【感想・ネタバレ】暴雪圏のレビュー

あらすじ

三月末、北海道東部を強烈な吹雪が襲った。不倫関係の清算を願う主婦。組長の妻をはずみで殺してしまった強盗犯たち。義父を憎み、家出した女子高生。事務所から大金を持ち逃げした会社員。人びとの運命はやがて、自然の猛威の中で結ばれてゆく。そして、雪に鎖された地域に残された唯一の警察官・川久保篤巡査部長は、大きな決断を迫られることに。名手が描く、警察小説×サスペンス。

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Posted by ブクログ

猛吹雪の日に、暴力団組長宅から現金を奪い殺人を犯した男、不倫を清算したい女、事務所の現金を持ち逃げした男、義父から逃れるべく家出した少女、等々がペンションに集まる。そこに至るまでの警察を含めた個々のストーリー、が絡み合い、エンディングへ向う。佐々木譲の警官の血以来の傑作。

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2018年10月16日

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ネタバレ

制服捜査の川久保さんが出て来るが、単なる続編という感じではない、というのも川久保さんは主役ではないから。
じゃ誰が主役かというと、人物ではなく、3月ごろこの地方を襲う猛吹雪である。

交通がほぼ完全に遮断され、停電やボイラー故障が頻発し、暖房の効かない建物内や車の中では凍死すらあり得る、猛吹雪の中で、色んな過ちや過去を抱えた人が何かに導かれるようにとあるところに集約されていく。

人を主人公としてその描き方を読むとぎこちなさや物足りなさを感じるのだが、大自然の驚異の中であたふた生き延びようとする人間のおろかさを見下ろすような視点で読めば、この作品は面白い。

以前にも思った佐々木譲お得意の「余韻」がそういう特徴のこの物語でもいかんなく発揮されていて良。書き込み過ぎない不親切さが、苛烈すぎるくらいに人に厳しい自然の描写に
似合っていると思う。

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2017年04月09日

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制服捜査の続編で、長編。
川久保巡査部長、この冬を迎えるのは2年目になってた。
最近短編づいてたので、そうそうこの感じ・・・ずっしり読み応え有り面白かった。

分厚いけど、時間にしたらホンの半日の出来事。
彼岸荒れと呼ばれる三月の大嵐。暴風暴雪のその日に、重なるように起きた別々の事柄。点と点がつながっていく。
その当事者の目線で語られるのだけど、24のように小刻みに場面がどんどん変わってハラハラしっぱなし。
久しぶりにドキドキ味わった。

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2014年01月28日

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凄まじい雪の北海道と逃亡する殺人犯。警察小説の鉄板。
・・・思いがけず、冒頭に登場する昔がたりがホラーすぎて怖かった。

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2013年02月28日

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まず地吹雪の恐ろしさを理解すべくYouTubeで検索してみるに、確かになかなかのもんじゃね。
この雪国の恐ろしさを知ってからでないと。と言っても読んだあとに調べたわけだけど。
でもってお話としては、なんだか色々と事件が起きまくってもう大変だー。というわけです。それぞれがすったもんだの上に最終的にどうなったのかな?と想像を膨らませるのが楽しい、という小説かもしれん。それなりに登場人物は多いけど、ちゃんと付いていけるように話が進んでると思う。大雑把には悪くない方向に収まったのかなぁ、というわけで、おあとがよろしいようですよ。

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2024年04月07日

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猛吹雪に見舞われた北海道の田舎町での一晩の出来事。
様々な登場人物の群像劇がどう関わっていくのか。決着のラストといくつか残された想像の余地があり、でもきっと明るさはあるよねと思いました。
前作を知らないままシリーズの2作目から手に取りましたが、何も問題はありませんでした。

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2022年11月05日

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容(「BOOK」データベースより)
三月末、北海道東部を強烈な吹雪が襲った。不倫関係の清算を願う主婦。組長の妻をはずみで殺してしまった強盗犯たち。義父を憎み、家出した女子高生。事務所から大金を持ち逃げした会社員。人びとの運命はやがて、自然の猛威の中で結ばれてゆく。そして、雪に鎖された地域に残された唯一の警察官・川久保篤巡査部長は、大きな決断を迫られることに。名手が描く、警察小説×サスペンス。

