佐々木譲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昼ご飯を食べてぱらっとめくって読み始めたら、そのまま一心に読みふけってしまってた。気づいたらもうおやつの時間が・・・
短編ながら続き物。
しらず手にしたが、冒頭の一篇が、年末に読んだ警察小説6作家競演の中の一番最初の小説だった。この短編を読んで、佐々木譲さん読もうと思ったのだった!続きがあるの嬉しかった。
道警の大異動による駐在署勤務。元は刑事。道警の刑事より出しゃばらぬよう弁えつつ、光らせる眼は刑事だ。
そして、駐在ならではの難しさ。地元の防犯協会や有力者も無下にできない。
割れガラスが特によかった。仮装祭のハラハラとスピード感。
制服捜査っていう題名、たしかに制服警官の話だけど、それ以上 -
Posted by ブクログ
休みで、昨日は雨模様だったので一気に読んでしまった。
読み終わったのは朝の2時半くらい。
600ページ超の文庫本でこんなペースか。
前回作『ベルリン飛行指令』、今回の『エトロフ発緊急電』
共通するテーマは何か考えてみた。
両作品に登場する、山脇順三海軍省書記官、大貫誠志郎中佐、安藤真理子。
重慶無差別爆撃、南京大虐殺、ゲルニカ。
阿鼻叫喚の地獄絵図。
今回の舞台は、スペイン、ニューヨーク、サンディエゴ、東京、択捉島。
特に択捉島の描写、地理、天候、自然、基地風景、時代、歴史。
これをどうやって整理して物語を作るんだろうね。
何か創作技術みたいなものがあるのだろうか。
この600ページに及 -
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ネタバレ佐々木譲は初読。いままで読まず嫌いだったからな。県警ものっていえば横山秀夫の二番煎じじゃないの?ってかんじで。
ところがこの人は第二次世界大戦モノを書いていた。しかもスパイとからめて。これは読むしかない、ということで読んでみた。
戦時中の欧米のなかで、イギリス、スウェーデン(中立国)、ドイツ、フランス、ソ連が描かれているが、それぞれの国で街の雰囲気が違う。当たり前だがそういう街の雰囲気の違いなんかを読者に感じさせる筆力はすごい。そしてその中で祖国という概念を持たない森四郎と、祖国に翻弄される人々とを描く。ある程度の部分は事実に即して(在スウェーデン海軍武官がソ連参戦や原爆投下について予告してい -
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道警シリーズ第五弾♪ 更に面白くなっていて、大満足の一気読みでした♪
既に何度も組んで難事件を解決に導いてきた“独立捜査チーム”となった感がある、佐伯&津久井&小島(&新宮?)たち。
そのそれぞれの人間関係、「最悪の一週間」に端を発し未だ続く内部腐敗を遠因として発生する同時多発の報復殺人、同じ犯人に狙われ逃亡した親子──その一家を救うべく、真犯人・真相へ迫るべく奔走するチームのお馴染みの面々が活躍するさまは痛快で爽快♪
警察とは、刑事とは、といった重いテーマも含みつつエンターテインメントに徹していて読みやすく、最高に面白い♪
小説を読んでて良かった、と思える、思わせてくれる作品の1つです。 -
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夏になると必ず戦争関連の作品を1冊読むことにしています。
本当にあったことを題材にしたものを手に取るようにしています。
笑う警官で知った佐々木譲さんの作品に、
歴史小説があったとは知らず、思わず手に取りました。
読み始めた時から次のページを早くめくりたくなる気持ちになりました。
歴史小説でこんな気持ちになるのははじめでです。
今年は映画でも零戦を扱っています。
戦争の中の零戦ではなく
零戦を作った人、ゼロ戦を操縦した人の
モノづくりの心と扱う人の心を
自分なりにもっと知りたくなりました。
そして、本当にベルリンに零戦は行ったのでしょうか?
日本人パイロットがベルリンにいたのでしょうか?
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Posted by ブクログ
この重大な情報を確実に日本へ届けようと、夫は二人の人物をストックホルムから送り出した。終戦の年1945年7月の末のことである。
送り出した後は、ふたりの消息は一切聞かれず、戦後になってからも、ふたりに託した情報が届いていたという話は聞いたことが無かった。
~中略~
戦後20年もたってから、私たちは真相を知ることになった。
夫が送り出した密使は、終戦間際のあの悲劇を救うことの出来た情報を、間違いなく確かに東京まで届けていたのであった。
適切な対応がまだ可能な段階で・・・
大和田静子「バルト海を偲んで」より
とてもよく出来てました。これはほぼ史実ですね。
この時代の空気感がひし