清水義範のレビュー一覧

  • 考えすぎた人―お笑い哲学者列伝―

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     清水義範の久しぶりのパスティーシュ短編集。それが筆者の本領なのに、最近は旅行記や老後の心構えみたいなのばかり依頼されて欲求不満だったとか。お得意の文体模写が実に楽しそうだが、往年の勢いは失われてしまったな。
     例えば、注釈で遊ぶという発想は清水氏らしくて面白いのに、その内容が説明過多になってしまっている。昔はもっと「わかるヤツだけわかればいい、それが教養ってもんだ」的な傲慢さが(謙虚なお人柄なので他の作家ほど露骨ではないものの)垣間見えて、それがパロディを痛快で鋭いものにしていたのに、子供向けやお年寄り向けの噛んで含めるようなウンチク本ばかり書いているうちに角がとれすぎてしまったのかなぁ。

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    2015年12月14日
  • 心を操る文章術

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    文章のテクニックというより「次に読むべき名作」が次々と見つかる本。私にはそう思えました。
    作者ならではのコミカルでユーモアな文体は、文章を書く習慣や予定がないという人が読んでも楽しめます。

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    2015年11月11日
  • やっとかめ探偵団と鬼の栖

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    とりあえず、やっとかめ探偵団の最終話。

    子どもの虐待や無差別殺人と、
    事件が時流に乗って新しいものの、
    やっとかめ探偵団の皆さんはお元気。

    今回の聞き込みは、
    芝浦かよねだけでなく早坂千代も出かけて、
    おばあちゃんテクニックを駆使していた。
    そして、犯人に自首を勧める波川まつ尾は
    相変わらず、厳しく、優しい。

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    2015年10月04日
  • 大人のための文章教室

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    ネタバレ

    「接続詞があるから、文章は展開でき、つながっていくのだ。手持ちの接続詞が豊かで、それがうまく使ってあれば、読みでのあるものになる」
     「接続詞は文章の論理構造を決定している」という章は、新鮮な驚きを感じながら読んだ。著者の清水義範さんは「接続詞があるから、文章は展開でき、つながっていくのだ。手持ちの接続詞が豊かで、それがうまく使ってあれば、読みでのあるものになる」と仰る。そう言われて、自分の駄文を読んでみると、驚くほど接続詞が使われていない。ということは、私の文章は、論理構造が欠落しているのか?と不安になった。残念ながら、この感想・レビューも例外ではない。これからは、接続詞を意識して文章を書い

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    2015年09月19日
  • やっとかめ探偵団とゴミ袋の死体

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    やっとかめ探偵団のおばあさん、いや、皆さんが若返っているような気がするのは私だけだろうか。
    最初はもっとヨボヨボ、失礼、お年寄りらしいお年寄りだった気がするのだが、
    だんだん元気になっているような。

    それは、作品の中の時代がリアルタイムに近づいてきて、
    インターネットやゴミ分別といった単語がちらほらしているせいなのか。
    同じ60代でも少し前の60代とは全く若々しさが違う現実を反映したものなのか。
    情報収集能力や水利職が相変わらず冴えているせいなのか。

    もうちょっとボケをかましてくれないと、おばあさんたちであることを忘れてしまいそうなぐらいだ。
    いずれにしても、バラバラ殺人が解決したことより

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    2015年09月17日
  • ザ・勝負

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    ネタバレ

    始皇帝とアレキサンダー大王はどちらがすごいかから始まり、ソースvs醤油、王vs長嶋、東京vs大阪…等。飲み会の場でありがちな不毛な論争をわざわざ書籍に持ち込んだような…。まあ清水義範多才ではあります。個人的には嫌いではない。

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    2015年09月13日
  • 茶色い部屋の謎

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    やっとかめ探偵団シリーズの作品が入っている短編集。

    いつものメンバーはバスツアーでおでかけになり、
    いつものように殺人事件に巻き込まれる。
    といっても、事情聴取のためバスごと警察署に連れていかれるという、
    珍しい体験もしたが。

    他の話では、
    三途の川に事務所をかまえる幽霊探偵が面白かった。
    犯人や動機が分からず殺されてしまった被害者に
    納得して三途の川を渡ってもらうために、
    事件を調べて解決する探偵、という設定が。

    しかも、その探偵自身が探偵事務所を開いたばかりで死んでしまったため、
    三途の川を渡りかねている鶯谷刑事のお兄さんときては、
    シリーズ化してほしいぐらいだ。

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    2015年09月02日
  • やっとかめ探偵団と殺人魔

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    あれこれと謎を解きながら、
    連続殺人を解決するやってかめ探偵団。
    でも今回の犯人は身近な人物だったせいか、
    本当に君なの?という感じだった。
    印象が普通の人すぎた、というか。

    まあ、おばあちゃんたちが元気なら良いんだけど。

    名古屋弁の話せない鶯谷刑事と婦人警察官の中はなかなかすすまない。

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    2015年08月30日
  • 神々の午睡(上)

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     三大宗教の生まれたところから、それが信者により発展し、伝えられてきたものなどを全て仮の名称として、小説にして書いている。

     清水義範さんは、パスティーシュ作家と言われている。文体を模倣することによって、元の作品の本質を描く。
     宗教書や、宗教の起こりを書いた伝説を、清水さんならではの視点で書かれている。多少笑いを交えつつも、宗教とはなんなのか考えさせられる作品。

