清水義範のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
定番のサイバラさんとのコンビエッセイなのですが、「魔の山」解説のときのサイバラさんの漫画には笑った。
「しかしインターネットなぞであっという間にあらすじのわかる今、わざわざこの本を買って名作を読んだ気になる人なぞいるのだろうか?(企画的にまず失敗でないかと)」
「清水さんのファンが喜んで買うんじゃないですか」
言い当てすぎである。さすがサイバラさんです……。
でもこの本は、五分で読む名作(だっけ?)みたいなあらすじ読んで名作知ろう本的なものじゃなくて、どっちかっていうとアルファブロガーに「この本おもしろいよ、こんな感じ。あとは読んでみてね」って紹介されるのに似てると思います。好きな人が好 -
Posted by ブクログ
他人のモノマネが得意な著者が説く、小説の面白さ。
モノマネはそもそも書くことの動機であり、本能的に感じるユーモアであり、小説にとって欠かせないものであるということ。
世界文学はモノマネであることを解説した一章、読書の効能を説いた二章、書く技術について書いた三章
根源的にはどの章も一貫して同じ主張が貫かれているため、理解しやすい。文章も平易だし、作者自身の感受性が子供のように素直なので、ヘタな文学論と違って反感を持つことなく読み切れるのがいいよね。
まあ、『ドン・キホーテ』が世界十大小説に入っている時点で、俺とは感性は合わないところはあるけど(ちなみにパロディ元の騎士道文学もちゃんと読んだ経 -
Posted by ブクログ
その中で,清水義範氏が今の若者を叱りたいと述べているところがあります。
ぼくは,清水義範氏の大ファンで彼の本はほとんど読んでいます。その彼がぼくと同じことを思っていると思うと,とてもうれしい。そして,今の若者に考えて欲しいのです。
だが、そんなふうに思う私にも、今の若者への苦言がないわけではない。叱りつけたいこともある。
そのひとつが、今の若者があまりにも論理的思考力をおろそかにし、霊や前世や占いやバカ心理テストを信じすぎている点だ。IT革命の担い手であるべきハイテク世代が、一方で迷信や占星術や風水の信奉者なのである。頼むから、もう少し論理的思考をしてくれよ、と思う。そういう思考 -
Posted by ブクログ
1991年に掲載された作品で少し古いのですが、大筋はアメリカの田舎から、侍と忍者が大好きな、かなりの日本贔屓な青年が4週間の日本観光をするなかで、忍者や隠密、侍の様な体験をしつつトラブルにも巻き込まれていく話です。
さすがに清水義範さんの作品だけあってユーモアたっぷり、しかしその中にしっかりと客観的に見た日本と、日本人から見た日本ををうまくミックスしていて楽しめました。
ただ、話の内容が多くこのページ数では消化できていない感じがしてしまいました。
これは、作品に対しての批判ではなく、せっかく面白い展開を作っているのに、なにも大急ぎでストーリーを展開して結末まで持っていかなくてもと思ってしまい