清水義範のレビュー一覧

  • ifの幕末

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     オリジナルの『幕末裏返史』というタイトルのほうが断然清水さんらしくていいのに、なぜこんな改題を???……と訝ったけれど、読んで納得。万人にわかるようにフィクションですよ、と銘打っておかないと、清水さんのことをよく知らずに読み始めた歴史ファンが大真面目に怒っちゃうかも。それくらい、明らかな大嘘以外の部分の歴史的ディテールがまことしやかに描き込まれている。
     久しぶりに清水さんらしいエンターテイメントを読めて嬉しかったけれど、やはり昔の勢いが失われつつあるのが残念。

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    2014年03月30日
  • ことばの国

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    清水さんお得意の言葉遊び。清水作品とは『国語入試問題必勝法』で出会って以来、日本語をテーマに大いに楽しませていただいた。結果として、日常何気なく使っている言葉の用い方について改めて意識するきっかけともなった。

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    2014年03月06日
  • 迷宮

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    記憶喪失の「私」に、「治療師」なる人物が、ある犯罪の記録文書を次々と読ませていく。異なる文体が入れ替わり出てくる割には読みやすいのは作者の力量ですね。私と治療師の関係がじわじわと逆転していくところが淡々としていて、不気味。インパクトには欠けますが、抗えない魅力があります。自分も迷宮に入り込んでしまったようです。

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    2014年03月06日
  • 迷宮

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    最初から謎に満ちていて、何一つ分からないのですが、唯一、ある事件のことだけは分かっている。その事件について明かされていくうちに、最初からあった謎も明らかになる、という構造です。
    客観的事実と真実は違うこと、人は事実を前にして、自分なりの説明を真実として構築するのだということがよく分かりました。

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    2014年04月21日
  • 迷宮

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    犯罪の受け入れがたい猟奇性や、ミステリーとしての下げの物足りなさなどもあるが、記録、報 道、手記、調書それぞれの叙述文体の見事さといったらない。展開を闇雲には広げないで、限定し た時空間をきっちりと仕上げていく。

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    2014年03月04日
  • スシとニンジャ

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    Domo arigato! buji ni yomiowarimashita !!
    Tanoshii kedo chotto kanashii kimochi mo aru : ) pretty good. especially, 'the down town walking' and from SAMURAI to end. i recommend you one !!

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    2014年03月02日
  • 【カラー版】夫婦で行くバルカンの国々

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    ネタバレ

    イスラム諸国、イタリアに次ぐこのシリーズの第3弾。バクパッカーの旅でもなければ、思索の旅でもない、タイトルのように「夫婦」で団体ツアーに参加して諸国を巡る旅。
    前2冊はあまり事前勉強もせずにとりあえずツアーに参加し、帰ってきてから勉強して本を書くというやっつけ感があり、プロの作家として
    それでいいのか?と思いながら読んだものですが、今回のバルカン諸国はそれなりに勉強して臨んだ様子。
    旧ユーゴ諸国、アルバニア、ブルガリア、ルーマニア、ギリシャと、複雑な歴史・民族問題を持つ国々は魅力的。一度ゆっくりまわってみたい。

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    2014年02月01日
  • やっとかめ探偵団

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     清水義範の名古屋もの入門その2。その後何冊もシリーズが出ているけれど、登場人物についてはいつも丁寧に説明してくれているので、どこから読んでも大丈夫。
     清水ワールドには「老人もの」の国もあるのだ。カッコいい名古屋のばーちゃんに惚れたってちょ。

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    2014年01月06日
  • はじめてわかる国語

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    読書録「はじめてわかる国語」4

    著者 清水義範
    え  西原理恵子
    出版 講談社

    P18より引用
    “あんなつまらない見学のことをどう書きゃいいのか、と思いな
    がらも、型通りに、行った、見た、ためになった、という作文を
    書いたものだ。”

     目次から抜粋引用
    “国語って正体不明の学科だった
     悩ましきかな漢字
     あの歌はこんな意味だった
     挨拶は丁重に”

     小説家・エッセイストと漫画家のコンビによる、学校で習った
    国語の問題点について記したエッセイ集。
     国語の試験についてから日本語本ブームについてまで、西原氏
    のマンガを添えて書かれています。

     上記の引用は、小学校での国語の勉強について

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    2013年12月12日
  • 迷宮

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    レビュー書くのが遅すぎて、内容忘れてた、、、(汗)w

    記憶喪失の患者がとある事件に関する資料を読みつつ、記憶を取り戻そうとするお話し。

    めちゃ面白かった!

    なのは間違いないんだけど、もうあんまり覚えてなくて、、、w
    いや、面白いのは間違いない!!