     清水さんのパスティーシュ作品は、独特の味わいがあると感じた。

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    2015年07月19日
  • やっとかめ探偵団

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    カムデンシリーズと同じく、紅雲町シリーズの解説に出ていたので。

    駄菓子屋のおばあちゃんという設定は
    すごく良いと思うし、
    名古屋弁も面白いが、
    語り手が入るこの書き方がちょっと受け付けない。

    どうしても、
    カムデンシリーズと比べてしまうのが、
    難しいところ。
    カムデンの方が老人たちの個性が際立ってるとか。

    しかし、なぜか名古屋弁が読み流せない。
    音声変換しないといけない、というか。
    ところどころ長音が入るからだと思うが、
    不思議な感じ。

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    2015年07月07日
  • 笑説大名古屋語辞典 改訂決定版

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    名古屋文化、言葉、習慣、地名、食など名古屋弁でおもしろおかしく書かれている。例文もよくできている。気軽に読める。名古屋地域に今までその期間の9割を住んでいる私でもわからない言葉もあり、勉強になった。「もろ」は名古屋弁が起源だったとは知らなかった。読んだ本書は平成10年に初版出てすでに3版重ねただけのことがある。2015年時点では愛知万博から10年たち名古屋もいろいろ変わった。辞典は改訂が宿命である。

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    2015年04月28日
  • 神々の午睡(下)

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    おもしろかった
    宗教ってなんなんだ。
    自分がある特定の宗教というものに深く帰依していないからこそ、この作品を楽しめたのかなぁとも思う。
    特定の宗教を強く信仰している人が読んだらどのように感じるんだろう。。。

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    2015年04月17日
  • 迷宮

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    解説でチャッキーなる人が「叙述ミステリーの傑作!」などと書いているけど、それで釣られた人はガッカリするんじゃないかな?......

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    2015年02月24日
  • 大人のための文章教室

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    清水さんの、気負わず力が抜けた語り口が好きだ。
    それだから、ふふっと微笑みながら素直に頷ける。
    小学生の作文を指導されていた経験から、素人が陥りやすいミスを熟知されていて、
    とにかく分かりやすく面白く、文章のコツを解説してくれる。
    伝わる文章を書きつつ、うまいなぁと思われたい「スケベ心」に共感。
    こんなに著名な作家でもそういうこと気にするんだなぁ。
    久しぶりに読んだら、ほのぼのとした文体がクセになりそうだ。

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    2015年02月19日
  • 心を操る文章術

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    笑わせる、泣かせる、怖がらせる、怒らせる、など…。どういう文章が人を笑わせ、あるいは怖がらせるのか、実例をもとに教えてくれる本です。でもいちばん大事なのは書く人自身、という指摘には大きくうなずきました。単なるハウツー本ではないところがよかったです。読者を本当に揺さぶるものは、自分が揺さぶられた経験なのだと思いました。

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    2014年05月30日
  • 似ッ非イ教室

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    作文はありのままを書いては面白くなくて、事実をさも面白そうに仕上げる作業であるということ。それはもっともである。感動を膨らませ、比喩を効果的に用いることは必須だろう。多少、いや相当のまやかしだって構やしない。だって、作文だから作りものの文章でいいわけである。

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    2014年05月20日
  • ifの幕末

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    幕末もしもワールド、と言うべきでしょうか。でも、もしかしたら本当にそうだったかも、と思わせる何かがあるのです。
    フランス人青年、アナトール・シオンがゴールドラッシュに沸くカリフォルニアでジョン万次郎に出会うところから、物語は始まります。日本が大好きなシオンはオランダ人として日本へやってきて、日本のために働きます。アメリカと結んだ条約が不平等きわまりないと修正をせまったり、勝海舟に幕府への意見書を出させたりと大活躍。すべて日本を愛すればこそです。
    こんな風に日本を愛する外国人が大勢いたのかもしれません。彼らのおかげで日本は幕末の激動期を乗り切ることができた、と考えるのは行きすぎでしょうか。日本は

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    2014年05月02日
  • やっとかめ探偵団と鬼の栖

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    なんか懐かしい…
    今は亡き祖母の家や、
    大学で学んだ?名古屋弁で
    亡き母とふざけあったことを思い出す。

    なのに再読なことに途中で気づいた…
    てへ!

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    2014年04月27日
  • やっとかめ探偵団

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    いや~好きですね~こういう作品。
    老人たちが活躍するという話は本当好き。おまけに会話がコテコテの名古屋弁! 
    むか~し、タモリがTV番組で名古屋弁をコケにしてネタにしていましたが、私、聞いたことがないんですよん、本物の名古屋弁。
    名古屋には1度だけ行ったんですけどね・・・み~んな標準語を話していたし(笑)。
    だから本当、楽しく読むことができました。
    タイトルにもなっている「やっとかめ」、これまた名古屋弁というから驚き!
    ユーモア長編推理小説なんですけど、名古屋弁講座もあり笑えますよ~。
    駄菓子屋を営むまつ尾婆さんを中心に近所の老人たちと一緒に事件を解決へと導きます。
    謎解きも事がどう繋がってい

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    2014年04月17日
  • 大人のための文章教室

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    素人レベルの文書の書き方についてまとめられた本。句点読点の打ち方から、紀行文、随筆をよりおもしろく書く方法まで

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    2014年04月09日