佐々木譲のレビュー一覧

  • エトロフ発緊急電

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    この作者、警察物よりこっち系のがイイのかなぁ。周知の事実をどお結ぶのかと思ったが、ナルホドって感じ。

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    2013年11月19日
  • エトロフ発緊急電

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    休みで、昨日は雨模様だったので一気に読んでしまった。
    読み終わったのは朝の2時半くらい。
    600ページ超の文庫本でこんなペースか。

    前回作『ベルリン飛行指令』、今回の『エトロフ発緊急電』
    共通するテーマは何か考えてみた。
    両作品に登場する、山脇順三海軍省書記官、大貫誠志郎中佐、安藤真理子。
    重慶無差別爆撃、南京大虐殺、ゲルニカ。
    阿鼻叫喚の地獄絵図。

    今回の舞台は、スペイン、ニューヨーク、サンディエゴ、東京、択捉島。
    特に択捉島の描写、地理、天候、自然、基地風景、時代、歴史。
    これをどうやって整理して物語を作るんだろうね。
    何か創作技術みたいなものがあるのだろうか。

    この600ページに及ぶ文章の何が15時間くらい連続で。
    読んでみたいという衝動を引き起こすことが出来るのか。
    一気に読んでみた今、単純にそれを知りたい。

    文庫本の最後の解説で気になる文章があった。
    この作品が出た直後にはケン・フォレットの『針の眼』との共通点を
    指摘する声がしきりに聞こえた。
    たしかに『針の眼』と本書とでは、物語の構造に共通する因子が少なくない。

    今度ちょっと読んでみるか。
    でも次回作は『ストックホルムの密使』か。
    また共通の登場人物がいるのか。
    何にしても読書好きの中年オヤジに一気読みさせた作品ということ。

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    2013年09月04日
  • ストックホルムの密使(下)

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    ネタバレ

    佐々木譲は初読。いままで読まず嫌いだったからな。県警ものっていえば横山秀夫の二番煎じじゃないの?ってかんじで。
    ところがこの人は第二次世界大戦モノを書いていた。しかもスパイとからめて。これは読むしかない、ということで読んでみた。
    戦時中の欧米のなかで、イギリス、スウェーデン(中立国)、ドイツ、フランス、ソ連が描かれているが、それぞれの国で街の雰囲気が違う。当たり前だがそういう街の雰囲気の違いなんかを読者に感じさせる筆力はすごい。そしてその中で祖国という概念を持たない森四郎と、祖国に翻弄される人々とを描く。ある程度の部分は事実に即して(在スウェーデン海軍武官がソ連参戦や原爆投下について予告していたことなど)、そして森四郎という架空の人物(これもモデルはいるようだ)の冒険行という虚構の部分が非常に上手く混ざり合っている。祖国とは。まさにこれがテーマである。

    それにしても・・・

    戦後の立場を優位にするために原爆を落としたトルーマン。
    日本での権益を拡大させるために参戦したスターリン。
    ソ連が参戦したからさらなる優位性確保のために2発目を落としたトルーマン。ここらへんの史実に即した部分については今更ながら考えさせられる。アメリカや一部のサヨク日本人が言う、原爆があったから終戦したのだ、という詭弁。
    平和そうに見えても、そういう脆い論拠の上で、私たちは生きているのだ。つまり、またいつ戦争に巻き込まれるかはわからないということ。
    それでも、そんな中だからこそ、いまの日本の平和憲法の価値があるのかもしれない。内田樹の「おじさん的思考」をまた読みたくなった。

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    2013年08月13日
  • 制服捜査

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    TVドラマを前に再読。ひとつのテーマがあるわけですが、そのテーマを外さずに、いろいろなシーンを描くのはさすがです。そして、例によって、短い時間を濃厚に描く。川久保シリーズは、もっと続かないのかなぁ?

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    2013年08月03日
  • ベルリン飛行指令

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    夏になると必ず戦争関連の作品を1冊読むことにしています。
    本当にあったことを題材にしたものを手に取るようにしています。

    笑う警官で知った佐々木譲さんの作品に、
    歴史小説があったとは知らず、思わず手に取りました。
    読み始めた時から次のページを早くめくりたくなる気持ちになりました。
    歴史小説でこんな気持ちになるのははじめでです。

    今年は映画でも零戦を扱っています。
    戦争の中の零戦ではなく
    零戦を作った人、ゼロ戦を操縦した人の
    モノづくりの心と扱う人の心を
    自分なりにもっと知りたくなりました。

    そして、本当にベルリンに零戦は行ったのでしょうか?
    日本人パイロットがベルリンにいたのでしょうか?
    日本の零戦はどれほど世界に影響を与えたのでしょうか?
    ドイツには採用されなかったと記されていましたが
    ほかの国では日本の飛行機は良く映ったのでしょうか?