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    2013年11月18日
  • 会津春秋

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    会津と薩摩の若い藩士が象山塾でであい、無二の親友となるも、幕末〜維新の世ゆえ敵味方の地に別れ、要所要所では偶然必然の再会で酌み交わしつつ、それぞれの人生をいきぬいてゆく物語。終点は西南戦争。
    主人公が松平容保公の近習ということで、上の立つものの苦悩を間近に描ける一方で、名もない周りに流されていくしかない立場の藩士の目からみることで、歴史上の大事件も淡々とえがかれ、かえってリアルな読後感。清水義範らしく登場人物がさわやかで前向きだし、主人公の夫人が先見の明を持った考え方で主人公を支えているのもよかった。
    ふだんは歴史小説はほとんど読まないけれど、「新撰組!」「篤姫」「龍馬伝」「八重の桜」などの幕

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    2013年09月23日
  • 単位物語

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    単位をテーマにしたエッセイなのだけれど、そんな説明ではこの本の面白さが伝わらない。温度、長さ、速さ、電気、様々な単位の説明をしながら、うまくそれと関わった短い物語を挟みつつ、「これが難しいのである。」とかなんとか、単位に対してぼやいたりもする。

    純粋に、清水さんの語り口の面白さ。
    というよりは、清水さんが面白いと感じることへの面白さ。
    単位の奥深さ、単位そのものについての興味。
    そういう色んな要素で成り立っている、大変面白いエッセイだった。

    地球の円周を4万等分したのが1m。へぇ。
    摂氏と華氏の違い。決められ方。へぇへぇ。
    電気ってなんかよくわからない。へぇへぇへぇ。

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    2013年09月12日
  • 間違いだらけのビール選び

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     短編小説集。結構身近な話題をもとに話が練られてて妙な現実感があった。ミステリー風のものや、こまかいどうでもいい?こだわりものなど多彩な内容。
     登場人物の名前を実在者ベースで設定したとあるが、さりげなく、というかある意味わかりやすくご本人も出てるところなどが、氏独特の妙味(よくある手なのかもしれないが)。 
     このくらいの分量の一編を、どのくらいの時間で脱稿するのだろうか?非常に興味がある。氏の本はあんまし読んでいないので、今後手を広げていければと思う。

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    2013年08月30日
  • はじめてわかる国語

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    古本で購入。
    「そうそう、そうなんだ清水さん」と著者に共感を覚えずにいられない。

    数年間、塾で国語を教えていたからわかる。小中学校の国語はかなりヤバいのである。
    たった数年間、塾で国語を教えていただけでわかる。

    と言うか、そんなのは自分が教わってたときから知ってた。
    僕は国語が好きだけど、国語の授業は嫌いだった。

    たとえば、意味があるのかさっぱりわからない精読。
    「獅子狩紋錦」は確かにおもしろかった。でもこれを何時間もかけてじっくり中身を見る意味が僕にはわからなかった。
    「『獅子狩紋錦』だけ読めても他の文章を読み解けるわけじゃないからなぁ」という嫌なガキだった。
    いやまぁそれ

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    2013年07月18日
  • 単位物語

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    普段は深く意識しない単位について,実生活に即した説明をしつつ,それに纏わる短編で構成された本.割と古い本ですが,著者が勉強された過程も分かってそれが此方の理解にも繋がります.懐かしい単位も.

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    2013年07月13日
  • 独断流「読書」必勝法

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    古い名作が結構多かったので、実は読んでませんでした・・・というのがかなりありました。面白い読み方もあったけど、え~、そんな筋やったんかという内容のもあり、読みたいと思わせない作品も。ええんか、それで?西原さんの鋭いつっこみは良かった。

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    2013年06月15日
  • ことばの国

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    面白い話とそうじゃない話の差が激しいのだけれども、にやりとさせられる部分が多かったのでこの星数。
    いつの時代も言葉は変わりつづけて、都合のいいように歪曲していくなか、栞を挟むように当時の言葉を風刺する書き口は2010年代になっても通ずる面白さがあったことに驚く。
    文明の進歩とともに、どんどん新しい言葉が生み出されて、古い言葉は無くなっていくけれど、いつの時代もそれぞれのツッコミどころがあるのかなと。

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    2013年06月07日
  • 身もフタもない日本文学史

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    ネタバレ

    清水義範の本を読むのはいつ以来だろうか?学生以来だから10年ぶりくらい?

    久しぶりに読んでも相変わらずおもしろくて、どんどん読んでしまった。
    古典の授業でやる作品をほめてるなあと思ったら、近代の文豪はけっこう特徴をズバズバあげて切って行ったりとか。
    「へー、そういう風な人物・作風なんだ」と感心しつつ読んだ。

    またなんか文学小説なりを読みたいなと思わせる本だった。

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    2013年06月02日
  • はじめてわかる国語

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    そうだったんだ、国語!が盛り沢山。授業の国語が窮屈な訳が、今になってやっと分かった。
    余白を楽しめるのは、日本語の表記法が不安定だからなのかな。
    国語を残してゆきたい、に諸手を挙げるが、果たして自分の国語力はそれを宣言できるレベルなのであろうか!!

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    2013年05月23日
  • お金物語

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    お金はなぜうまれたか。
    お金の価値とは。
    お金って何?

    お金にまつわる短編集です。
    ほのかにブラック、少し社会派、面白いです。

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    2013年04月18日