かれることはよくあります。僕が手掛けているだけでも、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、内装デザイン・・・・・・と分野がさまざまなので、グラフィックだけに絞ると、大きく三つあります。 一番目は、「らしさ」を見極められるようになること。「シズル」っていう言い方をするときもあるのですが、そのものらしさをしっかりと見極めて、そのものが持つ魅力が伝わる表現をすることが何より大切です。世の中にあふれるデザインには、出発点からずれちゃっているものが結構多いんです。上質な商品として見せたかったはずなのになぜこんなポップな色を使ってしまったんだろう、とか。世界観をちゃんとつくれていないし、捉えられていない、ということですよね。 二番目は、書体や色といった、デザインにまつわる超基本的な知識を身につけること。色に関していえば、色相環を理解しているだけでもまるで違いますよね。山口さんには常識中の常識だと思いますが、講演で話すと、色相環を理解していない人って案外いるんです。 三番目は、やっちゃいけないことを知っておくこと。当然ながら差別的表現や、性の多様性への配慮がない表現は一切ダメですよね。それとは別に、デザインの中にも、実はタブーはたくさんあります。先ほども言いましたが「この書体を使うと、欧米の人はこう感じる」といった知識。あと、家に入ってくるチラシでよくあるのが、書体を7、8種類も使っていたり、色を何色も使いすぎていたり、文字の大きさもまちまちで、情報が頭に入ってこないもの。あえて狙ってそういうデザインをしている場合は別として、情報伝達を目的にした場合には、書体、色、文字サイズの種類があまりにも多いと、目的を果たさなくなることが大半です。 水野 そんな調子だから、商品開発のあらゆる場面で「他社でこれが売れているからうちでもこれをつくろうと思います」「提携工場から、これなら安くつくれると言われたのでこれでいきます」となる。「このブランドのコンセプトは○○なんだから、もっとこういう考え方の商品をつくりませんか?」と提案しても、「それだとうちのお客様は買わないと思います」。そのうち他社から先にそのアイデアの商品が出てヒットしてしまったりして (笑)。 ブランディングって長期戦で、最初の3年くらいはなかなか数字に反映されないんです。 3年過ぎたあたりから動きが出て、5年経ったあたりでぐっと売上に反映されていくことが多いんですよね。その会社でも、ある程度の数字的成果を上げることはできましたが、 仕事として長続きしなかったですね。 山口 既存顧客のこと、競合他社のことだけ見ているから、売上がどんどん落ちてきたわけで。自分たちのビジョンを定めて、そこにむかって未来をつくっていかなければならなかったんですが、過去だけを見ている会社に「意味をつくる」ことは難しいと思います。 日本の場合、起業から5年以内に倒産する会社が85%と言われています。仕事を通じてさまざまな企業とお付き合いをする中で、伸びていく会社と消えていく会社をいくつも見てきました。 そこで気がついたのが、資金が潤沢で勢いもあったのに失速してしまう会社の多くは、 「急成長してたくさんの利益を得たい」という欲求がエンジンになっていたということです。 利益は、経済活動において必ずクリアすべき最重要課題の一つです。僕自身、自分の役割の一つとして、ブランディングに携わった企業の利益を上げることにこだわってきました。 ですが、「数字だけ」だと未来は描けないのもまた事実です。ましてや「意味がある」を大切にすべきこれからの僕たちを動かす原動力になってはくれません。 「世の中をこうしたい」「未来をこう変えたい」という熱意と希望と強い意志。それがまさに大義です。大義がなければ、自分たちの未来のビジョンを明確に描くことはできない。ビジョンがなければ、世界観も自ずとブレていきます。 なにより、組織において世界観をつくる作業は、自分一人でできることではありません。 多くの人が同じ想いを共有し、同じイメージを描いて、「意味」をつくり続けなければならない。それには、大義を旗印に、かかわる人全員に情熱を行き渡らせる必要があります。 成果を生み出すプロジェクトにおいて、AIによって時間をどれだけ短縮できても、人間の関与が必要な時間はゼロにはなりません。その「ゼロでない時間」の内訳を考えてみると、 物理的な作業時間と「方向性の決定および実現のための調整」の部分に大きく分かれます。 後者はつまり「何をするか、どんなものをつくるかを一から考えること」「進行過程で、 進んでいる方向が適切か確認すること」「必要に応じて軌道修正すること」などです。デザイン検証やマーケティングの実装といった作業もAIに任せられるようになった今、この部分で最も重要になるのは「意思」です。 AIによって「作業」の時間が短縮されることの真の価値は、浮いた時間を使ってこうした本質的な思考――「意思」の生成や世界観の構築――に、これまでより多くのエネルギーを注げることにあります。 「どんな世界を描きたいのか」という強い意思と情熱は、5年経った今、一層その必要性を増しています。AIが生み出す数多の可能性を前に、最終的な方向を決めるのは人間自身です。「意味」を生み出し「世界観」を築けるかどうかが、個人、企業、そして社会全体の未来を形づくっていきます。 文庫化にあたり、この本がその問いを考える一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
インタビュー形式で、まず読みやすいが1番の感想。話に流れがあるので次のページに進みやすい。 文化=意味がある 文明=役に立つ 世の中には役に立つが溢れかえっている。今はまさに意味が求められる時代。 でも、その意味って、なかなか会社を通す上では通じにくい箇所。PLではない部分。会社として、なぜそれ...続きを読むをやる意味があるのか、言語化できるようにならなければならないなと、この2人のインタビューを通して強く感じた。 世界観無き分野において指針無し。意味をもたらして共感を得よう
世界観とは?世界観をつくるには?に興味があって、評判のよい本書を購入。自分の関心ごととはズレていた。 かなりざっくり言えば、「役に立つ」では競合に勝てないから、世界観のあるビジネスを作ることが大事という本。
“今、世界観を語らせたら山口周さんだろう”ということで即買い。 「物質的な価値、機能的な価値が飽和してしまった現在の社会で、人々を惹きつけ、動かすには何よりも世界観が重要(7p)」 日産自動車とGoogleの決定的な違い、パタゴニアとAppleの社名に見る世界観など、興味深い具体例が満載だ。仕事...続きを読むでは「説得」より「共感」、「役に立つ」より「意味がある」を心がけ、私生活では「スノボよりスキー」のジェームズ-ボンドを見習おう。
「役に立つ」を追求する時代へのアンチテーゼ。日本がこれからの競争社会でナンバーワンになるために必要な「意味のある」ものを生み出すための思考法が書かれている。2人の対談形式で読み易く、こちら(発信者)から情報を提示せず、心を動かすことで向こう(客)から情報を取りに行かせる広告・前例の無いことに挑戦する...続きを読む者を埋もれさせないセカンドペンギンが必要である論理など、一つ一つの事例がわかり易く新鮮だった。
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