清水義範のレビュー一覧

  • 飛びすぎる教室

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    ネタバレ

     清水義範と西原理恵子による,お勉強エッセイシリーズのひとつ。シリーズ7作目にして最後の作品である。この作品のテーマは,「ほとんど枠組なしの,こんなことも勉強だよね」というもの。このシリーズは,清水義範らしい,ひねくれた目線がないので,よくも悪くも優等生のような仕上がりになっている。ほどよく知的好奇心をくすぐる話が多いのだが,聖書の話やら,奴隷の話やら,天使の話やら…やや興味を持ちにくい題材も多い。清水義範作品の中では中の下…あるいは下の上程度のできか。ぎりぎり★3で。

    個々の作品の所感は以下のとおり

    ○ 文明の自己紹介(歴史の話)
     テーマは世界史。学生が学ぶ世界史は,中国史とヨーロッパ

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    2017年01月01日
  • 早わかり世界の文学 ――パスティーシュ読書術

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    清水義範さんといえば、パスティーシュ小説。
    第一人者にして、その後続く人はいないのではないかと思われる。
    その、パスティーシュという手法への自負が書かれた本だった。

    「ユーモア小説」と言われてもいいけど、「パロディ」と呼ばれるのは抵抗があるようだ。
    つまり、批判や批評したいのではなく、毒がなく、あの名作、この文章ってこういうことかと、すとんと腹に落ちる作品を書きたかったと。
    う~ん、ご本人は嫌がりそうだけど、やっぱり清水さんって教育的なひとだなあ、と思う。

    セルバンテスの「続ドン・キホーテ」が、別人による「偽ドン・キホーテ」を取り込んで展開した話は、強烈な印象に残る。
    そんな面白いことがあ

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    2016年03月12日
  • 夫婦で行くイタリア歴史の街々

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    南部と北部に2回に分けて夫婦でイタリア旅行した紀行文。

    海外ツアーにおけるド定番の歴史遺産や美術品は、勿論。
    風景、現地の人達、タバコ喫煙事情、宿泊したホテル付近でスーパーで晩御飯を購入した時のやりとりなど、役に立ちそうな経験談が豊富で、読みやすい。

    わがままを言うと、建物や歴史上の人物などの写真が、小さくても表記されていれば、旅行の副読本としては、最高だったのだが。

    「国語入試問題必勝法」以来、疎遠になった著者作品を旅行雑誌コーナーで偶然見つけ、10数年振りに購読したのだが、イタリアに行く際は、必ず再読したい作品。

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    2016年03月08日
  • 愛と日本語の惑乱

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    学生の頃一番好きな科目は国語だった。様々な言葉を知ることが楽しくて仕方なかった。
    そんなころに出会った清水義範。
    たくさん読んで、こんな言葉も、こんな物語の発想もあるんだななんて本当に毎回驚かされていた。

    今回かなり久しぶりに読んだ清水さんの作品がこちら。
    日本語に対する造詣の深さに、ため息が漏れる。
    やっぱりすごい。
    そして日本語って楽しい。
    あの頃感じていた気持ちがよみがえってきた。

    一応物語形式で話は進んでいくが、これは日本語の面白さを読む小説だと思う。

    文字がとぐろを巻いたり、言葉があふれたり。
    あ~楽しかった。

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    2015年11月17日
  • 日本語必笑講座

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    言われてみればと思うところや、そういう見方もあるのかという発見があって面白かった。ユーモアのあるツッコミでさらっと読める。

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    2015年10月31日
  • いい奴じゃん

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    ライトノベル風に、運の異常に悪い男の話として始まる小説。中盤までは、ほとんどが会話で進むため、情景の記述がないのだが、登場人物が限られている上に、漫画的に極端なキャラクター設定にされているため、なかなか小気味良く読める。

    会話でない普通の文章に「やべー」なんていう言葉を使うのは、いかがなものかとは思うが。

    中盤で、主人公が動けなくなったあたりで、突如として会話中心のストーリーが、情景と作者の言いたい話(一般的な話)に切り替わってゆく。作者の心変わりがあったのかもしれないが、明らかに違和感のある展開具合なので、面食らう。

    あとがきに「さくさく読める青春小説」とあり、そのとおりだとは思うもの

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    2016年03月16日
  • 日本語がもっと面白くなるパズルの本~難問、奇問、愚問を解く~

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    「日本語パズル」というところに期待すると、ちょっと外れた感じを受けるかも。
    日本語に関する雑学をクイズ形式で読ませる本といった感じ。
    もちろん、それでも面白いわけだが…。
    例えば文学者のペンネームの由来とか、CI前の企業の名前とかといったあたりまでくると、クイズにしたてなくても、と思ってしまう。
    とはいえ、これだけの量の日本語に関するあれこれを集めたのはすごいこと。

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    2015年08月10日
  • 神々の午睡(下)

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     三大宗教の歴史上伝えられている話を、清水義範さんならではの文体で、小説としたもの。
     下巻は近代~現代の話。宗教を拡張していく時期で、いきおい戦争の話が多くなる。
     人の心を救うはずなのに、何故対立するのか。開祖たちが望んでいた未来なのか。

     現代における宗教についても触れられ、宗教とは何かと考えさせられる。

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    2015年07月19日
  • 早わかり世界の文学 ――パスティーシュ読書術

