佐々木譲のレビュー一覧

  • 廃墟に乞う

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    私にとってはカウントダウンに続く2作品目となる佐々木譲先生の作品
    カウントダウンは友人からいただいた本だが、、、こちらも同じ友人からいただいた

    カウントダウン同様に北海道を舞台にした作品
    主人公は休職中の刑事という変わった設定の小説

    しかしなるほど
    刑事でありながら休職中という事になると自由度が増すというのか
    それでありながら刑事の洞察力もあり面白い展開ができるものだなと
    どうして休職中になっているかは最後に明らかになる

    本作は短編集となっており、多くが知り合い等から「休職中ならちょっと聞いてくれないかな」というような感じで相談を受けて始まる
    北海道の地理にはそれほど詳しくないですが、主人公は結構色々なところからお声がかかりつつ、それらエリアの所轄警察署に知り合いがいる
    警察官も色々なところで勤務を行うものなのだなぁと

    あとがきに書いてありましたが、佐々木先生は北海道の色々なところを描きたかったとの事ですね
    それに都合が良いのではないかと考えたのが「休職中の警官」という設定との事でした
    描きたい話がありきの設定だったのですね


    毎回、まずは現場を確認したり、聞き込みまではいかないながらも近辺の人に話を聞いて
    と進んでいくのだが、休職中であるがゆえの不自由さもある
    現場担当でも無いのになんでこんなところに来ているのか、なんで聞き込みみたいな事をしているのかという感じで同じ警官側から煙たがられたり

    逆に遺体が見つかっていない(ので事件化できていない)が殺人と思われるような事案にも首を突っ込めるという自由もある

    このキャラクター設定は秀逸
    小説として聞いた事がなく目新しく感じただけかも知れませんが面白いと感じました
    友人からもらった佐々木先生の作品はカウントダウンと本作の2作品だけですが、、、別の作品も読んでみたいですね

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    2018年07月03日
  • 地層捜査

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    地図に弱い私は最初冒頭の周辺地図を何度も見ながら読んでいたが、だんだんどうでもよくなり自分なりのイメージで読めた。さて、最終的にに水戸部はどういう結論を出したかなと気になるところです。第2作目も期待したい。

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    2018年06月07日
  • 警官の掟(新潮文庫)

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    東京湾で発見される死体、所轄の刑事とその同期の捜査一課の刑事が事件を追う。少々長い気がするけれど、じっくりと事件を捉え、最後はそう来ましたかと。二人(二組)の捜査が順番に書かれてて、着実に進んでるって感じで良かったけれど、二人の絆に関しては、最初だけで弱いように感じが。誰か寄りのもう少し深い心情があればよかったかも。それと、作者、北海道出身の方と思ったけれど、途中から、自分に馴染みの地名が出て来て、それはそれでちゃんと調べて来たのかなあと、驚き。

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    2018年05月28日
  • 警官の掟(新潮文庫)

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    「警官の掟」とあるが、「警官の血」シリーズとは関係はない。
    犯人の出現が、あまりにも唐突で(予想は出来たけれども)、犯人捜しについての伏線も最後の方まで出現しない。
    かつ、動機についても全く共感は持てない。
    作者は別に共感は求めていないと思うが。
    代わりに、読者をミスリードしようとしているのだろうエピソードにページがかなり割かれているが、これは冗長でしかない。

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    2018年05月27日
  • 警官の掟(新潮文庫)

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    笑う警官シリーズと変わらない感があったが、終盤ですごい展開になった。死を目の前に迎え、いったいどんな心境になるのか想像も及ばないが、本作ではそこまで踏み込んだ・・・のか?

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    2018年05月15日
  • 英龍伝

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    江川太郎左衛門英龍、江戸末期、こんな英雄がいたなんて知りませんでした。学ぶことの大切さ、情報の重要さを今更ながら思い知りました。
    くろふね、武揚伝も読んでみたくなりました。
    薩長でもなく、幕府側からだけでない開国を違った角度から眺められ、新鮮でした。面白かったです。

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    2018年05月13日
  • ベルリン飛行指令

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    中学か高校のときに読んで以来の再読。のめり込みました。
    乾の行方に涙した後の、グラーフとの再会がすごい救いになっている。ちょっとだけ救われた気分で読み終えられる構成に感謝。

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    2018年05月13日
  • 代官山コールドケース

