清水義範のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
清水義範氏の作風からすると、異色作に当たるのではないかと思う。
著者が得意とする「笑い」は本作にはまったく散りばめられていない。
描かれているのは、ただただ陰惨な犯罪の記録と、
そこに至るまでの人々の描写。そして「ひょっとしたら……」と思わせる、
ミスリードのない読者の誘導。
「ミスリードのない」と言うものの、確証を得るまで読者は決してその
解釈に確信が持てない(あらゆるミステリが及ぼした弊害ともいえる)。
そこまで計算し尽くされているような気さえする。
とにかく、作品の世界に引き込まれて一気読みした。面白い。
「オチが不充分だった」「期待外れ」といった声も多い。
しかしオチに辿るまで、 -
Posted by ブクログ
このシリーズは7冊目の最終巻ということ、
しかしずるい。
まったく共著の感じがしない。(笑
それぞれ好きだからいいんだけど。
作中で西原さんは
このシリーズのおかげで清水ファンが西原の本にながれてくれてウハウハだと
西原ファンが清水の本にはながれないだろうから・・・
って言われてましたが、
私はこのシリーズで
西原ファンから清水ファンにもなって1人です。
このシリーズからほかの清水さんの本を読むと全然テイストが違うんで驚いたんだけど、
清水さんは大切なことでもさらっとかけてるのが良いんだろうなと思っています。
このシリーズ、国語算数理科社会と続き
最終本はホームルームともいえる、
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Posted by ブクログ
とてもよくできた本です。
日本人が書いているが、
ニホンに憧れる外国人が日本に旅行して感じることをそのまま表現できていると思う。
これによって、日本のことがよくわかると思う。
主人公はなかなかの吸収力の良い人ですね。
私は英語ができず、なんとなく外国人にたいして恐怖というか
ビビるんですが、それでもいつの間にか海外に遊びに行くようになりました。
それでも30スギてから。
海外に行ったときの心構えはこのような主人公のようでありたいかもしれません。
良い、悪いということでなく、
吸収して考えてみる。
好きなことだけではなく
嫌いなことでも受け入れることができる対応をしたい。
拒否 -
Posted by ブクログ
旅行記としても読めるし、さすがに作家だけあって時代の流れをスマートにまとめた歴史解説書としても読めるし、サブテーマ的な扱いではあるものの、各国の料理文化、そしてイスラム圏を見る際に避けて通れない酒と人々との関係について知る文化紹介本としても読める、かなりお得感のある本。
一章でひとつの国を扱っているので、自分の興味のある国だけ読むのも好いですが、著者がスタート地点と決めた国からどんどん西に移動していて、その訪問順を崩さずに章立てされているので、最初から順繰りに読んでいくと、著者と同じ視点でイスラム巡りをすることができ、「前に○○を訪れた時はこう違う」なんていう記述にも戸惑わずに済みます。
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Posted by ブクログ
最近の日本に大人がいない、ということをいろんな事例で危惧する本でした。
そういえば、日本在住が長い異国の方がたまに母国に帰って親戚などに会うと、年齢不相応に若く見え、驚かれることがあるそうです。(その人によるもんだとは思いますが。)日本の社会、環境にはなにか、人を成長、老化させない(子供のままでいられる)ような何かがあるのか?成長に必要な社会的プレッシャーが少ないからか?でも先進国でも結構子供っぽい考えってあるけどなぁ。
よくできた社会は人間の成長が遅くなるのか?考えなくても生きていけるから、って昔そんな本があったような、、、かつてモラトリアム人間とかいわれたのがもう30年以上たって、社