【感想・ネタバレ】ベルリン飛行指令のレビュー

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Posted by ブクログ

久々に寝食忘れて読んでしまった。
佐々木譲さんの第二次大戦3部作の第1作目だったようだ。「エトロフ~」を先に読んでしまっていた。順番通り読んでいたら、「エトロフ~」がもっと楽しめたのかも!
この本は「エトロフ~」ほど難しくなく、物語に入っていきやすかった。そして、登場人物の誰もが自分の美学、信念を持っていてかっこよすぎる。それ故に、悲しい…。
海軍の中に、これほど現実を直視できる有能な人間がいたはずなのに、何故大戦を止められなかったのか残念でならない。そして、安藤、乾、柴田…その他多くの人々の命を賭し成功させた任務をなかったことにしてしまうなど…。安藤は…その後どうなったのだろう。エピローグには書かれていなかったが?
気力を回復してから第3弾を読むとしよう。
素晴らしい本に出会えたことを感謝する。

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2017年09月23日

Posted by ブクログ

ありがたいことに、身近には“本選びの羅針盤”とでもいうべき友人が数人いる…

もちろん、読書は個々それぞれが好きに感じる悦楽…その上、このひん曲がった性根からすれば、他人から進められた本の全てに、推薦した人の思惑通りに感動したり勉強になったりすることは、まず無い!のだが(苦笑)、何故かその数人の友人が推す本には、所謂“ハズレ”が無いどころかドストライクが多い…というか、おそらく私の性質を知った上で投げてくれる、優しい球だとも思うのだが(笑)

で、先日も、その中の一人(元文芸出の編集者)と、不定期ながら唐突に始まるヤサグレ飲み会の折に、警察小説から、佐々木譲氏の『嗤う警官』に話が移ったときに、“第二次大戦三部作”を読まずには、佐々木譲を語れず!的な指摘を受け…いや、正に読めという“指令”を受けた。…そして、指令をうっちゃったまま、はや数ヶ月…仕事も無いヒマな日が目の前に広がると、粋な趣味的なものも持たず、多くの友人達のように“リア充”な食べ歩きやイベントに動くような、心や財布の余裕がある訳でもない身としては、活字世界に心の拠り所を求めたりする訳で(笑)…とりあえずは、おそらくドストライクであろうその球を受けたく、ようやく手を伸ばした。

そして、1日で読み終え…爽快な…かつ重厚な満足感を得ている。

歴史をベースにした、冒険小説…といったら軽々しいのか?
やはり自分をワクワクさせてくれる一番のfactorは、登場人物の誰一人として捨て駒的な役回りが無いってことで、もちろん、実存した人名を使うってことは、その義理も果たさなければならないのだろうが、それにしても全ての人物像が生々しくスバラシイ…

そのこと自体は、『嗤う警官』でも感じたことなんだけど、この話の舞台は、とかく同じような、国家の反省やら汚点として始終する実際の第二次大戦にまさに突入する際のこと…同じ零式艦上戦闘機がモチーフなのに、最近、ベストセラーになって映画もロングランになった、やたら文字数で読ませる放送作家さんとは違って、贅肉が無い展開の中で、国や組織では抑えられない飛行機乗りの気高さや、開戦の無意味さ、男女の心の機微がかえって肉厚に描かれていて、ほんとうに読んでよかったと思う。

まぁ、ここまでくっちゃべって、言うのもなんだけど…
未読で、これから読みたい人が居ると申し訳無いので、筋に関しては何も言いません(笑)が、人間は、もっとシンプルであって良いのでは無いか?とも考えさせられました。私も、“蛮行か愚行のどちらかを選べといわれたら、ためらうことなく愚行を選ぶ”…そんな安藤大尉でありたいと、今の日本が、近隣諸国を含め、諸外国に…いや内政にも行おうとしている様々な事柄は、銃弾を使わない“蛮行”のような気がしてならないと…そんな気持ちです。

とりあえず、元さん!次はエトロフ…行かせていただきます!(笑)

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2014年06月28日

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夏になると必ず戦争関連の作品を1冊読むことにしています。
本当にあったことを題材にしたものを手に取るようにしています。