    作品は事実だけを語り終えたかのように閉めているため
    色々な疑問や気持ちが湧き出てきて
    「読んだ~」っという気持ちになりました。

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    2013年07月29日
  • ストックホルムの密使(上)

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    この重大な情報を確実に日本へ届けようと、夫は二人の人物をストックホルムから送り出した。終戦の年1945年7月の末のことである。
    送り出した後は、ふたりの消息は一切聞かれず、戦後になってからも、ふたりに託した情報が届いていたという話は聞いたことが無かった。
    ~中略~
    戦後20年もたってから、私たちは真相を知ることになった。
    夫が送り出した密使は、終戦間際のあの悲劇を救うことの出来た情報を、間違いなく確かに東京まで届けていたのであった。
    適切な対応がまだ可能な段階で・・・
    大和田静子「バルト海を偲んで」より


    とてもよく出来てました。これはほぼ史実ですね。
    この時代の空気感がひしひしと伝わって来ました、そしてそれは、そら寒く虚しさが漂うものでした。
    冷静に状況を見極め、正しい判断が出来る人物が排除される時代・・・あれから65年、少しは進歩したのだろうか!?

    密使の一人バロンは、機転とペテンの口八丁で世を渡る詐欺師のようなヤツですが。
    しっかりとしたプリンスブルがある彼こそが、本物の紳士だと思います。
    詐欺師は国民を欺き続けた○○の方です。   

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    2013年05月03日
  • ストックホルムの密使(下)

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    なんという結末・・・

    ストックホルムから占領下のドイツを抜ける過程は、
    なんともスリリングな展開になっている。

    そこから、大陸を更に駆けてゆくとは・・・

    それにしても、大本営を始めとする、
    当時の日本首脳陣の感度の悪さはとてももどかしい。
    よく終戦を迎えることができたと思う。

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    2013年04月20日
  • ストックホルムの密使(上)

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    小野寺信という、実在の駐在武官をモデルに、
    日本の終戦工作にとって、非常に重要な情報に関する秘話。

    上巻の展開は淡々としているが、
    山脇順三や安藤啓一など、懐かしのメンバーがいる。

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    2013年04月20日
  • ベルリン飛行指令

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    なんとも躍動感に満ちた物語。
    どこまでがフィクションなのか、判断は難しい。

    三部作の第一部であり、登場人物たちは、続編にも複数登場する。
    どうして、ベルリンまでの飛行が成し得るのか、
    その好奇心に駆られて、ついついページを繰り続けてしまった。

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    2013年04月20日
  • 暴雪圏

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    凄まじい雪の北海道と逃亡する殺人犯。警察小説の鉄板。
    ・・・思いがけず、冒頭に登場する昔がたりがホラーすぎて怖かった。

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    2013年02月28日
  • 北帰行

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    非常にスピード感のある作品。
    北というテーマがシンプルでありながら読み手を高揚させる展開の中で巧く使われている。
    佐々木譲氏に一本取られました。まさに脱帽です。

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    2012年10月22日
  • 昭南島に蘭ありや(上)

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    戦時中のシンガポールを描いた作品。
    シンガポールから見た日本や英国、在シンガポール華僑から見た戦局というのがとても興味深く、すいすい読んでしまった。
    中国の列車の中でワイルド・スワンを読んだことを思い出した。

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    2014年02月07日
  • 北帰行

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    或いは本作は、ドラマや映画のような映像作品の原案として好適かもしれない。キーパーソンが整頓されていて、各々が面白い特徴を有していて、展開は速く、アクションも佳い…読み始めると、どんどん引き込まれてしまった愉しい作品である…

    因みに「作中の稚内」だが…「実際の稚内」を巧く「作品世界」のものに料理してくれていると思う…出て来る市内の住所も実在のもので、場所を知っていて読んでも違和感が無い。それでいて、フィクションとして巧く完結した描写になっている…

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    2012年10月11日
  • ベルリン飛行指令

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    ネタバレ

    第二次大戦直後、当時日本で開発された最新鋭の零戦に乗り、日本からドイツまで敵国の目をかいくぐりながら航行して行く。史実には残されていない、歴史の裏側を描いた冒険譚。

