佐々木譲のレビュー一覧

  • 降るがいい

    Posted by ブクログ

    佐々木譲『降るがいい』河出文庫。

    13編収録の様々な人びとの人生模様を描いたサスペンス短編集。1編1編の扉に。佐々木譲による短編の内容を連想させるモノクロ写真を収録されている。

    流石はベテラン作家、人生の機微を知っているようだ。1つ1つの短編に味わいがあり、丁寧に噛み締めながら読みたい短編ばかりである。


    『降るがいい』。表題作。人生を左右するような濃密な時間をさらっと描いてみせる手腕に驚く。誰に恨む訳でなく、世の中の全てを恨むような男の最後の台詞がタイトルになっている。御用納めの日、雪が降りしきる中、加藤孝志は最後のメールを送って来てから何度電話しても、着信拒否する相手の居所を探る。相

    0
    2025年01月12日
  • 北海道警察 11 警官の酒場

    Posted by ブクログ

    相変わらずのモジュール。ミステリ的には大した話ではないけど、相変わらず読ませます。今後の新展開に期待。

    0
    2024年04月19日
  • 北海道警察 11 警官の酒場

    Posted by ブクログ

    道警シリーズ11作にしてシーズン1完結編(らしい)。道警大通警察署の盗犯係佐伯と新宮はスマホの盗難事件を追い、少年係の小島はスマホのひったくり事件を追う。それぞれの事件は闇バイトによる殺人強盗事件へと収斂していく。津久井が警官を辞めてジャズピアニスト奈津美と、佐伯が父を施設に預け小島と元サヤに?一区切りの1冊。

    0
    2024年03月18日
  • 沈黙法廷(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    黙秘で守られるものが、この裁判の有罪判決以上に重大なものだということがありますか?
    全てがこの一言に集約されている気がする。

    0
    2024年03月17日
  • 武揚伝 決定版(下)

    Posted by ブクログ

    結局のところ開陽丸が戦艦大和と同じように一度もその能力を発揮することなく沈んでしまったことが函館における惨敗の最大の要因だったということか。
    共和国建立の夢は敗れたとはいえ、健明がその後の明治政府において彼の見識とヨーロッパて学んだ知識を幅広く分野で役立てたという事実が救いです。
    国の正史は常に勝者側の都合の良いように記録されるのが世の常とはいえ、これまでの通説と本書における薩長の卑劣さのギャップは非常に大きいので、改めて薩摩側から見た作品も読んでみたいと思う。
    とはいえ、幕末から明治にかけての日本には歴史上の有名人以外にも世の中を変えたいと本気で思い行動した人がたくさんいたことを知る素晴らし

    0
    2024年01月01日
  • エトロフ発緊急電

    Posted by ブクログ

    太平洋戦争開戦を巡る諜報活動の話。択捉島の取材なんてできなかったと思うが、リアルな描写に引き込まれる。佐々木譲さんの主人公は皆すごい能力を持っているのに恵まれない境遇で何処か諦念感漂う人が多い。
    NHKドラマの「エトロフ遥かなり」見たいな…

    0
    2023年12月15日
  • 警官の血(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    佐々木さん×公安モノ、という好みの掛け算になっていて最高。上下巻だったがほぼ一気読み。
    時代背景の考証が素晴らしい。かつ、ストーリーに不自然さが全く無いので、ノンフィクションと勘違いしそうになった。

    0
    2023年12月02日
  • 図書館の子

    Posted by ブクログ

    どうラベリングすればいいんだろう?ハートフルミステリー?はっきり言って情景も「飛び先」も暗い。なのにどれも最後、胸すく思いで終われる。不思議だ。

    0
    2023年06月22日
  • 地層捜査

    Posted by ブクログ

    とても地味な捜査ではある。
    そこをとても丁寧に調べ上げていく水戸部刑事。
    相談員の加納はかなり怪しく、何かを隠しているのかと思っていたら…
    派手さはないですが、とても良かったです。

    0
    2023年04月22日
  • 北海道警察10 樹林の罠

    Posted by ブクログ

    テンポが良くさらっと読めました。やはりここでも COVID 19 が。今後

    展開がどうなるかで、評価に影響する小説もあるのかな。

    0
    2023年02月22日
  • 北海道警察10 樹林の罠

    Posted by ブクログ

    相変わらず安定の一冊。いつも通りモジュラー型で話が進みますが、今回はややご都合主義に感じてしまいました。

    0
    2023年02月18日
  • 沈黙法廷(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    家事代行業の女性の周辺には、複数の男性の不審死が発生しており、実際に発生した事件のことを彷彿とされる。視点も所轄の警官、検事、弁護士と変わりながら丁寧に書き込まれて550ページ超の長さで淡々と進むが、飽きる事なくじっくりと楽しめた。最後のホッとさせる結末。