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    文学に限らず、あらゆる芸術、思想、技術、人間の活動全てが模倣の歴史であり、それが文化であると言っていいだろう。その意味で、模倣を軸にした文学史は入門としてとっつきやすい。

    ロビンソン・クルーソーとガリバー旅行記の関係が一番おもしろかった。

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    2018年10月31日
  • はじめてわかる国語

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    学校の読解問題が主要なテーマかと思ったら、拍子抜けだった。「日本語」についての短編集も出して、国語の教員免許を持つ著者が気になる日本語のあれこれについて考えている。谷崎潤一郎『文章読本』について触れられた部分が特に興味深かった。改めて『文章読本』の影響の強さに感心した。

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    2015年04月28日
  • 心を操る文章術

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    前半は著者得意の「笑わせる」ための文章で、かなり「面白い」文章が続いていたのだが、後半は息切れしている感が否めないのが「面白い」。

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    2015年04月19日
  • やっとかめ探偵団とゴミ袋の死体

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    アリバイを覆すべく推理と実地調査、ネットで調べものをするおばあちゃんがいい。名古屋弁でまくしたてるのは爽快だ。活字にすると細かい母音が表記するのが無理があるが。抜群の推理力、実行力に乾杯だ。ゴミがキーワードである。

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    2015年04月17日
  • 心を操る文章術

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    文章術の本だが、作家のテクニックとして楽しく読んだ。
    特に面白かったのが「怒らせる」章。
    共産主義の宣伝のために書かれたプロレタリア文学を「ゲテモノ」と喝破し、
    新聞の社説に「利口ぶるな」と吐き捨てる。
    パスティーシュ作家で知られ、のほほんとしたイメージの清水さんだったが、
    「人を怒らせる文章なんか書こうと思ってはいけないのである」
    という言葉に作家としての矜持を感じた。

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    2015年05月06日
  • 迷宮

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    文章力はすごい。読みやすく、変に引っ掛かるところがない。
    ただ、中身の猟奇殺人は気持悪いし、ラストも落ち着かず。結局、人の心を自分の物差しで判断しようとすること自体が無理だということに、最後まで気づかないことへの嘲笑だったのか?

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    2014年12月25日
  • 迷宮

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    「人間のすることに理由などない。」という井口の思考に凄く共感した。直後で「理由がないというのはこの上なく甘い逃げだ」という中澤の反論にも深く考えさせられた。
    しかし井口と中澤は、其々に一つの事件を「自分の都合の良い形」に捻じ曲げて事実化しようとする、またその周りでも各々の視点による解釈が繰り広げられ、事件の真相が迷宮入りしてしまうという物語。

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    2014年12月22日
  • ザ・対決

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    対決の内容はしょーもなくどうでもよいのだが、手を変え品を変えといった書き方で飽きなかった。桃太郎vs金太郎、ラーメンvsカレーライス、楊貴妃vsクレオパトラ辺りが面白かったかな。

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    2014年12月20日
  • ビビンパ

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    どこにでもある何の変哲もないビビンバ。ストーリーはまことに平坦。焼き肉店での家族団欒。焼き肉店での登場人物はいたって普通。どこの家族にも見られる光景をそのまま描出しているだけ。なぜかこれが無性におかしい。いたって普通に振る舞っている登場人物。これらが清水義範の手にかかると一大スペクタルへと変貌を遂げる。日常に客観というフィルター通して眺めることにより生ずる諧謔。目の醒めるような驚きと興奮に心踊った。

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    2014年11月09日
  • アキレスと亀

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    外交、動物園、マラソン中継、商店街…
    様々なシチュエーションや立場に属する
    人々のやりとりをシニカルに描いた短編集。

    シチュエーションの目の付け所が秀逸で、
    話に入り込むまでが楽しい。
    コントの台本を読んでいるよう。

    ただ、各話のオチがひねりを感じられず、イマイチ。

    「花里商店街月例会議」のやり取りなんかは
    現実でいくらでも起こっていそうな話である。

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    2014年09月17日
  • 「大人」がいない……

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    共感並びに納得できる点は多い。
    現実の分析は正しい様な気がするが、それでどうするかまで踏み込めていない。
    かねがね気になっていたことなので、少し期待しすぎたのかも知れないが、トータル的には満足できる。

    学校の先生が一番面倒だと思っていることは、生徒の父母と関係を持つことだそうだ。
    これは、内輪の関係者には大変受けるだろう。小中学生も大学生もこの点は同じ・・・

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    2014年09月16日
  • 信長の女

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    「日常のほとんどは要点だけを短く言えば用が足りる。人々は付け加えても全く意味が深まらない無用の言をだらだらと口にして、かえって本意を濁らせる。書物の中のほとんどの文章は無用の飾り。意味あるものはむこうから目に飛び込んでくるもの。」うつけと言われた信長幼少期の言である。人質時代の徳川家康にかけた言葉も凄い。「自分の力ではどうにもならず我慢をするしかない時がある。我慢をし抜いてみせることを誇りとせよ。」合戦の巧みさに加え、世界を見据える視野の広さを持ち、世の中を面白くすることの重要性を知っていた信長。領土を広げ着々と力を蓄えていく前半世が活き活きと描かれている。久しぶりに血湧き肉踊った。信長という

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    2014年08月30日