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2019年11月05日

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彼岸荒れの猛吹雪により、閉鎖された地域に取り残された訳ありの男女の運命が変わる。『制服捜査』の川久保巡査部長が再び登場する長編サスペンス小説。
クールガイの川久保と一寸先は闇的人生を送る人々との対比が面白い。大雪の恐ろしさも加わって、次の展開が読めないスリリングなストーリーになっている。

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2019年04月02日

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良い緊張感が、終わりまで保たれててエエナ
とおもいました。保てないですからね普通ね
シリカゲルとかないとね。あのたべれるやつ

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2015年11月09日

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爆弾低気圧による猛吹雪の日に起きる様々な事件。交通の麻痺した町に唯一残された駐在さんが主役…のはずだが、あまり存在感がない。最後ようやく見せ場が来たかと思いきや、なんともあっけない終わり方となっていたのが残念。ただ物語自体はとても面白く満足。

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2014年10月10日

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主犯の扱いが少々もったいないのと不倫人妻の行動がやや解せないが、全体としては複数の話がうまく収れんしていくのが気持ちいい。

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2014年08月24日

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 前回の冬休みに友人と試される大地の北海道(札幌)旅行に行きましたが、おそらくあまりにも激しい温度差とスープカレーの刺激に試され、帰りの空港で朝食の海鮮丼を全部戻してしまった事を思い返しながら読みました。
 
 群像劇モノは、最後に全ての登場人物の物語が収束していくところが非常に快感ですね。

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2014年06月25日

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【韓国語多読10弾】警察小説の形式を借りた保安官モノ。主人公は北海道警察内の大人事異動のあおりを受け僻地の駐在所勤務となった元刑事。彼を保安官として機能させるため著者は彼岸荒れという春先の暴風雪による閉鎖空間を設定する。一見、さまざまな事件を並行して描いていくモジュラー形式に見えるが伏線と思われた出来事が何の受け手もないまま終わってしまう。ミステリとみればかなり唐突なエンディングだが西部劇と考えればこれも伝統的手法と言えよう。あの名作『シェーン!』も盛り上げるだけ盛り上げて瞬きする間もなく決闘場面が終る。

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2013年12月17日

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猛吹雪に見舞われた北海道が舞台の警察小説。
最初の頃は何の関連もなさそうだった小さな事件が、途中からだんだんつながり始め、最後には1つになる。
関西で生まれ育った自分には想像もできない暴雪の怖さと、話の展開の上手さの両方に惹き込まれました。

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2013年10月26日

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猛吹雪のある日、ある町で数々の事件が起き、それらを別々の人物の視点から語られていく。でもやがてそれらは、ある一つの場所で引き寄せられるように集結する。その展開にはまっていった。
同じく川久保篤巡査部長シリーズ『制服捜査』。こちらもぜひ読んでみたいと思った。

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2013年01月01日

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ネタバレ

駐在さんの大変な一日(簡単に言い過ぎ)という内容。
よくある外界と絶たれてしまうシチュエーションには、橋が落ちたというのがよくあるけど、大雪でというのは現実的で面白く感じました。
いつも佐々木さんの警察小説は途中で止まらなくなり、寝不足決定なのですが、今回も同様。
たくさんの人が1箇所に集まり、繋がっていく。
最後の終わりが少し呆気無くびっくりしましたが、よくよく考えてみると、それぞれ何かしらの変化が起きていたことに気づきました。
1冊でいくつものストーリーを同時に読んでいる満腹感でした。

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2012年12月30日

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ネタバレ

佐々木譲に外れなし。
基本的には。
(前読「屈折率」は例外:笑)

前の方で誰かが書いた「小悪党が大悪党の陰で誤魔化される話」にも一理あるとも思えるが………。やはり佐々木作品は面白い!

