【感想・ネタバレ】ベルリン飛行指令のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

第二次大戦直後、当時日本で開発された最新鋭の零戦に乗り、日本からドイツまで敵国の目をかいくぐりながら航行して行く。史実には残されていない、歴史の裏側を描いた冒険譚。

小さい文字で500ページ超の大作ですが、半分は零戦が飛び立つまでの、関係各位の思惑の描写。早く本題に入ってくれと思いつつ、綿密に描かれる時代と人物の描写は退屈どころか読み応えがあって面白く、後半への期待感も高まります。

と思っていたら、実際の飛行場面は意外にあっさりと各中継地点にたどり着き、ラストシーンもサクっと終わってしまいました。もうちょっと後半の描写を充実させても良いかなと思いました。安藤大尉を筆頭に、魅力的な人物たちが最も活躍していた所だっただけに、もっと彼らの営為を読んでいたいと。

本作に続く作品は舞台や登場人物もだいぶ違うようですが、ベルリン到着後の安藤大尉の活躍ぶりも読んでみたいなぁと思いました。叶わぬ願いでしょうけど…

0
2012年10月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

フィクションなのか、ノンフィゥションなのか。
その狭間をたゆたう物語。
その当時、日本からベルリンまで戦闘機を飛ばすのにどれだけ困難があるのか。
前半は、困難を克服するための準備を描く。
こちらも困難だらけ。
後半は、実際に飛行することでの困難を画く。
まさしく困難。
最後はもう少し主人公の安藤大尉の心理描写が欲しかった。

0
2016年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

佐々木譲『諜報3部作』の序曲。第二次大戦中、同盟国のナチス・ドイツから新鋭戦闘機「零戦」の技術開示を要求された日本は、腕は立つがその高潔さから命令違反を繰り返す安藤大尉と乾軍曹にベルリンまで「実物」を飛ばして運ぶことを命じる・・・。零戦を飛ばす安藤大尉たちの雄姿もさることながら、ロジスティックを担う本国の山脇順三や大貫誠志郎大佐、二人の航路を確保するために暗躍したアジア各地の諜報部員たちについても筆が割かれ、質の高い娯楽活劇に仕立て上げている。時代設定も「太平洋に敵なし」を誇った太平洋戦争劈頭だけに高揚感も漂う。

0
2011年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読後、こんな歴史があったのかと調べたくらいドキュメンタリータッチのフィクション小説です。
この人の文章力はやはりおそるべし。

国ぐるみの愚行に歯向かった軍人は、優秀であるがゆえに上から疎んじられる。
こうした有能な人材を生かしきれないのが、日本に綿々と続く官僚制度の弊害だということに、いい加減気付くべきだ。
やはり、国をしょって立つべき人物は超の付く優秀さと大局観が無ければ、国民が泣かされることになるのが歴史の必然。
7月の参議院選挙は、心して投票しましょう。

0
2019年06月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1940年。
欧州戦線にて、英国に苦戦していたドイツは、同盟を結んだ日本に“タイプ・ゼロ”の移送を求めた。
任務にあたるのは、エースパイロットでありながらも軍内ではやっかい者として知られる安藤と乾。
一方、機の補給基地を確保するため、柴田は工作員として動くのだが……。

戦争秘話という形式で描かれるハードボイルド風の作品。
苦労してゼロを運んだものの、結局ドイツの期待に応えるものではなかったというのが寂しい。

0
2014年01月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読後感としてこれは史実なのかと思わず、検索してしまうほど良く書けている。そしてストーリーの主人公、安藤のサムライパイロットのカラーが空の浪漫と合致して物語りに爽快感とスピード感を与えている。安藤の飛行士としてのプライドと姿勢、そしてドックファイトが、醜悪極まりない帝国日本陸軍と海軍をコントラストとして描いている。そして安藤は世界各地でレジェンド化していく。

0
2011年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 この手の小説は、先が見えているので読んでいてむなしいやら悲しいやらなのですが、零戦をベルリンへ飛ばすまでの人々の努力、また、それが実りの薄いものであろうことを皆が薄々気づいていながらも挑んでいく姿勢がかっこよかったです。

 難しく時間のかかる小説かと思いましたが、時代よりは人物に焦点を当てたヒューマンドラマで、さくさくっと読めました。
 ただ、話としては単にベルリンへ行く過程があるのみで、物語としてなにを主張したいのかという部分が薄かったかな、と思います。

0
2014年10月01日

「小説」ランキング