清水義範のレビュー一覧
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現代を生きる私たちは
精神は子供のまま体だけ大きくなった”大人ではない”人ではなく
有事や逆境の時に立ち向かえる「大人」
として成熟した人間であるだろうか 問う
いい本でした。
作者は学者ではなく
小説家の方ですが、
日本の「幼さ・あどけなさ」を尊ぶ、一方
東洋独特の年を重ねた知恵者を
尊敬をもって”老”をつけて呼ぶと文化についてや、
日本と海外の国で比較する親の立場や理想像の違いなど
大人という定義についての
比較例・分析を上げつつ
近年、大人・親など
責任を取りたくない人が増えているのではないか
また、それによって
大人になり切れていない人々が
人口減という 社会的苦境・問題に対 -
Posted by ブクログ
「清水義範」によるユーモア長篇小説『老老戦記(『朦朧戦記』を改題)』を読みました。
『ifの幕末』、『夫婦で行く意外とおいしいイギリス』に続き「清水義範」作品です。
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覚醒した老人たちが大暴走!
悪夢か、現実か。
超高齢社会を諷刺するハードコア老人小説。
グループホームの老人たちがクイズ大会に参加した。
珍解答を期待する主催者を手玉に取る面々。
覚醒した彼らは海外旅行に出かけ、合コンに妖しく浮き立つ。
一方、世間では団塊アゲイン党なる政党が勃興した。
同世代の反体制派が闘争を開始、社会に衝撃が走る。
これは悪夢か、現実か。
日本を守らんと義 -
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今はだいぶ史実が正解になってきたのか、破茶滅茶な信長ではなく、発達障害があったのではないかとの話もあったが理にかなった人の使い方をしている。人を道具とみている事は変わらないけど、忠誠を尽くすならそれなりの褒賞も与える。
この人の書く信長は悪意のある信長ではないので好感がもてる。
明智光秀の人を見下すような目をしているので信長は気に入らないがそれでも使い道があるので重宝したとあり信長も心理は分からないがウマが合わないと遠ざけるのではなく能力で人をみていたのは指導者として必要で今の時代信長のような先見の明、人の使い方をうまくおこなっている人は何人いるのだろうか。と読みながら思ってしまう。
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日本文学の歴史をざっくりと知りたいなー…と思い見つけた本作。
いやー、めちゃくちゃ分かりやすくて良い本だったな(笑)
大枠で流れを掴みたいって目的にビタっとハマってる感じ。
YouTubeとかで調べてみたりもしたけど、本業で文学に携わられている方の本の方が情報量があるし、分かりやすくて理解が早かったように思う。
以下、本作の内容+自分の解釈&補足も入れて分かりやすいようにまとめる。
あとは、コレを軸にして各作品を実際に読みながら理解を深めて行こうかね…(´∀`)
<まとめ、考察>
・奈良時代、712年、古事記、太安万侶、現存最古の歴史書、神話と伝説と歴史をごちゃ混ぜにして聖徳太子まで -
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人間の歴史は偉人だけにより作られているのではない。
偉業を成し遂げた人の影にはもうちょっとだったのに惜しくも有名になれなかった人がいっぱいいるだろうし、その人たちの周りには普通の人たちがたくさんいるんだ。
人の歴史とはなんでもない普通の人のなんでもない人生の積み重ねでできているんだろう。
ということで、歴史的偉業を成し遂げ名前を残した人たちの後ろにいたであろう、「すごいのに惜しい!」な人たちの人間臭さや面白みをお話にしようとしてみた、という短編集。
アッシジは狩りも下手で力も弱く間も悪い。大平原でそれぞれの役割をして行きているこの一族でこんな男を喰わせる理由がるのか?
「ある。おれは話が -
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さすが文章教室と銘打っているだけあり、文体が軽妙で分かりやすい。けっしてアカデミックではなく文章作成ワンポイントエッセイ的内容で読みやすい。
≪著者の言う、文章を書く時の二つのバランス≫
①言いたいこと、伝えたいことが曇りなく読み手につたわるかどうか。
②この文章を書いている私が利口そうにみえるかどうか。
…
美しい日本語として紹介されている谷崎純一郎、丸谷才一を読んでみたくなる。
『品格のある文章を書く人というのは、人間性に品格があるのだと思う。知性があり、人格に嫌味なところがなく、利口ぶろうとするところもなく、純粋に感動できるという人が、素直に文章を書くとそこには品格がにじみ出るのだ。』
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パスティーシュ小説で一世を風靡した清水義範氏の昭和58年から61年にかけて「小説現代」に掲載された短篇集です。パスティーシュの名を決定づけた「猿蟹の賦」や、ある意味その後の名古屋人論に決定的な影響を与えた「蕎麦ときしめん」等が収められています。
「猿蟹の賦」や「商道をゆく」は、一行読んだだけで司馬遼太郎の模倣だってわかります。「蕎麦ときしめん」は山本七平の模倣ですね。
ある意味、被模倣者への著者の愛情を感じますね。
蕎麦ときしめん◆商道をゆく◆序文◆猿蟹の賦◆三人の雀鬼◆きしめんの逆襲
著者:清水義範(1947-、名古屋市天白区、小説家)
解説:景山民夫(1947-1998、東京、小 -