清水義範のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これは面白い。
日本語についてのエッセイで中身はかなり濃いのだが、この作者にかかると、笑ひながら考へさせられるといふ、奇妙な經驗をすることができる。
私は通勤電車の車内で讀んでゐたのだが、笑ひを堪へるのに往生した。
聲はなんとか出さずに濟んだが、横隔膜や腹筋の小刻みな振動を押さへることは不可能であつた。
第?室から第?室までの6部構成となつているが、その第?室。
「ヘンナ語みつけ」と題されてゐて、街で見つけたおかしな日本語が集められてゐる。
たとへば、
「シロアリ・ゴキブリ・ダニ・ねずみ等の相談を受けてをります」
私の頭の中では、殺蟲劑による被害に困つたゴキブリやねずみが相談を持ち掛けてゐる -
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Posted by ブクログ
「文体模写=パスティーシュ文学を確立する」とある。しかし、古来から本歌取りは日本文学の伝統。そして先立つ小林信彦の「発語訓練」(1983年)のほうが文体模写の嚆矢と思う。唐獅子シリーズの「唐獅子源氏物語」(s57年)は源氏物語の文体模写である。
蕎麦ときしめん」の前書きで、清水氏ではないという設定の別の東京人の名古屋文化(誤)理解を紹介という構図は、先立つ小林信彦の、アメリカ人のフラナガンという架空人物の日本野球文化(誤)理解の紹介というのと同じ構図である。偶然の一致であろうか。
著者でない人物の日本文化論というのは、イザヤベンダサン著山本七平訳という「日本人とユダヤ人」が嚆矢であろうか。今で