佐々木譲のレビュー一覧
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コロナ禍による規制が緩和されたばかりの札幌で起きた交通事故。駆けつけた機捜の津久井卓巡査部長は事件性を疑い捜査を開始する。
一方、法律事務所荒らしを調べていた三課遊軍の佐伯宏一警部補と新宮昌樹巡査は、この事件の根が意外に深いことを知り……。
『北海道警大通署』シリーズ10作目。
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札幌の中心部にあるショッピングモールの地下駐車場。買い物を終えた桂木陽一が、エスカレーターから少し離れた場所に停めた自家用車の運転席ドアを開けた瞬間だった。
背骨を折られたような強い衝撃を感じた桂木は、さらに突き飛ばされて車の中に倒れ込んだ。続いて倒されたシートから桂木の身体は後部座 -
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「近刊」の情報の中で本書を知り、題名の一部に在る「左太夫」に注目した。「玉虫左太夫」(たまむしさだゆう)という人物のことであろうかと思った。そして登場した本を入手した。思ったとおり、「玉虫左太夫」という人物の物語であった。
一般的には知名度が高くもないかもしれないが、激動の幕末を駆け抜けた、なかなかに傑出した人物であった。その人生を追い掛けるような感で、この「左太夫」が視点人物となる形で物語が展開する。読み始めると、頁を繰る手が停め難くなってしまう。
題名の一部に在る「左太夫」に注目したというのは、「玉虫左太夫」という名が記憶に残っているからだ。戊辰戦争の奥州の戦いでは、「何としても!」という -
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佐々木譲『降るがいい』河出文庫。
13編収録の様々な人びとの人生模様を描いたサスペンス短編集。1編1編の扉に。佐々木譲による短編の内容を連想させるモノクロ写真を収録されている。
流石はベテラン作家、人生の機微を知っているようだ。1つ1つの短編に味わいがあり、丁寧に噛み締めながら読みたい短編ばかりである。
『降るがいい』。表題作。人生を左右するような濃密な時間をさらっと描いてみせる手腕に驚く。誰に恨む訳でなく、世の中の全てを恨むような男の最後の台詞がタイトルになっている。御用納めの日、雪が降りしきる中、加藤孝志は最後のメールを送って来てから何度電話しても、着信拒否する相手の居所を探る。相 -
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結局のところ開陽丸が戦艦大和と同じように一度もその能力を発揮することなく沈んでしまったことが函館における惨敗の最大の要因だったということか。
共和国建立の夢は敗れたとはいえ、健明がその後の明治政府において彼の見識とヨーロッパて学んだ知識を幅広く分野で役立てたという事実が救いです。
国の正史は常に勝者側の都合の良いように記録されるのが世の常とはいえ、これまでの通説と本書における薩長の卑劣さのギャップは非常に大きいので、改めて薩摩側から見た作品も読んでみたいと思う。
とはいえ、幕末から明治にかけての日本には歴史上の有名人以外にも世の中を変えたいと本気で思い行動した人がたくさんいたことを知る素晴らし