笑う警官で知った佐々木譲さんの作品に、
歴史小説があったとは知らず、思わず手に取りました。
読み始めた時から次のページを早くめくりたくなる気持ちになりました。
歴史小説でこんな気持ちになるのははじめでです。

今年は映画でも零戦を扱っています。
戦争の中の零戦ではなく
零戦を作った人、ゼロ戦を操縦した人の
モノづくりの心と扱う人の心を
自分なりにもっと知りたくなりました。

そして、本当にベルリンに零戦は行ったのでしょうか?
日本人パイロットがベルリンにいたのでしょうか?
日本の零戦はどれほど世界に影響を与えたのでしょうか?
ドイツには採用されなかったと記されていましたが
ほかの国では日本の飛行機は良く映ったのでしょうか?

作品は事実だけを語り終えたかのように閉めているため
色々な疑問や気持ちが湧き出てきて
「読んだ~」っという気持ちになりました。

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2013年07月29日

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なんとも躍動感に満ちた物語。
どこまでがフィクションなのか、判断は難しい。

三部作の第一部であり、登場人物たちは、続編にも複数登場する。
どうして、ベルリンまでの飛行が成し得るのか、
その好奇心に駆られて、ついついページを繰り続けてしまった。

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2013年04月20日

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ネタバレ

第二次大戦直後、当時日本で開発された最新鋭の零戦に乗り、日本からドイツまで敵国の目をかいくぐりながら航行して行く。史実には残されていない、歴史の裏側を描いた冒険譚。

小さい文字で500ページ超の大作ですが、半分は零戦が飛び立つまでの、関係各位の思惑の描写。早く本題に入ってくれと思いつつ、綿密に描かれる時代と人物の描写は退屈どころか読み応えがあって面白く、後半への期待感も高まります。

と思っていたら、実際の飛行場面は意外にあっさりと各中継地点にたどり着き、ラストシーンもサクっと終わってしまいました。もうちょっと後半の描写を充実させても良いかなと思いました。安藤大尉を筆頭に、魅力的な人物たちが最も活躍していた所だっただけに、もっと彼らの営為を読んでいたいと。

本作に続く作品は舞台や登場人物もだいぶ違うようですが、ベルリン到着後の安藤大尉の活躍ぶりも読んでみたいなぁと思いました。叶わぬ願いでしょうけど…

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2012年10月05日

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余韻のある終わり方がいいね。
格闘戦のシーンは息がとまる。
 いかにも映画になりそうだけど、まだなっていない。海老蔵なんかが出そうだけど。

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2011年11月11日

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面白かったです。お話は日独伊三国同盟締結直後。イギリスの最新戦闘機に悩ませられたヒトラーは日本で開発された最新鋭戦闘機である零戦のライセンス生産の為に二機の購入を依頼す。安藤大尉と乾一空曹との命を賭けたベルリンまでの大飛行の物語です。

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2023年07月09日

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ずっと読みたかった佐々木讓さんの冒険小説。
面白かったが飛び立つまでがちょっと長い。
着陸の為の中継地点を築く話は面白い(インドの藩王国)が飛び立ってからが意外とあっさりと進む。
飛行士の2人は魅力的。
三部作の残りも読みたいと思う。

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2020年06月27日

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とても面白かった。零戦をベルリンまで飛ばせという戦時下における壮大な愚行…。戦線で蛮行に加担するくらいなら、飛行機に乗れるのならばと、指令に応諾した安藤大尉。唯一の居場所を追い求めた哀しくも誇り高い男の物語ですね

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2019年03月31日

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中学か高校のときに読んで以来の再読。のめり込みました。
乾の行方に涙した後の、グラーフとの再会がすごい救いになっている。ちょっとだけ救われた気分で読み終えられる構成に感謝。

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2018年05月13日

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ネタバレ

フィクションなのか、ノンフィゥションなのか。
その狭間をたゆたう物語。
その当時、日本からベルリンまで戦闘機を飛ばすのにどれだけ困難があるのか。
前半は、困難を克服するための準備を描く。
こちらも困難だらけ。
後半は、実際に飛行することでの困難を画く。
まさしく困難。
最後はもう少し主人公の安藤大尉の心理描写が欲しかった。

