清水義範のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ1回目に読んだ時は皆さんと同じようにオチが???でした。ただ、あの清水義範がユーモア抜きに書いているんだから、何かあるはず。と思い、解説をよく読んで、本文を読み返しました。
はじめは『八つの異なる文体を用い、様々な角度から読者の前に提示してみせる。』これが清水義範がやりたかったことか?とも思いましたが、しばらくして壮大な仕掛けが隠されているのに気付き、何回でも読み返したくなる衝動に駆られました。これは作者による300ページにわたる大実験といっても良いかもしれない。
『犯罪報道における「事実」とはなにか。人は、自分に理解できる「事実」を捏造し、勝手に理屈を付けたがっているだけではないか。 -
Posted by ブクログ
清水義範(しみずよしのり:1947年生まれ)による日本文学史をユーモラスに語る書。
若手作家が奇を衒って書いたものとは違い、案外と深みのある考察だ。
ページの多くは古典に割かれている。
源氏物語、短歌、枕草子、方丈記、徒然草、平家物語、太平記、・・・
文学のみならず、そレヲ書き上げた作家にも言及してある箇所もあり、楽しめる。
日本文学史をざっと楽しく読み通すには非常によい書だと感じた。
こんなおじいちゃん(清水さんに失礼かな・・・)が身近にいると、読書も楽しめるんだろうな!
----------------
【目次】
雑談1 「源氏物語」のどこが奇跡か 雑談2 短歌のやりとりはメー -
Posted by ブクログ
もともと著者は教育大出身で、初期の作品で見られるように、学校で習うような内容をモチーフに小説書いていたので、教育にも一見識を持っているだろうということで期待して読みました。内容は、近時の"学力低下論"はあくまでも相対的な問題とする一方、国際人として自国の文化、風習をきちんと守らせることが重要であり、それは学校とか家庭とかいうレベルではなく、社会全体で取り組まなきゃいけない課題だと主張しています。個人的には、内心、ムム?と思った部分もありましたが、全体的には頷ける内容です。もう一度、日本の文化というのを教育の観点から見直そうと思いました。
-
Posted by ブクログ
著者はパスティーシュと呼ばれるパロディ小説で名を馳せた作家。私もかれこれ15年くらい前に学生だった時分、初期の作品である「国語入試問題必勝法」、「蕎麦ときしめん」、「永遠のジャック&ベティ」、「アキレスと亀」などなどを読みましたし、最近ではサイバラとの共著が目を引いたことがありましたが、とても久し振りに読んだ気がします。
最初は、文章の書き方指南の本はあまたあれど、どれも五十歩百歩なんだろうから、気に入った作家が書いた本ならばちょっとは気休めになるだろう、とか考えてましたが、意外や意外、期待してた以上に良い内容の本でした。子供相手に文章指導なんかしてるからか、説明が平易で上手でしたし、相手に