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    正統派の警察小説である。



    川崎で女性が強姦されたうえ扼殺されるという事件が発生する。

    現場からDNAが検出されたが、それは十七年前代官山で起こった

    女店員殺人事件現場で見つかったものだという。



    代官山の事件では容疑者が浮かんだが、逮捕前に死亡。

    自殺として処理された、いわば、終わった事件だった。



    十七年前の事件は冤罪だったのか。

    警視庁の大失態を最小限にするには、

    神奈川県警より早く犯人を見つけ出さなければならない。

    特命対策室の水戸部、そして助っ人として

    朝香千津子が呼ばれた。



    終わった事件の再捜査であることから、

    極秘捜査であるという難題が課せられる。





    この作品の雰囲気は、ニュートラルだ。

    色でいえばモノトーン。



    そこには余計なものがない。

    個性的な天才肌の刑事や、腕っぷしの強い刑事の

    アクションシーンもない。



    だからこそ、無駄に感情を引きずられることもない。



    警視庁の刑事、科捜研、そして所轄の刑事が

    それぞれの角度から、闇に沈んだ真実を掘り起こしていく。

    散らばっていたものが真相に向かって集束していく。



    それが肌で感じられ、ゾクゾクしてくる。



    捜査の一歩一歩が、淡々と描写される。

    だが、その淡々とした描写により、ヒタヒタと犯人の後ろ姿に迫ってゆく

    刑事たちの足音が聞こえるかのようだ。



    結末に近くなると、心拍数が上がる。



    淡々とした作品で色があるとすれば、

    結末における相棒の朝香。



    優秀な捜査員の顔を崩さなかった朝香だが、

    容疑者に向かってブチ切れる。

    「性犯罪者のことをなんて言ってるか知ってる?

    頭の中まで海綿体の猿野郎って言うんだよ」と。



    このセリフ、スカッとした。

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    2018年04月25日
  • 警官の血(下)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    佐々木譲さんの本をはじめて読んだ。
    少し暗さを感じさせる文章だが、引き込まれていく。

    この本は三代続く警察官の話だが、謎は解けても誰も幸せになって終わらない不思議なエンディング。

    また、読んでみたい作家さん。

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    2018年04月25日
  • ストックホルムの密使(下)

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    どこまでが真実かは分からないが、開戦や終戦に関しての超一級の情報を日本が活用出来なかったのは確からしい。今に至るまで日本はインテリジェンスのレベルが低いのが悲しくてならない。

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    2018年02月19日
  • 武揚伝 決定版(下)

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    立場が違えばまた見え方も違う。当たり前だけど忘れがち。どうも明治維新のあたりは「官軍」が正義の味方っぽく書かれるので、逆の立場の人たちは蔑ろにされますよね。武揚は以前から気になっていた人物で贔屓の佐々木譲が小説にしてくれてた。目から鱗というか、これを読むと もしあのとき蝦夷共和国ができてたら、日本という国はどうなっていたんだろう!? 色々と想像が広がる小説でした。

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    2018年02月05日
  • 廃墟に乞う

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    仙道さんはいったい何があって休職に追い込まれてしまったのか気になりながら読み進めた。最後でそれがわかって『やっぱりな』という感じで腑に落ちた。ちょっと今までにない警察小説でした。

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    2017年12月24日
  • 地層捜査

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    街の歴史、時代の空気を味わいながら楽しめる警察小説。女性は大抵水商売、ヤクザがらみ、パソコン弱い感がわかる描写が、佐々木譲氏の小説に出てくると自分はいつもながらグッとくる。

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    2017年11月26日
  • 代官山コールドケース

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    安定の佐々木譲。
    ほぼ一気読みの勢いで読破。

    シリーズ第2段。
    懸念だった前作の決着にもちゃんと触れられていて安堵。
    主要登場人物のキャラ立ちも十分に色づいてきて、シリーズモノとして軌道に乗り始める予感あり。次作にも期待

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    2017年11月08日
  • 地層捜査

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    ネタバレ

    四ッ谷荒木町が舞台。何度か訪れたことがあるけれど、お屋敷町だった 程度の知識しかなかった。事件を通して語られる過去の情景がリアルで入り込めた。
    事件の筋を変える水戸部の視点に無理を感じさせなかったのは、当時の情景、背景がリアルだったからだろう

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    2017年11月01日
  • 制服捜査

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    しがないおっさん感のあるお巡りさんが大活躍な、割と心が躍る系な一冊。なんだけども。中川や麗子が一介のお巡りさんで何やってるんだろう?って漫画ならそこまで気にもしないわけだけども、このおっさんかなりのもんなのに、何でまぁこの年でしがない巡査部長なのか。そしてこのおっさんが来てからおっさんの周りで事件が起きていくという、まるでコナン君や金田一少年ばりの恐ろしい星のもとに生まれているという。
    と、少々突っ込みを入れたくもなったものの、ずいずいと引き込まれて楽しいんだよねぇ。あとはいつもの通りの田舎恐るべしな話は、やっぱ田舎怖いわーっていう恐怖感をいや増すばかりで、ある意味普段暮らしに関わる分だけ犯罪者よりよっぽど怖いわね。

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    2017年09月10日
  • 代官山コールドケース

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    読みやすかったし、複数の視点から描かれているのも面白かった。事件解決時が若干あっさりしているような印象ではあるけれど…その経緯は楽しめた。

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    2017年05月10日
  • 廃墟に乞う

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    ミステリーの短編というと中途半端な謎解き物を想像し、ほとんど期待しないで読んだのですが、これはそういった類の物語ではなく、いい意味で期待を裏切られました。
    北海道各地の疲弊の色を帯びた都市を舞台に、そこで起こる其々の事件の背景で繰り広げられる人間模様を、トラウマを抱える求職中の刑事の目を通して描いたヒューマンドラマです。
    1話1話がくどくどとした説明過多ではなく、絶妙の長さと締めくくり方に非常に好感が持てます。
    内容的には弘兼憲史のコミック「人間交差点(ヒューマンスクランブル)」を彷彿させます。というか、そのまま人間交差点の原作にしてしまっても違和感ないくらい作品コンセプトが近いと感じました。