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2016年05月15日

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これも、どこまで事実なのか?
冒頭には、事実のように取材記録が書かれているが、これ自体がお話の可能性もあり。
ストーリーはとてもおもしろい。
もう少し、後日談が書かれていると更に良かった。

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2013年06月09日

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零戦にまつわるこんな史実があったとは知らなかった。当然、フィクションの部分もあるのだろうが、違和感なく引き込まれた。吉村昭の「深海の使者」を思い起こす作品だった。

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2012年11月13日

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娯楽作として上々の出来栄え。
登場人物の陰影も良い意味での紋切り型であり、非常に分かり易いオーソドックスな作品。
最近ひねた作品を多く読んでいるような気もするので、読んだタイミングも良かったかも。

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2012年08月14日

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さすが佐々木先生
最初は、とっつきにくいが
後半、グイグイですね
単行本で読んだけど
写真がないので文庫で登録
4.4

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2012年06月28日

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ネタバレ

佐々木譲『諜報3部作』の序曲。第二次大戦中、同盟国のナチス・ドイツから新鋭戦闘機「零戦」の技術開示を要求された日本は、腕は立つがその高潔さから命令違反を繰り返す安藤大尉と乾軍曹にベルリンまで「実物」を飛ばして運ぶことを命じる・・・。零戦を飛ばす安藤大尉たちの雄姿もさることながら、ロジスティックを担う本国の山脇順三や大貫誠志郎大佐、二人の航路を確保するために暗躍したアジア各地の諜報部員たちについても筆が割かれ、質の高い娯楽活劇に仕立て上げている。時代設定も「太平洋に敵なし」を誇った太平洋戦争劈頭だけに高揚感も漂う。

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2011年11月19日

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こういう戦争小説が読みたかった。蛮行が横行し泥沼化する戦争を主人公の目と海軍上層部の空気でしっかり批判していながら、戦争加害者小説にも被害者小説にも収まらない、読み応えのある戦争小説としてしっかり読みすすめられる。当時のインド・イラクの状況については初見の事も多く勉強にもなった。ただ、この小説の色には不必要なんだけど、安藤の空での活躍のシーンがもっと読みたいと単純に思ってしまう。

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2011年09月24日

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かなりおもしろい。男のロマンですね。それをロマンと感じる自分も男ですw
日独伊同盟直後、2機の零式戦闘機がベルリンにいったという噂があった。
それで佐々木さんが調べ、限られた証拠や証言の中から物語におこしたもの。

佐々木さんは文章がうまい。安心感ハンパない。

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2011年07月30日

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圧倒的な空軍力を持ちながら、BATTLE of BRITAIN を征しえなかったドイツ。
ヒットラーの鶴の一声で、航続距離の長い零戦の評価試験を行うことになり、
日本から長躯、2機の零戦がドイツを目指す。

長距離飛行試験のくだりは『大空のサムライ』を、
日本からドイツへの飛行経路は神風の欧州訪問飛行を参考にされたのだろう。
零戦の空輸飛行の描写自体はあっけないが、それ以前の、
太平洋戦争突入前夜の日本の世相描写が興味深かった。

ラスト・シーンの描写が鮮やかで、
残った燃料の霧を撒き散らしながら砂漠目指して蒼穹を舞い落ちる
僚機の増槽が目に見えるようだった。

本作品の前日譚『鷲と虎』もお奨め。

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2012年11月13日

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太平洋戦争開戦前、海軍航空隊の凄腕パイロット2名が、新鋭機「零式艦上戦闘機」を対英戦まっただ中のベルリンへ、敵勢力圏を突破し空輸するという物語。警察モノで昨今有名な著者ですが、このあたりのジャンルも巧いですね(警察モノ読んだこと無いけど・・・)。ストーリーもリアリティ抜群で、スケールも大きく、おもしろかったです。ただ、終わり方がちょっと寂しいというか、もう少し爽快感みたいなものがほしかったなぁ、と。

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2011年09月25日

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「蛮行ならば迷うことなく愚考を選ぶ」といったことばにあらわされるような安藤大尉の男気がとにかくかっこいい。ストーリー的には前半は少し長い感じでしたが、後半は一気読み。まるで実話なの?というリアリティーも感じました。

