あらすじ
三月末、北海道東部を強烈な吹雪が襲った。不倫関係の清算を願う主婦。組長の妻をはずみで殺してしまった強盗犯たち。義父を憎み、家出した女子高生。事務所から大金を持ち逃げした会社員。人びとの運命はやがて、自然の猛威の中で結ばれてゆく。そして、雪に鎖された地域に残された唯一の警察官・川久保篤巡査部長は、大きな決断を迫られることに。名手が描く、警察小説×サスペンス。
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Posted by ブクログ
制服捜査の川久保さんが出て来るが、単なる続編という感じではない、というのも川久保さんは主役ではないから。
じゃ誰が主役かというと、人物ではなく、3月ごろこの地方を襲う猛吹雪である。
交通がほぼ完全に遮断され、停電やボイラー故障が頻発し、暖房の効かない建物内や車の中では凍死すらあり得る、猛吹雪の中で、色んな過ちや過去を抱えた人が何かに導かれるようにとあるところに集約されていく。
人を主人公としてその描き方を読むとぎこちなさや物足りなさを感じるのだが、大自然の驚異の中であたふた生き延びようとする人間のおろかさを見下ろすような視点で読めば、この作品は面白い。
以前にも思った佐々木譲お得意の「余韻」がそういう特徴のこの物語でもいかんなく発揮されていて良。書き込み過ぎない不親切さが、苛烈すぎるくらいに人に厳しい自然の描写に
似合っていると思う。
Posted by ブクログ
駐在さんの大変な一日(簡単に言い過ぎ)という内容。
よくある外界と絶たれてしまうシチュエーションには、橋が落ちたというのがよくあるけど、大雪でというのは現実的で面白く感じました。
いつも佐々木さんの警察小説は途中で止まらなくなり、寝不足決定なのですが、今回も同様。
たくさんの人が1箇所に集まり、繋がっていく。
最後の終わりが少し呆気無くびっくりしましたが、よくよく考えてみると、それぞれ何かしらの変化が起きていたことに気づきました。
1冊でいくつものストーリーを同時に読んでいる満腹感でした。
Posted by ブクログ
佐々木譲に外れなし。
基本的には。
(前読「屈折率」は例外:笑)
前の方で誰かが書いた「小悪党が大悪党の陰で誤魔化される話」にも一理あるとも思えるが………。やはり佐々木作品は面白い!
警察小説というよりは、「ユニット」や「犬どもの栄光」等の、警察モノで脚光を浴びる前の一連の作品群に似た作風。
川久保さんの、駐在警察官としての吟じに心打たれた。
甲谷警部は、結局何もできてないね…(笑)
家出少女の未来に幸あることを願う。
2012.02.28.了。
Posted by ブクログ
『制服捜査』の駐在警官が再び登場。『制服捜査』が複数の短編から成るのに対し、此方は一本の長編。
猛吹雪に見舞われ、機能を停止した町で、訳有り人物達の群像劇が繰り広げられる。
ばらばらに点在していた人物達が、軈て吹雪に絡め取られ、点から線に繋がって、一つの結末に収斂していくといった具合。
タイトルからの予想の域を超えるものではなかったものの、以前読んだ『制服捜査』よりは面白かった。
Posted by ブクログ
評価は3.
内容(BOOKデーターベース)
三月末、北海道東部を強烈な吹雪が襲った。不倫関係の清算を願う主婦。組長の妻をはずみで殺してしまった強盗犯たち。義父を憎み、家出した女子高生。事務所から大金を持ち逃げした会社員。人びとの運命はやがて、自然の猛威の中で結ばれてゆく。そして、雪に鎖された地域に残された唯一の警察官・川久保篤巡査部長は、大きな決断を迫られることに。名手が描く、警察小説×サスペンス。
う・・・ん。くどい。