警察小説というよりは、「ユニット」や「犬どもの栄光」等の、警察モノで脚光を浴びる前の一連の作品群に似た作風。

川久保さんの、駐在警察官としての吟じに心打たれた。
甲谷警部は、結局何もできてないね…(笑)
家出少女の未来に幸あることを願う。

2012.02.28.了。

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2015年08月31日

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寒くなってきたねぇ。とは言え、物語の中はここらの寒さとは桁違いの世界。「制服捜査」の続編で、短編集だった前作とは異なり、今回は長編で頁たっぷり。
北海道東部の何も無い田舎町に倦んだ人たちにそれぞれの事情で事が起こり、爆弾低気圧が引き起こす猛吹雪に翻弄される中、彼や彼女の運命は町の小さなペンションに引き寄せられていく…。
序盤、普段何も無い町に、こういう日に限って、こうも事件が起こるのかと思うと、設定はかなり陳腐な感じがするのだけど、まあそんなことは言いっこなし。
むしろ、それを引き取って、多くの人の行き先をひとつの夜に収斂させるお話は、古~い映画だけど、同じ雪の夜を描いた「大空港」を思い出させ、次はどうなるんだと惹き付けられながら頁は進む。暴雪の描写がリアルで、雪に閉ざされた世界ってただでさえ気詰まりなんだけど、この怖さも良く出てる。
川久保巡査部長のキャラは前作いまイチ分かりにくかったのだけど、今回もまた主役は猛り狂う風雪で、捜査が出来ない制服警官の立場に加え、事件を目の前にしても出動も出来ない川久保は、今回は更に脇役の鬱屈を募らす。
ラスト、あっけなく絞る引き鉄にその心情を推し量るが、大団円とならぬところに、前作で『どの事件もスッキリした解決は見ず、読み味は暗く苦い』とした印象を引きずり、★はこんなもんで。

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2015年08月23日

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頂いた本。ばらばらの事件、ばらばらの人物たちが少しずつ描写されていたのが、猛烈な吹雪によってひとところにあつめられていく。読み進めて「ああ、ここに集約するのだな」と予想がついてまだ終結していないエピソードの人物がどうやってここにくるのか、それともこられないのかと思いながらぐいぐいと読んでしまいました
シリーズものだそうですが、頂いたのがこれで初見でしたが、シリーズと知らなくても全く差支えはありません。

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2022年06月04日

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え…!これで終わり?と言う唐突な最期、勿論不消化感。
読む「ドキュメント12時間」という展開。最近かなり有名になった「爆弾低気圧~ホワイトアウト」の凄まじい描写が作品全体を覆っている。筆者モノを愛する理由⇒ページターナー炸裂だ。白い雪に赤いダウンジャケットの色彩、金庫強盗と反社会組織、精神的に不安定な女性とセックス・金をモチベーションにし世の中を斜めに泳ぎ切ろうとする安っぽい男の点景がフォーカスされて行く。警察モノというものの、川久保巡査のフォルムはどうかすると流れに呑まれ、物足りなかった。でも「制服警官」の作風は好きなので引き続き、読んで行こう。

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2021年04月07日

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ネタバレ

 『制服捜査』の駐在警官が再び登場。『制服捜査』が複数の短編から成るのに対し、此方は一本の長編。


 猛吹雪に見舞われ、機能を停止した町で、訳有り人物達の群像劇が繰り広げられる。
 ばらばらに点在していた人物達が、軈て吹雪に絡め取られ、点から線に繋がって、一つの結末に収斂していくといった具合。




 タイトルからの予想の域を超えるものではなかったものの、以前読んだ『制服捜査』よりは面白かった。

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2021年02月02日

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 前作「制服捜査」で登場した川久保篤巡査部長が再び活躍する。前作は連作短編という形だったが、本作は長編。シリーズものではあるが、本作単体でも十分に楽しめる。
 全く何の脈絡もない登場人物が、爆弾低気圧という自然の猛威の影響で徐々に一か所に集約されていく、登場人物それぞれの動き(登場人物それぞれの視点から描かれている)が何かに導かれるように焦点を結ぶ様は、読んでいてついのめり込んでしまう。
 ただ、登場人物それぞれの視点からの内容が多いので、川久保篤巡査部長シリーズではあるが、必然的に川久保巡査部長の登場部分は少ない。そこが少し物足りない気もするが、余韻を残した終わり方をしているところが気になる。

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2020年03月09日

Posted by ブクログ

登場人物が多いし、場所がコロコロ変わるので最初は読むにの難儀しました。暑い夏に気分だけでも涼しさを感じたくて読んでみました(^。^)最後は余韻の残る終わり方でその先は自分で考えろって感じかな。(−_−;)

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2018年09月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

評価は3.