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    2017年05月03日
  • 代官山コールドケース

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    佐々木譲は好きな作家の一人だ。
    とくに警察小説が大好きで、佐々木譲が書いた・・・というだけで内容を知らないまま購入してしまうこともある。
    奇をてらった設定や派手な展開があるわけではない。
    けれど、臨場感に満ちている展開や人物描写はいつも読みごたえがあって楽しい。

    水戸部と朝香が再調査のために声に出して過去の捜査報告書を読む場面。
    はっきりと言葉として出すことで、より事件の悲惨さや矛盾点が浮かびあがってくる。
    情報共有のための方法ではあっても、当時の状況がわかりやすく伝わってきた。
    犯人と目され自殺したと思われていた風見。
    もしも神奈川県警が当時の現場に残されていた遺留DNAとの一致を発見していなければ、再捜査がされることはなかった。
    現実の事件でもあり得るかもしれないと思わせる展開は、うそ寒さを感じさせる。
    警視庁の面目が傷つけられる可能性がなければ、誰も振り返りもしない終わった事件のままだっただろう。
    事件が起きれば犯人を捜し、逮捕し、法的機関へと身柄を引き渡す。
    それが警察の役割だ。
    けれど、そこには思い込みや勘違い。
    もしかしたら意図的な間違いだって起こるかもしれない。
    警察と事件絡みで関わりを持てば、その人の人生が大きく変わってしまうことだって実際にはあるだろう。
    警察側からしたらほんの小さなミスでも、誰かの一生を左右するような影響を与えることだってある。
    時間的な制約もある。
    物的証拠も17年も経ってしまえば新たな発見はない。
    追い詰められた中で水戸部と朝香はひとつずつ当時の報告書に基づいた捜査を開始する。
    刑事としての心情。
    女性としての性犯罪者への怒り。
    警察官もまたひとりの人間なのだと思えるところもいい。
    地道な捜査から徐々に事件のすべてが浮かび上がってくる過程もいい。
    長編だけれど長さを感じさせない、読みごたえのある物語だった。

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    2017年04月07日
  • 警官の血(上)(新潮文庫)

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    ネタバレ

    上下巻読んでの感想
    安城清二、民雄、和也。三代に渡り警察官として生きた男たちの物語である。
    終戦直後に警察官採用試験を受けた清二は、警察練習所で同期だった三人と共に警察官になる。
    それぞれに将来に向けた希望はあったけれど、清二の希望は駐在所勤務だった。
    やがて希望通りに天王寺駐在所に配属された清二だったが、ある日突然に謎の死を遂げる。
    万引常習犯の少年と父親との場面が印象に残っている。
    警察官でもあり父でもある清二。
    民雄にとっても印象に残る出来事だったのだろう。
    父として警察官として清二を尊敬していた民雄だからこそ、突然の清二の死が納得できなかったのだ。
    いつか事実を突き止めたい。
    それは自然な思いだったように思う。
    公安というと後ろ暗いイメージが付きまとう。
    組織だった左翼運動は次第に暴力化し、民雄が任官した頃は公安の果たす役割もいまよりは大きかったのかもしれない。
    仕事なのだから。そう納得はしていても、神経が擦り減っていくのはどうにも出来なかったのだろう。
    学生運動では多くの犠牲者が出たという。
    命を失った者も、その後の人生が変わってしまった者もいた。
    民雄もまた、その多くの犠牲者のひとりなんだと思う。
    PTSDなんて子どもだった和也にわかるはずもない。
    警察官なのに、家では母親に暴力をふるう父親。
    父親への反発もあったのだろう。成長し同じ警察官になって、あらためて父親が理解できた部分もあっただろう。
    父親としてはけっして立派な父親ではなかったけれど、警察官としては誇れるような父親だったと和也は思っていたはずだ。
    事実を突きつけられたときの和也の対応が、三代にわたる警察官の血を感じさせた。
    したたかであるけれど、間違ったことはしていない。
    父である民雄ほど弱くもなく、祖父である清二ほど純粋でもない。
    利用できるものは利用し、したたかに組織の中で生きていく。
    それが和也の選んだ道なんだろう。
    読んでいて長さをまったく感じなかった。
    それぞれの時代を感じさせるように、物語の中に流れている当時の空気感がいい。
    重厚さも、構成の巧みさも、人間描写も、細かな設定も。
    すべてが面白く、すべてを楽しむことができた。
    犯人は途中で「この人怪しい」と思った人物だった。
    やっぱり・・・とは思ったけれど、ガッカリはしなかった。
    犯人当ての物語ではないし、そこにはあまり重要性は感じずに読んでいたからかも。
    読みごたえは十分!!

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    2017年03月02日