    小さい文字で500ページ超の大作ですが、半分は零戦が飛び立つまでの、関係各位の思惑の描写。早く本題に入ってくれと思いつつ、綿密に描かれる時代と人物の描写は退屈どころか読み応えがあって面白く、後半への期待感も高まります。

    と思っていたら、実際の飛行場面は意外にあっさりと各中継地点にたどり着き、ラストシーンもサクっと終わってしまいました。もうちょっと後半の描写を充実させても良いかなと思いました。安藤大尉を筆頭に、魅力的な人物たちが最も活躍していた所だっただけに、もっと彼らの営為を読んでいたいと。

    本作に続く作品は舞台や登場人物もだいぶ違うようですが、ベルリン到着後の安藤大尉の活躍ぶりも読んでみたいなぁと思いました。叶わぬ願いでしょうけど…

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    2012年10月05日
  • 北帰行

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    へたすると単なるご都合主義な展開と取られてしまうかもしれないが、でも妙に納得できるというか必然な展開に思えて、大変、おもしろく読んだ。
    おさまるようにおさまった主人公たちはともかく、卓也のお母さんが一番かわいそうではある。
    解説で紹介されていた「新宿のありふれた夜」を買ってしまった。

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    2012年10月02日
  • ワシントン封印工作

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    歴史には疎いのだが、自分の中では事実として受け止めてしまった感がある。すごく現実味のある話。かなりのページだったが最後まで一気に読み切らされた。

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    2011年12月12日
  • ユニット

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    ネタバレ

    妻を殺害された真鍋と、夫のDVから逃げる祐子。真鍋の妻を殺害した川尻と、祐子の夫である門脇。彼らがそれぞれ出会い、一方は癒され合い、一方は協力してそれぞれのターゲットを狙い、追跡を始めます。

    復讐心に取り憑かれた真鍋がそれだけを生き甲斐に立ち直るも、祐子との出会いと彼女と過ごす中で復讐心を消し去り、また祐子自身も傷ついた心が癒されて行く様は感動的。

    一方、支配欲の固まりである門脇が警察官という立場と社会的信用をフル活用し、祐子を追跡する様子の異常さには戦慄が走るほど。そして少年院を出ても人として根本的に何も変わっていない川尻の人間としてのカスさ加減…そして、コイツらが“ユニット”を組み、真鍋&祐子の“ユニット”を追う様はとてもスリリングで、序盤からエピローグまで、一時もダレることなく読破することができました。

    かなり前にドラマにもなっているそうなのですが、まず機会ないと思いますがチャンスがあったら観てみたいなぁ。

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    2012年10月05日
  • ベルリン飛行指令

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    余韻のある終わり方がいいね。
    格闘戦のシーンは息がとまる。
     いかにも映画になりそうだけど、まだなっていない。海老蔵なんかが出そうだけど。

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    2011年11月11日
  • 夜を急ぐ者よ

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    たとえはるか彼方のベルリンへ飛んで行こうと、警察内部へ深く入り込もうと、今でも『真夜中の遠い彼方』(1984年。後に『新宿のありふれた夜』と改題)、『夜を急ぐ者よ』(1986年)、『夜にその名を呼べば』(1992年)の、いわゆる「夜三部作」をこよなく愛してやまない私ですが、この本、昨年12月にポプラ社の文庫が出たばかりなのに、さすが直木三十五賞の受賞に伴って旧作を求める新しい読者のためにということでわずか7か月後の集英社文庫の登場ですが、同文庫としては1990年の初版の単なる再版だと思ったら違いました、これは船戸与一の圧倒的な熱狂的解説が加わった改訂新版なのです。

    恥ずかしながらあわて者の私は、初め主人公の原口泰三を、原口統三と読み間違えたりして、ええっと、ほら、間違えた方の彼って、例の『二十歳のエチュード』を残して19歳で逗子海岸で入水自殺した詩人ですけれど、それはともかく舞台となった那覇の夜とか暑さってどんなだか無性に知りたくて、突然ひとり飛行機に乗った高校生の頃から佐々木譲には痺れまくっていたわけです。

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    2011年09月19日
  • 昭南島に蘭ありや(上)

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    佐々木譲の第二次大戦ものに外れ無し。
    本作はシンガポールが舞台。主人公は台湾生まれ、当時は日本領だから国籍は日本人。よじれた出自が彼を歴史に翻弄される。

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    2017年10月28日