内容(BOOKデーターベース)
三月末、北海道東部を強烈な吹雪が襲った。不倫関係の清算を願う主婦。組長の妻をはずみで殺してしまった強盗犯たち。義父を憎み、家出した女子高生。事務所から大金を持ち逃げした会社員。人びとの運命はやがて、自然の猛威の中で結ばれてゆく。そして、雪に鎖された地域に残された唯一の警察官・川久保篤巡査部長は、大きな決断を迫られることに。名手が描く、警察小説×サスペンス。

う・・・ん。くどい。

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2017年11月01日

Posted by ブクログ

まずは、雪国って大変だ~と。いや、本心で。
いろんな事件が同時進行で、登場人物が次々出てくるしで、少々混乱しながら読んだ。なるほど最後こんなふうにリンクするのか、お見事です。
キャストが多すぎて、川久保巡査部長が存在感薄なのがちょっと残念だった。佐々木譲さんはラストをこんな風にするの多いな。

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2016年09月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

このミスベスト10、2010年版8位。北海道を舞台に数十年に1度の豪雪の日に発生する複数の事件が同時に進行していく群像ドラマ。この作者独特の緻密でリアルな表現。面白いんだけどちょっと読みにくいところもあって、ちょっとてこずりました。登場人物多すぎて記憶力が弱ってきてる自分には覚えきれないってとこに起因してるのかも。

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2016年03月07日

Posted by ブクログ

次から次へと新しい登場人物が現れて、一体どう収拾つけるんだと、一気に読んでしまった。
最後は、ここで終わるのかーという終わり方ですが、次から次へと場面が変わり、飽きさせない展開で面白い。
もう少し評価上げても良かったけど、最後が何となく。

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2015年08月30日

Posted by ブクログ

佐々木譲の警察もの小説は、いつも中々奥が深いですね。

異なる所で発生する、異なる出来事が、
ある出来事により、一点に集約していくというのは、
この小説のみならず、数多ありますが、
これもそう言うものの一つ。

背景に、爆弾低気圧に想起されるような冬の嵐があり、
嵐が迫り来るさまは、それだけでも、一つの物語に
なると思います。

いやぁ、それにしても、話をうまく集約しますね。
「なるほど、そうきたか~」と思わされる所多数でした。

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2013年02月02日

Posted by ブクログ

川久保シリーズ第二弾は長編。雪で閉ざされた陸の孤島で起きる事件に、単身在中の駐在所員が何をできるのか。
一見クローズド・サークルのようだが、謎解きではなく、いくつかの事件を並列に進める群像劇で、たぶん主役は嵐です。人間なすすべなし。そして今回も「解決はしません」。ここでエンドマークかあー、と正直驚きました。もっと読みたいけど、作者は蛇足としたんだなあと。

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2013年01月24日

Posted by ブクログ

北海道を舞台にした事件を題材にた犯罪小説を数々発表しついに直木賞までとった佐々木譲の小説。暴雪圏ときくとこれからくる冬のじけんかと思うがこれがちょっと違う。帯広あたりかつて死者まで出した春に来る季節外れの暴雪を題材に、予期せぬ雪に行く手をさえぎられペンションに非難してきたひととと犯罪者。ハリウッド映画だとさしずめハリケーンの日にモーテルを舞台にした話ができるかもしれないかなと思わせる設定でさくっと読ませてくれる。あまり悲惨な事件はちょっとという人にはちょうどいい作品かも。

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2012年11月04日

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