    0
    2023年01月28日
  • 北海道警察10 樹林の罠

    Posted by ブクログ

    久々の道警シリーズ。拉致暴行事件が発端、様々な事件が山林を巡る事件へと収束していく。本部に盾突き、冷遇されていた佐伯と新宮、小島らが、がそれぞれの事件を捜査、犯人を追い詰める。社会問題や警察官の矜持、そして彼らの私生活を盛り込みつつまとめ上げた安定の一作。

    0
    2023年01月26日
  • 北海道警察10 樹林の罠

    Posted by ブクログ

    佐々木作品の十八番、安定の道警シリーズ最新作。登場人物も背景もすべてわかってるので頁が進むこと進むこと。年末年始休みの初日に一気読みさせていただいた。主要キャストが事件に関係していく過程と収斂の具合が絶妙で何とも言えない名人芸ぶり。このシリーズは是非続けてほしいなあ。ブラックバードも健在でいて欲しい。

    0
    2022年12月30日
  • 裂けた明日

    Posted by ブクログ

    東日本大震災と南海トラフ大地震のダメージを受け、戦乱の真っ只中の近未来or異次元の日本。隠遁生活を送る沖本は大学時代の旧友の娘真智とその娘由奈の逃亡を助ける。沖本と真智の関係は?このような設定でも作者さんのハードボイルドの味付けは健在。意外に評価が低いのは残念!

    0
    2022年10月29日
  • ユニット

    Posted by ブクログ

    序盤であまりに悲惨な状況にとても苦しくなりました。
    妻と幼い子を未成年に殺害された真鍋。
    警察官の夫にDVを受け続け逃亡する祐子と晴也。
    手に汗握る展開に引き込まれていきました。
    現実でも起こっている未成年の残虐な事件や家庭でのDV。
    重い内容です。
    読み応えは最高でした。

    0
    2022年10月20日
  • 制服捜査

    Posted by ブクログ

    面白かった。

    北海道の寂れた街に赴任した駐在所の警察官が独自に捜査を進めるストーリー。普通駐在所の警察官は地域のお困りごとの対応が主体で捜査に参加するのは稀なんですが。この辺りがタイトルの由来かな?

    5つの短編からなり、スラスラと読めます。

    オススメ!

    0
    2022年10月16日
  • 代官山コールドケース

    Posted by ブクログ

    水戸部裕、中島翔太、時田悟の三者の視点から事件の核心に迫っていきます。
    代官山と日暮里、川崎の事件が1つの線で繋がっていくのはとても面白かった。
    ドラマでも観ましたが、設定が随分違いました。
    どちらも面白い。

    0
    2022年10月09日
  • エトロフ発緊急電

    Posted by ブクログ

    第二次大戦秘話三部作の2作目。

    最初は本当に多くの登場人物が出てくるし、場所も東京、択捉島、アメリカと様々なので、どこで、どのようにすべてが繋がって関係してくるのかが分からないため、読むスピードが遅くなりがちなのですが、だんだんと関係性が見えてくると、スパイ活動を中心に描いているので面白くなっていきました。

    日本の情報をつかむためにアメリカから潜入する主人公ですが、様々な危険を潜り抜けながら逃げ回ったりするので、ハラハラ、ドキドキする場面がある一方で、日本の南京大虐殺の描写もあり、現在もまだ戦争を続けている国のニュースのことを思い出し、余計に戦争のむごさを感じました。

    この時代の愛国心、

    0
    2022年10月09日
  • 裂けた明日

    Posted by ブクログ

    佐々木氏のIF小説は本当に面白い。日露戦争に日本が破れてロシアの属国となっていたらという過去のIF小説も面白かったが、本作は近未来の日本が内戦状態になり、国連平和維持軍が統治するIF小説で、本当に有り得そうな恐怖をもって一気に読ませてもらった。現在の全ての面で衰退しつつある日本の姿から、この小説の舞台設定が全く想像できなくはないということが最も恐ろしい。かつこの舞台設定の中での脱出逃避行のリアルさと劇的なラストまでの持っていき方は、流石に名人芸の域。最後の主人公の被弾を「弾傷ではなく、悔恨と恥辱と無念が、胸を内側から張り裂いた」と書き切る何ともドラマティックな幕切れに胸が熱くなった。

    0
    2022年09月12日