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2020年05月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読後、こんな歴史があったのかと調べたくらいドキュメンタリータッチのフィクション小説です。
この人の文章力はやはりおそるべし。

国ぐるみの愚行に歯向かった軍人は、優秀であるがゆえに上から疎んじられる。
こうした有能な人材を生かしきれないのが、日本に綿々と続く官僚制度の弊害だということに、いい加減気付くべきだ。
やはり、国をしょって立つべき人物は超の付く優秀さと大局観が無ければ、国民が泣かされることになるのが歴史の必然。
7月の参議院選挙は、心して投票しましょう。

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2019年06月26日

Posted by ブクログ

日米ハーフな安藤は飛行機乗り。飛行機が好きだから軍人になった。中国での民間人殺戮を拒否し、軍隊では鼻つまみ者(賛同者も多い)
これはゼロ戦をベルリンに運ぶ話。半分以上、運ぶまでのなんやかやなの。インド中東経由なので、いろいろあったり、一機しか着かなかったり。
切ないのは、結局ゼロ戦ドイツでは役にたたないと判断されたこと。
これ、第二次大戦3部作だから、どこかで安藤出てくるのかな。

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2014年02月23日

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ネタバレ

1940年。
欧州戦線にて、英国に苦戦していたドイツは、同盟を結んだ日本に“タイプ・ゼロ”の移送を求めた。
任務にあたるのは、エースパイロットでありながらも軍内ではやっかい者として知られる安藤と乾。
一方、機の補給基地を確保するため、柴田は工作員として動くのだが……。

戦争秘話という形式で描かれるハードボイルド風の作品。
苦労してゼロを運んだものの、結局ドイツの期待に応えるものではなかったというのが寂しい。

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2014年01月13日

Posted by ブクログ

バトルオブブリテンに関する本を何冊か読んだけど、その都度思ったのが『ゼロ戦がドイツ空軍に配備されていたら歴史は違っていたのでは...』だった。

日本からドイツへゼロ戦を空輸するために練られた計画。

ひょっとして史実の部分もあったのでは? と思わせる上手い構成にしてやられた感を感じる一方で、もう少しハラハラドキドキ感も欲しかったかなと。

当時の欧米によるアジアから中東・トルコ辺りに対する政策や現地の状況にも触れられていて、関心を持たせてもくれました。

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2013年08月04日

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「永遠の0」を読んだ上で読むと、尚良い。書かれたのはこちらがずっと前だけど。むしろ、この作品が「永遠の0」の起点になっているようにも感じた。「臆病」という両作品に重なる単語も出てくるし。

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2012年11月16日

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設定は魅力的だが、物語としてのバランスに欠ける。 飛び立つまでが冗長、逆に肝心の飛行任務中の話があっさり。 物語のディテールや登場人物の造形に 作者の並々ならぬ意気込みを感じたが、 結局それしかなかったような気がする。 素材はいい。料理の仕方がまずい。惜しい!

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2011年10月02日

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ネタバレ

読後感としてこれは史実なのかと思わず、検索してしまうほど良く書けている。そしてストーリーの主人公、安藤のサムライパイロットのカラーが空の浪漫と合致して物語りに爽快感とスピード感を与えている。安藤の飛行士としてのプライドと姿勢、そしてドックファイトが、醜悪極まりない帝国日本陸軍と海軍をコントラストとして描いている。そして安藤は世界各地でレジェンド化していく。

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2011年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 この手の小説は、先が見えているので読んでいてむなしいやら悲しいやらなのですが、零戦をベルリンへ飛ばすまでの人々の努力、また、それが実りの薄いものであろうことを皆が薄々気づいていながらも挑んでいく姿勢がかっこよかったです。

 難しく時間のかかる小説かと思いましたが、時代よりは人物に焦点を当てたヒューマンドラマで、さくさくっと読めました。
 ただ、話としては単にベルリンへ行く過程があるのみで、物語としてなにを主張したいのかという部分が薄かったかな、と思います。

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2014年10月01日

Posted by ブクログ

最初はぐだぐだだったけど、途中あたりからなかなか面白くなってくる。
小説全体から何か教訓を得られるわけではないけれども。

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2010年08月15日

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